大河ドラマ「おんな城主 直虎」では、戦国の世に女でありながら城主として国の采配を振るう直虎(柴咲コウさん)の活躍が描かれます。
大国に翻弄されながらも井伊が生き残る為に奮闘しますが、第21回からは龍雲丸一味とのストーリーが展開されています。
第23回「盗賊は二度 仏を盗む」。
サブタイトルの元ネタは「007は2度死ぬ」、有名な007シリーズの1967年に公開された第5作目です。前回、井伊谷三人衆の一人・近藤康持(橋本じゅんさん)が、菩提寺のご本尊を盗まれたと、小野政次(高橋一生さん)の元に訴えに来ました。「二度仏を盗む」とは誰がどうやって、もう一度盗むのでしょうか?
前回の第22回「虎と龍」を見逃した方は、是非、こちらをご覧下さい。
どうなる一味?
近藤は、井伊で材木を切る一味は、以前に近藤の領地の材木泥棒だと見破り、一味がご本尊を盗んだと訴えます。政次は「すぐに賊を引き渡すように手配しましょう」と言って直虎の屋敷に向かいます。
龍雲丸(柳楽優弥さん)の一味と井伊の家臣と百姓は、直虎の催した宴会で意気投合、距離が縮まりました。二日酔いで目覚めた直虎は、「我のものになれ!」や「どこかに隠し子はいないか?」と龍雲丸に言ったことを覚えていない様子。龍雲丸への好意がだだ漏れ、お酒は怖いですね。
直虎たちは屋敷で近藤の訴えを聞きます。直虎は「その者たちは以前のような盗みはせぬ!」と言い切ります。その言葉で逆に、材木泥棒が井伊にいることを認めることに。仕方なく直虎は一味を近藤に引き渡すことに同意しますが、先回りして一味を逃がすように中野直之(矢本悠馬さん)に命じます。近藤たちが早いのか、直之が先か。
一味のねぐらにたどり着くと、全員逃げて誰もいませんでした。直虎はホッとします。
後で分かりましたが、一味が逃げることができたのは、政次が弟嫁のなつに頼んで知らせていたからでした。
帰ってきたご本尊
南渓和尚(小林薫さん)は直虎に、近藤の菩提寺にご本尊の寄進を提案します。近藤に黙って罪をうやむやにした手前、直虎は「もう手打ちにしたほうが良いと思うのじゃ」という南渓和尚の言葉に従います。
近藤の菩提寺を訪ね、頭を下げる直虎。
南渓和尚は新しい御本尊を寄進するにあたり、置き場所を確認します。棚の観音扉を開けると、なんとご本尊がそこにあるではありませんか!ひょうひょうとご本尊を持ち上げ仏師を確認し、本物だと確認すると「もしやとは思いますが…ご本尊御自ら戻ってこられたのじゃな?」と言う南渓和尚。
近藤は困惑しつつ、南渓和尚に従い訴えを退けます。直虎は何が何やらまったく分からない様子。
どんな罠をしかけた?
南渓和尚はご本尊のことを知った上で、近藤を柔らかく追い詰めたのでした。南渓和尚は直虎に真相を教えます。この罠を思いついたのは龍雲丸だったのです。
近藤がやってきた日の夜半、龍雲丸が南渓和尚を訪れました。龍雲丸が「仏像なぞ盗んでねえですよ」と話します。おそらくご本尊が盗まれたというのは嘘、ご本尊はそのまま寺に置いているのだろう。新しいご本尊を寄進すると言って寺を訪問すれば、ご本尊を隠すに違いない。そのとき龍雲丸が忍んで棚に戻してしまう。南渓和尚が盗まれていないことをやんわりと責め、うまいこと丸め込むという作戦だったのでした。
皆の思い
一味はぽつりぽつりとねぐらに戻ってきました。この後、どうするか…直之も方久(ムロツヨシさん)も一味を家来にしたいと言います。直虎は政次がなつを使って一味を逃したことを知り、一味を家来にするかどうか、政次の判断に従うと伝えます。
政次は意外にも「反対はいたしませぬ」という返事でした。龍雲丸に「そなた、井伊に仕える気はないか」「返事は銭を渡す時でよい」と伝えた直虎。龍雲丸が手下に相談すると、皆まんざらでもない様子。
こうして材木仕事の報酬である銭を渡す日になりました。家臣一同そわそわと、めかしこんで井伊の屋敷に集まります。空を見上げると、登るような龍の形の雲が。そしていよいよ龍雲丸と一味が屋敷に訪れます。
銭を渡した後に「当家への奉公の件じゃが、返事は?」と直虎。しかし龍雲丸はあっさり断ってしまいました。「空に雲があったからさ」と言う龍雲丸。直虎が「なんじゃそれは」とあきれると、政次は「ぷっ」と密かに吹き出しました。
次回は
次回は、第24回「さよならだけが人生か」です。
龍雲丸編は、いったん終わりのよう。
「さよならだけが」とは、誰とのさよならなのでしょうか?
次回も、見逃せません。