大河ドラマ「おんな城主 直虎」、第36回「井伊家最後の日」を観ました。
龍雲丸は直虎の必死の看病で息を吹き返し、歩けるほど元気になりました。お家再興の見通しが立たない井伊家に対し、徳川家は遠州を手にいれ領土を拡大しています。
今回のサブタイトルは「井伊家最後の日」。元ネタは「地球最後の日」ですね。1933年に出版された、いわゆる「終末もの」で、放浪惑星が地球に衝突すると予測され、ロケットで地球を脱出します。天体が飛来するタイプの終末ものとしては、先駆者的な存在です。
前回の第35回「蘇りし者たち」を見逃した方は、是非、こちらをご覧下さい。
戦が終わり…
龍雲丸(柳楽優弥さん)は龍雲党の皆が戻ってくるかもしれないと、しばらく龍潭寺に留まることにします。南渓和尚(小林薫さん)が抱く猫がなんとも可愛らしく、とりあえず平和が戻ったのだな、と感じます。
今川氏真(尾上松也さん)とその妻はる(西原亜希さん)は、はるの実家である北条に身を寄せていました。北条氏康(村上弘明さん)を、氏真は「さすが相模の獅子でございますな」と持ち上げます。北条氏康も「これは天誅じゃ」と上機嫌で酒を飲みます。地位も領地も失った氏真ですが、悲壮感もなく意外と元気です。
一方、徳川家康(阿部サダヲさん)は岡崎城で「ほれ見よ、なんとかなったではないか」と、こちらもご機嫌で碁を打ちます。しかし妻の瀬名(菜々緒さん)が現れ「井伊をお見捨てになったことは、真でございますか!?」と、碁石を手で払いながら詰め寄りました。
すると家康の生母・於大の方(栗原小巻さん)が現れました。初登場です。瀬名に「殿もまだお若い、どうぞ温かい目で見守ってください」と言うと、瀬名は静かに「口が過ぎましたようでございます」と言って引き下がりました。
井伊家を背負う
井伊谷では近藤康用(橋本じゅんさん)の足の怪我も回復し、中野(矢本悠馬さん)、奥山(田中美央さん)、新野らを召し抱えてもよいという提案をしてきたのです。
そして松下常慶(和田正人さん)が龍潭寺を訪れ、虎松(寺田心くん)を子供のいない松下家の養子にしたいという提案をしてきました。
虎松を養子に出せば、井伊家を再興はすることはもうできません。龍雲丸は尼小僧様がやりたようにすればいいと言いますが、直虎は「やりたいようにと言われてもの…」と、困惑した様子です。
南渓和尚は、夜、井戸端で座禅する直虎に「もうやめじゃ、次郎」と話しかけます。「井伊はここで終わらせよう」「もう十分じゃ、そなたはようやった」と言われて、直虎はむせび泣きます。張り詰めた糸が切れたのでしょう。
直虎は川名の隠れ里と、虎松の隠れる寺にそれぞれ出向き、今後のことを話します。近藤へ士官してもよし、川名に留まってもいい。虎松は松下に養子に行ってもいいし、寺でこのまま僧として生きてもいい。
皆、直虎が「我はもう、井伊を再興するつもりはない」と言ったことに驚きます。中野は反発。虎松も「あきらめたら負けだというたのは、殿ではございませぬか!」と泣き叫びます。南渓和尚は虎松を「あれはもう殿ではない。それならば従う道理もないということじゃ」と、焚き付けるような言い方で励まします。
新なる道
直虎の母の祐椿尼(財前直見さん)が龍潭寺を訪れます。中野は近藤に士官し、井伊谷を守りたい。高瀬は身分を隠して井伊谷に。新野家のあやめは、そろそろ嫁ぎたい…など、それぞれの希望を伝えました。
そして虎松の寺から戻った南渓和尚は、虎松が松下家の養子に行くことを了承したと伝えます。
吉日、虎松は松下源太郎(古舘寛治さん)の元に。利発そうに「父上!」と呼ぶ虎松に「これはなんという聡い子じゃ」と松下も喜びます。しのも嬉しそうです。中村たちも近藤の治める井伊谷に戻り、それぞれの新しい道を歩むことになります。
直虎は井戸端でお祈りをします。主としての役目を終えたと、ご先祖様に報告をします。しかしあやめの嫁ぎ先がまだ見つからないようです。なかなか結婚できないキャラです…。
龍雲丸に「かしらは今はやりたいことはないのか」に質問すると、「おらあ一緒になりてえ女がいるんですが、どうしたもんですかね」と答えます。直虎は驚き、ドギマギして目を合わせられません。「おれはアンタのそばにいてえんですから」とプロポーズのような告白をします。直虎の尼頭巾をとり、優しく抱きしめました。直虎は還俗し、農婦として生きる道を選びます。
北条氏康が病死し、庇護者がなくなった今川氏真が、今度は浜松城に敵だった家康を頼って庇護を求めたのです。プライドも何もありませんが、すべては命あっての物種だと、割り切っているのでしょうか。
そして北条氏康の子、氏政と同盟を結んだ武田信玄は、西にと侵攻を開始します。
次回は「武田が来たりて火を放つ」。武田と徳川の戦が始まるのでしょうか。
予告では龍雲丸が直虎こと還俗したおとわに、堺に一緒に行こうと告げています。
次回、戦国の世も気になりますが、おとわと龍雲丸の行方も気になります!