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大河ドラマアンコール 風林火山 「第18回 生か死か」のネタバレとあらすじと感想。

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「風林火山」は、2007年1月7日から12月16日まで放送された大河ドラマです。

2017年、4月からNHK BSプレミアム日曜昼12時から、大河ドラマアンコール枠で再放送されています。

2017年7月31日に放送されたのは、第18回「生か死か」です。

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前回は、山本勘助(内野聖陽さん)が、諏訪頼重(小日向文世さん)の娘である、由布姫(柴本幸さん)が生きたいと強く願う姿が、亡くなった妻のミツ(貫地谷しほりさん)と重なり、思わず桑原城から連れ出し、命を救ってしまいます。

武田晴信(市川猿之助さん)は、勘助が由布姫を救ったことを知り、由布姫を側室にと望みます。勘助を信じ、逃げていた由布姫と侍女たちは、逃走の途中で勘助に連れ戻されます。

武田の家臣たちは皆、「寝首をかかれる。」と反対しています。当の本人の由布姫も、親の仇である晴信の側室になることを容易に受け入れません。

勘助の計略は、由布姫の女心も掴めるのでしょうか?

前回の第17回「姫の涙」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。

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それでは、第18回「生か死か」のあらすじと感想です。

目次

晴信が諏訪の民を虜にする

諏訪頼重の嫡男、寅王丸を奉じ、諏訪へ出陣した晴信は、天文11年(1542)10月、諏訪全土を手中に収めました。守矢頼真(大木章さん)に諏訪上社神長を任せ、新しい大祝には諏訪家家臣の、諏訪満隣(小林勝也さん)の子息、伊勢宮丸に任せることにしました。

晴信による諏訪の新体制です。

諏訪家の旧臣たちは皆、由布姫の処遇を気にかけていました。

「姫の処遇は、追って沙汰いたす。寅王丸の後見として、諏訪の地が永劫栄えることを願っている。皆、心して励むがよい!」と、晴信は、諏訪の人々の心を虜にして甲府へ帰るのでした。

一方、晴信の妹、禰々(桜井幸子さん)は病にかかっていました。見舞いに来た晴信に禰々は、「寅王丸に諏訪を継いで欲しくない。由布姫に諏訪を継いで欲しい。寅王丸には、兄上のようになって欲しくない。」と力を振り絞るように告げます。「諏訪家の家督を継ぐのは、泣き頼重様のご遺志じゃ。」と晴信は言いますが、禰々はその言葉を聞かず眠ってしまうのでした。

由布姫を甲斐へ迎える

由布姫は勘助に守られて甲斐へ入り、板垣信方(千葉真一さん)の屋敷に迎えられます。由布姫は「丁重なお計らい、痛み入ります。なれど、私は戦に負けた諏訪家の娘。手荒く扱われた方がまだ、心が休まります。願わくは父上が自害した東光寺にでも置いてください。」と穏やかな口調でありながら、板垣に対して戦闘態勢を崩しません。

由布姫の侍女、志摩(大森暁美さん)は諏訪家の姫であることを忘れないよう由布姫に釘を刺します。諏訪家の誇りを捨てるな、ということなのでしょう。板垣に言った言葉が、弱気な言葉に聞こえたのかもしれません。

家臣達と由布姫について話し合う

晴信は家臣たちの前で改めて、由布姫を側室に迎えたいと表明します。「諏訪家にとっても遺恨を残さぬ道と心得るが、皆はいかがじゃ?」と聞きます。

信繁(嘉島典俊さん)は「滅ぼした家の息女を側室に迎えるなど、ますます、遺恨を残しましょう。」と言い、板垣は「諏訪の者どもが望みますまい。」と反対します。

晴信は「諏訪に戻せばよいか?」と言うと、甘利虎泰(竜雷太さん)は「戻せば、諏訪衆を巻き込み、武田家に逆心する恐れがあります。」と意見します。甘利は、諏訪家惣領家の流れをくむ由布姫が、将来生む子が、武田と敵対する恐れがあることを懸念していたのです。

諸角虎定(加藤武さん)は、出家させることを提案します。

家臣たちは、武田に恨みを抱いている姫の側室入りを反対するという事で一致していました。特に甘利は、桑原城攻めの時に自害させるべきだったと言います。

飯富虎昌(金田明夫さん)は、由布姫の望みは何か疑問を持ちます。

「姫様は生きる事をお望みでございます。姫様を生かす事は武田家にとっても最善の道。」という勘助に、「諏訪衆の恨みを煽れと言うか!」と甘利は怒り心頭です。

「諏訪の者どもはお屋形様をそこまで憎んでおりましょうか?諏訪家を滅ぼし、その姫を側女として掠め取るような大悪人と思っておりましょうや?

この合戦でお屋形様のご威光は、諏訪の地に深く行き渡ったものと存じます。

かくなる上はその人心を更に揺るぎなきものとする為、行く末を見据えることが何より肝要です。もし、お屋形様と姫様との間に和子様がお生まれになれば、その和子様こそが諏訪の惣領として最もふさわしいかと存じます。」と勘助は言います。

晴信と由布姫の血を引いた諏訪家の嫡男を作れば、寅王丸を諏訪家の一族として置いていても、諏訪を治めるのは晴信の息子。謀反の恐れもないだろうというわけです。

「姫を側室として迎えることが、武田家にとっても、主家の再興を願う諏訪衆にとっても、この上ない喜びとなるでしょう。」と家臣たちになおも訴えます。が、勘助の話を聞いても板垣は危険だと言います。

小山田信有(田辺誠一さん)だけは一人、「姫がお屋形様を慕わぬとも限りますまい。所詮男女の睦事も屈するか治めるか、戦と変わりありますまい。お屋形様の知略が物を言います。」と角度の違った意見を出します。

これで完全に話の流れが変わりました。晴信も困った様子です。そして勘助に姫から返事をもらってくるよう指示を出すのでした。

晴信が由布姫に歌を送る

勘助は、由布姫に晴信から側室にと望んでいる話をしていましたが、由布姫は一向に話を聞いてくれていません。勘助は改めて由布姫に「晴信が側室にと望んでいる。」と話します。由布姫は「考えたくもない。」を部屋の奥へ引っ込もうとします。

側室になる事も考えないで、どうやって生き延びようとしていたのか。好きなように生きようにも、女の由布姫ではたかが知れている。好きに生きるには力が要る。

晴信の側室となり、男の子を生むことで力が得られる。武田家と諏訪家の血を引く子を生んで、その子にどのような魂を吹き込もうが由布姫次第。だと勘助は説得します。

震えた手を押さえながら由布姫は部屋に戻っていくのでした。

これは正論ですけど、失礼すぎる言い方ですよね。プライドの高い女性に対してこの言い方は余計相手を頑なにするだけです。最低だなぁと思いました。そういう時代だから、正論なんですけどね。

晴信は、返事がもらえなかった勘助を笑います。勘助の計略も、戦ではあんなにうまく相手を落とせるのに女性には通用しません。

晴信は、「女人の心を引くには、かようにするものじゃ。」と由布姫あての歌を勘助に届けるよう指示します。

晴信はこんなことも出来るんですね!驚きました。そういえば、昔、父の信虎からうつけだと思わせるために、歌ばかり詠んで遊んでいる姿を見せていましたね!周りには女の人も何人かいましたし、この頃に女心を学んでいたのでしょうか?

勘助は歌を渡しに由布姫のもとを訪ねますが、由布姫はまだまだ頑なです。禰々の容態が悪いことを伝え、気を引こうとしますが、このことが余計に由布姫を怒らせます。

すぐ席を立とうとする由布姫を引き留め、勘助は晴信からの歌を渡します。

「君のいる 我が山里を つらく見て 心のうちに 待ちし春風」

晴信から送られた歌を、「下手だ。」と言って由布姫と侍女たちは笑います。そして「床の間に飾っておこう。何が文武に優れた大将じゃ。この次、あの山本勘助が来たら笑ってやるのじゃ。」と由布姫は晴信の思惑通り、心が和んだのでした。

甘利と三条夫人が由布姫を訪問

武田には不幸が続きました。三条夫人(池脇千鶴さん)が生んだ三男は、生まれてすぐ病死しました。病に伏せっていた禰々も亡くなりました。しかし、禰々の葬儀に由布姫は、参列を許されませんでした。

三条夫人は、子を失ったのは禰々の恨みなのかと考え、禰々に代わりに由布姫を慰めようと、由布姫に会おうとしていました。晴信が側室を迎えるのは政であるし、正室の務めとして会わななければと思っていたのでした。

同じ頃、甘利が由布姫に会いに出向いたと、勘助に知らせが入ります。板垣は諏訪郡代に任じられて留守で、屋敷にはいなかったのです。

甘利は短刀を由布姫の目の前に置き、話し始めます。

「禰々様は諏訪家の正室として、まことにお見事なご最期にござりました。あれはご自害と存じます。」と甘利が言うと、「いいえ、自害ではありません。諏訪家の者としてご最期を遂げられたのなら、それは武田家に討ち取られたのです。」と由布姫は答えます。

甘利は、「生き長らえているのは、その若さと美しさでお屋形様に取り入ろうとしておられるのか。」と由布姫を侮辱する言葉をぶつけ、自害を進めるような態度を取り、由布姫を追い詰めます。

さらに侮辱し続けられた由布姫は、短刀のさやを抜きます。そして刃先を喉元に向けようとした瞬間、勘助が来て甘利を止めます。しかし甘利は、「や~!」と言うと、由布姫に向かって拳を振り上げます。

震えながら由布姫は短刀を収め、「甘利殿、自害はしません。此度のことはお忘れ下さい。」と言います。由布姫は、甘利が自分を討ちに来たのではなく、討たれに来たのだと見抜いていたのです。甘利は去り際に「聡明な姫じゃ。」とつぶやくのでした。

家臣にそこまでさせる晴信に、由布姫は興味が湧き始めました。勘助にどんな男かと尋ねます。勘助はかつて、妻を武田の先代に殺されて武田を恨んでいたが、晴信に恨みを断ち切ってもらったと、これまでのいきさつを話します。

失望の中にこそ、まことの大望は生じる。大望がなければ、恨みを晴らしたとて何になろうぞ。」と晴信が言った言葉を言います。「その大望が、私にとって、諏訪の為に武田の子を生むことですか?」と由布姫は聞きます。勘助は「さように存じます。」と力を込めて答えるのでした。

落ち着いたところに、今度は三条夫人が訪ねてきます。

「身一つでこの甲斐に来て、さぞ嘆いている事であろう。」と優しく由布姫に声を掛けます。

「いいえ、嘆いてはおりませぬ。これも定めにございます。」と言う由布姫の背後の床の間に、晴信から送られた歌が飾られてあるのを三条夫人は目にします。

「定めならば、そなたの心がけ次第でどのようにも楽しめるという事か。さような恥じらいまでなくすとは、まことに国は滅びたくないもの。」と捨て台詞を言い、由布姫のもとを去っていきます。そして涙を流すのでした。

由布姫は後ろを振り返り、歌の短冊を見て、三条夫人の心の内を計ります。

確かにこれは楽しんでいると見えますね。家を滅ぼされ、滅ぼした側としては申し訳なく思い、慰めに来たのに、これでは返り討ちにあったようなものです。

由布姫が武田に入る決意をする

由布姫は甘利に続き、三条夫人まで自分に切られに来たのを見て、自分だけ無傷でいるわけにはいかないと、武田に入る決心をします。

こうなるために生き延びたかもしれないとまで思う、由布姫でした。

傷つけられた被害者とばかり思っていた由布姫でしたが、自分がいることで武田家中の者を傷つけていることにようやく気付いた由布姫です。これは切ないですね。

次回の予告では、閨で由布姫が晴信に短刀を向けている様子が映っていました。

いよいよ武田に入る由布姫。女の戦いも静かに始まります。

次回、第19回「呪いの笛」、ぞくぞくします!

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