戦国時代、井伊家では領主が次々と死亡。
井伊の姫・直虎(柴咲コウさん)は井伊家の幼い男子(寺田心くん)が成人するまで、井伊谷のおんな城主となることを決意します。
2017年5月28日放送、第21回のサブタイトルは「ぬしの名は」。
これは2016年の大ヒットアニメ映画「君の名は」が元ネタだと思われます。何度も登場した盗賊の頭(柳楽優弥さん)の名前が、やっと判明するのでしょうか?
前回の第20回「第三の女」を見逃した方は、是非、こちらをご覧下さい。
囚われたおんな城主
直虎は、家臣の瀬戸方久(ムロツヨシさん)と奥山六左衛門(田中美央さん)を連れて、気賀の大商人・中村与太夫(本田博太郎さん)を訪ねます。
綿花で作った布を、高く売る方法を探しているのです。中村は穏やかな喋り方の人物で、この頃の商人らしく、南蛮の白シャツを着物の下に着込んでいます。戦国時代には服装の規律などなく、自由なファッションを楽しんでいたのではないでしょうか?
中村屋は、「気賀が商いの町として栄えたのは、船で荷を一時にたくさん運べるという利があるからにございます」と言い、望めば異国とも貿易ができると言います。
綿花の布をどうやって売るか、決まらない直虎一行。にぎやかな気賀の町を歩きます。売り物の襟飾りをつける直虎。宣教師などのイメージの、ひらひらの襟飾りです。奥山は「お似合いなのでしょうかね…」と言いましたが、妙に似合っていました。
そんな時に、子どもが直虎にぶつかってきました。直虎は、その子供を気遣います。ところが、その子供はスリで、銭入れをすられてしまいます。
直虎は、子供をアジトまで追いかけますが、子供の仲間に気絶させられ、捕まってしまいました。そして、その子供が所属している盗賊団の頭こそが、柳楽優弥さん演じる例の男なのでした。
混乱する井伊谷
奥山と方久は、中村屋に頼んで直虎を探してもらいます。
井伊谷に帰って、中野直之(矢本悠馬さん)や小野政次(高橋一生さん)らに伝えると、館は大混乱に。すると、直虎の銭入れと一緒に身代金要求の木札が届きます。
政次の知恵で、身代金を渡すと連絡し、受け渡すときに相手を捕らえることに。政次は和尚様にも助太刀を依頼したようです。
一方、直虎は逃げ出そうともがいて刀を見つけ、子どもを人質にここから出すよう要求。しかし、子どもはスキを見て逃げ出します。
「なぜ賊などしておる。まともに働く道などいくらでもあるじゃろうが」と頭に問う直虎。頭は、「あんたに言われたかないね。領主なんてのは大泥棒じゃねえか」と答えます。この言葉は、ずっと直虎の心に残ります。
翌日、なぜ武家が泥棒なのか問います。
「ガキでも分かる話だ。百姓が作ったもん召し上げてんじゃねえか」と答える頭。どこかおかしいと思う直虎ですが、睡眠薬で眠らされてしまいます。
中野と奥山たちは、直虎が捕まっている小屋に押し入りますが、賊はいません。実は頭の狙いは、身代金ではなく馬。しかし龍潭寺の僧・傑山(市原隼人さん)が弓で追い払い、馬も無事でした。
武家は大泥棒?
無事に帰った直虎。中野は賊を討伐するよう息巻きますが、直虎は賊の顔を見ていないなどと言って犯人探しは行いません。
武家は大泥棒だという言葉が、引っかかる直虎。信濃で百姓として育った高瀬姫(髙橋ひかるさん)に聞くと、「奪われていると思ったことのなねえものはおらんと思います」と答えます。彼女だけ方言なのが、どこか癒やされます。
直虎の母・祐椿尼は、「武家も一緒ですよ。武家がどんどん戦をするのは、戦を仕掛け土地を手に入れなければ、功を立てたものに与える土地がなくなってしまうからです。」と言います。直虎は、「この世は奪い合うことでしか、立ち行かぬということですか」と、答えが行き詰まります。
木を切る仕事
そんなとき、方久から材木をやりませんか?と提案されます。
木を切る人手が…と考える直虎。妙案を思いついたようです。直虎は盗賊の頭は神宮寺という人の少ない寺に呼び出します。
直虎は、「武家は大泥棒」について考えた結果を伝えます。武家も百姓も追い詰められば盗む。等しく卑しい。しかし、盗みをして暗がりに隠れ住む人生は幸せではない。奪い合わずともすむ世の中を作ればいい。という結論でした。壮大で直虎らしい考えですね。
直虎は、木泥棒をしたときの技術を見込んで、材木を伐採する仕事を依頼しました。世の中を変えたいという思想に思うところがあったのか、頭も依頼を承諾します。
そこで、初めて頭の名が判明。「そちの名は?」「龍雲丸でございます」ここでサブタイトルの元ネタ回収ですね。
はたして次回は
次回は、「虎と龍」です。
虎とは直虎、龍とは龍雲丸のことでしょう。
材木伐採で一悶着あるようです。次回も楽しみですね。