大河ドラマ「おんな城主 直虎」の第31回。
直虎は今川の滅亡が近いと予想し、あえて井伊を潰し、今川家重臣の首を徳川に差し出すことにより、井伊家を復活させるという道筋を描きますが、はたしてうまく行くのでしょうか?
前回の第30回「潰されざる者」を見逃した方は、是非、こちらをご覧下さい。
サブタイトル「虎松の首」ですが、元ネタは「ガルシアの首」という映画タイトルだと思われます。サム・ペキンパー監督が1974年に製作したアクション映画です。
取り潰された井伊家
徳政令を迫る今川家重臣・関口(矢島健一さん)。井伊谷の百姓たちは「徳政令は望まんに!」と、関口の泊まる部屋の前に押しかけました。
小野政次(高橋一生さん)は直虎(柴咲コウさん)の首に刀を当てながら「おれを信じろ、おとわ」と囁きます。その直後、百姓たちの前に出て「ここではっきり仰せられよ。百姓の前で、井伊は徳政令を受け入れこの土地を手離すと!」と直虎に迫ります。直虎は政次を信じて徳政令を受け入れました。
関口の出した書状に花押を書き、正式に徳政令を受け入れた井伊家。この時より井伊家は領地を失い、井伊谷は今川の直轄領になりました。
政次は今川方に付き従う態度を取ります。関口は政次に井伊谷を任せ、一度駿府へ戻りました。
翌朝直虎は、井伊家が取り潰されたことを皆に伝えます。直虎は祐椿尼(財前直見さん)や高瀬(髙橋ひかるさん)らの家族と重臣、そしてなにより希望の星である虎松(寺田心くん)を連れて、慌ただしく館を後にします。
龍潭寺に取り残された亥之助(荒井雄斗くん)。亥之助は政次の甥なので小野側です。状況を見て、政次が裏切ったことを知ります。
井伊の隠れ里
古い館にたどり着いた直虎たち。そこは川名の隠れ里でした。これからのことを皆に話す直虎。「一度しか言わぬ。そして一度聞いたら忘れて欲しい」と、井伊は潰れたが、今年のうちには戦が始まり徳川が攻めてくる。そうしたら関口の首を取って徳川に渡し、井伊をよみがえらせるのだ、と。
政次もすべてを知り、あえて今川についていることも伝えます。中村直之(矢本悠馬さん)は疑いますが、他の皆は政次を信じました。直虎は直之を説き伏せます。
険悪な空気を、奥山六左衛門(田中美央さん)がパチンと手を打って前向きな雰囲気に変えます。さすが六左、このドラマ随一の癒し系です。
直虎は虎松に川名の隠れ里について説明します。この里は直虎の曽祖父・直平や直親(三浦春馬さん)が守り抜いた、大事な里です。虎松は「私もここを守らねばなりませぬ」と、幼いながら将来の主君としての意識が芽生えているようでした。
虎松を守れ!
駿府では関口が、井伊は歯向かわずに領地を明け渡したことを今川氏真(尾上松也さん)に伝えます。しかし氏真は「井伊を断絶せよ」と、虎松の首を取るよう命じるのでした。
虎松はここに残って戦いたいと言いますが、皆に説得されて三河の寺に身を隠すことに。虎松の盾となる意気込みで、六左が同行します。
関口は政次に、虎松の首と引き換えに井伊谷の城代にすると告げます。政次は「お安い御用にございます」と不敵な笑みを浮かべながら答えました。
地獄へはおれが行く
尼姿に戻って龍潭寺をこっそりと訪ねた直虎。そこに政次が現れ「太守様が虎松の首をご所望じゃ」と、虎松が捕まらなければ直虎を代わりに差し出すと言って、直虎を監禁していまいました。
その夜、雨の降りしきる中、子供の亡骸を前に血に濡れた刀を光らせる政次。家臣たちの前で「案ずるな、地獄へはおれが行く」と言いながら…。
次の朝、直虎は「虎松の首を検めよ」と、館の庭に連れ出されました。恐る恐る首の入った箱を開ける直虎。
首を見た関口の部下が「なぜにかような厚化粧をほどこしておる、これでは分からないではないか」と聞くと、政次が「虎松君は疱瘡を患っておいででしたので、せめてかようにするのが礼儀かと…」と説明しました。直虎は何かを察し、首を抱きながら泣き崩れ、お経を唱えました。
龍潭寺を訪れた龍雲丸は、直虎も虎松も皆無事だったと聞き、ホッとします。しかし南渓和尚は、虎松の身代わりに1人の子供が犠牲になったと説明します。
直虎はこの、誰とも知れない子供の首を抱えて泣きながら、素手で穴を掘っていました。龍雲丸は直虎に、疱瘡を患って先の短いこの子は、親に銭を渡せてよかったのだと言って立ち去りました。直虎を慰めようとしているのが伝わりました。
夜中に盃を傾ける政次。亥之助が「叔父上、かけがえのない殿を、ありがとうございます」と頭を下げました。政次は「何の話だ」と、しらを切りました。政次は子供を殺め、首を偽って差し出すという危険を冒してまで、井伊家を守ったのでした。
次の第32回は、「復活の火」です。
予告では政次は戦に参加し、どこかの城が燃えています。これは井伊の館なのか、または今川の駿府館なのか…。
どうなって行くのか、次回も気になる展開です!