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大河ドラマアンコール 風林火山「第25回 非情の掟」のネタバレとあらすじと感想。

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「風林火山」は、2007年1月7日から12月16日まで放送された大河ドラマです。

2017年、4月からNHK BSプレミアム日曜昼12時から、大河ドラマアンコール枠で再放送されています。

2017年9月17日に放送されたのは、第25回「非情の掟」です。

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前回は、山本勘助(内野聖陽さん)は、北条氏康(松井誠さん)の援軍に向かった、河越城夜戦で、敵方の関東管領軍にいた、真田幸隆(佐々木蔵之介さん)を甲斐へ連れていく事に成功しました。真田は元の領地である、真田の郷の一部を武田晴信(市川猿之助さん)に知行されたのでした。

一方、諏訪にいた由布姫(柴本幸さん)が男子を出産、四郎と名づけられ、勘助は大喜びした…というのが前回のお話でした。

四郎が生まれたことでまた新たに問題が起きるようです。

前回の第24回「越後の龍」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。

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第25回「非情の掟」、あらすじと感想です。

目次

晴信、天皇へ寄進

天文15年(1546)、晴信は都から天皇の勅使、大納言三条西実澄(光岡源太郎さん)、中納言四辻季遠(西川瑞さん)を甲府に迎え、歌会を催していました。

勅使の公家たちは、東国において頭角を現し始めた晴信を頼り、寄進を求めてやって来ていました。晴信は「信州を治める。」と宣言して勅使たちを驚かせます。晴信は今や、名実ともに戦国大名として、その自信を深めつつありました。

三条西家は三条夫人(池脇千鶴さん)の実家の分家に当たる血筋で、文人として名を馳せており、世渡り上手でした。三条夫人の父は左大臣に上がっていることも晴信は把握していて、三条夫人は、都好みが過ぎると領内の統治がおろそかになると心配していました。

寅王丸を出家させる

諏訪小坂観音院では、四郎のお宮参りが行われました。晴信の代わりに、諏訪に置かれた勘助が、由布姫に付き添いました。

由布姫は、晴信が四郎に諏訪を継がせようとしていることを知ると、「諏訪家を継ぐのは寅王丸。寅王丸こそ、我が父の忘れ形見。諏訪家に残された嫡男。」と考えを言います。勘助は由布姫の意見を意外そうに聞きます。

由布姫は、「四郎は御屋形様の子なので、四郎が諏訪を継げば、寅王丸は下に付くしかなく、謀反を企てないとも限らない。」と心配します。「寅王丸にそのような目に遭わせたくない。四郎を寅王丸の支えとして育てたい。」と考えていて、勘助にもそのように頼みたいと、言うのでした。しかし勘助は納得せず、逆に、四郎をそのような目に遭わせたくない。と由布姫に言います。

由布姫は「ならば寅王丸はどうでもよいのか。」と厳しく言うのでした。

勘助は、諏訪上原城にいる、板垣信方(千葉真一さん)に由布姫の考えを伝えます。諏訪頼重(小日向文世さん)の叔父、諏訪満隣(小林勝也さん)は、「板垣殿の下でようやく諏訪に平穏が訪れ、武田になびき始めているので、四郎に諏訪家を継いでもらいたい。」と考えていましたが、寅王丸が異を唱える事も大いに考えられます。

板垣はその憂いをどうやって取り除くのか、考えます。勘助は任せてくださいと言うのでした。

勘助は、晴信の下へ行き、寅王丸を出家させようと進言します。晴信は由布姫が承知しないだろうと言うと、勘助は由布姫に黙って事を運ぶと言います。勘助は、駿河の雪斎(伊武雅刀さん)のいる、全得寺に預けようと考えていることを告げると、晴信は「相分かった!雪斎の遣いは、そちに任す。」と勘助に任せる事になりました。

勘助はこうやって晴信が言わないまでも、考えていることを先回りして、どんどん実現させていきます。

勘助は駿河に行き、今川義元(谷原章介さん)、寿桂尼(藤村志保さん)のいる前で雪斎に寅王丸のことを頼みます。諏訪頼重の嫡男を預かれと言う勘助に寿桂尼は呆れます。

義元は「厚かましい。虜にした諏訪の姫に和子を産ませたとの事。よって、厄介者となった嫡男を追放するか。父親だけに飽き足らず、甥までもこの今川に押し付けようと申すか?」と言うと、「仏門におすがりするのでございます。雪斎様の庇護を受けられますれば、仏道修行に何よりと我が主も存じております。」と勘助は返します。

寿桂尼は、「雪斎に預けるという事は、信濃に手を伸ばそうとしている武田家が、新たに今川に人質を差し出したと考えてもいいのか。」と尋ねます。勘助は「誼が新たに結ばれれば、幸い。」とうなづきます。寿桂尼は「万が一武田家が今川家の敵となれば、我らはその嫡男を大将として、諏訪へ乗り込む事も出来る。それは承知しておろうな?」と念を押します。

勘助も承知しています。雪斎は「もとより、仏の道は貴賤の別、事情のいかんを問うものではございません。来る者を拒むいわれはありません。」と受け入れるのでした。

義元は、直接雪斎の寺にでも行けばよいものを、わざわざ自分に取り次いできたことに対して腹を立て、席を立とうとすると、寿桂尼が「勘助はそなたの為を思って言うている。甲斐にいる勘助と誼を通じる事は、そなたにとって悪い話でもあるまい。」と言うと勘助はギョッとした表情になります。寿桂尼の観察眼に驚いた表情です。

義元は「そんな誼を喜ぶほど、我が領国の政は卑しくない。」と言い返します。心底人の為に動く者はいない。自分の為に動くもの。勘助はその欲が強すぎるから、義元は勘助を嫌っているのです。「主への忠節を隠れ蓑にして、それを人に悟られまいとしておる。それを隠す小賢しさも身に着けている。それがそちの醜さじゃ。」と言って去っていくのでした。

寿桂尼も鋭いですが、義元も鋭いですね!こんな勘助みたいな人が側にいたら、欲が見えすぎて、受け入れるこっちが恥ずかしくなるくらいになるんでしょうか?

大井夫人は晴信に、寅王丸の出家の件について、「禰々の為か?」と聞きます。「禰々は病死する前、望んでいた。」と晴信は答えます。

「確かに禰々は、寅王丸には、そなたのような者になって欲しくない。戦を好いて欲しくないと言っていた。されど、四郎が生まれていなかったらどうしていた?禰々の声も忘れていたのでは?」と大井夫人は追及します。晴信は否定しますが、大井夫人は信じていない様子です。しかし、寅王丸を守ってやれるのは、御仏しかいないのかと諦めてため息をつきます。

「四郎が諏訪を継ぎ、太郎が甲斐を継いでも、それで丸く収まるとは思っておるまい。」と探るように言います。太郎も四郎も晴信の子。どちらかに肩入れすれば二人が争うようにならないとも限らない。国も母も違います。晴信と信繁(嘉島典俊さん)のようにはいかない。と大井夫人は、子供たちに父として平等に情をかけよと忠告しました。

晴信も父信虎(仲代達矢さん)から弟信繁と差をつけられていました。大井夫人はそこを突いて忠告しましたが、晴信はあまり聞いていない様子でした。

飯富虎昌(金田明夫さん)が、庭で太郎に剣術の稽古をつけていると、勘助が物陰からその様子を見つめます。飯富はすぐに勘助の視線に気づき、「何用か?」と声をかけます。

勘助は逃げようとしましたが、物陰から出てきて「それがしも四郎様にいかにお仕えすべきか、飯富様から学びたく、参上いたしておりました。」と答えます。

「四郎様はまだ乳飲み子。そなたに出来る事はなにもなかろう。それとも寅王丸様を退ける事が今のそなたの務めか?」と飯富が言うと勘助は明らかに困った様子で、その場から立ち去ろうとすると、今度は三条夫人が呼び止めます。三条夫人は寅王丸の名前が聞こえて気になったと言います。

飯富が「寅王丸様を出家させるとのうわさがございます。」と言うと、また勘助が逃げようとするので、「出家させるとはそなたの進言であろう?」と飯富は聞きます。勘助は御屋形様が決めた事と答えると、三条夫人は驚きます。もう、駿河の雪斎の了承も得ている事も勘助は伝えます。

三条夫人は、寅王丸よりあっさりと由布姫の子を取ったことに三条夫人は不快感を示します。「御屋形様の和子様にございますよ。」と勘助は言い返しますが、「忘れてはならね。武田家の嫡男は太郎じゃ。四郎も寅王丸も、いずれ太郎を支えねばならぬ大事な身じゃ。」と三条夫人は釘を刺すと「心得ております。」と勘助は意味ありげな笑みを浮かべ言うのでした。

板垣が勘助に忠告

晴信は、前年に攻め落とした、伊那の高遠城の再建を馬場信春(高橋和也さん)に命じていました。勘助は、馬場に模型を見せながら城の配置を説明していました。高遠の城はこの二人が攻め落とした城です。天然の要害をなしていたので、高遠は降伏する前に逃げ出す事が出来ました。馬場は模型を見て、西に曲輪が増えていることに気づきます。

勘助が「いずれこの城は伊那郡代となる人が入られましょう。諏訪の城主となった四郎様が、伊那郡代も合わせてお務めになられるかもしれません。本曲輪の西にもその守りを固めるための曲輪が必要です。」と得意げに馬場に語っていると、「そちがそこに入る為か?」と板垣が入ってきました。

「四郎様が伊那に入る時、そちが守りを固めるための曲輪ではないのか?」とツッコみます。すると馬場が「さしずめ勘助曲輪か。」と少しからかう感じで言います。勘助はあっさりと板垣の言ったことを認めます。板垣は「そちは四郎様への思いが強すぎる。」と言うと、馬場も「全くでござる。いつまでお側に仕えるつもりじゃ?」と同調します。

「それがしは御屋形様のお言いつけに…」と勘助が言いかけると、「守り役でもあるまい!」と板垣が遮ります。「勘助、たとえ守り役であっても、守り役はいずれその役目を終えるのじゃ。その日の為に、お仕えするのが守り役じゃ。私利私欲の為に、お育てするような事があっては、決してならぬのじゃ!それを、しかと忘れるな。」と板垣は心を込めて勘助に言い聞かせました。

板垣もそう思いながら晴信を育てたのでしょうか?勘助へ忠告が届けばいいのですけど、野心家ですからね、勘助は。

勘助は、自分の屋敷に戻って太吉(有馬自由さん)に「わしは醜いか?醜かろう?故に、四郎様のあの生まれたての美しさが、わしにはまぶしい。わしはあのように美しい和子様を見た事がない。四郎様は穢れてはならぬ。穢れは、この勘助が一身に引き受ける。

わしはあの美しい和子様に、御屋形様の家督を継いでもらいたい。堂々と天下を取らせてみたい。その為なれば、己など、いかに醜くても構わぬ!」と眼帯を取って醜さをさらしながら、本心を語るのでした。

三条夫人は勘助の本心を見抜いていたのですね。出会いから勘助に良い感情を抱いてはいない様子でしたけど、義元と一緒で勘助の醜さを見ているのかもしれませんね。

勘助は、晴信とか太吉とか、好かれる人にはとことん好かれますが、嫌う人にはとことん嫌われますね。

寅王丸が出家する日が来ました。大井夫人は涙をこらえて見送ります。一度門に向かった寅王丸は振り返り、大井夫人に駆け寄ります。大井夫人と寅王丸はしっかりと抱きしめ合い、泣いて別れを悲しみます。「何物も、得られるものがないところを、得ると呼ぶのです。いつか、分かります。しっかりと学ぶのですよ。」と前に寅王丸に読んで聞かせた経典の問答の話を言い聞かせます。大井夫人は門の方へ寅王丸を向かわせて、別れました。

まだ寅王丸は幼い子供で、切ない別れのシーンでした。悲劇の子です。

晴信、信虎と同じ発言をする

三条夫人は、寅王丸の出家の件を晴信に尋ねます。「そないに四郎がかわいいのですか?」と三条夫人は挑戦的に言います。「四郎と寅王丸が争う事をお案じなさるのであれば、太郎と四郎はいかがです?太郎は武田家の嫡男。その座を奪おうと、四郎が争わぬとは限りますまい!ないのであれば、寅王丸とてまた然り。」と三条夫人はキレ気味に責めます。

萩乃(浅田美代子さん)も「恐れながら、「ない」とは申せませぬ。四郎様と由布殿がその気にならぬとも…」と口を挟むと「さような懸念は、無用じゃ。」と厳しい目をしながら晴信は答えます。

「なればその旨、今すぐ太郎にお聞かせ願えませぬか?家督は安泰であると、太郎に仰せ下さりませ!」と三条夫人は強めに晴信に言います。晴信の顔はみるみるうちに変わっていきます。「さようなお情けも、太郎ヘはお持ちになられませぬか。」と三条夫人が呆れて言うと、晴信は、「誰が安泰と言うた。誰が家督を継ぐかなどまだ決まってはおらぬ。家督も譲も譲らぬも、このわしの胸三寸じゃ!」と大声を張り上げて強く三条夫人に言い放ちました。

信繁は大井夫人から、晴信が言った言葉を聞きます。その言葉はかつて、父信虎から言われた言葉でした。諸角虎定(加藤武さん)は、「不仲であればあるほど、立場が同じになった時、同じ道を歩む事が多いようにございまするなぁ。」と大井夫人に言います。

「晴信は、父としての心構えより、主君としての心構えの方が強いのかもしれぬのう。」と大井夫人もつぶやきます。

甘利虎泰(竜雷太さん)は「全ては、あの山本勘助の謀かもしれません。諏訪の四郎様を担ぎ上げ、己の立身欲からこの武田家をかき乱そうとしておるのやもしれません。」と勘助に目を向けます。大井夫人はため息をつきながら「勘助はどうでもよい。晴信の心が心配なのじゃ。」とあくまで晴信のことを案じていました。

武田家の法度作り

晴信は、以前今川にはよい掟があると勘助から聞いていました。義元の父が定めた今川家の法度でした。これは「おんな城主 直虎」でも出ていた「今川仮名目録」の事です。

晴信も甲斐の国の法度を定めようと考え、駒井政武(高橋一生さん)に起案させていました。

駒井は、「今川仮名目録」は今川氏親が56歳で亡くなる前に書き留められたものです。それを晴信は26歳で定めるので、それらしくと考えていました。

法度は、年貢、諸役、公事に関して細かく定めるものだが、上から押し付けたものではなく、晴信の心が見えるものとしたいと考えていました。

駒井は春日源五郎(田中幸太朗さん)を思案しながら法度を仕上げていきます。そして出来上がったものを晴信に見せます。晴信は法度を見ながら「見事じゃ。駒井、源五郎、ようした。」と褒めます。そして「仕上げはこのわしに任せよ。」と立ち去ろうとするのを、駒井は「恐れながら、それにはまだ、一か条足りません。」と引き止め、「その法度の末尾に、御屋形様自ら、お付け加え頂きとうござりまする。」と申し出ます。

「何を加えよと申すか?」晴信は尋ねます。「はっ、次なるように。」と言うと、身を正し直して、「一つ。晴信行儀に於て その外の法度以下に 相違のことあらば 貴賤を選ばず 目安を以て申すべし 時宜に依り その覚悟を 成すべし」と内容を言います。

「このわしとて、法度に背く時には、責めを負えと。」と晴信は聞きます。駒井は「それでこそ、まこと正しき法度になると存じまする。」と言うと、深々と頭を下げました。

「駒井。よう申した。その進言、天晴じゃ。」と言うと晴信は笑顔を見せました。

天文16年(1547)6月、「甲州法度乃次第」が制定された。主君自らも従うべきと定めた法律は、戦国の世に極めて珍しいものでした。

佐久の笠原

相木市兵衛(近藤芳正さん)は、甲府の真田屋敷を訪ねていました。「佐久においては、まだ武田に従わぬ者がおる。それがまた、武田に背き始めたようじゃ。」真田は誰かと聞きます。

「志賀城主、笠原清盛。」笠原は相木の同族で、それだけでなく、上野の上杉家臣とも縁者なので、関東管領に援軍を頼んでいるようだと相木は伝えます。

忍芽(清水美沙さん)の兄も援軍にいるようです。「関東管領上杉家か援軍ともなれば、容易にこれを下すことは出来まい。」と相木は声を震わせながら言うのでした。

この志賀城攻めにおいて、晴信は、誰も知らぬ鬼の一面を見せる事になるのでした。

次回、第26回「苦い勝利」です。

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前回から続いていた晴信の怖さが今回も家督の件で、出てきましたが、次回で爆発するのでしょうか?

今回の晴信も怖かったですが、次回は戦で怖さを見せつけるようです。


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