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大河ドラマアンコール 風林火山「第29回 逆襲!武田軍」のネタバレとあらすじと感想。

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「風林火山」は、2007年1月7日から12月16日まで放送された大河ドラマです。

2017年、4月からNHK BSプレミアム日曜昼12時から、大河ドラマアンコール枠で再放送されています。

2017年10月15日に放送されたのは、第29回「逆襲!武田軍」です。

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前回、武田晴信(市川猿之助さん)は、上田原で村上義清(永島敏行さん)との戦を始めました。その中で、重臣の板垣信方(千葉真一さん)と甘利虎泰(竜雷太さん)が討ち死にしました。

山本勘助(内野聖陽さん)は板垣が言い残した通り、晴信を退かせ、晴信初めての負け戦となりました。

晴信は負けた後も上田原に留まります。信濃での武田の立場はどうなるのでしょうか?

前回の第28回「両雄死す」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。

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それでは、第29回「逆襲!武田軍」のあらすじと感想です。

目次

失意の退陣

天文12年(1548)、晴信は自らも負傷しましたが、なお陣形を保ち、上田原から引き揚げの命を下す事が出来ずにいました。勘助が、退陣の下知を促しますが、応じようとはしません。村上は既に退陣しており、武田軍だけが残っていたのです。晴信は負けを受け入れられていませんでした。

甲斐の躑躅ヶ崎館で、駒井政武(高橋一生さん)は、大井夫人(風吹ジュンさん)に、晴信を説得するよう要請。大井夫人は晴信に書状を送り、上田原からひとまず諏訪に引き揚げる事になりました。合戦から20日以上経ってからの事でした。

諏訪の小坂観音院に勘助は、由布姫(柴本幸さん)を訪ねます。晴信は来ませんでした。由布姫は、武田が負けたことで信濃がどうなるのか、勘助に聞きます。

「この機に乗じて、武田に刃向かう者が、方々に立つやもしれません。この諏訪にも災いが及ばぬとは限りません。」勘助は言葉を詰まらせます。

由布姫は「私や四郎の事は案ずるな。そなたは御屋形様のお側に仕えなさい。」と先回りして答えます。勘助は返事をすると、甲斐へ戻っていきました。

甲斐に戻った晴信に、大井夫人は問いかけます。

「そなたは主君として何を治めてきた?国か?人か?国を治めるとはいかなる事か?戦を以て他国を脅かす事か?さようではなかろう。

人々がそなたを信じる事で、己の道を存分に生きられるという事じゃ。国の為に、利を求める事も大事。なれど、人を慈しむ心がなくば、その利によって国が滅ぶこともあろう。」

晴信は「分かっております。それがしとて、その道理、見失っておりません。」と答えます。

「ならば見失ったのは、家臣か?甘利や板垣はそなたを見限って、下知に背く戦を仕掛けたと思っているのか?かの両名はそなたの下知に従わず、討ち死にしたは、そなたを信じたがゆえの事じゃ。そなたの天運を信じるがゆえに死を以て諫めたのじゃ!

そなたは、今一度己の道を見つめ直さねばなりませぬ。人々は、強いそなたを信じるのではない。そなたが信じるものを皆も信じたいのです。」大井夫人は心を込めて叱りつけました。

晴信は一人になってじっと考えます。

大井夫人は甘利の言葉を思い出していました。「人も時も移ろえど、我が甲斐の山々は決して変わる事はござりませぬなぁ、御屋形様のお心も、いずれこの甲斐の山となりましょうぞ。」大井夫人は涙を目に溜め、往生するよう甘利に言うのでした。

一方、信濃の林城では、高遠頼継(上杉祥三さん)が、小笠原長時(今井朋彦さん)に「武田と村上は共に倒れたも同然、村上とて更に戦に及ぶ余力は残っておりますまい。我らが諏訪を攻め入るを、指をくわえて見ている他ございません。我らに助けを求めて泣きついてくるやもしれません。」と吹き込みます。

小笠原は高遠の煽りを受けて、まんざらでもなく、「これで我が舅、安曇の仁科道外殿とも手を結べば、一気に武田を滅ぼす事も…」と言いかけたところに「叶いましょうぞ!」と高遠が煽り、続けて「おのおの方!手始めにこの高遠頼継が、諏訪を取り戻し、我がものとして見せましょうぞ!」と言うと皆が「おぉ!」と掛け声を上げます。

すかさず小笠原が「治めるのはわしじゃ!」と割って入るのでした。

板垣が遺したもの

甲府の真田幸隆(佐々木蔵之介さん)の屋敷では、相木市兵衛(近藤芳正さん)と勘助と三人で話し合っていました。小笠原家中の者を寝返らせる策を、勘助が話します。

「既に当たりはつけている。」という勘助に「手回しがよいの。」と真田は言います。

「わしではない。板垣様じゃ。真田殿、御貴殿には、小笠原の一門、安曇の仁科殿を調略して頂きとう存じます。」と勘助は頼みます。

「当たるはよいが、戦となって武田が優位に立たねば、誰も寝返りなどせぬぞ。」真田は警戒します。「小笠原から寝返らせるどころか、小笠原に寝返る諏訪衆が後を絶たぬやもしれぬぞ!」相木も言います。

「諏訪は武田が守らねばなりません。それが板垣様の遺志でござる。わしは信濃の形勢を見誤った。いや、見ておらなんだ。慢心があったはこのわしじゃ。」勘助そう言うと震えるのでした。

前に板垣は、河原村伝兵衛(有薗芳記さん)に「小笠原に内応する人間を見つけろ。」と指示していました。亡くなる前に板垣が準備していたことがここに来て花開くのですね!

晴信は三条夫人(池脇千鶴さん)に「今や佐久、小県、諏訪の周りはわしの敵ばかり。皆、武田家を滅ぼそうと勢いづいている。堅固な城も無きこの甲斐にいて、心細くないか?」と聞きます。

三条夫人は「いかに堅固な城に籠ろうと、そこにお立ち遊ばすお前様に、お情けが見えなければ、六十余州の大名の軍勢に取り囲まれるより、私は心細い思いにございます。」と答えます。

晴信は「これまで心細い思いをさせたか?」と聞くと「いいえ、私もお前様に、お情けを求めぬようになりかけていました。」となにやら夫婦仲の危機を迎えていた感じです。

「わしは、此度の負け戦で忘れかけていた心を取り戻したような気がする。己を支える大事な事じゃ。武田家の家訓ともすべき心じゃ。いつか跡取りの太郎にも、教え伝えてゆかねばならぬ事じゃ。太郎には、『忘るべからず』と教えてやらねばの。」と以前の晴信の顔に戻り、穏やかに三条夫人に言うのでした。三条夫人は嬉しそうに何度も返事をしました。

最近の晴信は人が変わっておかしかったですから、この敗戦は甘利と板垣が命を以て晴信を改心させた戦です。こんなにならねば分からないなんて随分な慢心ですね。

小笠原出陣

天文17年(1548)6月、諏訪の西方衆が蜂起し、これを支援する為、小笠原の本軍がいよいよ諏訪へ出陣しました。反武田軍は塩尻峠に結集したのです。これに対し晴信も出陣。しかし、すぐに信濃へは入らず、国境の大井ヶ森に着陣しました。

軍議で早速、小山田信有(田辺誠一さん)が、晴信に諏訪へ進まない理由を尋ねます。晴信は答えず、勘助に話を振ります。「我らはしばし、この地に留まります。敵を、油断させる為にございます。敵は、今の武田勢には抗う力がないと侮って出陣したのでございます。されば、とことん侮らせてやりましょう。」と勘助が作戦を話します。小山田は、話を聞いても納得していない様子です。

飯富虎昌(金田明夫さん)も「かようにしてる間にも、我らの援軍を待つ諏訪衆までが、小笠原方に走らぬとは限りません。」と意見します。晴信は、駒井に上原城の様子を聞きます。「上社の社家衆にも西方衆に同心する者。後を絶たぬともことにございます。」と駒井は答えます。

小山田は勘助に「我らが到着する前に諏訪が降伏するぞ。」と言うと勘助は立ち上がります。

「それが狙いにござる。武田を侮れば、上原城を攻めはしますまい。上田原の敗戦以来、我が勢の士気は下がる一方。裏切り者が出るも必定にございましょう。

なれど、此度はいかにしても小笠原勢に戦で勝たねばなりません。守護の小笠原に勝てば、信濃の形勢もまた変わります。武田家は息を吹き返します。

その為に敵の油断と、7月のこの暑さが我らの味方となりましょう。」と勘助が皆に説得するように話すと、相木がニヤッと笑い、真田と目を合わせます。

「軍師のみがまた息を吹き返しよった。」小山田は嫌味っぽくつぶやくのでした。

勘助は軍議の後、小山田に話しかけます。「板垣様、甘利様を失い武田家中は、今こそ結束せねばならぬ時にございます。何卒ご容赦下さいませ。」と謝ります。小山田は、由布姫は元気かと聞きます。突然の切り返しに、勘助は戸惑いながらも「和子様ともどもご無事にございます。」と答えます。「美瑠も和子を産んだぞ。」と志賀城で捕らえ、小山田が側室にした美瑠姫(真木よう子さん)の事を話す小山田。もう1年が経っていました。

小山田は「子が生まれた祝いにもこの戦は勝つぞ!勘助。」と意気込みます。勘助は頭を下げ感謝しました。

次に、馬場信春(高橋和也さん)と原虎胤(宍戸開さん)が勘助に真意を聞きに来ます。勘助の話に馬場は、奇襲をすると気づきます。勘助は「我らから仕掛けます。」と言うと、原が「その先陣はわしに切らせろ!わしにとっては板垣様の弔い合戦じゃ。」と言います。

「いいえ、板垣様はまだ生きておられます。」と勘助は静かに言うのでした。

諏訪を守り切る

太陽が照り付け、ますます暑くなってきた頃、小笠原の陣では兵たちが、裸になって水を掛け合っています。それを見た高遠が怒りながら「陣中が乱れている。武具を解かぬようご命じなされませ!」と小笠原に抗議にやって来ます。

しかし当の本人の小笠原も鎧を脱ぎ、家臣に扇をあおがせ涼んでいます。「武田が甲斐から出ぬうちは戦もなかろうて。もう7日じゃ。出る気があればとっくに出ておろうが。」と聞く耳を持ちません。

「武田は何を仕掛けて来るや分かりませぬぞ!」と高遠は必死に訴えます。「諏訪勢が我らに下れば、それを以て一気に武田の本陣へ攻めかかる。それでよかろう。」と油断しまくりです。そんな小笠原の後ろ姿に高遠は「武田には油断こそ、大敵なのじゃ!」と叫びましたが、届きませんでした。

7日後の未明、ついに武田軍は動き、小笠原勢に気づかれる事なく一気に上原城に入りました。勘助は「今宵の内に塩尻峠の下まで陣を押し出し、明日の早朝一挙に敵陣を突き申す!

中山道より飯富様。田川峠より小山田様。勝弦峠より信繁様。小野峠より馬場様が攻め入ります。他の方々は本陣を固め、原殿とそれがしは手勢を率いてその先陣を切り申す!」と作戦と告げていると、背後から「お待ち下さりませ。」との声がかかり振り向くと、諏訪満隣(小林勝也さん)が立っていました。

「我ら諏訪衆に、その先陣を仰せつけ下さりませ。」と諏訪が言うと、小山田が「そなたらも敵に寝返るつもりではなかろうの?」と聞きます。

満隣は「さような事はせぬ!敵は我ら諏訪の神敵。必ずや大明神の神罰が下されましょう!

神のご加護は御屋形様、我らにこそある事を、ここにいる諏訪衆は誰一人として疑ってはおりません。」と言うと、晴信は理由を尋ねます。

満隣が「御屋形様があの旗を掲げられたからでございます。」と言うと、晴信が前に書いた、諏訪法性の旗を兵たちが掲げて現れました。板垣の要請で晴信が書いた物です。晴信は驚きます。

板垣は「これでこの戦、御屋形様の勝ちでござる!」と言っていました。板垣が旗にするように遺しておいてくれたのでしょう。晴信は感じ入ります。

「この旗を見て刃向かう者はこの諏訪にはおりません。寝返った者も戻りましょう。何卒我らに先陣を!」満隣は改めて晴信に願い出たのでした。

塩尻峠の合戦は7月19日の卯の刻に始まりました。完全に油断し切っていた小笠原の兵たちは、裸のまま斬られていきました。武田軍は勝ちました。小笠原自身は命からがら林城へ逃げました。高遠頼継は甲府へ送られ、後に切腹しました。

武田は信濃において、その汚名を雪ぎました。

信繁は、諸角に自分たちの勝ちを告げて、「わしはこれより、兄上を兄上とは呼ばぬ。御屋形様じゃ。兄上は我らが選んだ主君。最後まで兄上のご天分を、いた、己を信じる。」と決意を語ります。

諸角は「それがしは恥ずかしき限り!板垣殿、甘利殿のような者が死に、それがしのようなうつけた老臣が生き残るとは…!不覚を取り申した!」と言って雄叫びを上げました。

諸角はあくまで信繁の身を一番に案じ、守ってきたのですから、仕方がないと思います。こうしてちゃんと信繁の側にいて合戦でも生き延びたのですから、忠臣だと思います。

伝兵衛は、板垣を亡くした悲しみで、戦に勝った今でも泣いていて、後を追って死のうとします。葛笠太吉(有馬自由さん)が止めに入ります。勘助は、「後を追って死ぬなんて楽に死ねて良い。板垣様は楽に死ねたのか。」と言うと伝兵衛は激高します。

「わしには泣いてる暇などないのじゃ。拾った命は存分に生かさねば、まだまだ板垣様のお側には行けぬぞ、伝兵衛。御屋形様とて、悲しみに耐えて戦っておられるのだ。」と勘助は言うのでした。

人は城、人は石垣

晴信は諏訪の由布姫を訪ねます。「諏訪をお守り下さり、領民に代わって御礼申し上げます。」と由布姫は礼を言います。「守ったのは、わしではない。」と言って、床の間に飾られた諏訪法性の掛け軸を見て座り込みました。

「板垣、此度は大儀であった。わしはそなたに一つ、大事なことを約束する。わしは生涯、我が甲斐に城は築かぬ。そちたち、人こそがわしの城じゃ。人は城。人は石垣、人は堀。情けは味方。仇は敵なり。それをそなたに、約束する。」そう言うと、目の前をトンボが通り過ぎました、それに向かって「板垣。」と呼びかけます。

幻の中で板垣が「若、良き歌にござりまするな。人は城。人は石垣、人は堀。情けは味方。仇は敵なり。良き歌にござる。」と言って笑います。

「そちはわしを褒めてくれるか?」晴信は泣きながら呼びかけます。板垣は微笑みます。晴信は板垣の手に触れようと近づいたところ、扇だけが晴信の手に残りました。板垣は笑いながら光の中に消えていきました。

晴信は「板垣、わしはそちを褒めぬ。何故死んだ!何故死んだ!板垣!」と言って泣きじゃくるのでした。

次回、第30回「天下への道」です。

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