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いだてん~東京オリムピック噺~第23回「大地」のネタバレとあらすじと感想

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2019年大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」は、毎週日曜日20時からNHK総合他にて放送中です。

前回22回「ヴィーナスの誕生」は、女子スポーツが徐々に世の中に受け入れ始め、ついには女子選手のアイドル化、さらに、後の女子初のオリンピック代表選手となる人見絹枝さんが登場した回でした。

1921年9月、東京浅草・鈴本亭の席亭から真打昇進の打診を受けた美濃部孝蔵(森山未來さん)は、金原亭馬きんと名を改め昇進しました。

お披露目の際に着られるようにと、万朝(柄本時生さん)や席亭から贈られた着物を質屋に入れて飲んでしまった、どうしようもない孝蔵を心配した清さん(峯田和伸さん)と小梅(橋本愛さん)は、孝蔵に所帯を持たせて少しは落ち着かせようと画策します。

そうして選ばれたのが高田馬場にある下宿屋の娘・おりん(夏帆さん)でした。

孝蔵は、うだつの上がらない自分と結婚しても上手くいくわけがないと、おりんに「断るなら今」と警告するのですが、おりんの両親から頭を下げられ、結婚が成立しました。

小梅や清さんは、所帯を持ったら孝蔵も少しは落ち着くのでは、と期待していたのですが、縁談が整ったその日だというのに、ご祝儀を持って遊郭と博打に行ってしまったのです。

新妻となったおりんには「「ちょうまえ」に行く、「もうとる」にも行くかもしれないから今夜は帰らない」と言って出かけて行きました。

「ちょうまえ」は遊郭、「もうとる」は博打。

噺家の中で使われる言葉で言われたおりんは、てっきり噺家の研究会だと思ったと後に語り、その当時はご近所に「うちの主人は昨夜はちょうまえでしたの」と言ってしまい、周囲を困惑させていました。

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さて、同じ頃、主人公・金栗四三(中村勘九郎さん)が赴任し東京府立第二高等女学校、通称竹早は、四三やシマの努力が実り、スポーツに力を入れる女学校となっていました。

中でも、海外でも有名なスザンヌ・ランランに憧れた村田富江(黒島結菜さん)と梶原(北香耶さん)は、自作のテニスウェアで大会に出場し、それが注目され、女子スポーツ界のアイドルのようになっていました。

「村田梶原式テニスウェア」は話題となり、シマの夫の増野(柄本佑さん)が勤める百貨店で取り扱われるようになったそうです。

女学生たちの興味はやはり美容やファッションのことです。

スザンヌ・ランランのような美しい足になるためにはどうすればよいのか考えた村田らは、マラソン選手の足がスラッと美しいことに気づきました。

彼女たちは四三に教えを請い、美しい脚になるため陸上を始めることにしました。

そんな中、シマ(杉咲花さん)の妊娠が発覚。

せっかく女子スポーツが活気づいてきた時に、間が悪い、とシマは素直に喜ぶことができません。

しかし、四三に「でかした」と言われ、とても安心したのでした。

シマが二階堂トクヨ(寺島しのぶさん)に報告に行くと、何やら落ち込んだ様子のトクヨの姿がありました。

野口源三郎(永山絢斗さん)に密かに想いを寄せていたのですが、野口には既に妻子がいたことにショックを受け、ならば自分は、女子体育発展のため新しい学校を設立すると決意を固めたのです。

野口ら名だたる講師陣を揃え、1922年、新しい女学校、二階堂体操塾は開校しました。

二階堂体操塾は後の日本女子体育大学となります。

村田と梶原ペアは、岡山で行われるテニス大会に出場しました。

引率で同行した四三やシマは、対戦相手の身長がひときわ高いことに驚きました。

体が大きいということは、動きが鈍いはず、という思い込みを覆す素晴らしく力強くキレのある動きで、村田らを翻弄し、勝利を収めた彼女の名は人見絹枝(菅原小春さん)。

後の女子初のオリンピック代表選手となる女性です。

シマは人見の才能に魅せられ、卒業後に東京に来て陸上を学ばないかと熱心に誘うのですが、人見はあまり乗り気ではありません。

体が大きいことで、人から揶揄され、やりたくもない勝負を挑まれ、しかし生来の負けず嫌いのため勝ち続けてしまうことにうんざりしていたからです。

1922年春、スヤ(綾瀬はるかさん)は長女まさこを出産。

同時期にシマも長女りくを出産しました。

同年秋、日本初の女子陸上大会が開催されました。

50m障害のレース前、靴が合わないという理由で、靴下を脱いで素足を晒してレースに参加した村田。

彼女は靴下を脱ぎ捨てたことで走りやすくなり、日本新記録を樹立したのです。

しかし、当時の女性が腿を晒して走ることははしたないこととされ、敬遠されていました。

文部省からも女子が腿を晒して走ることを禁じると新聞で取りざたされていました。

怪しい露天商になった美川(勝地涼さん)は、村田が素足で走っている写真を撮りまくるとそれを露天で販売。

娘の写真が売られていることに驚き激怒した村田の父・大作(板尾創二さん)は学校に乗り込み、四三の解雇を要求します。

村田富江ら女学生たちは四三解雇の動きに反発し、教室に立てこもってしまいました。

前回22回「ヴィーナスの誕生」を 見逃した方はこちらをどうぞ。

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それでは、第23回「大地」のあらすじと感想です。

目次

立てこもりの決着

村田大作による四三の依願免職要求を耳にした村田富江ら女学生たちは教室に立てこもり四三の不当解雇反対を唱えていました。

数時間にも及ぶ立てこもり、見かねた四三は村田や梶原ら生徒らの名を呼び、お腹がすいただろう、今出てきたら好きなものを食べさせてやる、と懐柔を図りました。

四三の提案を受け、お腹がすいていたことに気づいた女学生たちは、四三の言う通り、今まさに教室を出ようとしていました。

そこに、勢いよく村田大作が現れ、娘・富江に「お父さんの言うことが聞けないのか、親に恥をかかせるな」と怒鳴り散らします。

そもそも、女は運動なんかしなくていい、竹早が運動するようになったのは四三が赴任してきてから、だから元凶となった四三を辞めさせることは当たり前のことだと叫んだのです。

その言葉に反応したのはシマでした。

男が女の価値を決めるな、女の体は男が思っているほどやわではない、とシマは反論します。どんなに鍛えても女は男に勝てない、と言う大作に対し、それなら証明してください、と大作と富江で親子対決をしてみればいいとシマは提案します。

シマの巧みな誘導で、大作は娘からの挑戦を受け、2人は100m勝負をすることになりました。

日も傾いてきた時間。

村田と父・大作はスタートラインに並びました。

父は、村田が靴下を脱いだスタイルで勝負に望む姿に対し、文句を言いかけるのですが、四三らになだめられ、勝負が開始されました。

スタートの合図で、毎日鍛えていた富江は軽快に走り出しました。

大作も懸命に走るのですが、富江にどうしても追いつきません。

悔しさのあまり大作は「もう一回」と叫ぶと2回目の戦いが始まりました。

結局100mダッシュを6本も行いましたが、結果は全て富江の勝利。

父は驚き、「お前いつの間に」と、富江に尋ねるのですが、シマは「鍛えてますから」とご満悦の表情を浮かべていました。

倒れこむ父に手を貸し、父とともに帰ろうとした富江でしたが、門を出る直前振り返り、手を大きく上に掲げると、「ごきげんよう、パパ」と会心の笑みを浮かべ、大きく手を振り帰って行きました。

富江の要求通り、四三の解雇の話はなくなったのでした。

神宮競技場完成

事の顛末を嘉納治五郎(役所広司さん)に話したシマと四三。

四三は、シマのおかげで竹早を辞めずに済んだと頭を下げました。

ご機嫌な様子の嘉納に話を降ると、嘉納は神宮競技場が夏には完成する、と嬉しそうに語るのです。

着工から足掛け5年、ようやく完成を迎えました。

これでようやく日本にオリンピックが呼べる、と嘉納は喜び、シマは娘のりくは神宮競技場を走れるのですね、と呟くと、四三はシマだって走れる、とシマを励まします。

嘉納にも君はまだ若い、諦めるな、と励まされたのでした。

所帯を持った美濃部孝蔵は?

せっかく所帯を持ったのに、孝蔵はこれまでと全く変わりなく、毎日毎日どこかにほっつき歩いて、酒かっくらって、稼ぎは家に全く入れることはなく、そのうち家賃が払えなくなり、夜逃げするという、最低な生活を送っていました。

おりんの父が用意してくれた田端動坂の一軒家に暮らすことになったおりんの元に小梅が訪ねてきました。

孝蔵の愚痴を散々言いまくり、ほとほと嫌になったとこぼすおりんに、小梅はもう別れてしまえと焚きつけます。

自分は仲人という立場だから、これまで孝蔵を庇ってきたけれど、あんなひどい男はいない、と言い、おりんに離婚を勧めたのです。

しかし、おりんの表情は冴えません。

落語の『厩火事』になぞって、自分が大事にしている湯呑とおりんだったらどっちが大切か、試してみればいい、と小梅は焚きつけますが、おりんの表情は、硬いままでした。

関東大震災

そして、9月1日。

竹早女学校は始業式を迎えていました。

四三はシマに、嘉納が案内してくれるから、神宮競技場を見学に行こうと誘うのですが、シマは生徒たちと浅草オペラを見に行く約束をしていました。

四三も生徒たちに誘われるのですが、嘉納との先約を優先して生徒たちの誘いを断りました。

いつになくぐずる娘のりくを播磨屋夫婦に預け、シマは生徒たちとの待ち合わせ場所に向かいました。

四三は嘉納に連れられ神宮競技場を見学しています。

メインスタジアムに1万5千人、芝生席に4万人、合計5万5千人もの人が入場できる施設です。

四三は早速スタジアムを走り、いつか東京でオリンピック、という夢の実現に向けて希望をもちました。

嘉納は四三にいつまで生きるつもりかね、と質問しました。

今32歳の四三は後30年くらいですかね、と答えたのですが、嘉納の答えはとても貪欲でした。

やりたいこと、やるべきことがたくさんある嘉納は、150まで生きなければとても足りないというのです。

嘉納が愛してやまない柔道を世界の隅々まで広めるためには150まで生きなければとても足りず、更に、その頃には火星と交信しているだろうから火星人にも柔道を教えなければならない、と嘉納は夢を語りました。

壮大過ぎる夢でしたね。

その頃、シマは浅草十二階から神宮競技場を眺めていました。

望遠鏡から見える神宮競技場を見たシマは、その大きさと、競技場建設という夢のような話が実現したことに驚きました。

9月1日は、朝から雨が降り風も強く、風と雨が運動会をしているような変な天気の日でした。

この日、退屈を持て余した孝蔵は、ゴロゴロ寝転び、酒を出せとおりんに無理を言っていました。

酒なんかない、と突っぱねたおりんに怒った孝蔵は、家を飛び出そうと玄関に向かったのですが、突然足元に衝撃が走り、まともに立っていられない揺れを感じました。

おりんは、魚を焼いていた七輪に孝蔵の湯呑で水をかけ、火を消そうとするのですが、揺れのため上手く消せません。

孝蔵は、揺れのせいでよたよたしていたおりんの手を慌てて引っ張り安全なところに押し込みます。

おりんの代わりに七輪に水をかけていた孝蔵は、なぜかその時、このままでは揺れのせいで酒瓶が落ちて割れ、酒が土に吸い込まれてしまうと危機感を持ち、有り金を奪い酒屋に走りました。

金はいらない、という店主の言葉を聞いた孝蔵は、そこで酒を一気に煽り、さらに数本懐に入れて家に戻りました。

家に戻ると、こんな時にどこ行っていたのだと仁王立ちするおりんの姿がありました。

「私は身重なのに」と突然告白された孝蔵は面くらい、なんでこんな時に、と混乱しました。

消えたシマ

11時58分、生徒たちを待って浅草十二階にいたシマは急激な揺れを感じ、壁に掴まり座り込んでいました。

外に逃げようとするのですが、揺れのため上手く動けず、手にしていたりくのためのおもちゃを落としてしまいました。

それを拾おうと手を伸ばしたその時、シマに不幸が襲い掛かりました。

神宮競技場から急ぎ播磨屋に戻った四三は、播磨屋がめちゃくちゃに壊れていることに驚き、声を無くしました。

店主らの無事を確かめようとした時、りくの声が聞こえ、店主の妻や辛作も現れ、皆の無事が分かり安心したのです。

しかし、りくの姿があってもシマの姿がありません。

四三は、シマが行った浅草に向かいました。

揺れは収まったものの、それからが大変だったのです。

日が落ちる頃、東京の空が火で真っ赤に染まっているのを四三は見ました。

同じ頃、高台から東京の街を見下ろしていた孝蔵も、東京はもう終わりだ、と思いました。落語『富久』のように、浅草から日本橋、芝にまで火の手は広がり、東京は焼け野原になってしまったのです。

深夜、シマとりくの姿を探して増野が播磨屋を訪れました。

りくの無事を喜ぶ増野ですが、シマの姿がないことに衝撃を受け、フラフラとシマを探しに行こうとするのですが、四三が探しに行っているからと辛作に止められます。

増野はりくを抱きしめたまま、声もなく泣き続けました。

南風に乗って火の粉は広がり、2日かけて東京の街を焼き尽くしました。

浅草に向かった四三は、瓦礫の山と倒れた人々、焼け尽くされた建物に苦戦し、シマを見つけ出せずにいました。

その中で村田親子と遭遇し、お互いの無事を喜び合います。

医師である村田大作は、崩壊した自分の病院から包帯や薬品を持ち出し、街頭で怪我人を治療していました。

富江は、12時に浅草十二階で待ち合わせしていたシマの安否が分からず、心配していました。

富江からシマが浅草十二階にいたと聞いた四三は、そこから見える浅草十二階を見て愕然としました。

十二階まであった浅草のシンボルである凌雲閣が8階部分からポッキリと折れ、炎に包まれていたからです。

浅草の街がたった2日で消えたのです。

増野と四三は旗と張り紙、チラシを作り、シマを探し続けました。

街には同じように人を探す人々でいっぱいになっていました。

りくを背負った増野は、懸命にシマの名を呼び探すのですが、見つかる気配はありません。

懸命に足を動かしますがとうとう力尽き、増野はついに座り込んでしまいました。

増野は、「どこかで諦めなきゃならないんでしょうか、今も少し諦めかけてるし」と叫びます。

震災の起こった朝、ご飯が硬いと初めてシマに文句を言った増野。

これからもずっと一緒に過ごすのだから、伝えたほうがいいと思って言った言葉でした。

しかし、それがシマと交わした最後の言葉になってしまうとは…。

増野からは悔やむ言葉しか出てきませんでした。

長女「りく」の名は、シマが「陸上」から付けた名前でした。

増野はシマに「走って欲しかった」、と泣き崩れました。

そんな中、車夫となった清さんが現れました。

お互いの無事を喜ぶ四三と清さん。

清さんは、打ちひしがれた様子の増野に謝罪し、喜びが少ない今だからこそ、喜びは声に出さないと、と言い、増野が探しているシマを一緒に探すと約束しました。

時は変わって、現代の志ん生宅。

震災の話はどうしても力が入ってしまって笑いにできない、と志ん生(ビートたけしさん)は言います。

美津子(小泉今日子さん)は、弟子の五りん(神木隆之介さん)に震災で家族はどうだったのかと尋ねると、五りんは被災したと話しました。

写真があるといって五りんが出した写真には、4人の男女が写っていました。

左右の端には仲人の四三とスヤ、そして中央の2人は増野とシマ。

五りんはシマの孫だったのです。

次回、第24回 「種まく人」

関東大震災により東京は壊滅状態になってしまいました。

震災から復興するために、人々に元気を与えるために必要なのはスポーツ。

スポーツで人々の笑顔を取り戻すために、四三はまた立ち上がります。

次回、第24回「種まく人」。 金栗四三編 クライマックス!見逃せませんね。

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