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軍師官兵衛 第30回「中国大返し」のネタバレとあらすじと感想。

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「軍師官兵衛」は、2014年1月5日から12月21日まで放送された大河ドラマです。2018年4月からNHK BSプレミアム日曜昼12時から、大河ドラマアンコール枠で再放送しています。

2018年10月21日に放送されたのは、第30回「中国大返し」です。

前回、織田信長(江口洋介さん)を討った明智光秀(春風亭小朝さん)を討つ為、急ぎ毛利と和議を結ぶ事になった羽柴秀吉(竹中直人さん)。黒田官兵衛(岡田准一さん)に全てを任せます。

官兵衛は、毛利の軍師、安国寺恵瓊(山路和弘さん)にまず秘密を打ち明け、小早川隆景(鶴見辰吾さん)に和睦交渉を持ちかけました。清水宗治(宇梶剛士さん)の腹を切らせる事で8か国の本領安堵という毛利には好条件での和睦を結ぶ事に成功します。

和睦が成立した後、急ぎ全軍撤退を始めた羽柴軍。松明で道が照らされており、真っすぐ進む事が出来ました。

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途中で、井上九郎右衛門(高橋一生さん)の待つ中継地点に着きました。そこでは水、握り飯と味噌、わらじなどが用意され、歩兵たちは走りながら受け取りました。秀吉には馬が用意され、乗り換えるよう促しました。

大返しのしんがりを任された官兵衛ら黒田軍も、毛利が追ってこないことを確認し、急いで本軍を追いかけました。激動の7日間が幕を開けたのです。

前回の第29回「天下の秘策」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。

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それでは、第30回「中国大返し」のあらすじと感想です。

目次

姫路に寄る

天正17年(1582)6月7日。備中から姫路までおよそ80kmの道のりを秀吉軍はわずか1日で走破しました。驚異的な速さです。姫路城は、兵たちでごった返していました。

光(中谷美紀さん)やお福(阿知波悟美さん)、お道(福島リラさん)、おゆう(中村映里子さん)ら女性たちは、けがのケア、水、握り飯を配るなど、万全の態勢で男たちを迎えます。

そこへ秀吉が到着しました。

秀吉は光から水を受け取ると一気に飲み干しました。そして兵たちに「皆の者!慌てずに食え!ただし食べ過ぎはならんぞ、まだまだ走らねばならんからのう!」と声をかけると皆雄叫びを上げました。また秀吉は、「官兵衛はしんがりじゃ、間もなく参る。」と夫の心配をする光に教えてやるのでした。

一方、秀吉に遅れて休憩地点に着いた官兵衛らに、姫路へ伝言に行き、戻ってきた長政(松坂桃李さん)が合流しました。秀吉が姫路領内に着いたこと、職隆(柴田恭兵さん)が「存分に働け。」と言っていたことを伝えます。

官兵衛は、馬にも水を与えると、長政と一緒に来た後藤又兵衛(塚本高史さん)に再会。「立派になった!息災であったか?」と喜びました。有岡城幽閉以来です。

栗山善助(濱田岳さん)、母里太兵衛(速水もこみちさん)、兵庫助(植木祥平さん)ら皆、又兵衛の帰参を喜びました。又兵衛登場に沸く一同に、長政は少し寂しそうな顔を浮かべるのでした。

秀吉の作戦

兵たちがいびきをかいて眠るなか、秀吉はたくさんの書状を書いていました。

石田三成(田中圭さん)に「「共に明智を討つべし」という書状じゃ。今、畿内一円の武将たちは誰に与するのが一番良いか悩んでおる。その武将たち全てに、この書状を幾度幾度も送るんじゃ。さすればいずれ皆、その気になる。恋文と同じじゃ。」と言います。

兵たちの中には城下に家がある者もいましたが、官兵衛の策で里心がついて士気が鈍るとして全員、城に留めていました。また、皆が城内にいればいつでも出立できるというわけです。

秀吉に遅れて官兵衛も姫路に戻って来ていました。急いで秀吉が会いに行きました。

「明日一日で支度を整え、あさっての朝には発たねばなりませぬ。心配なのは走りづめの行軍の疲れが、一日で取れるかどうか…。行軍はこの後も続き、明智との決戦が控えております。最後まで兵がついて来るよう、士気を保つ事が肝心でございます。」と官兵衛が言うと、秀吉は「それならば、考えておる。」と三成に天守の金銀の数を聞き、一文残らず兵に配るように指示しました。

「負けてしまえば、金銀など宝の持ち腐れ。これで兵たちの士気は上がるというもの!」と秀吉は言います。官兵衛は「殿の覚悟のほども兵に伝わりましょう。」と言い、さらに三成に蔵に米がどれだけ残っているか確認します。それも皆配ってしまえと秀吉は言うのでした。

一方、光が兵たちに握り飯を配っていたところに、長政と又兵衛が間を縫うように入ってきました。それを見ていた女性(高畑充希さん)が「順番を守らぬか。」と長政に言います。「横入りなどするか。」と言い返す長政。光が二人を止めました。

女性は、光を「母上。」と呼ぶ長政に「しまった。」という顔を浮かべます。光は「蜂須賀小六様の娘御、糸殿じゃ。」と紹介しました。紹介をされると先に長政が無礼を謝りました。

しかし糸は、長政の周りをぐるっと回って舐めるように見て「誠に黒田の若君か?あまり強そうには見えぬが…。」と言い、周りの者を笑わせました。場は和みましたが、長政はムッとしていました。

将来の夫婦がここで初対面です。高畑充希さんは朝ドラの前に大河ドラマにも登場していました。

善助が武具を揃えていたところに光がやって来て、官兵衛のことを聞いてきました。善助は明日の出陣に備えての評定の為、秀吉の側にいる。と答えました。官兵衛は、兵たちを家に帰してないのに自分が家族に会っては…と光に会っていませんでした。

評定の場で官兵衛は「明朝出立し、晩には明石。あさっての朝には一気に兵庫まで兵を進めます。我らが兵庫まで来たことを知れば、摂津の大名はことごとく我らになびきましょう。」と言います。

蜂須賀小六(ピエール瀧さん)は摂津衆は明智と縁深き者が多いので、明智につくと考えるべきでは?と言いますが、官兵衛は、摂津衆はどちらに付くか迷っている状態であると言います。

先に兵庫に入って、さらに明智に使いを送って「速やかに雌雄を決しよう。」と伝え、さらに揺さぶりをかけるという策を言います。

「あえて我らの動きを相手に報せるのじゃな?」と秀吉は官兵衛に言います。

官兵衛は、今回の戦は信長の弔いの為。義はこちらにあるということを、敵味方関係なく堂々と宣言するよう、秀吉に言います。そうすれば味方の士気は上がり、敵の士気は下がるというわけです。

秀吉は官兵衛の策を採用。九郎右衛門を明智への使者にしました。

評定の場に秀吉に目通りを願う一人の僧が入ってきました。僧は「明日のご出陣は、お控えなさるがよい。出でて二度と帰れぬ悪日でございますれば。」と忠告します。

秀吉は笑い飛ばし「それは吉報じゃ。我らは上様の為に死ぬ覚悟。生きてこの地に戻って来ようとは思っておらぬ!故に明日は、またとない吉日じゃ!」と言います。

すると加藤清正(阿部進之介さん)が「殿の仰せの通り吉日じゃ!」と立ち上がると、他の皆も立ち上がって、一気に士気が上がりました。

この僧は秀吉の狂言でしたが、悪日という話は本当だったので、噂が広まる前に秀吉は打ち砕いたのです。

書状といい、占いを笑い飛ばす事といい、秀吉の作戦は人の心理を読んだ見事な作戦です。これに官兵衛の知恵が加わるのですから、鬼に金棒です。

戦の前のひととき

職隆に呼ばれた官兵衛。「家臣に屋敷に帰る事を禁じたお前が、妻に会うては示しがつかぬか?意地を張るな、官兵衛。」と光を避けていることを叱られます。

部屋の襖の向こうには、光がいて「ここは屋敷ではございませぬ。生きて帰れぬやもしれぬ大戦に行く前に、私はともかく、この子にだけはお会い頂きとう存じます。」と熊之助を連れてきたと言います。

心動かされる官兵衛でしたが、やはり会おうとしません。後ろで控えていた善助が隣の部屋に行き、熊之助だけを連れて官兵衛の腕に抱かせました。

「熊之助…。光…。わしが間違っておった。秀吉様は生きてこの地に戻らぬと申されたが、わしは勝って必ず戻ってくる。この子の為にも。」と熊之助を抱きながら官兵衛は、襖越しに光に伝えました。

時代遅れ

備後鞆の毛利の保護下にいた、足利義昭(吹越満さん)は、小早川隆景(鶴見辰吾さん)に向けて、上洛を助けるよう書状を供の者に書かせていました。

備中猿掛城にいた小早川は、書状を読みすぐに吉川に渡しました。吉川元春(吉見一豊さん)も血筋を盾に命令してくる義昭に「性懲りもなくこのような書状を。」と吐き捨てます。

小早川も「放っておきましょう。氏素性など、天下取りにはもはや無用の長物。あの方は分かっておられぬ。」と言うのでした。

光秀は、京の下鳥羽陣所で公家衆の挨拶を受けていました。

光秀はお返しに、禁中に銀500枚を献上しました。さらに「洛中洛外の寺社にも寄進を致し、京の民たちの税はないものと致します。」と言います。公家たちはこぞって光秀を褒めたたえました。

信長の世が終わり、明智も義昭も自分の世が来ると思い描いていました。そういう公家や天皇中心の世の中は信長がとっくに壊したのに、時代遅れなことを言っている二人でした。

宣戦布告

6月9日早朝。秀吉率いる2万の軍は姫路を出陣し、一路京を目指しました。

一方、光秀は懸命に味方を募っていました。

その一人、大和の筒井順慶の合流を促すため洞ヶ峠に陣を張って待ちました。しかし兵を出し渋って出て来ませんでした。加勢してくれると信じていた光秀はショックを受けます。

次に大坂にいた織田信孝(中山麻聖さん)、丹羽長秀(勝野洋さん)勢は、兵が浮足立ち士気も下がる一方のようです。

備中の羽柴秀吉、越中の柴田勝家(近藤芳正さん)はまだ毛利、上杉とにらみ合っていると思っていました。

しかし、そこへ羽柴の使者として九郎右衛門がやって来ました。

「当方、今夜中には兵庫に入ります。数日中に京に上りますゆえ、正々堂々と雌雄を決したい。」と伝えました。

明智の家臣、斎藤利三(小木茂光さん)が「毛利はどうなったのだ?」と尋ねると、九郎右衛門の後ろに控えていた二人の家臣が、1枚の布を広げます。毛利の旗でした。

「和議を結びました。毛利は今や我らが味方でございます。」と説明。息をのむ明智軍でした。この毛利の旗を見せるという策は官兵衛の指示で行われたものでした。

「相分かった。承知した。」と秀吉に伝えるよう、光秀は九郎右衛門に言って帰しました。

光秀は「信じられぬ。信長を討ってからまだ8日しか経っておらぬ。備中からどうすればこのように早く…。」と茫然とし、すぐに官兵衛が考えたと勘づきます。

斎藤が「我々も西へ兵を出さねば、摂津衆を秀吉に取り込まれてしまいます。」と言うと、婿の秀満(鳥羽潤さん)が「しかし筒井殿を捨てていく訳には行かぬ。万一筒井殿が秀吉につけば我らは挟み撃ちだ。」と言い、混乱していました。

尼崎の栖賢寺で、官兵衛も待っていました。

現れたのは高山右近(生田斗真さん)でした。二人は有岡城で会って以来の再会で、6年ぶりです。

「備中よりかように早くお戻りになるとは、驚き入りました。これで我ら摂津衆も皆、心を決めました。主君を討った明智光秀の行いは、デウスの御心に背くもの。断じて許せませぬ。」と言う右近。官兵衛はその言葉を聞いてニヤリと笑い、秀吉のもとに右近を通しました。

秀吉の前に並んだ摂津衆の先頭に、右近、中川清秀(近江谷太朗さん)、池田恒興(大橋吾郎さん)がいました。

秀吉が「皆の者、この秀吉のもとによくぞ馳せ参じて下さった。かたじけのうござる。」と言って頭を下げると、摂津衆たちも頭を下げました。

「此度は、上様の弔い合戦じゃ。」秀吉はそう言うと、短刀を抜いて自ら髷を切り落としました。中川が「天晴なご覚悟!」と言います。

「中川殿、池田殿、高山殿。この秀吉と共に上様の仇、討って下さいますな?」と改めて秀吉が確認すると、池田は「無論にございます。」中川は「何なりとお申し付け下さい。」と言い、「羽柴様のお下知、全て従いまする。」と右近も言いました。

秀吉は立ち上がり「この羽柴筑前守秀吉、この命に代えても、必ずや宿敵明智光秀を討ち果たす!」と宣言。摂津衆たちも、羽柴軍も立ち上がり皆で喊声を上げたのでした。

摂津衆を味方に引き入れた今、「勝った。」と言う秀吉。しかし「油断は禁物。」と官兵衛は言います。肝心な駒、信長の遺児、三男信孝を味方にしていません。信孝を引き入れてこそ、誠の義軍となるのです。信孝は秀吉を嫌っていました。秀吉に味方してくれるかどうかわかりませんでした。

大坂の信孝の本陣に行った官兵衛。信孝に弔い合戦に出陣をと、丹羽長秀に要請しました。

長秀は「それは承知しておる。されど上様が亡くなったと知るや否や、逃げ出す者が相次いでのう…。筑前の2万に遠く及ばぬ。となると数の少ない我らが筑前の指図を仰ぐことになる。」と信孝が出陣を拒んでいる理由を言います。

それを知った官兵衛は「なんと愚かな…。よくお考え下さい。このまま羽柴様が明智を討つ果たすのを手をこまねいて見ていては、お二人とも世の笑い者ですぞ。どちらが総大将かなど、どうでもよろしい。上様の仇討ちに実の子や最も古参の宿老が加わらずして何とされます!あさってには明智との決戦となりましょう。何卒、遅れませぬよう。」と迫りました。

越前北庄城では、柴田勝家(近藤芳正さん)が佐々や前田の兵の準備を整え、ようやく京へ出陣しようと動き出していました。しかし勝家の出陣は遅すぎました。京へ上っている間に合戦は終わりました。

天下分け目の戦い

6月13日。富田の秀吉の陣では秀吉がウロウロして、落ち着かずにいました。既に右近も清秀も山崎で光秀とにらみ合っていたのです。

開戦を急ぐ秀吉に、官兵衛は「なりませぬ。ここで焦っては、これまでの苦労が水の泡。」と引き留めます。

そこへ織田信孝、丹羽長秀が到着したとの連絡が来ました。秀吉は信孝に跪いて挨拶します。「待たせたな、筑前。このわしが来たからには明智に勝ち目はない。成敗してくれる。」と信孝が言うと、秀吉は「頼もしいお言葉。この秀吉、信孝様がおらねば何一つ出来ませぬ。何卒、信孝様の手で上様の無念、晴らして頂きとう存じます!」と言いました。

「父上と兄上の仇、明智の首は必ず取る!」信孝は言うと、それまで降っていた雨が止み、日が差してきました。秀吉は「上様も天も我らの味方じゃ。皆の衆、いざ出陣じゃ!」と掛け声を上げました。

6月13日午後4時。山崎において両軍は激突しました。羽柴軍4万。明智軍1万3千でした。

光秀に、次々と討ち死にした武将たちの報告が上がってきます。重臣の斎藤利三が討ち死にしたところで、坂本城に引き返し立て直す事になりました。「こんなはずでは…。」とつぶやく光秀でした。

暗い山道を逃げる光秀と家臣たち。「この国の為にしてきたことは間違いだったのか…。」と力なく道に倒れ込む光秀を、後ろから竹やりで刺す者がいました。

家臣たちは抵抗しましたが、野伏の数は多く、一斉に取り囲まれました。

天正10年6月13日。光秀はあっけなくその生涯を閉じました。本能寺の変からわずか11日後のことでした。

それから間もなく、明智方に乗っ取られていた長浜城に秀吉たちが帰り、城内の惨状に息を飲みました。物陰からおね(黒木瞳さん)が駆け寄ってきました。抱きしめ合う夫婦。お互い無事を確認して笑います。

加藤も福島正則(石黒英雄さん)も、おねの無事を喜ぶと、おねは「皆、大儀であった。」と声をかけました。おねは官兵衛にも礼を言いました。

官兵衛は秀吉に近づき「いよいよ天下が見えて参りました。」と言います。他の家臣も「そうじゃ!上様の後を継ぐのは明智を討ったとのしかおらぬ!」と口々に言います。

「亡き半兵衛様もそれを望んでおられました。この官兵衛も殿の天下を待ち望んでおりまする!」官兵衛が言うと、秀吉は「このわしが…天下人…。」と茫然とつぶやくのでした。

次回、第31回「天下人への道」です。
https://tg-drama.com/kanbei-031/
あの荒木村重(田中哲司さん)が、信長が死んで再登場します!

楽しみです。


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