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軍師官兵衛 第33回「傷だらけの魂」のネタバレとあらすじと感想。

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「軍師官兵衛」は、2014年1月5日から12月21日まで放送された大河ドラマです。

2018年4月より、NHK BSプレミアムで日曜昼12時からの大河ドラマアンコール枠で再放送されています。

2018年11月11日に放送されたのは、第33回「傷だらけの魂」です。

前回、黒田官兵衛(岡田准一さん)と蜂須賀小六(ピエール瀧さん)が、毛利との領地分割折衝で留守にしている間に、信長の二男信雄(小堺翔太さん)に助力を頼まれた、徳川家康(寺尾聰さん)から挑発された羽柴秀吉(竹中直人さん)。小牧長久手の戦いに大敗します。

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秀吉は、信雄に迫って和議を結び、結果引き分けとなりました。

官兵衛は、家康と再び戦をしようとする秀吉を止め、先に四国平定をするよう進言。先鋒となった黒田軍は破竹の勢いで戦い、ふた月余りで長宗我部氏を降伏させました。

天正13年7月。秀吉は関白となり、9月には姓を「豊臣」と改めました。同じ年、官兵衛の父、職隆(柴田恭兵さん)が亡くなりました。

戦なき世が近づいてきました。

前回の第32回「さらば、父よ!」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。

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それでは、第33回「傷だらけの魂」のあらすじと感想です。

目次

秀吉家臣に官位

関白となった秀吉は、石田三成(田中圭さん)には治部少輔、福島正則(石黒英雄さん)には左衛門大夫、加藤清正(阿部進之介さん)には主計頭という官位を与え、側近として用いていました。

全身金色の衣装で現れた秀吉は、家臣たちの前で「これからは私利私欲に基づく争いは、この豊臣秀吉が許さん。天下惣無事。各地の大名に争いをやめる事を命ずる。」と言います。

未だ秀吉に従わないのは、東の徳川、北条。九州薩摩の島津。徳川、北条は手を結び、守りを固めています。島津は九州を治めようと豊後の大友を攻め滅ぼす勢いです。従わない場合は、秀吉が成敗する、と言うのでした。

天満の黒田屋敷では、太兵衛(速水もこみちさん)が善助(濱田岳さん)に、九州攻めでまた、ただ働きさせられるのではと不満を口にしていました。

それもそのはず、小六は阿波、小早川隆景(鶴見辰吾さん)は伊予、安国寺恵瓊(山路和弘さん)までが所領を与えられて大名になっているのに、四国平定をした黒田には何の恩賞も与えられていなかったのです。

善助は、「殿は昨年4万石に加増されたばかり。恩賞など欲しくないとお断りになったのじゃ。」と説明しました。二人の会話を、琵琶を弾きながら聞いていた九郎右衛門(高橋一生さん)は「それだけかな?」と意味深につぶやき、「殿の事を快く思わぬ者が、殿下のお側におるのではないか?」と予想していたのでした。

その頃石田三成は、いまだ上洛しようとしない家康に対して秀吉に「攻めるべきでは?」と進言していました。

しかし秀吉は「官兵衛の申す通り、もう家康とは戦わん。戦わずして我が軍門に下らせる策を考えるんじゃ。政に関しては、お主ほどの男はおらん。じゃが、いざ戦においては、官兵衛の右に出る者はおらん。あやつは常に先を見る。このわしの考えを聞かずとも、常に先を言い当てる。そのさまは気味が悪いくらいじゃ。」と言います。

三成は「それゆえ油断ならぬ御方でございます。」と吹き込んでいたのでした。

三成を重用する秀吉を、おね(黒木瞳さん)は、「清正や正則の妬みが募るばかりでございます。」と忠告していました。それと茶々(二階堂ふみさん)に執着して、口説きまくっていることに対しても忠告していました。しかしこちらには「茶々だけはこのわしに見向きもせぬ。そこがたまらんのじゃ。逃げれば逃げるほど追いかけたくなるものじゃ。」と言って、聞き入れませんでした。

奥さんの前で他の女の話をするなんて、どうかしています。正室の地位は守ってあげるみたいですけど、そんなことで済む時代だったんだから仕方ないです。

秀吉は、ちゃんとおねのことも大事にしたみたいですし、そこは夫婦の問題ですが、気持ちのいいものではないです。もうちょっとこそこそして欲しいもんです。

秀吉が茶々を喜ばせようと舞を見せても、眠くなったとおねの前で退席したり、茶々は好きなように振舞っていました。

秀吉が何をやっても興味を示さず、ニコリともしない茶々でしたが、一つだけ興味を示したことがありました。道薫(荒木村重)(田中哲司さん)です。有岡城落城の時の話を聞かせて欲しいと言うのです。

秀吉は早速道薫を呼びつけ、茶々に話すよう命じました。道薫は、「殿下の御所望ならばなんなりと。」と引き受けました。

村重、だしとの子と対面

官兵衛は、大坂城下の南蛮寺を訪れ、かつて有岡城の土牢に幽閉されていた頃に、だし(桐谷美玲さん)らが歌っていたのと同じ歌を聞きます。高山右近(生田斗真さん)から「インパラディズム」という歌だと教えられます。二人はだしの人柄について語り、懐かしみます。

さらに右近は、有岡から逃げ出しただしの子を心配するのでした。

黒田屋敷の戻った官兵衛は、庭で働いていた新入りの男、谷崎新吉(正名僕蔵さん)をみかけ声をかけ、挨拶を受けました。善助は「女房子供を炭小屋に住まわせております。」と説明しました。

新吉を見た九郎右衛門は「有岡城で見た事がある。」と気づき、調べます。新吉が戻った炭小屋には、だしの侍女だった、さと(岡本易代さん)と、又兵衛(藤野大輝さん)という少年がいました。

又兵衛こそが村重とだしの子だったのです。

道薫は官兵衛の屋敷に来て、茶々の為に有岡城の話をするよう秀吉に命じられたので、その場に同席して見届けて欲しいと頼んできました。その場に九郎右衛門が新吉、さと、又兵衛を連れてきました。

新吉は「殿!鉄砲組、谷崎新吉でございます!」と道薫に挨拶をしました。九郎右衛門が「この者らは有岡城で荒木様にお仕えしていた者にございます。」と説明します。

新吉はだしの侍女のさとを紹介。さとも「お久しゅうございます。」と挨拶。又兵衛も「初めてお目にかかります。又兵衛にございます。」と挨拶しました。さとは、村重とだしの子だと言いました。

新吉は、村重が関白になった秀吉のお伽衆になったことを聞きつけ、黒田の屋敷にいたらいつか村重に会えるのでは?と思い、働いていたと言いました。

又兵衛の首には、だしがいつも身に着けていた木製のロザリオがかけられていました。間違いありません。「父上。」又兵衛は遠慮がちに道薫に呼びかけました。

あまりに突然のことに道薫は「それがしに子などおらぬ。」とだけ言って立ち上がり去っていきました。

感動の再会、とはいきませんでした。死んでいたと思っていた子どもが急に目の前に現れて、混乱したんでしょう。でもきっと又兵衛の方はずっとさとに言い聞かされて育って来ていたでしょうから、この村重の態度はショックだったんでは?と思いました。

本来の村重は愛情深くて、信長に謀反をした時もなんとか妻子と生き延びる方法をずっと考えていました。本当はものすごく嬉しかったはずです。

でも、今回はその有岡城での話をしなければいけない、という仕事もあったし、時間が必要だったんでしょう。

道薫は、屋敷の戻り一人で考え込んでいました。

右近はだしの子が無事だった事を官兵衛から聞いて、喜びました。官兵衛は、実の子を目の前にした道薫の態度を残念に思っていました。そしてだしが右近の勧めでキリシタンになったきっかけを聞き、だしが土牢に閉じ込められていた自分を、いたわってくれた事を思い出します。

苦しい時ほど隣人を大切に思う、というデウスの教えを右近から聞き、改めて感銘を受けていました。

化け物

道薫は、秀吉、茶々、そして官兵衛に右近、三成が見守るなか、信長の家臣となって謀反に至るまでの話、官兵衛を1年もの間幽閉したことまで包み隠さず話していました。

茶々は官兵衛に「恨んでおるか?」と聞くと官兵衛は「いいえ。」と答えます。続いて「伯父信長は恐ろしいお方。勝てるの思ったのですか?」と道薫に聞きました。

「勝てる見込みがなければ、謀反など起こしたり致しませぬ。しかし高山右近が裏切ったことで我が謀に狂いが生じ始めたのです。」と道薫は次に右近に向けても話を及ばせます。

千利休(伊武雅刀さん)が間に入り、話を止めさせようとすると、秀吉も同意しました。

しかし茶々だけが「聞きとうございます。妻や家臣を見捨て何故一人、生き長らえているのか、それが聞きとうございます。」と言います。

「死にたくても死ねないのでございます。それならばと開き直りました。生き恥を晒して生きていくほかないと。私にはもはや人の心はありませぬ。私は生んだ化け物でございます。茶々様、それがしもあなた様に伺いとうございます。父、母を殺されながら、何故仇のもとで生き長らえておられるのです?あなた様も私と同じ化け物にございます。ここには化け物しかおらぬ。」と道薫は言い切り、秀吉は怒りを露にします。

が、道薫は話を止めず「天下惣無事など絵空事にございます。誰が天下を取ろうとこの乱世が終わる事などありませぬ。」と言うのでした。

秀吉は刀を抜き道薫に振り下ろそうとした直前、官兵衛が一人笑い出しました。

「望みかないましたな、道薫殿。この男は死にたいのでございます。」と自殺出来ないから秀吉に殺されようとわざと悪態をついたことを見抜いたのです。

秀吉は刀を収め、三成に道薫をどこかに閉じ込めるよう命じ、その場を去っていきました。

緊張の場面でした。道薫がずっと官兵衛に言ってきた内容をそのまま秀吉にも言ったわけですけど、秀吉はこうやって自分のことを馬鹿にしてくる人間が一番嫌いですから、斬られてもおかしくなかったです。官兵衛に救われましたね!

親子の別れ

官兵衛は、右近に道薫を救った理由を聞かれ「道薫には生きてもらいたかった。ここで死なせてはならぬ。そう思っただけの事。」と答えます。

「あなたはあの方の魂を救おうとなさったのです。生きてこそ、いつかあの渇ききった心がうるおいを取り戻す日が来る、私はそう思います。」と右近は言い、官兵衛自身が頻繁に南蛮寺に訪れるのを見て「あなたの心は何を求めているのですか?門はいつでも開いております。」と言うのでした。

屋敷に戻った官兵衛は、庭でニワトリの絵を描く又兵衛の側に寄り、絵の上手さに感心しました。そして他の絵も見せてもらいました。そのなかには、道薫を描いた絵も入っていました。

後日、秀吉から大坂からの所払いという沙汰を受けた道薫。大坂から出て二度と近づいてはならぬと命じられました。

官兵衛は「大坂を出る前に会って頂きたい者がおりまする。」と言って、道薫に又兵衛に会わせ、又兵衛が絵師になりたいと望んでいることを話しました。

又兵衛は、道薫を描いた絵を道薫に見せると、道薫の手が震えます。「よく似ておる…。」そう言うと、又兵衛を抱きしめました。そして「だし…すまなかった。」と泣いて謝るのでした。

道薫は大坂を去る前、官兵衛に「官兵衛、わしはもう一度生きてみせる。」と決意表明しました。その声は、元の明るかった頃の村重の声でした。

そして同じく見送る又兵衛に、1本の筆を渡し「又兵衛。絵が好きならその道を究めるがよい。」と言い、去っていきました。

道薫こと、荒木村重は翌年の天正14年、堺でその生涯を閉じました。その息子又兵衛は、成長して「岩佐又兵衛」と名乗り、後世に名を残す絵師となりました。

荒木村重という人は、官兵衛を幽閉し、妻子を見捨て、本当にひどいことをしましたが、なぜか憎めない人でした。悪いとは最後まで思えませんでした。

官兵衛の事は結果殺さなかったし、どこか優しい人だったんじゃないかと思います。これは田中哲司さんという俳優さんのイメージがよかったからそう思うのかもしれません。

洗礼を受ける官兵衛

再び南蛮寺を訪れた官兵衛は、洗礼の儀式を受けました。「シメオン」という洗礼名をもらいました。

光(中谷美紀さん)は善助から、官兵衛がキリシタンになったことを聞きました。お福(阿知波悟美さん)は戸惑っていましたが、光は官兵衛から「有岡城に幽閉されていた時、どこからかキリシタンの歌を聞こえてきて、生きる力を得た。」という話を聞いていたので納得していました。

九州攻めの準備

四国攻めの御礼を言いに、大坂城を訪れた小早川と恵瓊。秀吉は組み立て式の黄金の茶室を披露しました。小早川と恵瓊は秀吉を絶賛しましたが、官兵衛は冷ややかな目で見ていました。

小早川と恵瓊が帰った後、島津が天下惣無事に従う様子がない事を秀吉から聞いた官兵衛。

九州攻めの支度をするよう命じられました。

九州攻めが叶った暁には大きな領地を与えると言う秀吉に、官兵衛は領地が欲しいわけではなく、秀吉の天下を願っているだけだと言いました。

しかし秀吉は「無欲な者ほど、怖いものはない。」と警戒を強めるのでした。

終わりです。

どんどん雲行きがあやしくなる秀吉と官兵衛。しかし官兵衛は気付いている様子はありません。

欲がなさすぎるのもコントロールしにくくて、上の人からは睨まれてしまいます。バカな振りをすることも出来ればいいんですけど、官兵衛はそんな人です。

次回、第34回「九州出陣」です。
https://tg-drama.com/kanbei-034/


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