「軍師官兵衛」は、2014年1月5日から12月21日まで放送された大河ドラマです。
2018年4月からNHK BSプレミアムの日曜昼12時の大河ドラマアンコール枠で再放送しています。
2018年4月22日に放送されたのは、第4回「新しき門出」です。
前回、父、黒田(小寺)職隆(柴田恭兵さん)から、堺へ鉄砲を買い付けるよういわれた官兵衛(岡田准一さん)は、道中出会った摂州牢人、荒木村重(田中哲司さん)に世の中の事を教わりました。
さらに堺の町で、播磨では出会えなかった世界を知った官兵衛は、おたつ(南沢奈央さん)の仇討ちばかりを考えていた自身の視野の狭さに気付くのでした。
今回は結婚と家督相続、二つの重要な出来事が一気にやって来ます。
第4回「新しき門出」、あらすじと感想です。
前回の第3回「命の使い道」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。
それでは、第4回「新しき門出」のあらすじと感想です。
立派な跡取り
堺から戻った官兵衛は、伊吹善右衛門(尾藤イサオさん)と一緒におたつのお墓参りをし、気持ちの整理をつけた後、母里小兵衛(塩見三省さん)が指揮をとっていた堤づくりを、母里武兵衛(永井大さん)、栗山善助(濱田岳さん)と共に手伝いました。
小兵衛は「ご立派になられた。」と黒田家の跡取りに成長していく官兵衛に涙を流すのでした。
一方、室町幕府は衰亡の一途をたどっており、13代足利義輝暗殺された後、次期将軍を狙う弟の足利義秋(義昭)(吹越満さん)は、越前一乗谷城の朝倉氏の庇護下にいました。
義秋は共に上洛してくれる大名を募る為、全国の大名に協力を呼び掛ける書状を出し、それは小寺政職(片岡鶴太郎さん)にも届きました。
将軍家に認められていると喜ぶ小寺でしたが、書状は職隆にも届けられていました。逆心を疑われぬよう正直に告白した職隆の考えも虚しく、小寺は職隆への警戒を強めます。
小寺には、嫡男の斎が生まれたばかり。自分がいなくなった後の事が心配になっていました。いつか職隆に小寺家を乗っ取られるのでは?と不安に思っていたのです。
そんな折、小寺から狩り場の下見の為、櫛橋領内に行くことを命じられた官兵衛。
そこで木に登って下りられなくなった子供(馬渕誉さん)が、大泣きをしている場面に出くわしました。木の下では、女性(中谷美紀さん)が子供を助けようと自ら木に登ろうとして、侍女(阿知波悟美さん)に止められていました。
官兵衛は子供に「おい!泣いてばかりいては下りられんぞ。まずは落ち着け。今から教えるとおりに手足を動かして下りて来るんだ。」と話しかけます。女性は「無理です!あんなに怖がっているのですよ。下から指図するより上って助けた方が早い。」とまだ木に登ろうとします。
「とんだ跳ねっ返りだ。」「あなたこそ男のくせに怖いのですか。」言い争いを始めた二人に泣き止む子供。落ち着いたとみた官兵衛は、的確に足を置く場所を指示して、子供自身で木から下ろす事に成功しました。
仙吉と名乗ったこの子は、病気の母の為、山桃を取ろうとしたとの事。官兵衛は木に登り、山桃を取って来て仙吉に渡すと、仙吉は喜んで帰っていきました。そしてもう女性にも山桃を渡し、「これで仲直りです。」と言って去っていくのでした。
縁談
櫛橋領内で狩りをする小寺。職隆が先にキジを射てしまいます。機嫌を悪くした小寺も、官兵衛の手助けで見事キジを射抜きました。
小寺は職隆に、櫛橋左京亮(益岡徹さん)がいる目の前で「官兵衛はいつ家督を継いでも恥ずかしくない立派な跡取りじゃ。羨ましいのう。それに比べ我が子、斎はまだ小さい。跡取りが幼いのをいい事に小寺家を狙う者がおるやもしれん。」と言い、不穏な空気が流れました。
その晩、櫛橋家で宴会が開かれました。そこで櫛橋左京亮の二人の娘、力(酒井若菜さん)と光がお酒を持って現れました。光は、先日山桃を渡した女性でした。
官兵衛は席を抜け出して「先日は失礼を致しました。」と光に話しかけ、光も山桃のお礼を言い、二人はいい感じの雰囲気になりました。
宴会の途中、小寺は自分の縁者でもある櫛橋家の娘、力と官兵衛の縁談を提案し、結びつきを強くしたいと言ってきました。微妙な顔をする官兵衛。左京亮は喜びます。職隆も「ありがたきお話。」と話を受けるつもりです。しかし左京進(金子ノブアキさん)は顔を上げず、明らかに嫌がっている顔をしていました。
宴会が終わった後、左京進は「黒田家は商人上がりの外様。官兵衛は、己の浅知恵をひけらかす心卑しい男です。」と左京亮に猛反発し、縁談を断るよう言います。力も兄から話を聞いており「ずる賢い人のもとへ行くのは嫌でございます。」と大変な嫌いようです。
話を耳にした光は「そのような悪いお人でしょうか。私には兄上の言うような方には思えませぬが。」と自分の意見をはっきりと言うのでした。
黒田家では、井手友氏(飯田基祐さん)が、小寺の仲立ちでの櫛橋家との縁談を喜んでいました。休夢(隆大介さん)も「義秋公の書状の一件もこれで落着。」と喜びましたが、職隆は「まだ疑いは晴れていない。」と言い、官兵衛へ家督を譲る決意をしました。
天下布武
その頃、美濃では木下藤吉郎(竹中直人さん)が才能を開花させていました。美濃三人衆を調略し寝返らせ、永禄10年8月に難攻不落の稲葉山城はついに落城しました。
「岐阜」と新たに名付けた織田信長(江口洋介さん)は、「天下布武」を新しい印として定め、天下統一への道を歩む事になりました。
信長は岐阜に「楽市」をもうけ、誰もが好きなように商いが出来るようにし、岐阜は各地から人々が集まり活気に満ち溢れているとこの事。
官兵衛はその事を小寺に話し、「御着でも楽市を。」と進言しましたが、「商人だけが儲けても。」と小寺は聞く耳を持ちませんでした。
そんな事より小寺には嫡男の斎の事ばかり気にしていて、官兵衛に斎の兄のような存在でいて欲しいと頼むのでした。
家督相続と結婚
縁談で揉めていた櫛橋家でしたが、嫌がる力に代わって、光が嫁ぐと言い出した事で丸く収まりました。小寺もどちらでも構わない。との事でした。
家督の件でも小寺からお許しが出て、官兵衛が黒田家の家督を継ぐ事になりました。
「まだ早い。」と言う官兵衛でしたが、職隆は「皆が口を揃えて言う、黒田は立派な跡継ぎを持っていると。わしもそう思う。頼んだぞ。」と息子に黒田家を託しました。
こうして黒田家に嫁いできた光に、祝言の夜、官兵衛は「光殿で良かった。実を申せば、あの木の下で会うた時から、そなたの事が気になっていた。」と告白しました。
光も同じ気持ちでした。官兵衛は自分の気持ちをはっきり言う光に好感を持ちます。そして「一つ話しておかなければならないことがある。」と言って、おたつとの初恋を告白しました。
「信じられませぬ。祝言の夜に他の女子の話など。」光はそっぽを向きました。官兵衛は謝りながらも「そなたにだけは話しておきたかった。この先、我らの間で隠し事はしない。」と言うのでした。
確かに信じられません。「隠し事はしない。」と上手くまとめたところも気に食わないです。いつか家中の誰かがポロっとこぼしたり、官兵衛自身が寝言でおたつの名前を言っても耐えろという事でしょうか?自分だけスッキリして最悪です。
私の思いはともかく、翌日二人はおたつの墓参りをし、手を合わせました。
信長上洛
永禄11年8月。足利義昭は、信長の招きを受け、越前から岐阜へ移りました。明智光秀(春風亭小朝さん)は、義昭の前に並べられた数々の贈り物が信長からの献上品だと説明します。
信長が現れ、義昭を奉じ上洛する事を約束しました。
永禄11年9月。信長は天下布武を掲げてついに上洛の兵を挙げました。
今回は、官兵衛の家督相続と結婚、信長の上洛と、まさに「新しい門出」2本立てでした。
次回は、第5回「死闘の果て」です。