「軍師官兵衛」は、2014年1月5日から12月21日まで放送された大河ドラマです。
2018年4月からNHK BSプレミアムの日曜昼12時の大河ドラマアンコール枠で再放送しています。
2018年6月3日に放送されたのは、第10回「毛利襲来」です。
前回、黒田(小寺)官兵衛(岡田准一さん)は、竹中半兵衛(谷原章介さん)に約束した通り、小寺政職(片岡鶴太郎さん)、別所長治(入江甚儀さん) 、赤松広秀(野杁俊希さん)ら播磨三家の当主を、織田信長(江口洋介さん)に拝謁させることに成功しました。
その動きに応じて石山本願寺と組んだ毛利軍が、姫路の英賀の港に大軍で押し寄せてきました。
とうとうやって来た毛利軍。官兵衛はこの危機を乗り越えることが出来るのか?
前回の第9回「官兵衛試される」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。
それでは、第10回「毛利襲来」のあらすじと感想です。
援軍望めず
毛利軍を迎え撃つ姫路の黒田家では、皆戦の準備で駆け回っていました。次々に毛利軍が上陸し、御着城では早速小寺が、「信長に会わねば良かった。」と全てを官兵衛のせいにしていました。
一方、摂津では信長が自ら出陣して石山本願寺と戦っていました。黒田から羽柴秀吉(竹中直人さん)に援軍を要請していましたが、織田軍が播磨へ来る余裕などありませんでした。
播磨にいた一向宗の門徒たちは、英賀御堂に立てこもり、毛利軍に加わっていました。小寺の家臣たちは官兵衛の失策だと責め立てました。
また黒田は、別所、赤松へ援軍を要請しましたが、「我らの戦ではない。」と、どちらも来てくれませんでした。毛利軍の数は5000。1000の小寺の兵だけで毛利を迎え撃つことになりました。
兵の数の不利にすっかり弱気になっていた官兵衛の弟、兵庫助(植木祥平さん)に、母里太兵衛(速水もこみちさん)は「わしが1000人倒す。」と本気とも冗談とも取れない事を言い、その場を和ますのでした。
栗山善助(濱田岳さん)は、一向宗の門徒の陣に潜り込みました。毛利軍は数の上で有利なので、余裕で酒を飲んでいました。「明日にも播磨中の門徒が加わる。」という情報を聞きつけます。
陣の中で、以前黒田家にいた侍女、お道(福島リラさん)と目が合いましたが、お道は見逃してくれました。
全員で戦う黒田
官兵衛は、霧が出てきた事を利用し、明け方を待って攻め込む事を小寺に提案します。
官兵衛には策がありました。
職隆は姫路の民たちを集め、村に残っている男衆全員に協力を呼びかけます。
「年寄りしか残っていない。」という男たちでしたが、「年寄りで構わぬ。戦うわけではない。金に糸目はつけぬ。」と職隆は民たちに黒田を信じるよう訴えました。
一方、光(中谷美紀さん)たち女衆は、城の中にある布という布をすべて集めほどき、縫う作業を急ぎ行っていました。松寿丸(若山耀人さん)と又兵衛(松島海斗さん)ら子供たちも協力しました。黒田総動員です!
夜が明け、黒田軍は、霧の中まだ眠っていた毛利軍の近くまで忍び寄ると、一斉に矢を放ちます。慌てて応戦する毛利軍。
「援軍が来たぞ~!」という声のもと大勢の人の声と、大量の小寺の旗が揺らぎます。職隆の指示のもと、男たちが声を上げ、旗を振り、太鼓を打ち鳴らしていたのです。
祈るような思いで成り行きを見守る官兵衛と職隆と休夢(隆大介さん)。毛利軍がひるんだ隙に黒田軍が攻めていきました。
毛利軍は本当に援軍が来たと思い、急ぎ退却を始めたのでした。
官兵衛の策が当たりました!「真田丸」の第1次上田合戦を思い出しました!
少人数が大人数に勝つのは面白いです。
毛利軍退却
毛利軍の退却で、なんとか勝利した小寺。手のひらを返して官兵衛を褒める小寺です。
今回は勝ったものの、毛利はいつでも攻めて来られるという事を見せつけられたのでした。
小寺に勝利を報告して姫路に戻った官兵衛は、勝利を祝う言葉を言う松寿丸と又兵衛に感謝の言葉を言い、「早く休むように。」と余裕の言葉をかけてやります。
しかし二人が去った後、光と二人だけになった官兵衛は、力が抜け倒れ込みます。
そして光に「此度はもうダメかと思った。5000と聞いた時には、震えが止まらなかった。あのような大軍、見たこともない。怖かったのだ。」と初めて本音を打ち明けます。
「なれど、勝ちました。殿は姫路を守ったのです。」光は怖がる官兵衛を優しく受け止めました。二人は静かに勝利を噛み締めたのでした。
夫婦のステキなシーンでした。弱音を吐く夫にこうやって優しく言葉を返せるでしょうか?私なら強くいて欲しいと「しっかりせな!」と言ってしまうでしょう。
毛利の小早川隆景(鶴見辰吾さん)は、がっかりする足利義昭(吹越満さん)に、「次の戦を考えている。毛利の底力をご覧に入れます。」と言うのでした。
嵐の前の静けさ
摂津天王寺砦で、荒木村重(田中哲司さん)から信長に、官兵衛の勝利が伝えられました。
信長は秀吉に、小寺に勝利を褒める書状を出すよう命じました。
竹中半兵衛は「毛利が播磨に兵を出したのは、本願寺と示し合わせたに相違ありませぬ。」と摂津と播磨同時に攻める事で織田軍が播磨に援軍が出せないように仕組んだのだろうと推測します。
信長は「まことの戦はこれからじゃ。」と言うのでした。
毛利の狙い通り、英賀の戦いは播磨中を混乱させるのに十分なものでした。
信長からお褒めの書状をもらった小寺は「官兵衛に任せておけば万事うまくいく。」とこれまた調子いい事を言います。小寺は織田軍が播磨に入ってくるのを心待ちにしていました。
官兵衛は一刻も早く秀吉に出陣してもらえるよう、書状を書きました。
書状を受け取るはずの秀吉は、浮気でおね(黒木瞳さん)に家出されてしまい、建築中の安土城にいる信長に訴え出られていました。信長は、秀吉に浮気を注意する文を書いてくれました。
戦に明け暮れる日々の中で、こうした今の時代にも起こるような出来事が起こっていたのです。
一方黒田家に、出て行った一向宗門徒の侍女、お道が、焼け出されて行くところがなく、大怪我を負ったおゆう(中村映里子さん)とお竹(菅原祥子さん)を連れて助けを求めてきました。
お竹は手遅れでしたが、お道はおゆうの傷が癒えるまで置いて欲しいと懇願します。
官兵衛は、「身の振り方はゆっくり考えればよい。まずは怪我を治す事だ。」と二人が黒田にいる事を許しました。
別の日、善助は、お道に毛利の陣で見逃してくれた事の礼を言いました。善助はお道の身の上を心配し、色々と話して仲良くなっていました。
その様子を見ていた井上九郎右衛門(高橋一生さん)は、「惚れたか?あまり関わらない方がよい。門徒宗だ。油断ならん。」と忠告するのでした。
傷が治らず寝込んでいたおゆうを、官兵衛が重隆(竜雷太さん)の膏薬を持って訪ね、塗ってやっていたところ、光の侍女お福(阿知波悟美さん)に見られて勘違いされ「側室したいのでは?」と疑われたりしていました。
それぞれ、束の間の休みを過ごしていました。
しかし、平和な日もすぐに終わりを迎えました。
天正4年7月。摂津木津川の河口で、石山本願寺へ兵糧を運ぶ毛利の水軍と、それを阻止しようとする織田の水軍が激突。織田が負けたと官兵衛に知らせが来ました。
この敗北が天下を揺るがす新たな危機をもたらすのでした。
次回、第11回「命がけの宴」です。
毛利との戦いで秀吉の播磨への出兵が延期され、危機を迎えます。
高山右近役の生田斗真さんが登場です!