「軍師官兵衛」は、2014年1月5日から12月21日まで放送された大河ドラマです。
2018年4月からNHK BSプレミアム日曜昼12時から、大河ドラマアンコール枠で再放送しています。
2018年10月7日に放送されたのは、第28回「本能寺の変」です。
前回、黒田官兵衛(岡田准一さん)の策で、備中高松城を水攻めにした羽柴秀吉(竹中直人さん)。
「手柄の立て過ぎじゃ。主君をしのぐ手柄を立ててはならん。」と主君である織田信長(江口洋介さん)に総仕上げをお願いします。
援軍が来るまでの間、官兵衛は、毛利の軍師、安国寺恵瓊(山路和弘さん)と、小早川隆景(鶴見辰吾さん)に和睦交渉を持ち掛け、高松城主清水宗治(宇梶剛士さん)を織田に寝返らせ、宗治の命を助けるよう話をつけました。しかし、当の本人の清水宗治が寝返りを拒否。自害すると言いました。
信長と、それに先駆け明智光秀(春風亭小朝さん)の援軍を待つ秀吉と官兵衛。
信長がいる京の本能寺へ、毛利攻めの援軍に向かったはずの光秀が向かっていました。
前回の第27回「高松城水攻め」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。
それでは、第28回「本能寺の変」のあらすじと感想です。
本能寺の変
天正10年(1582)6月2日未明。「敵は本能寺にあり。」と、明智光秀の軍勢は、信長、お濃(内田有紀さん)、信忠(中村倫也さん)がいる本能寺へ向かいました。眠っていた信長とお濃は物音に気付きました。霧深いなか、明智軍の鉄砲が本能寺多数撃ちこまれました。
明智の軍勢と知ると信長は、「是非に及ばす。」と言いました。明智軍の夜襲に弓矢で対抗する信長とお濃。明智の鉄砲隊には敵わず、森蘭丸(柿澤勇人さん)ら、若い人たちにその場を任せて、二人は奥へと逃げました。
しかし、寺の中にも敵は入ってきていて、お濃が先に斬られ倒れました。寺は明智軍が放った火矢で、燃えて来ていました。信長は奥の奥まで寺の中に入っていき、一番燃えている部屋で、覚悟を決め座りました。
「人間五十年。下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。」そう言うと信長は立ち上がり「一度、生を得て、滅せぬ者の、あるべきか!生きるも死ぬも一度限り。存分に生きたぞ。」と言うと自らの首を斬り、自害したのでした。
明智軍は信長の亡骸を探しましたが、見つかりませんでした。
朝廷に、明智謀反の噂が広がりました。吉田兼和(堀内正美さん)、九条兼孝(米村亮太朗さん)は「光秀がついにやりおった。」「明智の勝ちがはっきりするまで、今しばらく待った方がええ。」と光秀謀反に喜びながらも静観する立場を取りました。
光秀謀反を伝えられた安土城の信長の生母、土田御前(大谷直子さん)は、知らせを聞くなり倒れ込みました。
続いて長浜城にいるおね(黒木瞳さん)にも知らされました。長浜城に残る家来たちは、女と年寄りばかり。すぐに来るであろう明智軍の攻撃に耐えられそうもありません。おねは、留守を預かる身として、皆に逃げるよう指示するのでした。
一方、勝利した光秀は坂本城に戻りました。娘の倫(石橋杏奈さん)は、「荒木一族の無念、だし様のご無念をお晴らし下さりました。かつて荒木の嫁であった身として、お礼の申しようもありませぬ。」と頭を下げるのでした。倫はずっと思い悩んでいました。光秀は倫の言葉にただ涙を浮かべていました。
光秀は「備中におる秀吉は無論の事、柴田や滝川もこの光秀の首を狙いに来るであろう。だがいずれも遠方。しばしの時がある。今のうちに同心する者を募れ!」と家臣たちに命じました。
そして「朝廷のご威光をもって、信長の打ち壊しせしものを作り直し、元のあるべき姿に戻すのだ。さすれば乱世は終わり、太平の世が訪れる。」とこれからの世への思いを述べるのでした。
光秀謀反の知らせは、堺にいた徳川家康(寺尾聰さん)へも伝えられました。明智軍に囲まれた現状に「本来なら上様の仇を討つべきところだが、この手勢ではそれもかなわぬ。かくなる上は、潔く腹を切る。」と死を覚悟します。
が、井伊直政(東幹久さん)をはじめ重臣たちが必死に止め、逃げることに決めたのでした。
摂津国境付近では、明智の厳しい検問がしかれていました。そのなかを、織田家重臣長谷川宗仁に「羽柴様にお届けせよ。」と信長の死を知らせる書状を渡すよう厳命を受けた、辰蔵(須賀貴匡さん)が、道のない草木をかき分けその役目を果たすべく奔走していました。
昨年の「おんな城主 直虎」でもやってました。あの時は芝居をしていたのでわざとらしかったですけど、「軍師官兵衛」ではちゃんと真面目に逃げようとしています。直虎(柴咲コウさん)が、堺で船を用意して待っていたけれど、虎松(菅田将暉さん)らは来なかったんですよね!
小寺と再会
事件の翌日、官兵衛は信長の死を知らないまま、備中石井山の秀吉の本陣で、蜂須賀小六(ピエール瀧さん)と、明智の援軍が来た時の配置を話し合っていました。
そこへ栗山善助(濱田岳さん)が、水攻めで水につかった村の百姓たちに米を配っていた時に、御着の殿、小寺政職(片岡鶴太郎さん)を見つけたと知らせに来ました。
急いで農家へ駆け付けた官兵衛。農家の女性は「どうかお見逃しください。ご病気でございます。」と土下座して止めます。「手荒な真似はしない。」と九郎右衛門(高橋一生さん)が言い、中に入ると、部屋の前に一人の青年が官兵衛を迎えました。元服して氏職(柳下大さん)と名を改めた斎でした。
小寺は床に付いて、官兵衛が来ても起き上がれないほどでした。「官兵衛にございます。」と声をかけると言葉が出て来ない小寺。「官兵衛…!ずっとおことに、謝りたかった。許してくれ。」と泣きながら言います。「もはや過ぎた事。あの時は見抜けなかった、それがしの失策でございます。」と官兵衛は言います。
小寺はもう一度謝り、「氏職を…頼む…。おことしか頼る者がおらん。」と絶えそうな息で頼みます。官兵衛は、小寺の手をしっかりとを握り、「若は、それがしがお守り致します。」と約束しました。その言葉に安心した小寺は「あの世でお紺に叱られずに済む。」と泣き、息を引き取りました。
官兵衛はまた子供を引き受けましたね。どんどん人が集まってきます。裏切られたのに義理を果たす。官兵衛の人となりが分かります。
小寺との話を秀吉に報告する官兵衛。秀吉は「お人よしじゃのう。」と言いました。高松城は戦の最中とは思えぬほど静かでした。明智の軍勢をただ待つのみでした。
姫路の官兵衛の屋敷では、職隆(柴田恭兵さん)、休夢(隆大介さん)、光(中谷美紀さん)が備中の戦場を思っていました。
その晩は生まれたばかりの熊之助の夜泣きが酷く、光は「父親が恋しいのでしょう。父上は今、備中におりますよ。戦が終わったらすぐに会えますよ。」とあやすのでした。
知らせに驚愕する官兵衛
長政(松坂桃李さん)と兵庫助(植木祥平さん)が守る場所に、一人の男が来て倒れ込み「ここは羽柴様のご陣所でございましょうか?」と聞いてきました。長谷川に遣わされた辰蔵でした。
辰蔵は中に通され、水を一気に飲み干しました。官兵衛が応対に出ます。辰蔵はいきなり「お人払いを。」と言います。兵庫助が「無礼者!」と怒鳴ります。官兵衛は兵庫助を制して、「下がれ。」と言うと、兵庫助、長政、善助が部屋から出ていきました。
辰蔵は「それがし、長谷川宗仁様の使いで参りました。」と言います。「一体何事だ?」と言う官兵衛。「一刻も早く羽柴秀吉様か、黒田官兵衛様にお報せせよと。そのお二人以外には断じて知られてはならぬと。」と辰蔵は続けました。
官兵衛が話を聞き出そうとすると「ご無礼ながら、黒田様であるという証しをお見せ願えますか?」と辰蔵は慎重に慎重を重ねて聞いてきます。
官兵衛は、杖をついて辰蔵に近づき顔の傷を見せ「この傷は有岡城の土牢に幽閉された際に負った傷の名残。足もこの通りだ。」と杖をつきます。
官兵衛だと確信した辰蔵は、襟の内側に縫い付けて隠していた手紙を、官兵衛に見せました。手紙を読んだ官兵衛は「謀反。信長公御討死。」と言う言葉に「これは…!」と言い驚愕します。そして辰蔵に「お主、命が惜しいか。」と睨みながら聞きます。「はっ。」答える辰蔵。
「惜しければ他言無用だ。」「承知しております。」
官兵衛は善助を呼び、辰蔵に食事を与え、ねぎらうよう指示しました。善助は何も尋ねず官兵衛の命令通り動きました。
誰も部屋に通さず頭を抱えながら、そのまま一人、部屋の中で考える官兵衛。迷いの顔はすぐに消え、鋭い眼光に変わりました。
外に控えていた善助を呼び、耳打ちする官兵衛。表情が変わる善助。「決して漏らすな。腹を決めよ。毛利には知られてはならぬ。網を張れ。」官兵衛が言うと、善助は急いで駆け出していきました。
天下への運が開けた
官兵衛はそのまま秀吉の寝所へ行きました。眠そうに応対する秀吉。「京にいる長谷川宗仁殿からでございます。」手紙を差し出す官兵衛。官兵衛は秀吉が手紙を読む前に「心してお読みください。」ともったいぶらせます。
緊張しながら手紙を開く秀吉。一瞬にして表情が変わり、「上様~上様~、嫌じゃ~。」と過呼吸になり泣き始めました。
「殿!殿!一刻を争います。お気を確かに。分かりますか?分かりますか?分かりますか!」官兵衛の言葉は秀吉に届かず、秀吉は泣き続けます。「殿のご運が開けたのですぞ。」官兵衛の言葉に泣き止み言葉を失う秀吉。
「開けました。ご運が開けました。今は亡き、竹中半兵衛様の思いをお忘れか?半兵衛様は、殿が天下に名乗りを上げるのを待ち望み、それがしが軍師で支えるよう言い残して逝かれました。今こそその時でございます。上様の死を毛利に悟られる事なく、すぐさま京に引き返し、誰よりも早く謀反人、明智光秀を討つのです。それこそが亡き上様の為!そして天下の為でございます。」官兵衛は一気に言うと、泣いて取り乱していた秀吉の表情が、変わりました。
そして「官兵衛…、分かった。して、どうすればよい。」と尋ねると「全てこの官兵衛にお任せ下さい。」と官兵衛は言います。
「分かった。官兵衛…分かった。」秀吉はまた泣きながら言うのでした。
早速官兵衛は、安国寺恵瓊を呼び出しました。「毛利と早急に和議を結びたい。毛利8か国の本領安堵はお約束致します。」と切り出します。理由を聞く恵瓊。
「秀吉様が、天下に名乗りを上げる好機が訪れたのでございます。織田信長公が亡くなられました。明智光秀の謀反でござる。」
黒田官兵衛一世一代の大勝負がここに始まったのでした。
お~!ここで終わりです。
えらいことになってきました!分かっていましたけど凄かったです。
岡田准一さんの迫力が半端なかったです。迫力あり過ぎて怖かったです。
いよいよ!いよいよ!一番楽しみなところが始まります!
次回、第29回「天下の秘策」です。