大河ドラマ「おんな城主 直虎」、第27回です。
武田への塩留を機に、今川は気賀へ城を築いて武家の管理下に置くことに。その城に井伊家が入ることができないかと、直虎たちは考えたのでした。
前回の第26回「誰がために城はある」を見逃した方は、是非、こちらをご覧下さい。
第27回のサブタイトルは、「気賀を我が手に」です。これは鈴木清順監督が本名の鈴木清太郎名義で初の監督作品「港の乾杯 勝利をわが手に」です。1956年の日活歌謡映画だそうです。
方久の作戦
瀬戸方久(ムロツヨシさん)、は直虎(柴咲コウさん)に「気賀の城主をお受けになりますか」と問います。
そこに気賀の町衆が訪れ、今川家臣・大沢基胤(嶋田久作さん)に代わって、直虎に気賀の城主になって欲しいと要望しました。
大沢基胤は、武勇に秀でた武将です。しかし商人の町としては、武張った城主では何かと商売のじゃまになるのではと考えているのです。
直虎は悩み、一晩考えさせてくれと返答します。
例のように碁を打ちながら、政次(高橋一生さん)に相談する直虎。政次は「やる値打ちはあると思います。故にお止めは致しません。が、殿のお心ひとつかと。」、直虎は「できることなら気賀の者たちに報いてやりたいとは思う。」と考え、明朝に承諾する返事をしました。
さて、どうやって気賀を手に入れるのか。方久は気賀の町衆に、大沢が兵を出さないように詫びを入れる指示をし、そちらはうまくまとまりました。
そして方久自身は、今川家目付の関口(矢島健一さん)に口添えを依頼します。南蛮渡来の香水を手土産に、関口の館を訪れた方久。関口は「くせになりそうじゃのう」といって、香水をいたく気に入った様子。
方久は「もし気賀が井伊家のお預かりとなれば、関口様に御恩を返せますのに」と、うまくいったときは関口家に儲け口を分ける約束をします。関口はこの話にのってきました。
武田義信の自害
今川氏真(尾上松也さん)の元を訪れた、方久と中村屋(本田博太郎さん)。手土産を渡しつつ、気賀の件を頼もうとしますが、そこに書状を持った使者が割って入ってきました。
書状を見て「どいつもこいつも世を馬鹿にしおって!」と怒りを爆発させる氏真。書状には武田義信が自害したことが記されていました。義信は今川氏真の妹と結婚、武田と今川の同盟の要でした。その義信が自害したことで、武田と今川の同盟は決定的に決裂となったのです。
今川領は、いつ武田に攻め込まれてもおかしくない状態。
武勇に優れた大沢家を、ないがしろにするわけにはいかず、井伊家が気賀にでしゃばることは難しいだろう…と皆諦めたのでした。
龍雲丸が思い描く城とは
ふらっといなくなった龍雲丸が、これまたふらっと帰ってきました。
龍雲丸は各地の城を見て回り、絵図を描いてきたのです。「これなら気賀のためになるんじゃねえかって城を思いついたんです。」と、城の普請を請け負いたいと言います。
中村屋は快諾し、大沢に申し出、普請代を出す代わりに自由に作っていいということになりました。
直虎は龍雲丸と城を建てる場所を見に行きます。そこは湖の上。龍雲丸は浅瀬に城を建てることで、潮が満ちれば湖に守られ、潮が引いてもぬかるみで馬は来られないという、守りの固い城を考えたのです。
直虎は龍雲丸に「雲も何か城に関わりがあるのか?」と、仕官せずに気賀に戻った理由を聞きます。
龍雲丸は自分が生まれた城が落ち、命からがら生き延びたときのことを語ります。盗賊に拾われて盗みを手伝いながら成長。ところがその盗賊団もお縄にかかり、また一人に。一人で一日中龍雲を見、何にも縛られず、自由に生きようと決めたのだそうです。そして龍雲丸を名乗るように。
あの仕官を断った日、同じ龍雲を見て自由に生きたいと言う気持ちを思い出し、仕官を断ったのだそうです。
直虎は龍雲丸のためにも気賀の城主になるべく、再び作戦を練ります。直虎と龍雲丸は固く手を握るのでした。
再び…気賀を我が手に
まず、大沢の方から城主を断ってもらえるよう、方久を使者に出します。
政次は駿府の様子を見て、氏真に願い出るタイミングを図ります。
氏真は政から逃げて、毎日踊り明かしているとのこと。外交に精を出し、立派な領主になろうとしていたときもあったのに、残念です…。
これはチャンスだと、方久と大沢が気賀の城主の件を切り出すと、氏真は「好きにするがよい、どうせ世は能無しじゃ」と捨て鉢になりながらも承諾します。
正式な書状を受け、直虎も家臣も喜びます。
政次は、直親の墓前に「おとわが気賀をとったぞ」と報告します。
こうして気賀には湖の上に立つ風変わりな城が建ち、直虎は城主となりました。井伊は気賀を手に入れ、新たなる船出の時を迎えたのでした。
次回は、第28回「死の帳面」。
https://www.tg-drama.com/naotora_028/
自暴自棄になった今川氏真をよそに、祖母の寿桂尼が今川のために動き出すようです。
武田信玄役の松平健も初登場。どんな信玄なのかも楽しみです。