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風林火山。山本勘助の謎について。
風林火山関連記事2007年に放映された、大河ドラマ「風林火山」。2017年には、NHK BSプレミアムで大河ドラマアンコールとして、再放送されています。戦国時代の大名・武田信玄の軍師である、山本勘助という武将の生涯を描いたドラマです。山本勘助役は内野聖陽さんで、隻眼で足が不自由な役を見事に演じきりました。また、余談になりますが、武田信玄役は市川亀治郎さん(四代目市川猿之助さん)で、武田信玄の若かりし頃を、今をときめく池松壮亮さんが演じています。この組み合わせは、1988年の大河ドラマ「武田信玄」では中井貴一さ... -
おんな城主 直虎。瀬名姫の生涯について。
直虎関連記事「おんな城主 直虎」に、瀬名姫という女性が登場します。 瀬名姫は徳川家康の正室ですが、歴史上は悪女とされ、家康により殺されています。 瀬名姫は、どうして不遇のままに死んでいったのでしょうか? 今回は、その一生をまとめてみました。 井伊の血が流れる今川の姫 瀬名姫は、井伊直平の娘・佐名(さな)殿と今川一門の関口親永(ちかなが)の娘として生まれました。 井伊直平は直虎の曽祖父で、瀬名姫にとって直虎は従兄弟の子どもという間柄になります。そして関口親永は今川家の血を引く一族で、有力な家臣でし... -
おんな城主 直虎「第26回 誰がために城はある」のネタバレとあらすじと感想。
おんな城主 直虎大河ドラマ「おんな城主 直虎」も今回で第26回、物語も折り返しです。前回、第25回「材木を抱いて飛べ」では、井伊は今川から謀反の疑いを掛けられました。しかし龍雲丸一味の助けを借りて材木を取り戻すことで、忠義を示しました。今川氏真はこの井伊の忠義にどのような判断をするのでしょうか? 前回の第25回「材木を抱いて飛べ」を見逃した方は、是非、こちらをご覧下さい。 https://tg-drama.com/naotora_025/ 第26回のサブタイトルは、「誰がために城はある」。これは、ヘミングウェイの「誰がために鐘は鳴る」が元... -
大河ドラマアンコール 風林火山 「第14回 孫子の旗」のネタバレとあらすじと感想。
風林火山「風林火山」は、2007年1月7日から12月16日まで放送された大河ドラマです。2017年、4月からNHK BSプレミアム日曜昼12時から、大河ドラマアンコール枠で再放送されています。2017年7月2日に放送されたのは、第14回「孫子の旗」です。前回は、武田晴信(市川猿之助さん)に仕官したばかりの山本勘助(内野聖陽さん)に重臣たちが腕試しを仕掛けました。相手は鬼美濃と呼ばれる原虎胤(宍戸開さん)でしたが、足の悪い勘助と条件を合わせて始めた戦いで、勘助が舟底に穴を開け浸水させて原の動きを封じ、両者無傷で勝利した... -
おんな城主 直虎。織田信長の生涯と大河ドラマの歴代の織田信長について。
直虎関連記事「鳴かぬなら 、殺してしまえ、ホトトギス」の織田信長。尾張の大うつけ、三英傑の一人、第六天魔王、たくさんの呼び名がある有名な戦国武将です。ドラマチックな生涯、多くの逸話がある人物です。過去の大河ドラマでも題材にされたことは2度、他の作品でも織田信長は重要人物として多く登場しています。今回は、織田信長の生涯を再確認しつつ、過去の大河ドラマにおける「織田信長」像の比較をしてみましょう。 織田信長の生涯 それでは、簡単に織田信長の生涯を振り返ってみましょう。 若かりし頃の織田信長 1534... -
おんな城主 直虎。井伊谷三人衆じゃない井伊谷七人衆について。
直虎関連記事「井伊谷三人衆」という人々をご存知でしょうか?1568年、小野政次が井伊谷城を占拠し、徳川家康の力を借りて井伊谷城を取り戻した井伊家の被官。東三河・浜名湖沿岸部を領する領主。菅沼氏・近藤氏・鈴木氏の3人のことです。小野政次を追いやり、井伊谷奪還の立役者です。「井伊谷三人衆」は有名ですが、実は「井伊谷七人衆」といわれる人々もいるのです。さて、「井伊谷七人衆」とは、一体どんな人物たちなのでしょうか? 井伊谷三人衆については、こちらの記事をご覧下さい。 https://tg-drama.com/naotora_history_0... -
おんな城主 直虎「第25回 材木を抱いて飛べ」のネタバレとあらすじと感想。
おんな城主 直虎NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」も、そろそろ中盤の折り返し点に差し掛かり、いよいよ第25回です。時は戦国、直虎はおんな城主として国の舵取りを任されます。今川は配下の国々と縁組を交わすなどして、領内をまとめようと必死です。前回の第24回「さよならだけが人生か?」では、井伊家にも今川家重臣との縁談が来ましたね。今回の第25回は「材木を抱いて飛べ」というタイトル。高村薫さんの小説「黄金を抱いて飛べ」が元ネタのようです。抱いて飛べとは、誰がどうやって?楽しみです。前回の第24回「さよならだけが人... -
大河ドラマアンコール 風林火山「第13回 招かれざる男」のネタバレとあらすじと感想。
風林火山「風林火山」は、2007年1月7日から12月16日まで放送された大河ドラマです。2017年、4月からNHK BSプレミアム日曜昼12時から、大河ドラマアンコール枠で再放送されています。2017年6月25日に放送されたのは、第13回「招かれざる男」です。前回は、武田家に仕官することが出来た山本勘助(内野聖陽さん)は、武田晴信(市川猿之助さん)からいきなり2百貫と足軽大将という役と、「山本勘助晴幸」と将軍足利義晴から一字賜ったという、自身の名前の「晴」の一字を取った名前までもらうことになりました。破格の待遇に異議... -
おんな城主 直虎。松平元康が徳川家康になった理由について。
直虎関連記事大河ドラマ「おんな城主 直虎」の第20回「第三の女」で、松平元康が登場しました。松平元康は、この後に徳川家康と改名します。徳川家康と言えば、江戸幕府開いた武将として有名です。しかし、松平元康という名前だったとは、知らない人も多いのでは。今回は、改名前の松平時代にスポットを当てて、幼少期に人質だった原因から、改名した理由までをまとめてみました。 人質としての幼少期松平家は、室町時代から三河地方を治める大名でした。しかし、西の織田家の勢力が強くなり、松平家は弱体化します。松平家は、... -
おんな城主 直虎。井伊谷三人衆の生涯について。
直虎関連記事「おんな城主 直虎」の第19回「罪と罰」で直虎(柴咲コウさん)と、木を盗まれた事件で対立した近藤康用(橋本じゅんさん)。彼は、鈴木重時(菅原大吉さん)、菅沼忠久(阪田マサノブさん)と共に、井伊谷三人衆と呼ばれています。彼らは、井伊谷に所領を持つ武家です。しかしながら今川家とも近く、今川家から井伊家の目付の役割を任じられています。井伊家に忠実な中野直之(矢本悠馬さん)や奥山六左衛門(田中美央さん)と違って、直虎と対立するような、距離を置いた関係です。なぜ、この3人は井伊家三人衆とまとめて呼... -
おんな城主 直虎。瀬戸方久の生涯について。
直虎関連記事「おんな城主 直虎」で軽いノリで立ち回り、したかかに生きる瀬戸方久。2012年の大河ドラマで松山ケンイチさん主演の「平清盛」の「平忠度」も演じられたムロツヨシさんが熱演されており、ドラマの緊張と緩和の「緩和」の方を上手く担われているようで、瀬戸方久が登場する場面では何故かホッとします。その「おんな城主 直虎」では、商売人が武士として井伊家の家臣団に加わったように描かれています。しかし、実在の瀬戸方久は逆で、武士でありながら商人になった人のようです。さて、その瀬戸方久とは、いった... -
おんな城主 直虎「第24回 さよならだけが人生か?」のネタバレとあらすじと感想。
おんな城主 直虎大河ドラマ「おんな城主 直虎」の第24回。第21回から23回まで、龍雲丸一味とのストーリーでした。今回から戦国の情勢が動き出し、直虎(柴咲コウさん)も様々な決断を迫られます。第24回のサブタイトルは「さよならだけが人生か?」。元ネタは「さよならだけが人生だ」という詩のタイトルです。唐の詩人・于武陵が書いた「勧酒」という漢詩の結句「人生足別離」を、昭和初期の小説家・井伏鱒二さんが和訳したものです。龍雲丸(柳楽優弥さん)一味とは、「さよなら」となりました。直虎にさらなる別れが、訪れるのでしょうか?... -
おんな城主 直虎。鉄砲伝来と種子島こと火縄銃について。
直虎関連記事NHKの大河ドラマ「おんな城主 直虎」の第17回「消された種子島」から第18回「あるいは裏切りという名の鶴」にかけて登場し、物語の影の主役とも言える種子島こと火縄銃。戦国時代の流れを大きく変えたこの鉄砲伝来と種子島こと火縄銃は、どのように日本に入って各地に広まり、井伊谷にやってきたのでしょうか?第17回「消された種子島」から第18回「あるいは裏切りという名の鶴」を見逃し方は、是非こちらをご覧下さい。 https://tg-drama.com/naotora_017/ https://tg-drama.com/naotora_018/ 鉄砲伝来1543年、鹿... -
おんな城主 直虎。戦国大名の誕生と井伊家の誕生について。
直虎関連記事2017年の大河ドラマは「おんな城主 直虎」ですが、そもそも井伊家の誕生とはどんなものであったのでしょうか?また、2017年にBSプレミアムでアンコール放送されている「風林火山」や2016年の「真田丸」、2014年の「軍師官兵衛」、さらには他の大河ドラマや映画でも戦国大名の活躍のお話しは、私達の興味を引きつけます。そこで、戦国大名とは、いったいどのようなものなのでしょうか?また、井伊家はどのように誕生したのでしょうか? そもそも戦国大名とは?私たちは学校の歴史の授業で「戦国大名」について習っ... -
おんな城主 直虎。龍潭寺と井伊家について。
直虎関連記事ドラマでは龍潭寺の住職・南渓和尚は、幼少期「おとわ」の頃から、城主として「直虎」になってからも、彼女に様々な助言をし、導いていきます。この南渓和尚、そして龍潭寺とは井伊家とどんな関係なのでしょうか? 龍潭寺の成り立ち龍潭寺は井伊谷・現在の浜松市にあり、平安時代から続く由緒あるお寺です。行基という高僧によって733年に開かれました。当初は地蔵寺という名前でした。その後、寺のある井伊谷を井伊家が治めるようになり、1093年に井伊家の元祖・共保が葬られます。以後、名前を自浄寺とし、井伊... -
大河ドラマアンコール 風林火山 「第12回 勘助仕官」のネタバレとあらすじと感想。
風林火山「風林火山」は、2007年1月7日から12月16日まで放送された大河ドラマです。2017年4月からNHK BSプレミアムで日曜昼12時からの大河ドラマアンコール枠で再放送されています。名作としてファンの間で評価の高いこの「風林火山」、2017年放送の「おんな城主 直虎」と時代的にも近いので、是非、並行してご覧頂くことをオススメします。2017年6月18日に放送されたのは、第12回「勘助仕官」です。前回は、武田晴信(市川猿之助さん)は父信虎(仲代達矢さん)の追放を、家臣全員と、弟信繁(嘉島典俊さん)からも同意を得て、... -
おんな城主 直虎。今川家の栄枯盛衰について。
直虎関連記事井伊直虎は、遠州は井伊谷の城主です。その井伊谷は、戦国時代以前、南北朝時代から今川家の支配下にありました。井伊家の主家、今川家とはどのような一族だったのでしょうか? 今川家の興り今川家の始まりは、鎌倉時代にさかのぼります。鎌倉時代、足利家は鎌倉幕府を支配する北条家と縁戚関係を結びながら、関東に勢力を伸ばしていました。足利家の発展に伴い、分家が増えていきます。分家のひとつだった吉良家、その吉良長氏の2男・国氏は、三河国旗豆郡今川荘というところを分与されて分家として独立、今川四... -
おんな城主 直虎。奥山六左衛門朝忠の生涯について。
直虎関連記事「おんな城主 直虎」では、田中美央さん演じる奥山六左衛門。優しそうな、人の良さそうな笑顔が魅力的ですよね。家臣としては、ちょっと頼りない感じがしないでもないですが、常に直虎に寄り添い、振り回されている様が微笑ましいですね。猪に怯えて殿にしがみついて離れない様子も、面白かったです。さて、気弱な様子が描かれているこの奥山六左衛門。実は、後に井伊家の危機を救う存在になるのです。一体、どんな活躍をするのでしょうか? 奥山家とは奥山家は、井伊家の庶子家にあたります。井伊家8代井伊盛直の子... -
おんな城主 直虎。新野左馬助の生涯について。
直虎関連記事「おんな城主 直虎」では、苅谷俊介さん演じる新野左馬助。今川家家臣であったにも関わらず、井伊家を、幼い虎松を守るために命をかけて助命嘆願を行った熱い戦国武将。井伊家のピンチを救った恩人と言われています。 今川家と新野家新野氏は、鎌倉御家人、新野太郎が始まりと言われていますが、鎌倉末期、南北朝の時代に衰退してしまい、今川氏の祖、今川国氏の孫が「新野弾正少輔(にいのだんじょうしょうすけ)」と名乗り、新野氏を継いだと言われています。つまり、今川氏の庶子家、今川系新野氏として、今川に仕え... -
おんな城主 直虎。南渓和尚の生涯について。
直虎関連記事「おんな城主 直虎」では小林薫さん演じる南渓和尚。ひょうひょうとされていますが、直虎の精神的支え、井伊家の知恵袋として、なくてはならない存在ですよね。直虎の大叔父に当たる人です。一体どんな人物だったのでしょうか? 南渓瑞聞(なんけいずいもん)とは井伊家20代当主・井伊直平には嫡男・21代直宗、娘・佐名、南渓和尚、直満、直義、直元という子供たちがいました。南渓和尚は、直平の次男と言われています。家系図を見てみると、たくさん兄弟がいましたが、仏門に入ったのは南渓和尚ただひとりです。戦国...