毎週日曜日20時から、NHK総合他にて放送中の大河ドラマ「西郷どん」。
2018年4月8日、第13回「変わらない友」が放送されました。
前回、篤姫(北川景子さん)の将軍、徳川家定(又吉直樹さん)への輿入れの話が進まない事にしびれを切らした幾島(南野陽子さん)が、江戸城大奥にいる家定の生母、本寿院(泉ピン子さん)への働きかけをする事を島津斉彬(渡辺謙さん)に提案しました。
幾島と西郷吉之助(鈴木亮平さん)が、品川宿の磯田屋で聞き出した情報を基に、山田為久(徳井優さん)と吉之助は、諸藩の役人を接待、協力を得る事に成功します。
そうして幾島は、本寿院と対面を果たし、「丈夫で死なない嫁」が欲しいと願っている本寿院に、「丈夫で運が強い」篤姫は、その条件にぴったりだとアピールしました。
幾島の言葉に心を動かされた本寿院の勧めで、家定は篤姫を御台所に決めるのでした。
今回、篤姫輿入れを果たした吉之助は、斉彬に伴って久しぶりに薩摩へ帰ります。
前回の第12回「運の強き姫君」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。
それでは、第13回「変わらない友」のあらすじと感想です。
二人だけの宴
安政の大地震で、篤姫と家定の婚儀は延期となり、被災して使い物にならなくなってしまった、篤姫の婚礼道具を、一から整え直すようにと、斉彬は吉之助に命じました。
吉之助は、被災した店を一軒一軒周り、約束通り一年で全ての婚礼道具を整えました。
そして安政3年(1856)11月11日。篤姫は御台所となるべく、江戸城へ出立する日が来ました。斉彬は、篤姫に薩摩の守り神である動物をかたどったものを手渡すのでした。
吉之助と篤姫が次に会うのはずっと先です。江戸城を落とすか、守るか、劇的な再会となるのです。
原作で西郷と篤姫の接点は、この婚礼道具を揃えるところぐらいなのに、地震から身を守るとか、何度も海辺で話すとかのオリジナルのところを時間かけて放送されましたね。
私は婚礼道具を揃えるところが、篤姫関連での、最初の見せ場だと思っていたので、オープニングテーマの前にサラっとやるとは思いませんでした。少しがっかりしました。
篤姫は、輿に乗せられたまま大奥に入りました。止まったと同時に輿の扉が開き、目の前に人がいて、篤姫は悲鳴を上げます。
「上様!」そう呼びかける声に、目の前の人が家定と分かった篤姫は「お初にお目にかかります。」と輿から下りて挨拶をすると「丈夫か?死なぬか?」と家定は聞きます。
「はい、滅多な事では。薩摩の女子でございますゆえ。」という篤姫の答えに家定は笑い、去っていきました。
突然の初対面に驚く篤姫でした。
一方薩摩藩邸の斉彬は、赤い切子硝子の酒瓶に入った焼酎を、青と赤のグラスに注ぎ、吉之助と祝います。お殿様と盃を交わす事に遠慮していた吉之助に合わせて、庭に近い縁側に斉彬も座りました。
「おやっとさあ。」斉彬は薩摩弁でねぎらいます。
美しい赤色の硝子に興味を持つ吉之助に、斉彬は集成館で造らせていると答えます。斉彬は、切子を「金のなる木」だと言い、薩摩だけでなく国を豊かにすると嬉しそうに話します。
集成館では、鉄や軍艦、大砲だけでなく、切子硝子をはじめ、紡績、ガス、エレキテル、洋式の農具、印刷、そして二人が飲んでいる焼酎も造っていました。
斉彬は「新しい技術で、農民も商人もお金を稼ぐようになれば、皆が豊かになる。暮らしが豊かになる事で人々が前を向き、国が自然とまとまる。」とこれからの国の姿を語ります。
吉之助は斉彬の話を嬉しそうに聞き、「殿の夢果てしなくてとてもついていけもはん。」と言うのでした。
この日の二人だけの楽しい宴を吉之助は、生涯忘れる事はありませんでした。
素敵なシーンでしたね。二人に夕日が当たって映像も美しく、何といっても楽しそうでした。
月照登場
斉彬の薩摩への帰郷に伴い、吉之助と大山格之助(北村有起哉さん)も帰る事になりました。有村俊斎(高橋光臣さん)は江戸に残りました。
斉彬は薩摩に戻る道中、古くから親交のある京の公家、近衛家に立ち寄りました。吉之助と、山田もお供として後ろに控えています。近衛忠煕(国広富之さん)とは、篤姫を将軍家輿入れの際に養女にしてもらった間柄です。
斉彬は、近衛に会う前に書状を送っていて、要件を知らせていました。「天子様から一橋慶喜(松田翔太さん)を次の将軍へ、という詔を頂戴したい。」との事。
近衛と斉彬が話している途中、風が吹き、「生きとし生けるものは皆、ただ玉の緒が長かれとこそ。」と歌いながら一人の僧侶が現れました。月照(尾上菊之助さん)です。
斉彬とは久しぶりの再会で、にこやかに挨拶を交わしました。
月照は、吉之助にも「お初にお目にかかります。」と挨拶しました。吉之助は月照の顔を見てぽーっとしてしまい、斉彬にたしなめられて名を名乗りました。
近衛は、月照に斉彬の願いを天子様に伝えてもらえるよう頼みました。しかし月照は、可とも不可とも言わず、微妙な表情を浮かべるだけでした。
後に吉之助と入水自殺を図る月照登場です!今回は挨拶だけで話す事はありませんでしたが、何とも言えない妖しい雰囲気がするお坊さんです!
三年半ぶりの薩摩
吉之助は三年半ぶりに薩摩に戻りました。家族は総出で吉之助を迎えます。
祖母のきみ(水野久美さん)は、「またこうして会えるとは!長生きはしてみるもんじゃな。」と言って喜び、信吾(田港璃空さん)も成長していて、草鞋を編めるようになっていました。
琴(桜庭ななみさん)は、夫の市来正之丞(池田倫太朗さん)と共に吉之助を迎える為、手伝いにきてくれていました。
「留守の間、おはんらには苦労をかけたのう。」と吉之助が言うと、吉二郎(渡部豪太さん)は言いにくそうに言葉を詰まらせます。西郷家は、父吉兵衛(風間杜夫さん)が残した借金に加え、吉之助が江戸に行く為に借りた借金で家まで売らなければいけない事態にまで追い込まれていました。しかし琴の夫、市来が藩から40両借り受け、なんとかまだ実家から離れずにいる事が出来ている、という状態でした。
吉二郎は「内職を増やせるだけ増やしてなんとかやっている。」と言うと「おいがお手当てでなんとかしたかとこじゃっどん、江戸はとにかく金がかかってなぁ。」と吉之助は申し訳なさそうに言うのでした。
その夜、大久保正助(瑛太さん)、郷中仲間の村田新八(堀井新太さん)、有馬新七(増田修一朗さん)ら皆集まり、江戸から帰ってきた吉之助と大山を囲み江戸での事を聞きます。
「婚礼道具を一年で作り直した話はこちらにも届いちょっもんで。」「京にも寄って、お公家様にも会うたそうでごわんど。」「殿の覚えがめでたかち専らの評判じゃ。」口々に吉之助の働きを聞いた仲間たちが話し、斉彬の事や仕事の事を聞いてきました。
しかし「殿がどげな御方かち、そげんこつ酒を飲みながらしゃべれるもんか!おいがだいと会って、どこに行ったち、全て殿の命じゃ。軽々しく口に出来る事じゃなかど!」と吉之助は密命の為、仲間に話せませんでした。事情の分からない仲間たちは急に怒り出した吉之助に謝りながらも、戸惑うのでした。
次に大山が何をしていたかの話になりましたが、磯田屋のタマ(田中道子さん)の話しか出ませんでした。
大山さんの存在は癒しですね!
正助の結婚と江戸行き
正助に縁談が来ました。お嫁さんになる人は、上役の早崎の次女、満寿(三村里江さん)です。
父次右衛門(平田満さん)は、正助が江戸に行きたがっている事を知っていたので、遠慮がちに縁談話を正助に伝えましたが、満寿を吉祥院で見かけていて知っていた事もあり、正助は快諾。満寿は聡明な女性で、江戸行きも承知して送り出してくれるだろう、と正助は考えていたのです。
縁談話を聞いた吉之助も仲間たちも皆、正助の結婚を喜びました。
満寿役の美村里江さんとは、「ミムラ」さんです。この度大河に出演するとの事で、芸名を改めたそうです。「ミムラ」という名前は残したかったらしく、名字として残し、名前は本名だそうです。
正助の祝言の日、吉之助の祝言の日と同じように郷中仲間が皆出席して、花嫁の満寿の到着を待っていました。
が、斉彬から呼び出しがあり、吉之助は一人だけ抜けて城に向かいました。慶喜の擁立で頼りにしていた幕府老中の阿部正弘(藤木直人さん)が亡くなったのです。
落胆する斉彬に「篤姫様がおられもす!」と励ます吉之助でしたが、薩摩に帰郷して早々に江戸に戻らなければならなくなりました。
変わらない友
吉之助が城から戻ると正助の祝言はすでに終わっていました。吉之助は斉彬にお願いして江戸行きに正助も一緒に連れて行ってもらえるよう頼み、熊本までなら、と許可されていました。
その事を正助に伝えると「上から人を見下ろして、江戸に連れてってやるとか、熊本までとか、恩着せがましか!」と怒ります。正助は吉之助が江戸で働いている間、薩摩では吉二郎たちが日々必死にやりくりして生きてきた事を切々と語ります。
吉之助が、江戸で湯水のごとくお金を使っている間に弟たちは、日々のお金も節約して懸命に生きてきたと。正助もただ吉之助を羨んで生きていただけではない、と言うのです。
「吉之助さぁは変わってしもうた。」と悲しげに言います。「おいは、おいの力で江戸に必ず行く。」と吉之助の話を断ります。
二人は喧嘩したまま翌朝、吉之助は江戸へ旅立ちました。
満寿は、二人の話を聞いていて、正助の旅支度を整え「今ならまだ吉之助さぁに追いつけもす。すぐに行ってくいやんせ。」と正助の背中を押します。
行こうとしない正助に、次右衛門が「満寿はわいには過ぎた嫁じゃ。わいの心の内からわいの未来まで見通しちょ。怖かおごじょじゃ、こん嫁は。」と言います。
次右衛門が「今、吉之助を追わんとなら、わいの将来は開けん。そうじゃろ?満寿。」と続けると満寿も「はい、うちの旦那さぁは、まっこてよか友をお持ちです。」と満面の笑顔で答えます。
さらに「吉之助さぁはきっと旦那さぁを待っておられもす。」と背中を押し、正助は旅立ちました。
正助は、山道で引き返してきた吉之助と出くわしました。
「忘れ物をした。おはんじゃ。大久保正助を忘れてきた。」と吉之助が言うと、正助は吉之助に謝ります。
二人は顔を見合わせ、「行っど!」と声を掛け合い、山道を駆けていくのでした。
正助は生まれて初めて薩摩をあとにしたのでした。
今回はここで終わりです。
今回初登場の満寿さんが素敵ですね!「旦那さぁ」と言うのが、かわいくてよかったです。
それから、そんなに会ってもない旦那さんの将来を見越して、ここまでの事出来るでしょうか?スゴイです。
キャスト発表で、正助の京での恋人、おゆう役に内田有紀さんが決まったとの事ですが、美村さんと内田さんて!二人とも美人過ぎやしませんか?
この先どんな風になっていくんでしょうか。満寿さんは嫉妬もしないんですかね?
楽しみです。
次回、第14回「慶喜の本気」です。
本寿院に篤姫輿入れの目的がバレて一波乱ありそうです。