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光る君へ 第21回「旅立ち」のあらすじと感想

光る君へ 第21回「旅立ち」
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吉高由里子さん主演、大石静さん脚本の2024年大河ドラマ、「光る君へ」。

「世界最古の女性文学」と呼ばれる『源氏物語』の作者・紫式部の波乱の生涯を描く物語です。

光源氏のモデルの1人と言われる藤原道長を柄本佑さんが演じます。

千年を超えるベストセラー『源氏物語』を書きあげた紫式部の、秘めた思いと一途な思いを胸に懸命に世を生きた女性の物語。

こちらでは、大河ドラマ「光る君へ」のあらすじ、ネタバレ、感想をお届けします。

さて、第21回「旅立ち」では、まひろが父の赴任に伴い越前に旅立つことになりました。

遠く離れてしまうまひろと道長。

これからの2人はどうなってしまうのでしょうか。

髪を下ろした定子のために、ききょうは書を書き始めます。

枕草子誕生にワクワクしますね。

目次

前回のあらすじ

花山院(本郷奏多さん)が矢を射掛けられました。

報告を受けた一条天皇(塩野瑛久さん)は激高し、犯人の伊周(三浦翔平さん)と隆家(竜星涼さん)の2人は謹慎処分となります。

中宮・定子(高畑充希さん)には、身内との面会禁止が言い渡されました。

除目が始まり、為時(岸谷五朗さん)が提出した申し文が通り、為時は淡路守に任じられました。

長く任官できなかった為時一家は、喜びを分かち合います。

姉・詮子(吉田羊さん)からの頼みを断り、手心を加えなかった道長(柄本佑さん)でしたが、詮子は帝に頼み、知り合いを越前守に任じてもらいました。

しかし当の本人は漢詩は苦手、宋の言葉も話せず、現在、宋人が大勢集まる越前国での務めが務まるかどうか危ぶまれ、道長は頭を抱えます。

父の真価が発揮されるのは淡路よりも越前と考えていたまひろ(吉高由里子さん)は、為時任官の祝いにやって来た宣孝(佐々木蔵之介さん)の助言を受け、道長に文を出しました。

為時の名で出された申し文ですが、道長は書かれた字を見て、まひろが書いたものだと看破。

そして、その意を汲んで帝に奏上したのです。

為時は淡路守から越前守へ国替えになりました。

詮子の具合が悪くなり、詮子と道長を呪う呪詛が邸内から数多く発見されました。

その話は帝にも届き、呪詛をしていたのは伊周と隆家だと報告されたのです。

伊周と隆家は流罪となり、定子は内裏から出ることに。

しかし伊周は罰を受け入れず、中関白家の邸は検非違使に取り囲まれてしまいます。

いつまでも動かない伊周を見限った隆家は、踏み込まれる前に罰を受け入れ出発。

邸内で隠れる伊周を捕まえるために検非違使が邸内の踏み込むと、定子が刃物を振り回して、己の髪を切り落としてしまったのです。

前回、第20回「望みの先に」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。

それでは、第21回「旅立ち」のあらすじと感想です。

嘆き

伊周を捕まえに来た検非違使の前で刃物を振りかざし、自ら髪を下ろした定子。

貴子はそれを見て絶叫します。

定子は出家すると宣言。

庭の物陰からそれを見ていたききょうは絶句しました。

定子の出家に嘆く一条天皇。

定子が髪を下ろしたのは自分のせい、自分に怒っているから、と実資を責めることはしませんでした。

罪を受け入れず、逃げ回る伊周に憤り、朝廷の権威を踏みにじった伊周の行いは許さない、事の重大さもわきまえず、いきなり髪を下ろし、自分の政に異を唱えた中宮も同罪、と帝は言い放ちました。

しかし実資が退出すると、自分が愚かだった、中宮はもう自分に会わぬつもりなのか、と帝は絶叫するのでした。

苦しむ帝を見て、道長は苦悩するのでした。

顛末

二条邸に潜み、中宮が髪を下ろした場面を見ていたとまひろは宣孝に話しました。

髪を下ろしたということは、中宮は二度と帝には会えないということ、と言います。

中宮の顔は知らないが、あれだけ帝が夢中になるのなら、さぞかし良い女人に違いない、世を捨てるなどもったいない、と宣孝は言います。

そんな下品なことを言う宣孝をまひろは窘めます。

見方を変えると、この騒動で得をしたのは誰か、右大臣だろう、と宣孝は言うのです。

右大臣は女院と手を組んで伊周を追い落としたのだというのです。

先の先の関白の嫡男で中宮の兄を追い落としてしまえば、右大臣の敵はいなくなる、女院も、子もなさぬのに帝の心を離さない中宮が気に食わない、これは右大臣と女院の謀かもしれない。

それを聞いたまひろは複雑な表情を浮かべました。

二条邸にききょうがやってきました。

定子は帰れと命じますが、ききょうはそれを振り切り定子の前に現れました。

あの時里に下がったのは間違いだった、もう一度自分を傍に置いて欲しい、と訴えます。

もはや自分は生きながら死んだ身、と定子は言いますが、ききょうは受け入れず、命ある限り中宮の傍を離れない、命があるならば自分も髪を下ろすというのです。

だめだ、下がれ、と命じた定子はそのまま倒れてしまいました。

道長はこれほど探しても伊周がいないのはおかしい、二条邸に隠れているのかもしれない、今一度くまなく探せ、と命じます。

実資はそれには帝の許可を貰いたいと言い、帝は直ぐに許可を出しました。

二条邸に踏み込んだ実資の前に、僧姿の伊周が現れ、出家したので任地には行けない、そう帝に申せ、というのです。

実資は「被り物を取られよ」と言い、伊周を捕まえると被り物をはぎ取ったのです。

伊周は髪を下ろしておらず、これから剃髪をすると言い訳をして大宰府には行けないと言い募ります。

それを見ていた定子は、見苦しい、この上は帝の命に従え、と言い放ったのです。

それでも伊周はじたばたと暴れ、嫌だ嫌だ、私はここを離れるわけにはいかなない、と暴れます。

それを見ていた貴子は、自分が伊周を行かせる、と宣言しました。

自分も一緒に行くから、大宰府に出立しよう、と説得した貴子。

伊周はその言葉に折れたのです。

しかし、都に留まるために伊周がした行いを聞いた帝は激高し、母の同行は許さない、と命じ、2人を引き剥がすよう命じたのです。

輿で運ばれていた2人ですが、貴子は引き出され、伊周は騎馬にて大宰府に行くことになりました。

2人はやって来た道長を見て、必死に訴えますが、道長は表情を変えず、実資により2人は引き剝がされました。

道隆の死から僅か一年、その子供たちは全て内裏から姿を消しました。

その夜、二条邸が火事になりました。

報告を受けた道長は直ぐに動き出し、まひろと為時も様子をうかがっています。

燃え盛る火の中でまんじりともせず座り続ける定子。

ききょうは定子を見つけ出し、逃げようと訴えますが、定子はききょうのみ逃げよ、と言います。

自分はもういい、ここで死ぬ、という定子。

ききょうはお腹の子のためにも生きなければならない、と説得したのです。

土御門邸にて、詮子は夜空を眺めていました。

そこに倫子がやってきました。

道隆は己の命が短いと悟っていたのかもしれない、というのです。

定子を中宮にすることを急ぎ、伊周たちの昇進を急いだ。

今日のこの悲しい在り様は道隆の焦りから来たのかもしれない、というのです。

帝はこの騒動の始末、見事であったとして、実資を中納言にし、望み通り検非違使の別当を免じ、道長を正二位左大臣に出世させました。

定子のために

定子の出家後、次の后探しが始まっていました。

元気に次の后を探す詮子の様子を見ていた倫子は笑いを零しました。

詮子が元気になってよかった、というと詮子はもう呪詛されていないから、と答えます。

倫子はあの呪詛は不思議だったと話します。

詮子と道長の父は仮病が得意だったとか、と笑うのです。

驚き、気まずそうな顔をした詮子は、道長に倫子を労わってやれ、と命じるのでした。

ききょうはまひろに定子が懐妊していることを話しました。

呪詛を恐れて高階一族はそれを隠していたのです。

帝もまだその事を知りません。

出家以来、定子は元気が出ず、食事もあまり取らないとききょうは心配します。

定子を励ますにはどうしたらいいだろうかと相談しました。

まひろは、ききょうが定子から高価な紙を貰ったことを持ち出して、何か書いてみたらどうだろうと提案したのです。

伊周が帝と中宮に高級な紙を献上した時、帝は司馬遷の「史記」を書き写し、定子は自分は何を書いたらいいだろうかと言いました。

ききょうは枕詞でも書いたらどうかと言ったと言います。

史記が敷物だから枕?とまひろが言うと、ききょうは笑い、よくわかりましたね、と言います。

定子はそれを大層面白がり、その紙をききょうに下げ渡したと言います。

帝が「史記」なら、定子は春夏秋冬の四季でどうだろう、とまひろは提案。

ききょうは夜ごと定子のために書を書き始めました。

そして、眠る定子の寝所に置き始めたのです。

春はあけぼの
やうやう白くなりゆく山ぎは少し明かりて
紫立ちたる雲の細くたなびきたる

夏は夜
月の頃はさらなり 闇もなほ
蛍の多く飛び違ひたる
また ただ一つ二つなどほのかにうち光りて行くもをかし
雨など降るもをかし

秋は夕暮れ
夕日のさして 山の端いと近くなりたるに烏の寝所へ行くとて
三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり
まいて、雁などのつらねたるが いと小さく見ゆるはいとをかし
日いりはてて、風の音、虫の音など、はた、言ふべきにあらず

臥せっていた定子ですが、ききょうからもたらされる文を少しずつ読み始めたのです。

たった1人の悲しき中宮の為、枕草子は書き始められました。

旅立つ前に

右大臣に呼ばれた為時。

道長は越前について話しておくことがあると呼び出したのです。

「わが国では筑前博多の津のみにて宋との商いを許している、ところが去年、宋人が70人程若狭に到来し、新たな商いを求めてきた。

しかし若狭には大港も異国人を入れる館もないため、それらを越前に移し、松原客観に留めている」

彼らは都との直の商いを求めていました。

「しかし、朝廷は越前で彼らと新たな商いをする気はない、越前と都は近い、都に乗り込む足掛かりになることも考えられる。彼らは商人などと言っているが証拠がない。70人もがまとまってやってくるというのも妙ではないか?彼らが商人などとは偽り、真は漢人、いや、それどころか戦人であるやもしれんのだ。彼らに開かれた都は博多の津のみ、と料簡させ穏便に宋に返すこと、それが越前守の最も大きな仕事と心得よ」と言い含めたのでした。

出立前に宣孝がやってきました。

浮かぬ顔をしている為時を見て、国守は楽な仕事、土地の民と仲良くすれば懐が肥やせる、と言うのです。

まひろはそんな宣孝を叱ります。

宣孝はまひろに叱られたとしゅんとしますが、少し嬉しそうです。

しかし、まひろが越前に行きこれから叱られなくなると思うと少し寂しい、とまひろの顔を見つめました。

そこに、惟規(高杉真宙さん)が帰ってきました。

文章生に合格したとの知らせを持ってきたのです。

それに伴い、いと(清川清順さん)は都に残ることになりました。

逢瀬

思い立ったまひろは文を書き、道長を呼び出しました。

廃屋で2人きりで会うと、まひろは父を越前守に任じてくれたことに感謝を伝えました。

道長は、まひろが書いた文を帝がたいそう褒めていたと伝えます。

まひろがなぜ自分が書いたとわかったのかと問うと、道長は「お前の字は、分かる」と言い切ったのです。

最後に聞きたいことがある、と言ったまひろは、中宮を追い詰めたのは道長か、と聞いたのです。

小さな騒ぎをことさら大げさにして、伊周を追い落としたのは道長の謀なのか、と聞いたのです。

道長はあっさりと、そうだ、だから何だ、と言ったのです。

道長を見つめたまひろは笑みを零し、つまらないことを聞いた、とまひろは謝りました。

世間の噂に惑わされ、つまらないことを聞いてしまった、顔を見て分かった、道長はそういう人ではない、とまひろは謝ったのです。

道長は、似たようなものだと自嘲します。

自分がふがいないせいで皆を不幸にしてしまった、まひろと交わした約束は未だ何1つできていない、これからどこへ向かっていけばいいのか、それも見えない、恐らく自分はあの時、まひろと一緒に遠くへ逃げてもまひろを守れなかったかもしれない、と言います。

まひろは、遠くの地で道長と共に滅びても良かったかもしれない、と笑います。

越前は寒い、身体をいとえと言った道長。

まひろは、道長も健やかに、と言います。

まひろは無表情に前を向く道長の顔を見つめ、そして、道長の肩に寄り添いました。

そんなまひろを強く抱きしめた道長。

まひろは道長の胸に顔をうずめながら、「この10年、貴方を諦めたこと、後悔しながら生きて参りました。妾でもいいからあなたの側にいたいと思っていたのに、なぜあの時己の心に従わなかったのか、いつもいつもそのことを悔やんでおりました」

道長もまた「いつの日も、いつの日も其方のことを」と打ち明けます。

今度こそ、越前の地で生まれ変わりたいと思っていると、笑顔を見せたまひろは、道長の頬を引き寄せ接吻をしたのでした。

そしてまひろと為時は越前へと向かったのでした。

京を出立したまひろたちは琵琶湖を船で北上し、越前への山道を進みました。

国府に行く前に立ち寄りたいところがある、と言った為時は松原客観に向かいました。

一刻も早く宋人の様子が知りたい、と立ち寄ったのです。

門を一歩入ると、宋人たちがざわざわと言い争っています。

為時は、宋の言葉で声をかけ、自分は新しい国守であると宣言したのです。

すると宋人たちは言い争いを止め、次々と為時に訴え始めたのです。

次回、第22回「越前の出会い」

敦賀の松原客観に立ち寄ったまひろ(吉高由里子)と為時(岸谷五朗)は、宋人の朱(浩歌)、通事の三国(安井順平)と出会う。その夜、国守を歓迎する宴が行われ、まひろは皆と楽しいひと時を過ごす。翌日、越前国府に到着し、大野(徳井優)、源光雅(玉置孝匡)に出迎えられるが、為時は早々に激務で体調を崩してしまう。医師として現れたのは…

NHK大河ドラマ「光る君へ」公式サイト

まひろと為時は越前に到着しました。

しかし、宋人相手の仕事は大変そうですね。

言葉の問題もありますが、道長からの命も遂行しなければなりません。

そうそうに体を壊してしまったのも無理ないかもしれませんね。

越前の人々との新たな出会い、一体どんなことが起こるのでしょうか。

最後に

とうとう伊周が捕らえられ、中関白家は崩壊しました。

中宮も出家し、道隆一族はばらばらとなってしまいました。

道隆の言葉を違えないように家にしがみ付いていた伊周。

貴子や道隆の重いプレッシャーからあのようになってしまったのでしょうか。

期待が重すぎたのでしょうかね。

家の繁栄のみに執着した道隆一族。

やはり早すぎる出世などは、歪みを生じてしまうのでしょうか。

悲しい顛末でしたね。

しかし、失意の定子を慰めるため、枕草子が書き始められました。

定子を思いながら書を書くききょうの表情が柔らかく美しく、報われなくても書き続ける姿に胸が熱くなりました。

定子もききょうの気持ちを受け止め、その書を読み始めました。

定子の穏やかな声で読まれる枕草子の春の部分、何でしょうか、目頭が熱くなりました。

思いが届いてよかったです。

そして道長とまひろの逢瀬。

これまで10年間の思いを伝えあう美しいシーンでした。

10年前に交わした約束を守るため奮闘する道長とそれを見守るまひろ。

2人の道は重ならなかったけれど、常にお互いの道は把握し合い、時に交錯しながら進んできました。

お互いの思いに区切りをつけて、まひろは越前に向かいます。

これからどんな出会いがあるのでしょうか。

離れ離れになってしまった2人ですが、これから先また関わる日がやってきます。

どんな展開が待ち受けているのでしょうか。

次回、第22回「越前の出会い」、新たな恋の予感もあって、楽しくなりそうですね。

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