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光る君へ 第32回「誰がために書く」のあらすじと感想

光る君へ 第32回 誰がために書く
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吉高由里子さん主演、大石静さん脚本の2024年大河ドラマ、「光る君へ」。

「世界最古の女性文学」と呼ばれる『源氏物語』の作者・紫式部の波乱の生涯を描く物語です。

光源氏のモデルの1人と言われる藤原道長を柄本佑さんが演じます。

千年を超えるベストセラー『源氏物語』を書きあげた紫式部の、秘めた思いと一途な思いを胸に懸命に世を生きた女性の物語。

こちらでは、大河ドラマ「光る君へ」のあらすじ、ネタバレ、感想をお届けします。

さて、第32回「誰がために書く」では、まひろが彰子の女房として藤壺に入ることになります。道長の思惑通り、まひろの物語は帝の興味を引き、ひいては彰子にも目を向けることになるのでしょうか。

まひろと彰子の間に、定子と清少納言のような絆が結ばれるのでしょうか。

目次

前回のあらすじ

女房達の話から、まひろ(吉高由里子さん)の書く物語に興味を持った道長(柄本佑さん)は、まひろに物語を書いて欲しいと依頼します。

逡巡したまひろですが、道長の依頼を承諾。

彰子(見上愛さん)の為の物語を考え始めたのです。

学びの会のおわりに、あかね(泉里香さん)に枕草子の感想を聞いたまひろは、ききょうから枕草子の感想を求められた時のことを思い出し、考え続けます。

一方、道長の夫婦生活は壊れかけていました。

自分の気持ちを理解しない夫に冷淡な態度の倫子(黒木華さん)。

妾であるけれど、血筋を誇る明子(瀧内久美さん)は、自分の息子たちに嫡妻が産んだ子と同様の位が欲しいと訴え、道長との間に溝を作ってしまいました。

この日から道長は、土御門殿にも高松殿にも足を向けず、内裏に泊まる日が多くなったのです。

ある日、弟・惟規(高杉真宙さん)からまひろの特性について、根が暗くてうっとおしいと言われたまひろは、その言葉に閃き、彰子のための物語を書き始めました。

しかしできたものを道長に見せたまひろは、何か違うと感じます。

そして、道長から真意を聞いたまひろは、帝のことを何でもいいから全て聞かせて欲しいと訴え、長い時間をかけ、道長から帝の話を聞いたのでした。

帝へ献上する物語。

まひろは悩み、考え、そしてとうとう着想を得たのです。

そうしてできた物語を読んだ道長は悩みました。

これを読んだ帝がどう思うか…。

2人の様子をうかがっていた賢子をまひろは呼び寄せました。

道長に挨拶するよう促すと、道長は賢子を膝に乗せ、笑顔を見せるのです。

石山詣での時の子だと道長は知らず、親子の体面を果たしたのでした。

道長から渡されたまひろの物語を手に取った帝は、初めのページを読み始め、息を飲んだのでした。

前回、第31回「月の下で」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。

それでは、第32回「誰がために書く」のあらすじと感想です。

物語の好悪

寛弘2(1005)年、一条天皇と定子の娘・脩子内親王の裳着が行われました。

一条天皇の亡き定子への執着は強く、未だ公卿に復活していない伊周(三浦翔平さん)を大臣の下、大納言の上に座らせるよう命じました。

一条天皇は、表向き伊周の昇殿は脩子内親王の裳着の為としていましたが、真の目的は道長への牽制でした。

あれから、まひろの所に道長からの連絡はありません。

いと(信川清順さん)は残念がりますが、あれをきっかけにまひろはいろいろな物語を書きたくなったと言い、今は自分のために書いていると言います。

脩子内親王の裳着から数日後、道長は土御門殿で漢詩の会を開きました。

その会には伊周と隆家(竜星涼さん)も招待されました。

伊周の詠んだ漢詩は、天子の御代を思うという健気な漢詩で、斉信(金田哲さん)は感じ入ります。

しかし公任(町田啓太さん)と行成(渡辺大知さん)はあれは本心ではないと見破るのです。

公任と行成は、道長の敵を広い心で受け止める器の大きさに感心しました。

帝は道長に伊周を陣定に参加させたいと言い、公卿たちを説き伏せよと命じます。

しかしそれは参議ではない伊周には難しいこと。

道長は異を唱えるのですが、帝は自分の強い意向とすれば皆は逆らえないが、それでは角が立つため、道長の裁量に委ねるというのです。

帝のたっての願いと聞き、道長は渋々承知したのでした。

立ち上がった帝に道長は献上した物語はどうだったかと尋ねますが、帝は忘れておった、と答えるのです。

道長がその結果をまひろに伝えると、まひろは力及ばず申し訳ない、と言葉にしますが、落ち込んだ様子は見せません。

それよりも、書くきっかけを与えてくれた道長に深く感謝していると、言うのです。

道長が「それが、お前がお前である道か」と言うと、まひろは「左様でございます」と力強く答えたのでした。

そして、帝に献上した物語の続きを書き続けるのです。

道長は一心に書き進めるまひろを見守り、「俺が惚れた女はこういう女だったのか…」と感じ入ったのでした。

帝の真意

辞表を出した公任に、一条天皇は本意を促すため、公任を従二位に昇進させました。

その辞表作戦を指南したのは実資(秋山竜次さん)でした。

道長が敦康親王に新しい玩具を渡し遊んでいた時、突然、帝がやってきました。

何の知らせもなく訪れた帝に道長は動揺します。

下がろうとした道長を呼び止めた帝は、あの物語は自分への当てつけか、と言い放ちます。

そんなつもりはない、と否定する道長。

帝はあれを書いたのは誰だと道長を問い質します。

道長はまひろの素性を明かし、かつて会ったことがあるはずと告げました。

帝は、物語を読んで、まひろの博学さに驚き、作者に興味を持ち、会ってみたいと言いました。

すぐに召し出すと道長は言いますが、帝は会うのは続きを読んでから、と言うのです。

道長は、すぐにまびろの家に行き、藤壺の女房にならないかと尋ねます。

帝があの物語の続きを読みたいと言っているというのです。

続きが読みたければこの家で書いて渡す、とまひろは言いますが、道長はそれでは駄目だと却下します。

帝は博学なまひろにも興味を持ったため、まひろが藤壺の女房になれば、まひろを目当てに帝が藤壺に渡るかもしれない、と道長は言うのです。

自分は囮なのか、と聞くと、道長は「そうだ」と答えます。

娘と離れがたければ、内裏に連れてくればいい、女童として召し抱える、と宣言すると道長は立ち去りました。

まひろの出仕

道長はまひろを藤壺の女房にすることを倫子に告げました。

なぜ道長がまひろを知っているのか疑問を持つ倫子。

道長は公任に聞いたと言い、帝がまひろの物語を気に入り、続きを読みたいと言っていると告げます。

その者を藤壺に置き、先を書かせれば帝も藤壺に通うかもしれない、と話すのです。

倫子は名案だとまひろの藤壺入りに同意し、倫子の許可を得た道長はまひろの出仕を決めたのでした。

これから先のことを考え、女房になることを父に相談したまひろ。

自分もまだまだ働けるが、帝の覚えもめでたくその誉を持って藤壺で働くことは悪いことではない、とまひろを後押しする為時(岸谷五朗さん)。

しかしまひろは賢子のことを心配します。

道長は賢子も一緒に連れてきていいと言っているが、と迷いました。

為時は、内裏は華やかなところではあるが、恐ろしいところでもある、幼い娘が行くところではない、と自分が育てると賢子の養育を請け負ったのです。

為時は任せておけ、母を誇りに思う娘に育てる、とまひろの背中を押したのでした。

翌朝、賢子はまひろの所へ行くと、自分のことが嫌いなのかと訴えます。

まひろは賢子に向き合うと、そんなことない、大好き、一緒に内裏に行くかと尋ねますが、賢子は為時のもとに残ると拒絶。

まひろは賢子の腕に手を置き、休みの日には戻る、寂しくなったら月を見上げて欲しい、母も同じ月を見上げているから、と説得しますが、賢子は「行かない」と顔を背けてしまうのでした。

そうして、まひろの出仕が決まりました。

彰子のもとに挨拶に訪れたまひろ。

倫子は、新たにお仕えすることになった女房だとまひろを紹介します。

道長は、帝たっての望みでこの藤壺で物語を書くことになったと説明しました。

まひろの書いた物語を帝がたいそう気に入ったため、格別に取り立てたと告げたのです。

帝と彰子のために一心にお仕えする、とまひろは挨拶をしたのでした。

その後、赤染衛門(凰稀かなめさん)に藤壺の案内をされるまひろ。

衛門は、帝の目に留まったまひろの才に感心しました。

まひろの出仕により、どうにも行き詰った気分が改まると良い、と言うのでした。

案内を受けながらまひろは、衛門から娘のことや夫亡き後のことを労われました。

赤染衛門は、自分の夫はあちこちに子を作り、その子供たちを自分が育てていたのだと打ち明けました。

そのうち最初の子が大きくなり、小さい子たちの面倒を見てくれるようになったと言います。

帰って来ない夫を待つのも飽きたので、土御門殿で働くようになったと話したのです。

まひろは赤染衛門の過去に驚き、全く知らなかったと言います。

赤染衛門は人の運、不運はまったくわからない、と笑います。

あんなに素晴らしい夫に巡り合えた倫子は類まれなる運の持ち主だと、羨みました。

まひろは中宮・彰子について尋ねましたが、赤染衛門はわからないと答えます。

小さなころから知っているが、それでもわからない、奥ゆかしすぎて、と衛門は答えるのでした。

安倍晴明の死

道長の所に、安倍晴明が危篤との知らせが入りました。

急いで駆けつけると、晴明が床に臥せっていました。

顔を見てから死のうと思い、待っていたという晴明。

「私は今宵死にまする。ようやく光を手に入れられましたな、これで中宮様も盤石でございます。いずれ貴方様の家からは帝も皇后も、関白も出られましょう。御父上が成し得なかったことを貴方様は成し遂げられます。ただ1つ、光が強ければ、闇も濃くなります。その事だけはお忘れなく。呪詛も祈祷も人の心の在り様なのでございますよ。私が何もせずも、人の心は勝手に震えるのでございます。何も恐れることはありません。思いのままにおやりなさいませ」

そう言って晴明は目を閉じました。

御簾の外で、その言葉を聞いていた晴明の弟子は、祈祷を続けながら亡き咽んでいました。

道長は晴明に向け、長い間、世話になった、と深く頭を下げました。

その夜、自らの予言通り晴明は世を去りました。

火事

一条天皇は、伊周を再び陣定に召し出す宣旨を下しました。

右大臣や実資は、左大臣は何をしていたのか、と憂います。

左大臣を責める声に、道綱(上地雄輔さん)は右大臣が諫めてもいいではないか、と反論したのです。

実資は、不吉なことが起きなければいい、と憂いました。

その夜、皆既月食が起こりました。

皆、闇を恐れ、内裏は静まり返っていました。

しかし月食が終わる頃、温明殿と綾綺殿の間から火の手が上がり、瞬く間に内裏に燃え広がりました。

帝は敦康親王を心配して藤壺に走り込んできました。

彰子は親王を逃がしたものの、帝はどうしているかと心配になり、そこに留まっていたと言います。

帝は彰子の手を取ると、彰子を庇うように火の中を避難したのでした。

道長は東宮の所へ赴くと、八咫鏡が焼失したと報告しました。

東宮はこれは祟りだ、伊周を陣の定めに戻すから祟りが起こったのだと言うのです。

道長は、帝も八咫鏡を失って傷ついている、もうこれ以上非難しないで欲しいと頼むのです。

しかしこれが祟りでなくて何なのだ、天が帝に退位せよと言っているのだと東宮は主張します。

東宮は、今回のことでよくわかった、帝の御代は長くない、と自分の御代が来ると信じて疑いません。

道長は帝の所に赴き、彰子を助けてくれた感謝を伝えるのですが、帝は中宮なので当然だ、道長のことは信頼しているが、中宮、中宮言うので疲れる、と下がらされてしまいます。

入れ替わるように伊周が帝のもとにやってきました。

伊周は、この火事は放火だと断言しました。

今回の火事は、伊周を陣定に加えたことへの不満の表れだと言われている、たとえそうだとしても、火をつけるなど、帝の命を危うくするのみ、そう言う者を信じていはいけない、お上にとって信じるに足る者は自分だけだ、と主張したのでした。

行成は月食の時の配置について、道長に説明しますが、そのことはもうよい、と言い放ちます。

そこに突然隆家がやってきました。

自分は兄とは違う、兄は家の再興のことしか考えていないが、自分は違う、志高き政を行いたいだけ、と訴えます。

行成はそんな隆家を糾弾し、兄は帝を篭絡し、自分は左大臣を懐柔する、そういういう企みなのだろうと言い放ち、2人は一触即発の状態になりました。

道長はそんな2人を一喝し、行成を下がらせたのです。

隆家は、行成が道長を慕っているが故の発言だと理解を示したのでした。

まひろが出仕する日がやってきました。

為時は、帝に認められ、中宮に仕えられるまひろはこの家の誇り、己の才のありったけを出し、素晴らしい物語を書き、帝と中宮の役に立てるよう祈っていると言葉をかけました。

まひろも力強く頷き、賢子をよろしく頼むと父といとに託しました。

為時は「お前が女子であって良かった」と噛み締めるように言うのでした。

これまで、自分が男であったなら、と幾度も考えたまひろは、父の言葉に胸を打たれました。

そしてまひろは藤壺に上がりました。

まひろを待ち受ける藤壺の女房達。

その表情は皆一様に厳しく、まひろを歓迎する雰囲気ではありません。

唯一、赤染衛門だけが微笑んでまひろを迎えたのでした。

次回、第33回「式部誕生」

道長(柄本佑)に頼まれ、まひろ(吉高由里子)は彰子(見上愛)が暮らす藤壺に住み込みで働き始める。まひろは早速、物語の続きを書こうとするも、宮中での暮らしに慣れず、思うように筆は進まない。悩んだまひろは、道長の反対を押し切り、家に戻って執筆することに。この頃、一条天皇(塩野瑛久)の命で除目の儀に復帰した伊周(三浦翔平)が不穏な動きを見せ始めていた。数ヶ月後、書き進めた物語を持って藤壺を訪ねると…

NHK大河ドラマ「光る君へ」公式サイト

藤壺の女房となりましたが、内裏での暮らしに慣れず、執筆に集中できないまひろ。

思い余ったまひろは道長の制止を振り切り、家に戻ってしまいます。

そして執筆に集中し、出来上がったものを持って藤壺を訪ねるのですが…。

陣の定めに復帰した伊周の動きも気になりますね。

定子への思いにまだ捕らわれている帝は、皆の反対を押し切り伊周を重用しようとするのですが、公卿の心は離れるばかり。

憂いが続く道長は、一体どう収めるのでしょうか。

最後に

まひろの物語を帝が受け入れ、続きを読みたいとせがみました。

一条天皇は、まひろの物語が気になるのに素直に気になると言えず、道長を焦らしていましたね。

帝の動向が気になる道長は落胆しますが、まひろはケロッとしていました。

まひろとしては、誰かが気に入るかどうかではなく、書きたいものが書ければいいんですものね。

きっかけを与えて貰えただけで十分なのでしょう。

そして、自分のために物語の続きを書き進めました。

道長は改めてまひろの才に驚き、自分の惚れた女はこういう女だった、と気づいたのですね。

しかし、帝がまひろの物語を気に入った素振りを見せた後の道長は野心に溢れていました。

彰子の為なのか、自分の為なのか、まひろを利用することに罪悪感を覚えることもなく、囮に使うと宣言していました。

確かに、中宮となりながら、寂しい様子の彰子が気の毒ではありますが…。

そこまでして、まひろの出仕を望むのならば、まひろが居易い様に環境を整えればいいものを、そこまで気が回らないのか、藤壺の女房達がまひろの役目を理解していないのか、まひろにとっては辛い日々が始まるようですね。

ききょうの様に、定子の為と強い心を持てればいいのですが、まだまだ彰子とまひろの間に絆は生まれません。

早く、彰子の信頼を得られればいいですね。

それにしても、帝は本当に定子一族への執着が凄いですね。

無理を通そうと道長に無理難題を押し付けるその様子に怒りを覚えました。

まひろと会いたい、続きを読みたいという希望すら、厭味ったらしく言う姿に、定子に対する態度と全然違うじゃないか、と怒りが湧いてきます。

帝にとっては、定子を自分から遠ざけた憎い敵に見えるのでしょうか。

道長の献身に早く報いてくれればいいのに、と思ってしまいます。

献身的と言えば、安倍晴明の献身にも胸を打たれましたね。

道長の父にも仕え、道隆にも助言を与えていましたが、最初から晴明は道長を推していました。

道長の有利になるような助言をたくさん与えていました。

この世を去る時も、道長を呼び、今後の憂いを晴らすような予言、助言をしていました。

長く平穏な世が続くことを望み、道長を助け続けた安倍晴明の死。

これからの道長は不安でしょうが、晴明が示してくれた道を、頑張って歩んで頂きたいですね。

さて次回、第33回「式部誕生」では、まひろの女房生活が始まります。

内裏での生活に慣れないまひろは、早々に家に帰ってしまいますが、帝が気になっている物語の続きを引っ提げて戻ってきます。

さて、帝は気に入るのでしょうか。

それにより、まひろの処遇は少しは変わるのでしょうか。

次回、第33回「式部誕生」、見所満載ですね。

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