2020年大河ドラマ「麒麟がくる」は、NHK総合にて日曜夜8時、BSプレミアムにて午後6時、BS4Kにて朝9時に放送中です。
前回第9回「信長の失敗」は、美濃の斎藤利政(後の道三)(本木雅弘さん)の娘・帰蝶(川口春奈さん)を娶った尾張の織田信秀(高橋克典さん)の嫡男・信長(染谷将太さん)が、婚礼の祝いの品として持参した物について父・信秀から激しく叱責され、理解されない信長の孤独を知った帰蝶が信長に寄り添い始める、というお話でした。
婚礼の日をすっぽかした信長でしたが、その理由は民の困り事を解決するためでした。
民の立場に立ち、民と同じ目線で民のために働く信長。
前日の非礼をきっちりと謝る信長に、帰蝶は興味を持ち始めました。
父・信秀の末盛城に招かれた信長と帰蝶は信秀と信長の母・土田御前(檀れいさん)に祝福を受けました。
両家の繁栄のために、と美濃の利政から贈られた松は見事なものでした。
自分も祝いの品を持ってきた、と大きな箱を持ってきた信長の前で、信秀は箱の蓋を開けてみました。
するとそこには宿敵・三河の松平広忠(浅利陽介さん)の首が入っていました。
驚いた信秀は、妻や帰蝶を下がらせ、どういうつもりなのかと信長を問いただします。
宿敵・三河の松平広忠を倒すことは尾張の悲願でした。
広忠の嫡男である竹千代が人質として尾張にいる今、広忠を倒せば労せずして三河を手に入れられるではないかと、信長は主張するのです。
しかし、今は時期尚早であると信秀は叱責します。
広忠を倒し、三河を手に入れる前に、必ず今川から横やりが入ります。
信秀は、体の自由が利かない今、今川と戦っても勝ち目はないと嘆くのです。
今川と戦うならば、同盟を組んだ美濃が黙ってはいないと信長はさらに食い下がるのですが、父は同盟を組んだばかりの美濃、マムシと呼ばれる利政を信用してはいませんでした。
弱みを見せれば逆に尾張が攻められる、と断言し激昂する信秀。
信長は「父上に褒めて欲しかった」と項垂れました。
信秀はそんな信長に「愚か者」と呆れるしかありませんでした。
その頃、帰蝶は土田御前から信長の弟・信雄(木村了さん)を紹介されていました。
土田御前は信雄をたいそう可愛がっている様子が伺えます。
信雄は、竹千代と将棋を打っていました。
竹千代はあっさりと投了し、部屋を出てしまいます。
その可愛げのない様子に土田御前は不満を漏らしていました。
帰蝶は、そんな竹千代が気になり追いかけてみると、竹千代は座り込んで金魚を眺めていました。
庭の金魚は自由がなくて閉じ込められてまるで自分のようだと自嘲します。
それでも、この城で信長にだけは気を許しているようでした。
そこに、慕っている信長が来たのですが、父に認めてもらえず不機嫌な信長は苛立たしげに竹千代を振り払います。
竹千代が悲しげに立ち去る様子に帰蝶は心を痛めました。
那古野城に戻ると、信長は鉄砲を撃ち始めました。
それを眺めていた帰蝶は、信長の腕前に驚き感心します。
信長から鉄砲の手ほどきを受けて撃ってみる帰蝶。
本来なら怖がる鉄砲に帰蝶が興味を持ったことを不思議に思った信長ですが、義父である利政が鉄砲を嗜んでいたかと思い当たります。
しかし、帰蝶が鉄砲に興味を持ったのは父・利政の影響ではなく、いとこである明智十兵衛光秀(長谷川博己さん)の影響だと帰蝶は楽しげに語ったのでした。
2人で過ごすうちにだいぶ打ち解けてきた信長と帰蝶。
今日、信秀と何かあったのかと帰蝶は聞いてみました。
信長は、父とはいつも諍いばかりだから気にするな、と話します。
信長は帰蝶に父・利政は好きか?と問いかけるのですが、帰蝶の答えはあっさりとしたものでした。
「はい、時々大っ嫌いになる時以外は」
信長は帰蝶の答えに笑い、自分もそうであると理解を示したのです。
こうして2人は少しずつ打ち解けていきました。
その頃、美濃の光秀には縁談の話が来ていました。
いい年になってもいつまでも独り身を通している光秀を心配し、叔父・光安(西村まさ彦さん)が画策したのです。
光秀はそうとは知らず、光安の命令で縁談相手の城に米を届けに行きました。
従者に米の運搬を任せ、城主に挨拶をと城に入った光秀は、そこで懐かしい女性と会いました。
幼い頃一緒に遊んだ相手で、幼い光秀が求婚した相手でした。
その女性は妻木煕子(木村文乃さん)。
小さな子供達と楽しげに遊ぶ煕子の姿を、光秀は眩しそうに見つめていました。
妻木城から戻った光秀に、光安と牧(石川さゆりさん)は首尾はどうだったかと聞くのですが、妻木城主とばかり話していた、と光秀は誤魔化します。
しかし、光安と牧の追求から逃れ1人になると、煕子が振りまいていた花びらを取り出し、それをジッと見つめていたのでした。
前回、第9回「信長の失敗」を見逃した方は、ぜひこちらをどうぞ。
それでは第10回「ひとりぼっちの若君」のあらすじと感想です。
伊呂波太夫一座
1549年夏、美濃から戻った駒(門脇麦さん)はずっと元気がない様子でした。
何をしていてもぼーっとして、生返事ばかり。
そんな駒を望月東庵(堺正章さん)は心配していました。
治療中、患者さんに上手く針を打つことができず落ち込んだ駒は、「あたし…ダメです」と言うと、そのままフラフラと出て行ってしまいました。
しばらくフラフラと歩いていると、賑やかな笛や太鼓の音が聞こえてきます。
それに吸い寄せられるように駒は歩みを進めたのです。
賑やかな笛や太鼓の音、艶やかな踊りと歌、舞い散る紙吹雪。
一座の華やかな様子に目を奪われた駒は、一座が興行の準備をしているところまでついていきました。
座員が張った一本の綱の前に立つと、駒は綱の上に立ち、扇を持って舞い始めました。
さらに宙返りを決め、一座と見物人の度肝を抜きます。
座員よりも上手いと褒められているところに、伊呂波太夫(尾野真千子さん)が現れ駒に声をかけました。
久しぶりの再会に、2人は抱き合って喜んだのです。
伊呂波太夫は東庵の家で近況報告をしていました。
京に戻ってきたのは5年ぶりで、薩摩や常陸の方まで興行をしていたといいます。
歌って踊ってよく歩きました、と伊呂波太夫は笑います。
尾張に行った折には信秀の所で舞を披露し、そこで東庵の噂話を聞いたと言います。
信秀は、東庵から10貫巻き上げた、と自慢していたと言い、東庵は恥ずかしげに「去年取り返した」と告白します。
美濃には行かなかったのかと尋ねてみると、野盗が出るなど治安が悪かったため行っていないと太夫は言います。
駒が、昨年半年ほど美濃に居たのだと話すと、京の松永久秀から美濃には明智十兵衛光秀という面白い若侍がいると聞いたことがある、と応えます。
東庵は、太夫が松永久秀とも面識があったことに驚き、今、この都を動かしているのは久秀だと断じ、そんな松永と面識があることに驚きます。
東庵は、太夫は恐ろしく顔が広いため、太夫の前では滅多なことは口に出せない、と笑いました。
すると太夫は、東庵こそ公家の間では有名であると反論するのです。
駒を誘って団子屋に立ち寄った太夫は、駒が初めて一座に現れた時、先代から妹だと思え、悲しい時は一緒に泣いてやれ、と言われていたと話しました。
しかし幼い駒は我慢強く、綱渡りで何度失敗しても涙を見せず、ひたすら練習を繰り返したとその時のことを懐かしみました。
いいお姉さんになりそこねた、と太夫は笑って言いました。
太夫はぼんやりしていた駒に東庵が心配していたと話します。
訳を尋ねると「好きなお方が…遠くへ…ずっと遠くへ」と、駒は遠くを眺め始めました。
まだ若い駒は、こういう時どうすればいいかわからない、と自嘲します。
世の中は、悪いことがあると良いことがあるようにできている、と太夫は話します。
少し考えた駒は、良いこともあった、と思いつきました。
美濃に行っていた時に、火事の中に取り残された自分を助けてくれた侍が美濃の人だとわかった、と言うのです。
それならば、もうわかったも同然と太夫は目を輝かせます。
その侍は、助けた駒に布を纏わせてやってきたと太夫は話すのです。
はっきりと覚えているが、駒にかけられていた布には桔梗の紋が描かれていたといいます。
桔梗の紋といえば、明智家の紋。
駒は地面に桔梗の紋を描き、太夫に確認するのですが、間違いない様子。
慌てて東庵の屋敷に戻り、光秀の母・牧(石川さゆりさん)にもらった扇子を取り出してみました。
そこには美しい桔梗の紋が。
光秀から父の形見の中のひと品だと教えられたものです。
自分を助けてくれた人は、明智家の人だった、と知った駒は、扇子を胸に抱き涙を流し続けたのでした。
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再び尾張へ
1549年11月、三河で戦が起こりました。
尾張との国境にある安城城を攻め込んだ今川勢は、城主・織田信広を人質に取り、尾張にいる松平竹千代(岩田琉聖さん)との人質交換を要求してきました。
織田信広は、信長の異母兄となります。
その頃、美濃の稲葉山城では、明智の荘の光安と光秀が利政に呼ばれて登城していました。
帰蝶が尾張に嫁いでから利政は尾張に何かあるとすぐに光安と光秀を呼ぶようになっていました。
光安は「どう思うか」と問われても、何の関係もない尾張のことなど何も思わない、と不満を光秀にぶつけます。
しかし、いざ利政の目の前に行くと、光安は利政に迎合し、調子のいいことこの上もありません。
隣の光秀は調子のいい光安に呆れるばかりです。
利政は、尾張の信秀から使者が来たと話します。
内容は、三河の安城城が落ち、織田信広が捉えられ人質になってしまったこと、尾張にいる三河の松平竹千代と織田信広の人質交換を要求されたことなどでした。
利政は、これで信秀が今川の要求通りに人質交換に応じてしまえば、三河全土は今川のものになってしまうと危惧していました。
そうなれば今川の力は増し隣国・尾張は危うくなり、同盟を結んでいる美濃にまで影響が及ぼされてしまいます。
利政は、盟約を考え直さなければいけないかもしれない、と言い始めました。
利政は光秀に事の成り行きを見てくるように命じ、尾張へ行くようにと指示を出したのです。
危ないところに何度も行かされる光秀は、命令を受けながらも「鬼め!命がいくつあってもたりんわ!」と不満を漏らしました。
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人質交換
尾張の末盛城では、信長が人質交換に反対していました。
信秀は、我が子である信広を見捨てることはできず、なんとか助けたいと考えています。
しかし、異母兄である信広は城主として戦い負けた、敵方に捕えられる前に自害するべきだった、と信長は主張します。
戦に負けたのだから、捕らえられたのは自業自得。
竹千代を渡す必要は絶対にない、と主張を曲げません。
熱田にいる竹千代を那古野城に移し、誰にも渡さない、と宣言すると、信長は荒々しく去って行きました。
母・土田御前は態度が悪い信長を批判し、信秀も信長には上に立つ者として欠けているものがある、と評します。
土田御前は、それならば弟の信雄(木村了さん)を後継にしてはどうかと勧めるのですが、理を曲げてしまえば、順序を変えてしまったら無理が生じてしまう、そうすればよからぬ事が起きる、と土田御前の言葉を一蹴します。
自分も弟のほうが器量が良い、と言われていたと信秀は苦笑を浮かべていました。
熱田にて、光秀は市にいる菊丸(岡村隆史さん)のもとを訪れました。
味噌は売れているかと尋ねつつ、那古野城に行くから味噌を届けて欲しいと依頼しました。
道中、何の用で那古野に行くのかと尋ねられた光秀は、菊丸に帰蝶の御機嫌伺いに行くのだと答えました。
那古野といえば、熱田にいた三河の竹千代が那古野城に移されたようだが、光秀は知っているかと菊丸は尋ねてきます。
本当の用向きを答えられない光秀は、曖昧に返事をするのですが、ふと、三河の民である菊丸に、竹千代は織田と今川、どちらにいたらいいか、と質問してみました。
今三河は、今川の支配下にあります。
隣国・尾張との戦の影響で田畑は荒れるばかり。
被害が出ないように大国に逆らわずにいることしかできません。
特に今は、竹千代の父・松平広忠が討たれ、三河は我慢するしかありません。
正直に言うと、織田方でも今川方でも今はどちらでも構いません、と菊丸は答えます。
いずれ誰の支配も受けず、三河という国の主となれるように無事でいてくれればそれでいい、と菊丸は竹千代を案じたのです。
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信長と光秀
那古野城に着くとすぐに帰蝶に面会できました。
帰蝶は光秀の来訪を喜び、父から送られたという味噌に喜びます。
菊丸が侍女と共に味噌を膳所に運ぶために座を外すと、その場には帰蝶と光秀の2人きりになりました。
帰蝶は、光秀の来訪がただのご機嫌伺いではないことに気づいていました。
また父・利政から面倒な調べごとを頼まれてきたのだと笑います。
中に入って話そうと光秀を誘った時に、信長が帰ってきたとの知らせが入りました。
廊下の端に座り信長を迎える帰蝶。
光秀は階の下で平伏していました。
信長は鉄砲で猪を仕留めたとご機嫌で帰城し、帰蝶に土産として花を渡しました。
そこで、平伏する光秀に気づきました。
帰蝶から光秀を紹介されると、信長は自身が持っていた鉄砲を見せ、どこで作られたものか当てて見せろと光秀に言います。
帰蝶から鉄砲に詳しい人物として紹介されたため、光秀を試しているようでした。
預かった鉄砲をしげしげと眺めると、光秀は「渡来物ではない、近江の国、国友村のすけざえもんの手によるもの」と見抜きました。
信長はにやりと笑うと「あたりだ」と答え、光秀を気に入った様子を見せました。
「茶でも飲んでいけ」と誘うと光秀を室内に呼びました。
平民のような格好から着替えてきた信長は、光秀とどこかであったことがないかと考え、熱田の海で出会ったことがあると思い出しました。
一瞬会っただけの光秀をよく覚えていたと感心すると、一言でも話した者のことは覚えている、と驚異的な記憶力を誇りました。
何の用でそこに居たのかと問いかけられると、光秀は気まずそうに「あるお方から命じられて信長様のお姿を拝見するために舟のお帰りをお待ちしていました」と白状します。
「あるお方とは?」という質問に窮していると、同席していた帰蝶が「私でございます」と告白しました。
信長に嫁ぐにあたって、姿を見てきてほしいと頼んだのだと正直に言ったのです。
光秀は帰蝶になんて報告したのかと聞かれると「よくわからないお方」と告げられたと、これまた正直に話しました。
信長は鷹揚に笑うと、「自分でもよくわからない」と語るのです。
光秀が、釣りが好きなのかと問いかけると、さほど好きではない、信長は返します。
子供の頃、自分は母のお気に入りではなかった、母に似て色白の信雄ばかり可愛がる母。
ある日、信長は釣りに行き大きな魚を釣って帰ってきました。
それを母に渡すと殊のほか喜び、たくさん褒めてくれたと言います。
嬉しくなって、また釣に行って大きな魚を捕るたびに母に渡すのですが、母が喜んだのは一番初めの一回だけ。
それ以降、信長は遠ざけられるようになっていったこと。
母は、弟・信雄に後を継がせたいのだと知ったこと。
しかし、信長はそれからも漁に出ました。
大きな魚を釣って民に分けると、皆が喜び褒めてくれる、自分は民が喜ぶ姿が好きだ、楽しい、と胸を張ったのです。
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竹千代の覚悟
そこに、那古野城に移された竹千代が面会したい、との知らせが入りました。
竹千代は、将棋盤を抱えてやってきており、信長と将棋がしたい、と言い始めました。
今が無理なら後で時間があるときでも、と答える竹千代に、自分は今も後も竹千代とは将棋はしない、と宣言します。
なぜ遊んでくれないのか、という問いかけに、童だから、と答える信長。
竹千代は、自分の父を殺したのは信長だと聞いた、と話し始めます。
「父上は母上を離縁し、岡崎から追い払い、今川義元に付いたのです。私は大嫌いでした。それゆえ、討ち果たされたのは致し方ないことと思うています」と武士の子供らしい強さをみせました。
竹千代の覚悟を知った信長は、帰蝶と光秀を下がらせ、竹千代と将棋を打ち始めました。
光秀が廊下を歩いていると、軽やかに信長が追いかけてきて、いつ美濃に帰るのかと尋ねてきます。
光秀と鉄砲の話をしたいから、明日、もう一度登城して欲しいと言い、光秀と約束を交わすと、無邪気に笑い、竹千代のもとに戻って行きました。
将棋をしながら信長は、竹千代に今川から人質交換の話があると教えます。
自分は竹千代を今川に渡したくはないが、異母兄である信広が捕らえられているし、この話を断れば、信広は殺されてしまうだろうと。
信長は迷っていると正直に言った上で、どちらに行きたいか、と尋ねます。
竹千代は「今川は敵です。いずれ討つべきと思うております。しかし、その敵の顔を見たことがありません。懐に入り見てみたいと思います。敵を討つには敵を知れ、と申します」と宣言し、信長が迷っているのなら、どちらでも構わない、と決意を見せました。
2人のその話を菊丸は天井裏でじっと聞いていました。
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次回、第11回「将軍の涙」
今川が尾張に攻め込み、応戦する信秀ですが、負傷のためまともに戦えないことが露呈してしまいます。
利政に援軍を頼んでみたのですが、美濃は利政派と国衆とで意見が分かれ援軍を出すことができません。
このままでは人質として尾張に嫁いだ帰蝶の身が危ないと、光秀は将軍家を頼ることを思いつきます。
今回第10回の見所は、駒のアクロバットと、竹千代の聡明さ、健気さでしたかね。
幼い頃、火事で両親を失った駒を引き取った伊呂波太夫の一座にて、かつての自分を思い出したんでしょうか、いきなり駒が綱渡りからの宙返りを披露した時には驚いてしまいました。
見事は身体能力ですね。
そして、駒が探し求めていた人物が明智に連なる人だと判明しました。
光秀のお父さんでしょうか、一族の人でしょうか。はたまた、光秀本人ですとか。
信長の、母に疎まれた不遇の時代のエピソードも聞くことができました。
母に喜んでもらいたくて一生懸命に魚を釣る信長。
しかし、母に認めてもらいたくて頑張っても頑張っても疎まれ避けられるなんて、心が痛みました。
そのまま漁を続けていたのは、大きな魚を喜ぶ民の笑顔を見るため、そして、民に認められたい自分のためでもあったのですね。
報われない信長の境遇が悲しいです。
幼いながらも竹千代の聡明さと覚悟に胸を打たれました。
竹千代から母を取り上げ、敵に下った父を殺した信長、そんな信長を慕う竹千代。
なんとも複雑です。
今川を討つために懐に入り敵を知る、とは幼い子供のセリフではありませんよね。
生きるか死ぬか、時代の流れを読み時期を考え行動する、将来の家康の根底を感じます。
幼い竹千代が時流を読み、成長していく様が見られるのは大河の醍醐味ですね。
さて次回の第11回「将軍の涙」では、美濃の内部分裂が元で帰蝶の身が危うくなってしまいます。
武家の頭領である将軍を頼ろうとする光秀ですが、将軍家にもいろいろな事情があって、思うようには動けない様子。
ままならない現実に将軍が涙するところは見所ですよね。
久しぶりに登場される将軍奉公衆の方々や松永久秀の活躍も楽しみです。
次回、第11回「将軍の涙」も見逃せませんね。