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麒麟がくる 第17回「長良川の対決」のネタバレとあらすじと感想

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2020年大河ドラマ「麒麟がくる」は、NHK総合にて日曜夜8時、BSプレミアムにて午後6時、BS4Kにて朝9時に放送中です。

目次

前回のあらすじ

前回、第16回「大きな国」は、主人公・明智光秀(長谷川博己さん)が、斎藤道三(本木雅弘さん)と息子の高政(伊藤英明さん)の戦いを止めようと力を尽くすのですが、道三の気持ちは収まらず、戦が始まることとなり、明智としてどう動くか、光秀が決断するお話でした。

2人の愛息子を殺害された道三は、美濃の北にある大桑城に入りました。

光秀は、美濃を二分しかねないこの戦を止めるために尾張の帰蝶(川口春奈さん)を訪ねました。

道三を焚きつけるのを止めて欲しいと懇願する光秀に対し、愛する弟が頼ったにも関わらず冷たく追い返した光秀など信用できないと、帰蝶は怒り光秀を追い返しました。

隣で話を聞いていた織田信長(染谷将太さん)は、帰蝶の怒りも分かるが光秀の気持ちもわかると光秀に理解を示したのです。

信長が美濃に放った間諜によると、高政の軍勢1万に対し、道三は2千。

しかも、信長が道三に加勢したくても岩倉城の織田信賢を警戒している信長は動くことができません。

圧倒的な戦力差があるため、今は道三に戦はして欲しくないと言うのです。

信長の話を聞いた帰蝶は、戦に役立つという伊呂波太夫(尾野真千子さん)と連絡を取りました。

今川の軍師・太原雪斎が病死し、そのことを隠したい今川勢により寺に留められている望月東庵(堺正章さん)と駒(門脇麦さん)は、菊丸(岡村隆史さん)から美濃の状況を知らされました。

駒はなんとしても美濃に行きたいと菊丸に駿河を脱出させて欲しいと頼みます。

光秀の叔父・明智城の光安(西村まさ彦さん)は、明智としてどう動けば良いのか悩んでいました。

領地安堵を願うために高政に挨拶に行き、ご機嫌を取ろうと道化を演じて見せましたが、高政は明智の領地替えを考えていました。

今よりも大きな領地にする、と言いながらもその条件は光秀が家督を継ぐというもの。

高政は、国衆の不透明な管理ではなく、全ての領地を洗い出し、大きな力を得ようとしていました。

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そのために、光秀の力が必要だと言うのです。

しかし、光安は兄から預かっていた領地を守れなかったことに落ち込み面目ないと項垂れていました。

新しい国を作るのは良いが、自分は高政に命を預けられない、と自分の気持ちを吐き出した光安は、道三に従い大桑城に入る、と宣言したのです。

光秀は光安にその決断は待って欲しいと懇願し、道三説得に向かいました。

道三は、光秀の説得にも耳を貸さず、帰蝶が伊呂波太夫に頼んだ越後への脱出も断り、高政と戦う決意を固めていました。

高政は、自分の父は土岐頼芸と吹聴しているが、本当の父が誰であるが知っている。

知った上で都合が良いから人々を騙し自分を飾ろうとしている。

上に立つ者は正直でなければならない。

自分の老いを悟ったから家督を譲ったが、譲る相手を間違えた。

間違えは正さなくてはならない。

自分は父から美濃も尾張も近江も大和もない大きな国を作るのだと言い聞かされてきた。

一代では叶わず、後を託されたが果たせなかった。

しかし、尾張の織田信長、あの男は面白い。

信長となら光秀もやれるかも知れない。

「大きな国を作るのじゃ、誰も手出しができない大きな国を」

そう言うと、道三は光秀の叫びを振り切って出陣したのです。

道三を止められなかった光秀が明智の荘に戻ると、高政が道三との戦を決めたとして稲葉山城への召集命令が下っていました。

光安は、光秀の考えもあると思うが、自分は道三のもとへ行く、と嫡男・左馬助(間宮祥太朗さん)を連れて鶴山へと向かいました。

家臣らは光秀の決断を待つのですが、光秀は、どちらにも加担しない、と動こうとはしません。

しかし、居室で鉄砲を手にした光秀は、かつて道三と交わした会話を思い返し、ケチだ嫌いだ、と言いながらも道三が語る美濃の国造りに共感していたことを思い出したのです。

妻に戦支度を命じると家臣を集め、こう命じたのです。

「敵は高政様!」

とうとう、光秀は竹馬の友と戦う決意を固めたのでした。

前回、「大きな国」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。

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それでは、第17回「長良川の戦い」のあらすじと感想です。

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信長の焦り

1556年春、道三が鶴山に陣を敷いたと聞いた信長はイライラとしていました。

圧倒的な戦力差があるにも関わらず戦を始めてしまった道三。

道三の娘である帰蝶は、父が自分の用意した逃げ道を断り始めた戦のため、放っておけば良いのだと怒っていました。

どんなに戦上手の道三といえども1万2千の兵を2千の兵で迎え撃つのは無謀なことです。

いてもたってもいられなくなった信長は、「儂は鶴山に行く!親父殿を助ける!」と宣言すると城を飛び出していきました。

止める間もなく行ってしまった信長の背中を見送った帰蝶は、自分の言葉を聞かない父や信長に感情を爆発させ、「皆愚か者じゃ!」と叫び、書いていた書を握りつぶしたのでした。

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長良川の戦い

長良川北岸、道三の陣では道三が今様を口ずさんでいました。

一方の南岸、高政の陣では先陣を竹腰道鎮が志願、2番槍は高政が行くと決まりました。

国衆の稲葉(村田雄浩さん)が道三の始末を尋ねると、高政は生け捕りを命じました。

親殺しは外聞が悪いから、と稲葉もその始末に頷きました。

その時、尾張の信長が国境の大良に到着したとの知らせが入りました。

高政は信長と道三が合流する前に叩く、と言い放つと、明智の一党はまだ参陣しないのかと怒りを顕にします。

稲葉らは、未だに到着しないのは道三側に寝返ったということ、と言い募ります。

高政の苛立ちは収まりませんでした。

早朝、長良川を挟み両軍が相対しています。

高政が軍配を振ると、陣太鼓が始まりました。

先陣の竹腰が突撃してきました。

一進一退の攻防、乱戦となりましたが道三の指揮により竹腰軍を破った道三軍。

その頃、上流を封鎖する敵軍を蹴散らしながら光秀は進み、叔父・光安と合流しました。

しかし、光安は河原に溢れる敵軍に阻まれて道三軍と合流できずにいます。

足を負傷しながらも光安は光秀に敵の手薄な川下へ行けと促し、早く道三のもとへと、光秀を先に行かせたのです。

第1陣は破ったものの、高政自らが大軍を率いて押し寄せてきたため、勝敗が決定的となってしまいました。

高政軍が迫る中、本陣の道三に家臣らは撤退を進言します。

道三は馬用意させると単騎で飛び出していきました。

もぬけの殻となった本陣に到着した光秀は、道三の行方を捜します。

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親子対決

道三が向かった先は高政の前でした。

単騎でやってきた道三に目を見張る高政。

道三は大声で高政を呼ぶと一騎打ちを申し出ました。

高政は道三の行動を負けとわかった悪あがきか、と言い放つと軍配を振り道三の周りを兵で取り囲んだのです。

道三に刃を向ける兵たちの前で道三は被っていた頭巾を取り去りました。

高政は馬を降りると、手出し無用、と叫んで道三との一騎打ちを受けたのです。

互いの長槍で激しく打ち合う2人、実力が拮抗しているのかなかなか勝負がつきません。

高政は、負けを認めよ、命までは取らないから我が軍門に降れと道三を説得しますが、道三は己を偽る人間の軍門には降らぬ、と高政の言葉を一蹴します。

己を偽るとは、という高政に、己の父の名を申せ、と道三は迫ります。

何度も言い募る道三に動揺した高政は、道三を誹謗し始めたのです。

「黙れ油売りの子め、成り上がり者、蝮の道三」

叫ぶ高政に、道三は尚も父の名を申せと迫ってきます。

言い募る道三に耐えかねた高政は、自分の父は土岐頼芸、土岐源氏の頭領だと宣言します。

しかし道三は、「我が子高政よ、この期に及んでまだ己を飾るか、その口で皆を欺き、この美濃を掠め取るのか」と高政を責め立てます。

「おぞましき我が子、醜き高政。そなたの父はこの斎藤道三じゃ、成り上がり者の、道三じゃ」と高政を見据えました。

たまりかねた高政は取り囲んだ兵たちに「討て、この者を討て」と叫びました。

道三は高政に斬り掛かろうとするのですが、高政に辿り着く前に周囲の兵の槍に貫かれてしまったのです。

一歩、二歩、とよろけながら高政に辿り付いた道三は、高政に寄りかかるように倒れ込みました。

「我が子高政、愚か者…勝ったのは道三じゃ」というと高政の身体から滑り落ち地に倒れ伏したのです。

地面にうつ伏せた父の姿を見た高政は目を見開き涙をこらえ、涙が溢れないように上を見上げました。

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高政との決別

そこに、兵に連れられて光秀が到着しました。

倒れている道三を見て駆け寄ろうとするのですが、高政が光秀に近づき道三の近くには行けません。

高政は、道三側に付いた光秀を叱責しました。

しかし、高政のもとに降り高政の政を助けるのであれば、今回のことには目を瞑る、と言いだしたのです。

光秀は、真実の気持ちが聞きたい、といって高政に道三はそなたの真実の父ではないのか、と尋ねました。

すると高政は、自分の父は土岐頼芸と宣言したのです。

光秀は、土岐頼芸に会っても一度たりとも立派なお方と思ったことがない、と漏らしました。

しかし、道三は立派な主君、己への誇りがあった、揺るぎなき誇りだ、と言い切ったのです。

土岐頼芸にも高政にもないものだと光秀は断じました。

光秀は高政に近づくと、「儂はそなたには与せん、それが答えだ」と高政と決別したのです。

高政は、次に会った時には首を取る、と宣言し、明智城を即刻攻め落とす、と言い放ちました。

光秀は、倒れている道三に向け膝をつくと深々と頭をたれ、名残惜しげにその場を去りました。

清須の帰蝶は、信長が間に合わず道三が討ち死にしたこと、信長が敵の待ち伏せに合ったものの無事に清須に戻ろうとしていることを聞きました。

兵を労い、見送ると、帰蝶は父の死に泣き伏しました。

しばらく泣いた後、立ち上がった帰蝶は、伊呂波太夫を呼ぶと、もう一度美濃に行って欲しいと依頼を出したのです。

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美濃へ急げ

その頃、三河と美濃の国境の山の中、菊丸と駒が歩いていました。

駒は先を急ごうとするのですが、戦の最中の美濃にできれば駒を連れて行きたくない菊丸は足が重くなっています。

足が重い菊丸に業を煮やした駒は、自分1人で行くから菊丸は駿河に帰れ、と怒り出すと勢いよく歩いて行ってしまったのです。

駒を1人にする訳にはいかない菊丸は、渋々駒の後をついていくのでした。

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光安の決断

光秀が明智城に戻ると、負傷した光安と左馬助が光秀の戻りを待っていました。

光秀の無事を喜ぶと、そのまま光秀に座を譲り、今この場で光秀に家督を譲りたい、と光安

は言いだしたのです。

道三軍に与した明智は高政軍に攻め込まれてしまいます。

高政軍3千に比べ明智の兵は300あまり。

戦にすらならず、このまま籠城しては皆討ち死にしてしまいます。

兄が亡くなり光安が家督を継いだ時、行くすえを光秀に、明智家の血を絶やさないようにすると光安は約束していました。

明智家の旗印を光秀に渡すと、「城を失うのは辛い、兄に申し開きができぬ」と悔しさをにじませました。

明智が滅びるのだけは避けなければなりません。

光安は、光秀の父の声と思って聞け、と言うと、「一旦城を離れ逃げよ、逃げて逃げて生き延び、明智の主として再び城を持つ身になってもらいたい。そなたならそれがやれる、許されるならこの左馬助もそこに加えてもらいたい」と懇願しました。

事、ここに至ったのは自分の力のなさが原因だと光安は光秀に詫びます。

自分たちが逃げても、皆はどうなるのか、伝吾たちは、と問う光秀。

光安は、「他の者にも落ち延びるように命じた」と言い、「伝吾たちは、槍は持つが元は百姓じゃ。我らを助け、よう戦ってくれたが、刀を捨て田畑を取れば高政も切り捨てはせぬ」と告げたのです。

その時、高政の兵が迫っていると知らせが入りました。

光安は光秀と左馬助を促し、一刻も早く行け、と急き立てました。

「叔父上は」と問いかける光秀に「儂は後から行く、案ずるな、早う行け、この城の最後をしかと見届けて後を追う」と光安が約束すると、光秀は光安の言葉に従ったのです。

叔父・光安と固く抱擁を交わすと、光秀は明智城から脱出しました。

光秀と左馬助を見送った光安は、やり遂げたように澄み切った空を見上げたのでした。

光秀の屋敷では、妻・煕子(木村文乃さん)や母・牧(石川さゆりさん)が光秀の指示を待っていました。

籠城かと問われた光秀は、城へは行かず脱出すると告げます。

それが光安の命令だと。

そこに、藤田伝吾(徳重聡さん)が他の家臣も連れて別れの挨拶にやってきました。

藤田らは自分たちの田畑と共にこの地に残ると決めていました。

光秀は、これまで尽くしてくれた家臣たちに礼を言い、このようなことになってしまったことを詫びました。

光秀は「皆の志はありがたいが、早々に立ち返れ、達者で居れよ、また会おう、また会おうぞ」と涙ながらに別れを告げました。

しかし牧は、亡き夫が終生大事にしていた父祖伝来の地を捨てることはできないと、動こうとはしません。

すぐに高政の兵がやってきて、この屋敷は焼き討ちに合ってしまう、といってもそれこそ本望だと頑なな態度です。

すると、母が残るなら自分も残ると光秀が言い出し、煕子も光秀の側を離れない、と言い出します。

次々と牧と一緒に残る、と言い始めると、藤田が牧を諭し始めたのです。

ここにいる皆、牧と同じ気持ちだけれど、また皆で再会するために、残る自分たちがこの地をこのまま守っていくから、いつの日か牧たちがこの地に戻ってきた時に、何も変わらずこの里はある、それをまた見ていただくために、今日は旅に出てくださりませ、と笑顔を見せる藤田の言葉に牧は折れました。

高政軍の足音が近づいてきます。

その時、明智の屋敷に火矢が射掛けられました。

光秀は煕子に準備を急がせ、自身は外の見回りに向かいます。

外で明智城から煙が立ち上っているのを見つけた光秀は、愕然としたのでした。

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次回、第18回「越前へ」

高政軍の追手から脱出を試みる光秀たちは、帰蝶の命を受けた伊呂波太夫に導かれ越前の地に逃れます。

領主・朝倉義景(ユースケ・サンタマリアさん)を頼る光秀たちを値踏みした義景は渋々ながら了承するのです。

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最後に

とうとう、道三が最期を迎えてしまいました。

親子対決は圧巻でしたね。

軍議の最中、道三が唄う今様が耳に残っています。

戦の迫力は言うまでもなく、親子対決では緊張感あふれる打ち合いに目を引きつけられました。

槍の応酬、言葉でも高政を追い詰めていく道三の鬼気迫る様子、言葉で道三に追い詰められていく高政の焦りがヒシヒシと伝わり、手に汗握りました。

最後まで「我が息子、高政」と言い続ける道三が悲しく、それを否定し続ける高政の苦しみも感じました。

最後、涙を堪える高政の表情が印象的でした。

見事な親子対決に、圧倒されてしまいました。

もう一つ、素晴らしかったのは、西村まさ彦さんが演じる光安の姿でした。

亡き兄の忘れ形見である光秀が一人前になって家督を継げるようになるまで、懸命に明智の荘を守ってきた光安。

道三を慕い、道三に与したために明智の荘を追われることになり詫びる姿がとても悲しかったです。

しかし、明智の血を絶やさないために、光秀に家督を譲り脱出させようとする姿は、光安の芯の強さを感じ、その格好良さに感動しました。

光秀を送り出した後に空を見上げた表情、あの達観した表情は忘れられません。

優し過ぎて律儀な叔父、素晴らしい明智光安にこみ上げてくるものがありました。

尾張の地から美濃を案じ、策を巡らせても思い通りにはいかない帰蝶のもどかしさも悲しかったです。

帰蝶が促したように道三が逃げていれば、それよりも前に光秀が孫四郎に力を貸していれば、何かが変わったのでしょうか。

思い通りに動いてくれない男たちに激高しながらも、結局、最善を考え、救いの手を差し伸べてしまう帰蝶の優しさ・強さに感服しました。

帰蝶も伊呂波太夫も菊丸を顎で使う駒も女性は強いですね。

今回は見所がいっぱいで感想もいっぱいになってしまいました。

まだまだ言い足りないですけど、今回の感想は総じて「素晴らしかった」ということにつきますね。

次回の第18回「越前へ」では、光秀たち明智一党は伊呂波太夫の力を借りて越前まで逃げ延びます。

ここでまた新たな出会いや懐かしい出会いがあるはずです。

城を追われ、浪人となってしまった光秀がのし上がっていく日はいつになるのでしょうか。

これからの光秀の頑張り、活躍に期待しています。

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