毎週日曜日20時から、NHK総合他にて放送中の大河ドラマ「西郷どん」。
2018年11月4日、第41回「新しき国へ」が放送されました。
前回、新政府に戻った西郷隆盛(鈴木亮平さん)は、分かれていた意見をまとめ、明治4年(1871)7月14日。
諸藩の知藩事、留守居役たちが急遽集められ、藩の解体と、かつての藩主の解任、廃藩置県が断行されました。
前回の第40回「波乱の新政府」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。
https://tg-drama.com/segodon-040/
それでは、第41回「新しき国へ」のあらすじと感想です。
怒りの花火
廃藩置県を断行した新政府への抗議を込めて、島津久光(青木崇高さん)は打ち上げ花火を上げ続けました。大砲と勘違いした西郷家の人たちでしたが、その美しさにみとれるのでした。
そんななか、西郷家に隆盛からの書状が届き、新政府の役人たちが女の子や子供まで連れて欧米へ視察いくことを知らせます。そして菊次郎(城桧吏さん)にも欧米へ行ってみないかとすすめてきたのです。
菊次郎は川口雪篷(石橋蓮司さん)や糸(黒木華さん)に相談するものの、「自分で決めなさい。」と諭されるのでした。
いつの間にか糸さんと菊次郎が本当の親子のようになっていますね。ただの居候かと思われていた雪篷さんも、男手の少ない西郷家の相談役として存在感を発揮しています。隆盛がいない西郷家の留守を、皆で守っている雰囲気になってます。もう、借金もないですしね!
利通、岩倉ら欧米視察へ
大久保利通(瑛太さん)、岩倉具視(笑福亭鶴瓶さん)、木戸孝允(玉山鉄二さん)らは、天皇から欧米渡航の勅命を拝し、視察に行くことになりました。岩倉は留守の間、後藤象二郎(瀬川亮さん)、江藤新平(迫田孝也さん)らが実権を握らないように、隆盛に「留守中、新しい事は何もしたらあかん。人事も動かすな。」と頼みます。
利通も同じように隆盛に言い残し、旅立っていきました。
しかし、約束を守れない事態がすぐ起こりました。陸軍大輔をしていた長州出身、山県有朋(村上新悟さん)が、同じ長州出身の友人である陸軍に出入りしていた商人、山城屋に65万円もの軍費を、無断で貸し付けていたのです。
陸軍少将となっていた、中村半次郎改め桐野利秋(大野拓朗さん)は怒り狂い、斬って捨てようとしますが、隆盛が止めます。
江藤、後藤らは留守中の人事は動かすなという事だが、どうするのか?と隆盛に詰め寄ります。隆盛は新政府の皆を呼んで、山県の処遇について話し合う事になりました。
結果、山県には陸軍大輔から外れてもらう事で決着しました。
また市中では、現体制に不満を持つ民主たちが、岡山、福山などの各地で一揆をおこしていました。徳川の世の方が天下泰平だったのでは?という話まで出て来ていたのです。
隆盛の故郷、鹿児島でも民衆たちがまた島津家に治めて欲しい。久光に県令になって欲しいという嘆願書が届いていました。大山綱良(北村有起哉さん)、桂久武 (井戸田潤さん)は久光に怒りをぶつけられ困っていました。
2人とも断髪をして洋服を着ていましたが、久光にはこの事も腹が立っていたのです。
ただ、利通の代わりに側役になっていた海江田武次(高橋光臣さん)だけは、以前の侍の格好のままで久光に仕えていて、久光の言う事の方が正しいと思っている様子でした。
海江田は、久光の代わりに県令にして欲しいという書状を、隆盛に届ける役目をして、隆盛に久光を県令にするよう要求しました。
しかし隆盛は、久光に県令を許してしまうと、他のもと領主たちが皆自分もと名乗り出てくるだろうから、県令に出来ないと拒否します。
納得できない様子の俊斎でした。
すっかり俊斎どんの様子が変わりましたね。幕末から隆盛の事を批判し始めてはいましたけど、あれだけ嫌がっていた久光の肩を持つようになるなんて、思いもしませんでした。
嫌いな人の味方に付いてしまうぐらい、新政府の方が嫌だったという事でしょうか?
新しいことを始める時には絶対「前の方がよかった。」と言い出す人がいるものです。しかし俊斎どんがこうなるとは…!!…びっくりしました。
天皇の行幸
隆盛の提案により、明治天皇(野村万之丞さん)自ら西国へ巡幸する事になりました。新政府に不満を持つ民衆たちに、直接天皇が姿を見せることで、世の中が変わったのだと知らしめるという意味がありました。
薩摩、鹿児島にも明治天皇がやって来ました。
初めて天皇の姿を見た久光は、涙を流しました。明治天皇は、洋服姿で現れたのです。そして、「朕が期望する所に副えよ。」という勅命を受けた久光。もう納得するしかなくなってしまったのです。
あの久光が泣くなんて!!なんだか可哀想な気持ちになりました。あれだけ強気に家臣たちに色々と命じていたのに、もう藩が治める時代が終わったのだと視覚的に訴えられ、勅命までもらっては、従うしかないですよね。
なんだか悲しくなってしまいました。
久光の喝
天皇が帰った後、隆盛と久光は二人で話す事になりました。
久光は色々聞きたいことはあるが…と前置きして「こいが、お前が我が兄斉彬と共に作りたかった新しか国か?兄上が今の日本をご覧になったらどげん思わるっか。」と簡潔に隆盛に尋ねます。
「国父様。我らには思い描いた新しか国があいもした。そいを実現せんがため、時に国父様を欺き、お心に沿わぬこつも致しもした。じゃっどん、今は、亡き殿と目指したところとはかけ離れちょいもす。政府の腐敗一つ、留めるこつもできん。おいは蹴り飛ばされるに違いなか。こんままでは国父様にも、命を散らしていった者たちにも徳川の方々にも顔向けができもはん。」と泣きながら答える隆盛。
「こんやっせんぼ!やり抜け!最後までやり抜くんじゃ!」とまさかの励ましの言葉を贈る久光。隆盛の顔が一瞬にして変わりました。斉彬(渡辺謙さん)と言い方がそっくりだったのです。
「やって、やって…そいでも倒れた時には、こん薩摩に帰って来い!あとは若い者に任せればよか。西郷、新しか国っちゅうとは、こいからの若い者の為にあっとじゃ。」とさらに励まし続ける久光。隆盛は涙を流して聞き入っていたのでした。
「帰って来い。」なんて言うと思いませんでした。久光がいい男に見えましたよ!思えばこの人も斉彬を追い求めて兄のように世の中を変えたいと思った一人でしたよね。下級武士だったらここで高い地位についた人だったんでしょうか?なんだか惜しい気がしました。
息子の決断を後押しする
天皇は、城にいた侍たちだけでなく、民衆の前にも姿を見せていました。菊次郎も天皇の姿を見た事で、なかなか決められずにいた欧州留学を決意しました。
隆盛は、幼い息子の決断を喜び、「行ってけ。きばれよ。」と励ましました。
次回、第42回「両雄激突」です。
隆盛と、帰国した利通がとうとう衝突するようです。
別々の道を歩む時が来ます。