毎週日曜日20時から、NHK総合他にて放送中の大河ドラマ「西郷どん」。
2018年9月23日、第36回「慶喜の首」が放送されました。
前回、王政復古の大号令で、徳川幕府260年の歴史に幕が閉じられました。
続けて御所内で行われた小御所会議で、徳川慶喜(松田翔太さん)に辞官納地の命令が下されることになりました。
西郷吉之助(鈴木亮平さん)は、新政府から慶喜を排除する事に成功したのです。
慶喜は、松平容保(柏原収史さん)、松平定敬(庄野崎謙さん)らと大坂城へと移動し、戦を始める大義を失ったかに見えました。しかし吉之助が、事前に薩摩藩士ら数人を江戸に送り、浪人達を集め、わざと薩摩の仕業と分かるよう商家を襲うよう指示。旧幕府側を挑発すると、庄内藩が薩摩藩邸を襲いました。
戦の大義を作り上げた吉之助は、藩士たちに旧幕府軍を朝敵とし、こちらが正義と言って、京に向かって来ている旧幕府軍を討ち、慶喜の首を取って勝利とすると言いました。
そんな兄吉之助を、信吾(錦戸亮さん)は「戦の鬼」と呼び、変わってしまったと涙を流すのでした。
前回の第35回「戦の鬼」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。
それでは、第36回「慶喜の首」のあらすじと感想です。
鳥羽伏見の戦いはじまる
慶応4年1月3日。鳥羽伏見の戦いが始まりました。
新政府軍が不利だったので、大久保一蔵(瑛太さん)の指示でゆう(内田有紀さん)に用意させていた錦の御旗を、岩倉具視(笑福亭鶴瓶さん)の独断で新政府軍に掲げさせました。その効果は絶大で、朝敵になる事を恐れた旧幕府軍は、次々と逃げ出しました。
この勢いで大坂の慶喜の首を取ろうと動き出そうとした瞬間、信吾が首を撃たれました。小兵衛(上川周作さん)が付き添い、薩摩の野戦病院となっていた相国寺に運ばれました。相国寺には虎(近藤春菜さん)もいて、信吾の手当てを医者に頼みましたが、医者は「これは助からない。」と言い、止血を急いだのでした。
一方吉之助は、木津川を渡り、淀川を下って大坂城に行き旧幕府軍を追い込もうと、川路利良(泉澤祐希さん)や中村半次郎(大野拓朗さん)らと軍議を開いていました。その際に山崎で布陣している津藩が気になるところでしたが、津藩が寝返ったとの情報が入りました。錦の御旗効果です。
新政府軍の勝利が見えてきたところで、村田新八(堀井新太さん)は、信吾のもとへ向かうよう吉之助に言いました。しかし他にも何十人もの仲間たちが負傷していて、吉之助は「私情を挟む暇はなか。」と信吾を見に行きませんでした。
慶喜、大坂城から逃亡
旧幕府軍は、次々と裏切りの情報が入り混乱していました。錦の御旗にためらって攻撃出来ないという情報も一緒に入っていました。容保や定敬は籠城して新政府軍を迎え討つ為、江戸から新たに兵を呼ぼうと進言します。
板倉勝静(堀内正美さん)も「偽りの官軍など、恐るるに足らず!我ら負ける道理がございませぬ。」と慶喜に言い、新政府軍を迎え討ち、戦うよう進言。他の幕臣たちも口々に慶喜に戦うよう言います。
その迫力に押されたのか慶喜は「相分かった!そなたらの忠義の心、身に染みて嬉しく思うぞ。余は戦う!余についてこい!」と宣言し、幕臣たちを納得させました。
しかし、慶喜はその晩のうちに大坂城から抜け出し、味方の兵を置き去りにして、容保、定敬らを引き連れ、天保山から開陽丸に乗り江戸へ逃れました。慶応4年1月6日、戦が始まって僅か4日後の事でした。
こりゃ酷いですね~。どうも一回は人の話を聞いた振りをして騙して逃げるんですね。確かに血気盛んに戦うと言っている幕臣たちに逃げるなんて言えません。聞いてる振りでもしとかないと、暴動が起きそうですよね。
朝敵になりたくないからってこれは呆れますね。それと、容保も一緒に逃げていることがショックでした。将軍ってそんな反抗出来ないもんなんですか?なんだかな~。
慶喜が消えた事は、新政府軍の吉之助たちにも知らされました。半次郎は藩士たちに「おいたちの勝利じゃ。」と言い、鬨の声を上げたのでした。
江戸に着いた慶喜を、勝安房(海舟)(遠藤憲一さん)が訪ねてきました。一緒に逃げてきた容保、定敬、板倉と共に鰻を食べていた慶喜に呆れ返り、「戦に負けたのも、徳川の名を地におとしめたのも、みんなあんただ。あんたは徳川の恥だよ。」と言い放ちます。
慶喜についてきたふき(高梨臨さん)も、勝の言葉を受けて「あなたは西郷様から逃げただけです。言っていたではありませんか。どこまで追ってくるんだって。あなたは西郷様が恐ろしいから逃げたんです。謝ればいいではありませんか。あの方は心根のお優しい方です。あなたが心から悔い改め謝れば、必ず許して下さいます!そうしないと西郷様は地の果てまでも追いかけて来られます。」と言いました。
激高した慶喜はふきに出ていくよう命じます。ふきは「本当にいいんですね?」と念を押しましたが、返事がなかった為、ふきは出ていきました。
一部始終を見た勝は「哀れだね、あんた。」と言い残し、去っていきました。
ふきのモデルはお芳という側室さんですが、慶喜が江戸に帰った後は暇を与えられたみたいなんで、ふきもこのまま慶喜のもとから去っていくのでしょう。これからふきはどうなるんでしょう?薩摩に帰れるんでしょうか?気になります。
進軍を止める嘆願
信吾の状況は良くならず、あまりの苦しさに「もう死なせてくいやい。」と漏らすほどでした。そこへイギリスの医者、ウィリス(ネイサン・ベリーさん)が現れ、西洋の技術で信吾の傷を手術で回復させました。当時、最先端の技術です。
吉之助が、兵庫にいたウィリスを京へ入れるよう天皇に直接嘆願し、実現した事でした。
手術を終え一命を取り留めた信吾は、一蔵から吉之助が自分の為に手を尽くしてくれた事を知りました。「戦の鬼」になっていなかったと分かった信吾は、医者が止めるのも聞かず、慶応4年2月、江戸に向かって進軍する新政府軍に同行する事になりました。
鍵屋の主人(西沢仁太さん)と虎も見送りました。虎は吉之助兄弟の別れは惜しみましたが、最後まで新八どんには興味がなかったようです。虎の登場もここまでですかね?愛加那とは何回も会ってましたけど、どうなるんでしょう?
あと、ウィリスの手術シーンを観て、ドラマ「仁-JIN-」の南方仁(大沢たかおさん)を思い出しました。麻酔の仕方も同じでした。ウィリスの手術の助手は日本の医者だったようで、当たり前ですけど橘咲(綾瀬はるかさん)ではありませんでした。「西郷どん」は手術の際、密閉された空間を作っていませんでしたけど、大丈夫だったんでしょうか?気になりました。
駿府の新政府軍大総督府では、参謀の林玖十郎(岡部たかしさん)が、上野寛永寺の宮様、尾張の慶勝(小宮孝泰さん)から「進軍を留めて欲しい。」という書状が連日届いている事を報告しました。
さらに新政府軍大総督である有栖川宮(小須田康人さん)のもとには、家茂の妻、静寛院の宮からも同じように嘆願書が届けられ、慶喜が徳川の菩提寺である上野寛永寺に謹慎し、天皇に恭順の意を示していると言います。
これらによって進軍を止めようかという話になりますが、吉之助は「本当に恭順をされておるならば、兵器、弾薬、軍艦の一切を引き渡し、徳川慶喜自らが、死を覚悟して我らが軍門に下るのが道理っちゅうもんじゃごわはんか。」と慶喜を紙だけでは慶喜を信じられないと言います。
そして反対を押し切り、進軍するのでした。
山岡と会談
上野の寛永寺の慶喜のもとに、勝が現れました。勝は、官軍の先鋒隊が駿府から箱根を越え、もうすぐ川崎に入ると知らせます。慶喜は「天子様のお許しを待つのみ。」と官軍との戦を直視せず、あくまで天皇とのやり取りをしている事を強調します。
勝はため息をつき、「やつらはあんたの御首が欲しいんですぜ。戦えば勝ちますよ。こっちにゃあ薩長にも負けない洋式調練された精兵がおります。最新式も銃もあれば大砲もある。何より開陽丸をはじめとした12隻の軍艦がある。一切私に任せて下すったら、駿府の大総督を海から一斉砲撃してみせますぜ。フランスの力を借りて、大坂湾から京へ攻める事も出来る。そうすればお望み通り、あっちを朝敵にしてしまう事だって出来やすよ。」と慶喜に一気にまくし立て、けしかけます。
しかし慶喜は「それならば確かに勝てる。だが、その時こそ日本は終わる。日本は異国の手に渡る。そのような事だけはさせぬ!勝、俺をみくびるな!俺は朝敵のそしりは受けぬ。徳川を世界の笑い者にさせてなるものか!」と一蹴しました。
やっと将軍らしいことを言った慶喜に、勝は涙を浮かべながら笑いました。戦を続けるつもりがないという事を確認すると、一人の男を招き入れました。山岡鉄太郎(藤本隆宏さん)でした。
勝は山岡を、駿府の吉之助のもとへ使者として送りました。
「我が主の天子様への忠誠は誠でございます。」と勝の書状を渡した山岡。進軍を止め、江戸に来るよう頼む内容の書状でしたが、吉之助は止めるつもりがないと言い切ります。
勝と戦う事になってもいいと言う吉之助に、山岡は腹を斬ると言います。「侍が主を信じられなくなったら、それはもう、侍ではございますまい。」とあくまで慶喜を信じる山岡の迫力に押され、吉之助は勝の申し出を受ける事にしました。
天璋院と再会
吉之助は、東海道、東山道、北陸道から江戸に向かっている新政府軍に、一旦進軍を留める指示を出して、半次郎と川路と一緒に江戸の磯田屋に入りました。総攻撃の噂は江戸にも入ってきていて、薩摩の人間が店に入ってきたと分かった途端、客が店を出ていきました。
店の者以外いなくなった磯田屋に一人の女性が入ってきました。幾島(南野陽子さん)でした。吉之助は、幾島に連れられて江戸城大奥に入りました。
待っていたのは天璋院(北川景子さん)でした。
今回はここで終わりです。
天璋院の手紙が出て来ないな~とイライラしていたら、まさか本人と会う?という展開に驚きました。え?この二人って会いましたっけ?
何故会わすんでしょう?手紙だからこそいい話だと思っていたのに、会わせるの?
会わせる必要あるんですか?話は次回に持ち越しです。
次回、第37回「江戸城無血開城」です。
吉之助は慶喜とも会うみたいです。
どんな話になるのでしょうか?