吉高由里子さん主演、大石静さん脚本の2024年大河ドラマ、「光る君へ」。
「世界最古の女性文学」と呼ばれる『源氏物語』の作者・紫式部の波乱の生涯を描く物語です。
光源氏のモデルの1人と言われる藤原道長を柄本佑さんが演じます。
千年を超えるベストセラー『源氏物語』を書きあげた紫式部の、秘めた思いと一途な思いを胸に懸命に世を生きた女性の物語。
こちらでは、大河ドラマ「光る君へ」のあらすじ、ネタバレ、感想をお届けします。
さて、第25回「決意」では、まひろが都に帰ってくることになります。
宣孝からの求婚は受け入れるのでしょうか。
また朝廷では、帝の関心が定子中心となってしまったことで、政が疎かになり道長が頭を悩ませます。
宋との交易問題のことも気になりますね。
前回のあらすじ
宣孝(佐々木蔵之介さん)から求婚され戸惑うまひろ(吉高由里子さん)。
宣孝はまひろに忘れえぬ人がいてもいい、ありのままのまひろを丸ごと引き受けると求婚します。
その言葉はまひろの胸に突き刺さりました。
一方、朱(浩歌さん)にまひろを利用して左大臣に文を書かせると約束した周明(松下洸平さん)は、まひろとの距離を縮めようとし、宋に興味を持つまひろに一緒に宋に行こうと誘うのです。
都では詮子(吉田羊さん)が病にかかり、それが伊周のせいだと怯えていました。
邪鬼払いをしても良くならない詮子のために、帝は大赦の詔を下します。
そして、大宰府にいる伊周と隆家(竜星涼さん)の両名の罪を許し、都に呼び戻すことに決めたのです。
隆家は直ぐに都に戻り、道長に対面すると、道長を支えられるのは自分だと豪語したのでした。
まひろとの距離をすぐにでも縮めたい周明は、一刻も早く宋に行くために都の道長に手紙を書いて欲しいと訴えました。
周明の言葉はまひろのことを思っての言葉ではない、周明は自分を利用していると気づいたまひろは、脅されても周明の要求を頑として受けようとしませんでした。
大赦を行ったことにより、詮子の病はすっかり癒えました。
それを見舞った一条天皇(塩野瑛久さん)は、出家した定子(高畑充希さん)を呼び戻し、定子が生んだ娘を内親王とすると宣言。
帝の晴れやかな表情を見た詮子は、帝の希望を叶えてやれと道長に命じたのです。
そうして定子は内裏ではなく職御曹司に入ることになり、その日から帝は職御曹司に通い詰めることになり、政務はなおざりになっていき、道長は頭を抱えます。
視察から帰った為時(岸谷五朗さん)にまひろは宣孝から求婚されたと報告しました。
親友・さわの死を知り、世の無常さを改めて感じたまひろは都で宣孝と穏やかに暮すのも悪くないと考えるようになったのです。
驚いて腰を痛めた為時のために、松原客観から医師が派遣されてきました。
一緒に来た朱は、為時に宋との交易について協力して欲しいと訴え、為時が難色を示すと自分たちが宋に戻らなければ摂津には二度と宋の船は着かないだろうと脅したのです。
都の道長は、楽観的に考える帝の意見に反対し、為時に時間を稼ぐよう指示を出したのでした。
前回、第24回「忘れえぬ人」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。
それでは、第25回「決意」のあらすじと感想です。
越前の紙
越前の暮らしを視察する為時とまひろ。
冬の寒い最中、冷たい水に手を浸し、紙を梳く越前紙。
まひろは越前の寒さから生まれる美しい紙に心惹かれます。
国府に積みあがった紙束を見た為時は、冬場の厳しい手仕事に毎年このように重い租税を課すのか、と憂います。
量を確認していた為時は、決められた量より多く納められた紙に顔を顰めます。
これまでの国守は余分に納められた紙を売って懐を肥やしていたのだとまひろは考えました。
為時は、余分な紙は民に返す、と決めるのですが、民はそれを受取ろうとせず、今のまま余分な紙を受け取って欲しいと訴えるのです。
役人の顔色を窺っているのか、嫌がらせを受けないよう厳しく言うから気にしなくてもいい、自分は国守、これ以上民から搾取はしない、と為時が言うのですが、民は4年で帰る国守にはわからない、どうか今までと同じようにして欲しいと訴えるのでした。
まひろは頻繁に届く宣孝からの文を読んで、考えていました。
そして月を見上げます。
都の道長もまた外へ出て月を見上げていました。
まひろが月を見ていると為時が帰ってきました。
為時は、自分は世の中が見えていない、と嘆きます。
宣孝は正も濁も合わせ飲めるから大宰府でも上手くやっていたのだろう、と憂うのです。
だからそんな宣孝に心を捕らえられたのか、と為時は言います。
宣孝が筆まめなのは、まひろのことを本気で思っているからだろう、都に帰って確かめてみればいい、と為時はまひろに都に戻ることを促しました。
宣孝には妻も子もおり、妾も何人もいる、まひろを愛しむだろうが他の女性も同じように愛しむ、まひろは潔癖なので、そのことで傷つくかもしれないがそのことは心しておくように、とまひろを諭したのでした。
その事も都で考えてみる、とまひろは都に戻ることになりました。
船の中で、自分は誰を想って都に帰るのだろう、とまひろは考えるのでした。
まひろは都に帰ってきました。
家には惟規(高杉真宙さん)といと(信川清順さん)、そしてその夫がいました。
何も知らなかったまひろは驚き、弟の惟規は許してやろう、と言うのです。
許すも何も、乙丸も越前から女性を伴ってきたのだから、とまひろは笑うのでした。
世話になった人には幸せになってもらいたい、とまひろは呟きました。
そこに宣孝がやってきました。
まひろの帰宅を喜び、惟規に酒を渡し今宵は宴にしよう、と歌を歌って酒を汲み交わし、まひろも宣孝も楽しい夜を過ごします。
意味ありげに視線を交わすまひろと宣孝の姿を、惟規は不思議そうに見るのでした。
不吉な予言
長徳4(998)年、新年の挨拶にやってきた安倍晴明(ユースケ・サンタマリアさん)。
これより先も帝の御代の栄は留まることを知らず、と寿ぐ晴明。
しかしそれは偽りだと道長は見抜きました。
晴明に真実を問い質すと、地震と疫病と火事と日食と嵐、大水、様々な災いが起こると予言。
邪鬼払いをせよ、と命じた道長に、災いの根本を取り除かなければ何をやっても無駄、と言います。
帝を諫め国が傾くことを防げるのは道長しかいない、と晴明。
自分にどうせよというのだ、と聞く道長に、晴明はいいものを持っているではないか、お宝を使え、と言うのです。
よく考えろというと晴明は下がりました。
滞る政務
帝は、職御曹司に入り浸り、政務が疎かになっています。
緊急に決めねばならないことも、職御曹司で定子に夢中になりちっとも政務が進みません。
鴨川の堤の修繕について、帝に奏上しているのですが、帝からの勅命が降りず、修繕ができません。
道長は苛立ち、行成(渡辺大知さん)に早く帝の勅許をえるようにと急かすのですが、帝はまったく取り合わないというのです。
道長は一刻も早く許しを得るようにと行成に命じるのでした。
そこに隆家がやってきました。
たまには狩りに行こうと道長を誘いますが、道長は忙しいと断ります。
職御曹司に行かないのかと道長が尋ねると、あそこは遊びの場、自分は政がしたい、と訴えるのです。
出雲は遠くて知らない者ばかりだったが、出雲守より土地の者たちと深い付き合いができた、自分は人心掌握に長けているようだ、と主張するのです。
己を買い被り過ぎ、と道長が言うのですが、買い被りかどうか道長が試してくれればいい、必ず道長の役に立つ、と訴えたのです。
道長は隆家の主張を聞き、気持ちは分かった、今日は帰れ、と隆家を帰したのでした。
帝に進言してもらうために、行成は詮子を訪ねますが、詮子は病に臥せっており、帝に進言できるような状況にありませんでした。
行成は途方に暮れ、夜、職御曹司に行くのですが、この時間まで自分を追い回して無礼である、と帝から叱責を受けてしまいます。
道長に帝からの勅命を得られなかったと報告した行成は、これからも引き続き帝に奏上し続けると言い、肩を落として道長の前から立ち去りました。
大宰府から戻った伊周(三浦翔平さん)は職御曹司に入る許可を得ていました。
ききょうの徒然話を面白いと言い、その話を書き写して宮中に広めようと言うのです。
ききょうは中宮の為だけに書いた話だから、とその話を固辞するのですが、伊周はここに面白い女房がいると評判になり、皆が興味を持つ、皆が集まるようになればこの場は華やぐ、そうすれば中宮の隆盛を取り戻せるだろう、と言うのです。
しかし、それを良く思わない参議も大勢いました。
実資(秋山竜次さん)は帝は軽率、中宮は恥を知らない、非難すべし、と日記に書き記していました。
翌日、鴨川の堤が破れたとの知らせが入りました。
晴明の予言通り、次々と災いが都を襲いました。
参議の中からは、中宮が職御曹司に入ってから、都には悪いことばかりが起こる、左大臣が帝にきつく言わないからこういうことになるのだ、と右大臣にどうにかして欲しいと訴えます。
右大臣は、任せろ、と言って左大臣のもとに向かいますが、何も言えずそのまま立ち去ったのでした。
道長の決意
職御曹司では、公任(町田啓太さん)が笛を吹き、伊周とききょうが聞き入っていました。
帝は公任の笛をたいそう褒め讃えます。
伊周は、公任とききょうが歌のやり取りをしていると話し始めました。
公任は、評判のききょうに挑んでみたくなったと言います。
自分が詠んだ下の句にききょうが見事上の句を付けてくれたと公任は話します。
2人の作った歌を皆感心して聞き入ります。
伊周は定子に、ここで公任の詩の会を開いてはどうかと提案します。
男女ともに学べる場を設けたら皆喜ぶ、と提案したのです。
帝も定子も賛成し、公任に頼みました。
公任も快諾したのです。
そこに道長がやってきました。
皆の柔らかな表情は一変し、緊張した表情となりました。
道長がお願いがあって参上した、と言っても、帝はここで政の話はしない、と立ち上がろうとした中宮を止めました。
道長は、一昨日の雨で鴨川の堤が崩れ、大勢の民の命が失われ、家や田畑が失われた、と報告しました。
以前より堤の修繕の願いを奏上していたが、帝からの許しは得られず、帝に奏上しようとも帝は内裏にいない、仕方なく勝手に修繕を始めたが、時すでに遅く、ついに大事に至った、早く修繕に踏み切らなかった自分の煮え切らなさのために、民の命が失われた、その罪は極めて重く、このまま左大臣の職についてはいられない、と辞表を提出すると訴えたのです。
帝は、その願いを一蹴します。
しかし道長は帝の許しがないまま政を進めることはできない、その迷いがこの失態に繋がった、これ以上は無理だ、と訴えたのです。
帝は今回のことは自分が悪い、許せ、と言うのですが、道長は頷かず、蔵人頭・行成を通して辞表を提出したと言うと、立ち去りました。
道長は3度に渡り辞表を提出しましたが、帝はそれを受け取りませんでした。
まひろの家では、庭に広がった泥を片付ける作業に追われていました。
町の様子を見に行っていた乙丸達に様子を聞くと、鴨川周辺に泥が溜まり、修繕は遅れそうだと言います。
家を失った者たちは途方に暮れていると言うのでした。
決意
宣孝は山城守に任じられたことの礼を言うために道長に面会しました。
宣孝は、親戚である為時が越前守に任じられて1年、恙なく過ごしている、為時の娘も夫を持てるようになったと道長に言います。
道長の表情が変わりましたが、すぐさま「めでたい」と言葉をかけたのです。
嬉しそうににやにやと笑う宣孝は、実は自分なのです、と言うのです。
何が、と問うと、まひろの夫となるのが自分、と打ち明けました。
道長は読んでいた文を握りしめますが、表情はそのまま、それは何よりと言うのでした。
邸で書物を読んでいたまひろに会いに来た宣孝は、道長に会ってまひろを妻にすると報告したら恙なくと言っていたとまひろに言うのです。
なぜそのようなことを道長に言うのか、とまひろが怒ると、報告しておかないと後で嫌がらせを受けたら嫌だから、と宣孝は言うのです。
その言い方にまひろは激高します。
なんでそんなことを言うのだ、と言い募ると宣孝は、好きだからだ、お前のことが、とまひろを見つめます。
しかしまひろの怒りは収まらず、お帰りくださいませ、と宣孝を追い返しました。
仕事をしていた道長は迎えの車を断り、本日は帰らない、と言います。
その後、何かをしばらく考えていました。
後日、まひろの家に百舌彦(本多力さん)が現れ、祝いの品を届けました。
一緒に届けられた文を見たまひろは、道長の字ではないと察し、気を落とします。
しかし何かを振り切るように文を書くと花に添えて乙丸に託しました。
その夜、まひろの所にやって来たのは宣孝。
まひろは、自分は不実な女でございますが、それでもよろしゅうございますか、と言います。
自分も不実であるからあいこである、と言う宣孝にまひろは身を任せたのでした。
翌日は日食、不吉の兆しでした。
次回、第26回「いけにえの姫」
災害が続く都をまたも大地震が襲った。まひろ(吉高由里子)は、夫となった宣孝(佐々木蔵之介)の財で家を修繕し、生計を立てていた。道長(柄本佑)は、安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)から、この天変地異を治めるためには道長の娘・彰子(見上愛)を入内させるしかないと進言される。心労から体調を崩した一条天皇(塩野瑛久)は、譲位して定子(高畑充希)と暮らしたいと行成(渡辺大知)に相談。それを聞いた道長は…
NHK大河ドラマ「光る君へ」公式サイト
災害が続く都のために、道長の娘・彰子が入内することになりました。
彰子はいずれ紫式部が仕える姫ですね。
彰子と言ういけにえで都は救われるのでしょうか。
定子の出産予定日に彰子を入内させようとする道長。
道長の怒りも凄まじいようですね。
次回、第26回「いけにえの姫」、一体どうなってしまうのでしょうか。
最後に
定子に夢中になり、政務を疎かにする帝に、腹が立ちましたね。
兄弟の不祥事により仕方なく離れることになった2人なので、一緒に居られるようになって嬉しいのはわかりますが、己の立場を忘れてはなりません。
苛立つ道長の気持ちがよくわかりました。
しかし、一番気の毒なのは間に立った行成ですよね。
道長の命も理解しているし、ことの重大さも十分わかっているのですが、相手は1番身分の高い相手、言うことを聞いてもらうにも強引に行くわけにはいきません。
板挟みになって、肩を落として歩く姿は気の毒としか言いようがありませんでした。
道長の苛立ちはわかりますが、少しは労わってあげて欲しいですね。
また、ちっとも変っていない伊周にも苛立ちが募りました。
帰って来たと思ったら、また中宮の隆盛を取り戻そうと歌の会を催すですと?
今がどんな時か、災害で民が苦しんでいるのがわからないのかと非常に腹が立ちました。
定子も、帝を諫めようとしているようですが、全く伝わっておらず、かえって帝の気持ちを煽っているように感じ、定子にも苛立ちを覚えてしまいました。
職御曹司に通う人々に苛立ちを感じてしまいました。
そこに道長がやってきて、悲惨な状況を報告、辞任を願いました。
これには心が痛んだでしょうね。
少し心がすっきりしました。
下の者がどんなに進言しても、決定が下されなければ何もできないのです。
一条天皇には良く反省して欲しいと思ってしまいました。
そして宣孝。
宣孝はまひろの忘れえぬ人は道長だと知っているのですかね。
わざわざ道長に宣言しに行くなんて、ずいぶん大胆な人だと思いました。
自分の想いを隠し、祝いの言葉を述べる道長。
政務を頑張っているのに、まひろまで失って、なんだか気の毒に思えてしまいました。
まあ、道長には妻も子もたくさんの妾もいるのですが、一番に思っているのはまひろなのでしょうから、複雑な気持ちになりますよね。
まひろも、道長から届いた文が道長の直筆ではないと気づき、宣孝の気持ちを受け入れる決意をしました。
まひろも複雑な気持ちだったでしょうね。
宣孝に絆されかけていた気持ちが、宣孝の宣戦布告とも言える道長への報告により、一気に萎えたように感じましたが…。
しかしまひろは宣孝の妻になることを決意しました。
一途に思い続けることは難しい時代でしたから、仕方のないことなのかもしれませんが、なんだか悲しかったですね。
宣孝は、良い人だと思いますが、やっぱりなんだか複雑な気持ちです。
さて、次回第26回「いけにえの姫」では、道長の長女・彰子が入内することになります。
道長は入内の日を定子出産の日にぶつけようとします。
意地悪ですよね。
でも、自分の娘を愛しんでいるなら、そのくらいはやりますかね。
災害を止めるためのいけにえの姫として入内する彰子。
いずれは帝の寵愛を受け、中宮になるのですが、彰子も政の駒として扱われ、気の毒としか言いようがありません。
昔の女性は本当に大変ですよね。
災害によって荒廃した都は立ち直るのか、定子の出産はどうなるのか、彰子の行く末はどうなるのか、気になるところ満載の次回、目が離せませんね。