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おんな城主 直虎。瀬名姫の生涯について。

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「おんな城主 直虎」に、瀬名姫という女性が登場します。

瀬名姫は徳川家康の正室ですが、歴史上は悪女とされ、家康により殺されています。

瀬名姫は、どうして不遇のままに死んでいったのでしょうか?

今回は、その一生をまとめてみました。

目次

井伊の血が流れる今川の姫

瀬名姫は、井伊直平の娘・佐名(さな)殿と今川一門の関口親永(ちかなが)の娘として生まれました。

井伊直平は直虎の曽祖父で、瀬名姫にとって直虎は従兄弟の子どもという間柄になります。そして関口親永は今川家の血を引く一族で、有力な家臣でした。

大河ドラマ「おんな城主 直虎」で瀬名姫は幼い頃から登場し、成人後も直虎と文を交わすなどの親交が描かれます。第5回の「亀之丞帰る」では、今川氏真との結婚を夢見て、しかし叶わず婚期が遅れたというエピソードが。瀬名姫を演じる菜々緒さんの般若の舞は、その迫力で視聴者を震え上がらせました。

肖像画などは残っていませんが、「肌の白い超美人」だったという言い伝えが。菜々緒さんにぴったりの役なのではないでしょうか。

佐名(さな)殿は、元宝塚歌劇団のタカラジェンヌで、雪組と宙組で娘役トップをつとめた実力派の花總まりさんが演じていました。主に舞台を中心に活躍されており、今回の佐名(さな)殿が、はじめてのテレビドラマの出演で、初の大河ドラマ出演となっています。

今川と徳川の間で

瀬名姫は 徳川家康(当時は松平元信)と、1557年に結婚します。当時家康は人質として今川家にいました。当主の今川義元は主従関係を強めるため、今川の姫と結婚させたのです。

そして駿府の屋敷で1559年に信康を、1560年に亀姫を生みます。

ところが1560年の桶狭間の戦いで人生が一変します。家康は今川義元が討ち死にした後、今川家を裏切って岡崎城を取り戻します。瀬名姫は駿府に残され、人質のような状態に。

1562年に家康は織田信長と同盟を結び、瀬名姫は人質交換によって岡崎に移ります。同盟に怒った今川氏真は、瀬名姫の両親である関口親永と佐名(さな)殿を自害に追い込みます。

息子の信康は、織田信長の長女・徳姫と同盟固めの政略結婚をします。二人とも9歳でした。信康は岡崎城で暮らしますが、瀬名姫は城内に入れず、城門近くの築山という屋敷で軟禁状態に。そのため、彼女は築山殿と呼ばれるようになりました。

嫁姑問題からの、なんと自害?

家康は今川義元を破り、駿府に本拠地を移します。岡崎城は嫡男である信康に譲りました。

城主となった信康は、母・築山殿を岡崎城に迎え入れます。その結果、岡崎城では複雑な嫁姑関係が生まれました。

まず家康の母・於大の方。そして家康の正室・築山殿。さらに信康の正室・徳姫。於大の方は松平家、築山殿は今川家、徳姫は織田家のバックグランドを持ち、それぞれ敵同士だった間柄。お家が絡んだ、本当に複雑な嫁姑問題です。

築山殿は家康の正室でしたが、ほとんど一緒に暮らしていません。さらに家康の行動により、父母は自害に追い込まれました。家康のことをよく思っていなかったかもしれません。

1579年、耐えきれない徳姫は父・織田信長に「徳姫12条の弾劾文」といわれる文を送ります。築山殿と信康を悪く書いたもので、築山殿が浮気をしている、信康は残忍な性格だ、などの内容でした。さらに「武田と手を組んで信長と家康を裏切ろうとしている」という内容もありました。

この文によって、築山殿は悪女であるという評価が一般的です。

武田との内通に怒った信長が、家康に信康を殺すよう命じます。家康は仕方なく、信康の助命嘆願をする築山殿を暗殺し、信康を自害に追い込んだといわれています。徳川幕府が開かれる、30年以上前の話でした。

歴史は上書きされるもの

しかし現代の研究では、信長の命令ではなく、家康自信が、信康と築山殿を邪魔に思って殺害したという説が浮上しています。

家康は駿府、信康は岡崎と離れており、コミュニケーションがうまく取れない上、信康が若さ故に増長して、家康が邪魔に思い、殺害したというものです。

家康は、江戸時代には神として祀られています。

その人物が嫡男と正室を殺したというショッキングな事実を薄めようと、信康と築山殿は悪者だったと捏造したという仮説があるのです。「徳姫12条の弾劾文」は原文が残っておらず、悪女としての評判はあとから作られたものである可能性が高いといえます。

ドラマでは瀬名姫を幼少から登場させていることから、その後も詳しく描かれると思います。

「おんな城主 直虎」では、瀬名姫はどのような最期となるのか、注目して見守っていきたいと思います。

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