毎週日曜日20時から、NHK総合他にて放送中の大河ドラマ「西郷どん」。
2018年8月19日、第31回「龍馬との約束」が放送されました。
前回、倒幕の為、薩摩と長州を結びたいと考えていた西郷吉之助(鈴木亮平さん)は、大久保一蔵(瑛太さん)を通じて岩倉具視(笑福亭鶴瓶さん)と会いました。
はじめ協力を拒まれていましたが、岩倉の息子が赦免されたと知った途端に、息を吹き返したかのように岩倉は協力体制になってくれました。
岩倉という味方が出来た薩摩。倒幕への勢いがついていくのでしょうか?
前回の第30回「怪人 岩倉具視」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。
それでは、第31回「龍馬との約束」のあらすじと感想です。
龍馬を連れ薩摩へ
海軍操練所が取り潰しとなり、行き場を失くした坂本龍馬(小栗旬さん)を連れ、吉之助は薩摩へ帰りました。
龍馬は、西郷家の皆に挨拶している途中で天井から雨漏りがしてきた事に驚き、吉之助に「おまんは、今や日本でその名を知らん人がおらん、薩摩の英雄やろう。そんな人がどういて、こんな雨漏りがする家に住みゆうですがのう…。」と言います。
西郷家の人々は口々に、「周りに雨漏りのする家があるのに自分だけ立派な家に住めない。」「貧しい人がいたらすぐに助けようとする。」と吉之助の人柄を語り、龍馬は絶句。そして「気に入った!」と吉之助にすっかり惚れ込んでしまいました。
川口雪篷(石橋蓮司さん)が龍馬を迎える酒盛りをしようとするのを止め、龍馬は自ら屋根の修理を買って出ました。
一方、京では一橋慶喜(松田翔太さん)が二度目の長州征伐を実現しようと、諸藩に圧力をかけていました。
吉之助は、鶴丸城で藩主、島津茂久(長田成哉さん)と久光(青木崇高さん)に、「幕府の命には、薩摩は従わぬ方が得策かと存じます。」と意見していました。
その場にいた一蔵、桂久武 (井戸田潤さん)、大山格之助(北村有起哉さん)、海江田武次(高橋光臣さん)が見守るなか、久光は吉之助に笑顔で近づき、「案ずるな。薩摩は兵を出さん。わしらは幕府を見限る事にした。」と言います。
協力を渋っていた一蔵が「戦に明け暮れる幕府など、捨て置けば、いずれ自滅するに決まっております。そん時こそ、こん薩摩が幕府に取って代わる時にございます。薩摩が天下に号令する、かの斉彬公すら出来んかった事でございます。今こそ国父様が、斉彬公を超える時でございます。」と助言してくれていたのです。
久光の発言に感激し、吉之助は深々と頭を下げました。そして「お目にかけたき者が。」と言って龍馬を茂久と久光に会わせました。
「脱藩浪士なんて!」と不快感を露にした久光でしたが、龍馬が勝安房守(遠藤憲一さん)の海軍操練所の塾頭だった人物だと知ると、怒りを抑えます。
吉之助は、薩英戦争で多くの船乗りと船を失った薩摩にとって、龍馬がいれば、新たな船乗りの育成が出来、海軍を立て直す事が可能であると説きます。
龍馬は「海軍だけやないき。船を一隻貸してもらえたら、長崎に出向いて異国から船や銃、大砲をどんどん買うて来ますき。」と堂々たる口ぶりで久光に言います。
派手な動きをみせれば幕府に睨まれると言う久光に、「薩摩でも土佐でもない、商人の自分から武器を買えば、幕府から目を付けられることもない。」と龍馬は、薩摩に自分を買って欲しいと、言葉巧みに売り込むのでした。
龍馬が動く
書庫で一蔵と二人になった吉之助は「こげな時が来るとは信じられん。」と久光を動かし、薩摩を動かせている状態になった事に感激しながら、久光を説得してくれた一蔵に感謝します。
一蔵は長州が幕府に潰されたら、次に狙われるのは薩摩だと釘を刺し、朝敵となっている長州と手を結ぶ事に対しては慎重な意見を言います。しかしあくまで吉之助は「長州と手を組むしかなか。」と意見を曲げません。
二人の話を寝ながら聞いていた龍馬が割って入り、一蔵に「おまんは骨の髄まで薩摩人じゃのう。薩摩の者以外は信用せん。けんど世間には色んな人間がおるぜよ。」と海軍操練所で土佐、薩摩、熊本、紀州、長州の人たちと関わった経験を語ります。そして昔からの長州の知り合いがいるので「薩摩と長州の手を結ばせちゃる。」と言ってきました。
思わぬ提案に喜ぶ吉之助。「もしうまく渡りがついたら、おいもすぐに長州に参りもす。」と約束しました。
龍馬は「善は急げ。」と翌朝早くに薩摩を発ち、長州へ向かいました。下関で龍馬が会ったのは桂小五郎(玉山鉄二さん)でした。
龍馬は、幕府から長崎の商人たちに「長州にだけは売るな」という厳しいお触れを出ている事で、長州は武器が買えない現状を話します。
そして自分が、薩摩から船を借りて異国との商売をしようとしていると話し、そこで仕入れた武器を、長州がそのまま買うことが出来ると言います。桂は、薩摩の手を借りるという事に対して「薩摩だけは許せん。」と拒絶反応を示します。
「つまらん意地を張ったら、まっこと長州は幕府に滅ぼされるぜよ。薩摩を憎むのは勝手じゃけんど、西郷さんまで憎んだらつまらんぜよ。」と龍馬は根気強く桂を説得しました。
妻の心
龍馬が薩摩を去ってから、吉之助は休むことなく吉二郎(渡部豪太さん)と自宅の修繕をし続けていました。そんな姿に糸(黒木華さん)は、「家と私たちに別れを言っちょっよう。」と不安に思い、「今度はいつ帰って来られますか?」と吉之助に尋ねます。
吉之助はそんな糸に「糸どんもせっかく嫁に来てくれたのに、苦労ばっかいかけるのう。」と感謝を伝えます。糸はただただ「無事にお戻いやんせ。」と言うばかりで糸らしくないと吉之助は笑います。
「こげんして側にいてくれるともったいないくらい幸せで、その分心配でたまらなくなってしもて…。」と言う糸に、吉之助は涙を目に溜めてそっと手を取り、糸の気持ちに応えました。
糸さんの気持ちが切なく伝わってきました。糸さんを見ていると、最初の妻の、須賀(橋本愛さん)さんを思い出します。須賀さんも薩摩にいる間中、人と会っている吉之助と落ち着いて話す事も出来なくて可哀想でした。
糸どんなら分かってくれる…というのが結婚をする理由になっていましたが、妻の立場になって改めて糸さんも心配になってきたんでしょうね…。
約束を破る吉之助
元土佐藩士、中岡慎太郎(山口翔悟さん)より、下関で龍馬が桂小五郎と待っていると知らせを受けた吉之助は、すぐに下関に向かう事にしました。
しかし出かける朝、京の一蔵から将軍徳川家茂(勧修寺保都さん)が上洛し、軍議が開かれる。いよいよ長州征伐の勅命が下りそうなので、力を貸して欲しいとの知らせを受けます。
吉之助は鶴丸城へ行き、大山と俊斎に会って文を渡し、自分の代わりに下関にいる龍馬と桂に会って欲しいと頼みます。
大山はすぐに「罠かもしれん。」と断ってきましたが、それでもすがってくる吉之助に俊斎が「おいが行く。」と文を受け取りました。
下関を俊斎に任せた吉之助は上京しました。
長州征伐の勅命を阻止する為に上京した吉之助でしたが、予想に反して二条城で慶喜から伝えられた勅命は「長州征伐は日本国の重大事である。軽々しくしてはならぬとの事。」でした。
なんとか長州征伐を免れたと、二条城の廊下で話していた一蔵と吉之助の前に、慶喜が現れました。
一蔵に向かって慶喜は「お前の働きは、俺のところまでよう聞こえてくるぞ。」と言って中川宮(なだぎ武)宛ての書状を投げつけてきました。その書状は、一蔵が岩倉に頼んで書いてもらった、長州征伐を止めるよう働きかけて欲しいと頼む内容でした。
岩倉は他の公家あてにも書いていましたが、中川宮はくせ者だから気をつけるよう一蔵に注意していました。しかし一蔵は、中川宮に書状を渡した時、中川宮が賄賂を受取らなかったため、岩倉の言葉を信じなかったのです。
しかし、岩倉の言う通り、中川宮は裏で慶喜から賄賂を受取っており、繋がっていました。
「お前らの動きは筒抜けじゃ。岩倉とかいう貧乏公家とつるんだ事もな。全てはあの事の為に。薩賊がなりふり構わず朝敵と手を組むとはな。徳川の世をこれ以上汚すな。」慶喜はそう言うと去っていきました。
一蔵と吉之助が定宿の鍵屋に戻ると、龍馬が部屋で待っていました。
「わしは、おまんを見誤っちょったようじゃのう。まさか約束をたがえて、京に来ちゅうとはのう。わしも桂さんもず~っと下関で待っちょった。」龍馬は怒りを抑えながら言います。
吉之助は文を届けたはずだと抗議しましたが、来たのは中岡だけだったと言います。
「西郷さん、勘違いしたらいかんぜよ。たとえ文をよこしたとしても、それで桂さんの気持ちが治まると思うちょったがかえ?桂さんがどんな気持ちで西郷さんと会うと決められたがか…。それが分からんかったがかえ?」龍馬が言うと、吉之助は絶句します。
桂は何も言わず下関から出て行ったとのこと。吉之助は桂に会って心を尽くして謝りたいと龍馬にすがりましたが、龍馬は「おまんは信用も義理も人情も何もかも失うたぜよ。」と呆れたように言いました。
事の重大さを知った吉之助は涙を浮かべ黙り込みました。
龍馬が去った部屋で、吉之助はうなだれていました。吉之助は「天に甘えて、驕っていた。」と桂の気持ちを思いやらず、会いに行かなかった自分を後悔していました。
そんな吉之助に一蔵は「じゃっどん、どげんしてでん、桂殿に会うんじゃろ?長州と組んで幕府を潰すんじゃろ?吉之助さぁは一度決めたら、どげんしてでんやり遂げる。おかげで石橋叩いて渡るおいまで、付き合わされてしもた。仕方がなか。天が味方せん時はおいが味方してやる。チェスト~!」と励まします。
吉之助も一蔵の気持ちに応えるように「チェスト~!」と叫びました。
今回はここまでです。
今回は、龍馬の言葉が心に響きました。
ちょっと、今回の吉之助は許せません。上京する役目こそ、俊斎どんか大山さんでよかったんじゃないですかねぇ?
幕府の偉いさん方と会える身分じゃないから二人には任せられなかった、ということですか?けれど今回の話を観ただけでは、どうしても吉之助じゃないとだめだという必要性も感じられませんでした。
桂に会うより大事な事だったんでしょうか?長州征伐阻止の為だから、大きくみて桂を救う事にもなるから?よく分かりません。
本当に西郷さんって愛されていたんですか?俊斎さんひとり動かせていませんよね?
俊斎さんは、以前にも島流しの原因を作ったこともあるので俊斎さん自体にも問題あるかもしれませんけど、今回の話は酷いですね。
西郷さんは、多くの人に愛されたというのは本当なんでしょうか?
今のところ女性にはモテてるようですけど、男性の味方が多いとは言えないような…。
芽生えてしまった疑問は、この先払拭されるのでしょうか?
次回、第32回「薩長同盟」です。