NHK大河ドラマ「西郷どん」で西郷吉之助(鈴木亮平さん)の次の弟が西郷吉二郎(渡部豪太さん)です。
要所にしか登場しませんが吉之助が実家に帰るといつも一番に出迎えるのが吉二郎です。
子供の頃から兄弟思いの吉之助を尊敬する吉二郎とは仲が良かったのですね。
その西郷吉二郎の人柄と演じている渡部豪太さんのプロフィールや演技評価についてまとめてみました。
「西郷どん」の西郷吉二郎とは
長兄の西郷吉之助が島津斉彬に付き添って江戸詰めとなったり、島流しとなる中、代わって西郷一家を支え続けたのが西郷吉二郎です。
当時祖母や弟・妹もいて苦しい家計の中で藩への奉公の他にも働き、一家の大黒柱となっていました。
その頃、少年時代の東郷平八郎に書を教えたのは吉二郎と伝えられています。
しかしそんな吉二郎に1862年ついに吉之助の2回目の島流しで苛酷にも藩への奉公を免じる沙汰が下るのです。
さらに弟の信吾も謹慎処分となって収入の道を絶たれた西郷一家ですが、同郷の人や親戚の助けで暮らす日々が続きます。
西郷隆盛が後に「自分が国家のためにご奉公ができたのは、吉二郎が自分に代わって兄たる責務を果たしてくれたから」とこの当時を振り返って話しています。
その西郷吉二郎が初めて戦に出たのが35歳での西南の役。
残念にも越後での戦闘の際に受けた負傷が元で戦死を遂げます。
兄弟比較してみた
長男の吉之助、三男の信吾と比べて吉二郎は明らかに父親の西郷吉兵衛と似て文官向きの人物でした。
藩への奉公も父と同じ御勘定所勤務で、刀よりもそろばんを得意とするタイプだったようです。
西郷吉之助が文武両道に優れていたにもかかわらず怪我で致し方なく役人の下役になったのとは違い、吉二郎は教養のある兄貴分として同郷の子供たちにも書を教えていたのです。
ただし若い頃から西郷隆盛や、後に明治政府の内務大臣や海軍大臣となる三男の信吾(西郷従道)とも性格が少し違い、幕府の政治を変えようと熱く奔走することはなかったようです。
血気盛んな兄や弟とは違って堅実な人生を送りたいと思っていた吉二郎が一番早死にするなんて理不尽ですね。
渡部豪太さんの演技は
西郷吉次郎を演じる渡部豪太さんの演技は、ドラマの場面に良く溶け込んで必要以上に前に出ない演じ方をしている様に感じます。
もっと目立って主役の鈴木亮平さんを食うくらいの演技は出来る渡辺豪太さん。
2007年春の月9ドラマ「プロポーズ大作戦」の根津重人役では、遠慮なく山下智久さんの向こうを張っていました。
「西郷どん」ではいまのところ出演場面は薩摩の実家での兄との会話シーンや大久保正助との連絡役と云ったところなのですが、兄の吉之助には家の中でも若干遠慮がちな吉二郎の一面を渡部豪太さんは表現しています。
かえってその辺りが薩摩の武家社会の秩序を良く表しているようにも感じられ時代を映す良い演技なのかもしれませんね。
最後に
西郷吉之助の弟・西郷吉二郎の生涯は苦しみの連続だったのかも知れません。
両親の早く世を去り、兄・吉之助の度重なる処罰で一家を背負うことになった吉二郎の苦悩は報いられることなく35歳で好まなかった戦争によって亡くなるのです。
もしそのなかでも幸運を見出すとすれば、兄の西郷隆盛と弟の西郷従動の様に西南戦争で敵味方に分かれて戦うことが無かったことぐらいでした。