吉高由里子さん主演、大石静さん脚本の2024年大河ドラマ、「光る君へ」。
「世界最古の女性文学」と呼ばれる『源氏物語』の作者・紫式部の波乱の生涯を描く物語です。
光源氏のモデルの1人と言われる藤原道長を柄本佑さんが演じます。
千年を超えるベストセラー『源氏物語』を書きあげた紫式部の秘めた思いと一途な思いを胸に懸命に世を生きた女性の物語。
こちらでは、大河ドラマ「光る君へ」のあらすじ、ネタバレ、感想をお届けします。
さて、第3回「謎の男」では、謎の男に間違えられた藤原道長(柄本佑さん)が放免に捕らわれてしまいます。
まひろ(吉高由里子さん)は、謹慎中の為案じることしかできません。
謎の男の正体は。
まひろも宮中に入ってなにやら怪しい動きを強いられそう。
一体何が起こるのでしょうか。
前回のあらすじ
腰結い役を藤原宣孝(佐々木蔵之介さん)として裳着を迎えたまひろ。
まひろは6年前母を殺した右大臣家の二の君・道兼という男のことを宣孝に尋ねますが、はぐらかされ、黙っていろと忠告されてしまいます。
まひろの父・為時(岸谷五朗さん)は、恩義のある右大臣家を糾弾し、職を失うことがないよう、まひろたち家族のことを考え、泣く泣く妻の死を病死としたのです。
為時の決断を宣孝も支持します。
宣孝は、現在東宮指南役に付いている為時に、そのうち東宮の時代が来る、と諭すのでした。
まひろは町の絵師のもとで、性別を隠し代筆業を行っていました。
右大臣家の権勢はますます増し、それを危惧した円融天皇(坂東巳之助さん)は、右大臣家の詮子(吉田羊さん)を遠ざけ、関白家の遵子を中宮に据えます。
それに反発した右大臣・藤原兼家(段田安則さん)は、詮子に御子を連れて戻ってくるように促しますが、帝の寵愛を取り戻したい詮子は難色を示します。
しかし、詮子の心は帝に伝わらず、実家に戻ると伝えても、御子は置いて行けと突き放されてしまったのです。
ある日、偶然道長とまひろは再会しました。
まひろは絵師のもとで代筆をしていると教え、道長は会いに行くと約束を交わします。
帝の態度に業を煮やした兼家は、帝を退位させるため、次男・道兼(玉置玲央さん)を使って帝に薬を盛らせようとします。
兼家は、6年前道兼が殺人を犯していたことを知っていたのです。
道兼は、一族の為、更なる罪に手を染めるのです。
道兼の動きにより、次第に帝の体調は崩れていきます。
東宮(本郷奏多さん)は自分はもうすぐ即位するから、為時を式部丞蔵人に任ずると約束。
家の主が出世するなら、娘のまひろの行いも改めて貰わねばと、隠れて代筆業をしていたことが侍女の告げ口により発覚、為時の怒りを買いました。
父の監視の目を掻い潜り、代筆屋に急ぐまひろと男がぶつかってしまいます。
放免に追われたその男の行方を聞かれたまひろはとっさにあらぬ方向を指さします。
しかしその先には道長が。
逃げた男と間違われて道長が捕らえられてしまったのでした。
前回、第2回「めぐりあい」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。
それでは第3回「謎の男」のあらすじと感想です。
道長の安否
永観2年(984年)、再び巡り合ったまひろと道長ですが、まひろの勤め先を訪ねた道長は、女子が代筆をするはずがないだろう、と絵師に素気無く扱われてしまいます。
父の監視の目を掻い潜り、道長が来るはずの勤め先に急ぐまひろ。
そこで見知らぬ男とぶつかってしまいます。
放免から逃げていた男と知ったまひろは、逃げた男の行方を聞かれ、とっさにあらぬ方を指さします。
しかしそこにいたのは道長。
道長は放免に捕らえられてしまいました。
まひろは必死に別人だと訴えますが、道長から「来るな、俺は大丈夫だ」と目で訴えられてしまいます。
そして道長は連行されてしまったのでした。
連れていかれた道長ですが、従者・百舌彦が屋敷に走り報告したため、父の手の者に助け出されました。
しかし邸に戻った道長は父から叱責を受けます。
民の暮らしを知るために民の格好をし、町を徘徊していたという道長。
民の暮らしなどなまじ知ってしまえば、思い切った政などできないと兼家は怒ります。
詮子は帝から嫌われ、道長まで問題を起こしては、一族だけでなく、懐仁親王にまで傷がつく、と恐れていました。
早く懐仁親王を天皇にしなければ摂政になれない、という父に、これ以上上を目指してどうするのだと道長は呆れます。
そんな道長に、兼家は怒りを顕にしました。
三男のお前に期待していたのは間違いだったかと呟き、ふざける道長を叱りつけると退席してしまいました。
父に従者を解雇された道長は、詮子に取り成しを頼みます。
今父上は姉上の機嫌を損ねたくないはずだから、従者を救って欲しいと頼み込む道長。
詮子は取り成しを承知しました。
自分のせいで捕らえられた道長を案じているまひろの屋敷に謎の男が忍んできました。
突然聞こえてきた梟の鳴き声を不審に思ったまひろが部屋の外へ出ると、塀の屋根に潜む男がこっそりと道長は無事だとまひろに告げたのです。
その男を見ると、それは放免に追われていた男でした。
まひろは三郎の行方を捜して欲しいと弟・太郎(高杉真宙さん)に頼みました。
貴族ではないということに難色を示しますが、太郎は姉の頼みを引き受けたのです。
宿直中の道長は、藤原斉信(金田哲さん)と碁を打っていました。
共に宿直をするのは藤原公任(町田啓太さん)と藤原斉信。
公任は関白の息子で中宮・遵子の弟。
藤原斉信は大納言の息子。
宿直の最中、公任は自分の所に来た恋の文を2人に見せて品定めをしていました。
道長は誰にも貰わないのかと斉信から探られると、なぜか袂から1つの文が。
しかし道長は誰から貰ったのか全く心当たりがありません。
そんな道長に、公任は笑い、女子に興味がないのかと尋ねるのです。
どんな女性に興味があるのか尋ねられても、道長ははっきりと答えません。
斉信は、自分は左大臣家の倫子に文を送っていると言います。
斉信より1つ上なのに、まだ婿を取っていないという倫子に驚く道長。
何か不都合ががあるのかも、と公任。
自分を待っているのかも、と斉信は真顔で言うのでした。
太郎は、まひろに言われた通り絵師の元を訪ねてみますが、そんな男は来ていない、代筆業などしたことない、ととぼけられてしまいます。
太郎は姉の為、三郎探しに町を徘徊します。
町の人に尋ねてもわからないと言われ、道長の馬の轡を引いている百舌彦にもまひろが描いた絵を見せますが、分からないと言われてしまいます。
それでも3人の男を見つけて姉に見せますが、その中にまひろが探している三郎の姿はありませんでした。
円融天皇の体調
安倍晴明(ユースケ・サンタマリアさん)の祈祷のかいもなく、帝の容態は回復する様子を見せません。
蔵人頭の藤原実資(秋山竜次さん)は、回復の兆しを見せない帝の様子を見て、尚侍所へ行き、陪膳の女房を取り調べ、膳の中に何か混入されていないか調べると言います。
道兼は、それを知り、父に報告します。
命に関わってはいけないと考え、今は何も仕込んでいない、というとならば狼狽えるな、と父に叱責されてしまいます。
しかし頭中将である実資は思い込んだら誰よりもしつこい人物、どのように追及するかどうかと心配するのです。
兼家は、いずれはこちらに取り込みたい人物と評し、そのように良く仕えろと道兼に言い含めます。
そして、協力していた女房を大切にしてやれ、と言うのでした。
父に頼りにされた道兼は喜ぶのでした。
東三条殿に戻った詮子と懐仁親王は、道隆の娘・定子と仲睦まじく遊んでいました。
長男・道隆(井浦新さん)は、いずれ定子を懐仁親王に入内させるつもりでした。
安倍晴明は、邪鬼払いは終わったが、一番重い荷物を下ろしたらどうかと提案したと兼家に報告しました。
兼家は喜び、後で褒美を取らす、と約束したのでした。
晴明から思い荷物を下ろすようにと言われたと円融天皇(坂東巳之助さん)が言うと、実資は譲位など早すぎると反対します。
実資の心は疑わないが、皆がそう思っているとは限らない、と円融天皇は弱音を吐きます。
右大臣である兼家が喜ぶのは気に入らないが、懐仁親王は円融天皇のただ1人の御子。
懐仁親王を東宮にすると言う点では右大臣と円融天皇の利害は一致していました。
そこに右大臣が見舞いにやってきたと報告が入りました。
円融天皇の身を案じる実資は、断ろうとするのですが、円融天皇は面会を承諾。
東三条殿にいる懐仁親王の様子を尋ねました。
詮子が片時も離さず面倒を見ているというと、あまり甘やかさないように伝えろと言われます。
兼家は、「東宮になられたらもう少しお強くなられましょう」と答えます。
懐仁が東宮になるのか、と呟いた円融天皇に、兼家は「それがお上の願いであり、この国の願いであると思っております」と答えたのでした。
内侍所の女房達は、自分たちを疑った頭中将が気に入らない、私たちを疑うなんてひどい、という態度を顕にします。
それに心を病んだ実資は、内侍所の調査はやめる、と言います。
それを聞いた道兼は、実資を持ちあげ、自分はどこまでもついていく、と宣言するのでした。
間者
為時は、東宮はこのところ勉学に身を入れている、と兼家に報告します。
兼家は、東宮が即位後、左大臣の姫が嫁ぐのだろうかと為時に尋ねるのです。
左大臣家の思惑についてあれこれ聞くのですが、為時には全くわかりません。
実は為時は左大臣家と遠い親戚筋だったのです。
何も答えられない為時に苛立った兼家は退出を命じますが、下がろうとした為時は、役に立てるかもしれない、と1つの提案をしました。
家に戻った為時は、まひろに左大臣家の姫たちの集いに行ってみないかと誘います。
左大臣の北の方、穆子(石野真子さん)の女房に、赤染衛門(凰稀かなめさん)という和歌の名手がいると言います。
そこに貴族の姫君たちが集まって、学ぶ会があると言うのです。
身分の低い自分が行っていいのかというと、穆子様は親戚だから、安心して楽しんでくるといい、とまひろを父はまひろを促したのです。
そして、まひろは左大臣家の歌の会に参加することになりました。
身分の低い自分でも、研鑽の場に加えて欲しいと嘆願すると、左大臣家の倫子(黒木華さん)は遊びなのだから、楽しんでください、と仲間へと加えてくれたのです。
偏つぎ、という遊びの中、まひろはその才をいかんなく発揮、独り勝ちしてしまいます。
集まった姫たちに一枚も取らせなかったまひろに、姫君たちは白い眼を向けますが、倫子が取り成したため、その場は丸く収まりました。
姫たちののどかな遊びとは対照的に、関白の屋敷では休日であっても上級貴族の子息たちが国家を率いていく者としての研鑽を積んでいました。
後に書で名を馳せる、藤原行成(渡辺大知さん)。
その書の素晴らしさに、道長は思わず手元をのぞき込んでしまいます。
土御門殿から戻ったまひろに、為時は土御門殿でのことを根掘り葉掘り尋ねます。
倫子とはどういう姫君なのか、婿を取る予定はあるのかどうか、そう尋ねる父に、兼家から何か言われたのか、自分を間者にするつもりなのかとまひろは言い募りました。
嫌ならいかなければいい、という父にまひろは謝罪し、倫子のお気に入りになれるよう頑張ります、と言うのでした。
後日、土御門殿からの帰り、散楽を見に行ったまひろは、散楽の舞手の導きにより、再び会うことができました。
お互いの姿を見つめ合う2人。
散楽の舞手にアクシデントが起こり、面が取れてしまいます。
するとその舞手は、放免から逃げていた男、まひろ宅に侵入し、道長の無事を知らせたあの男だったのです。
次回、第4回「五節の舞姫」
互いに身分を偽ってきたまひろ(吉高由里子)と道長(柄本佑)。まひろは素性を明かす一方、兼家(段田安則)の悲願が成就し、花山天皇(本郷奏多)が即位するが…
互いに身分を偽ってきたまひろ(吉高由里子)と道長(柄本佑)だったが、まひろはついに素性を明かす。道長も真実を語ろうとするが…その頃、円融天皇(坂東巳之助)の上位を知った詮子(吉田羊)は挨拶のために謁見するが、思いもよらぬ嫌疑をかけられる。ある日、まひろは倫子(黒木華)からの依頼で、即位した花山天皇(本郷奏多)の前で五節の舞を披露する舞姫に選ばれる。そこでまひろは驚愕の真実を知ることに…
NHK大河ドラマ「光る君へ」公式サイト
とうとう兼家の悲願である天皇の譲位が行われますが、詮子にとある嫌疑がかけられてしまいます。
父の所業のせいで、何も悪いことをしていない詮子ばかりが酷い目に合うのは納得いきませんよね。
順調に左大臣家に通うまひろですが、倫子からの依頼で五節の舞姫に選ばれてしまいます。
吉高由里子さんの五節の舞姫姿、美しかったですね。
華やかな舞シーン、楽しみです。
最後に
6年の歳月を経てめぐり逢い、さらに約束を交わしたもののすれ違っていた2人。
人違いの逮捕でありましたが、再会できた2人。
しかし互いの素性を隠している2人は、連絡を取りたくても取れません。
会いたいのになかなか会えない2人のすれ違いがじれったいですね。
見当違いの所を探しているところも、探している本人がそこに居るにもかかわらず、下手な絵姿のせいと身分を偽っているため、どうしたって見つけ出すことなどできないのです。
謎の男のおかげで巡り合うことはできましたけどね。
散楽の一員であるから、身のこなしが軽いのはわかりますが、諜報活動でもしているかのような慣れた行動に驚きますね。
あの散楽の男は一体何者なのでしょうか。
気になりますね。
一方、宮中ではきな臭いことが目白押しでした。
帝に毒を盛っていた兼家がとぼけて見舞いに来るシーン。
坂東巳之助さん演じる円融天皇は誰の仕業が大体の察しはついているのでしょうが、自分の血筋を残すために、兼家を排除することができません。
その苛立ちが全て詮子に向けられてしまうのでしょうか。
詮子が可哀そうでたまりませんよね。
弟を溺愛する優しい、茶目っ気のある素敵な女性なのに。
報われないのが悲しいです。
円融天皇の時代では不遇な仕打ちを受けてしまいますが、懐仁親王が天皇になるとその立場は一変します。
早くその時が来ると良いと願ってしまいます。
秋山竜次さん演じる藤原実資。
頭中将ですね。
帝を案じる実資は、とても的確な捜査をしていたにも係わらず、女房達の囁き声に負けて捜査を打ち切ってしまいました。
惜しかったですね。
ぜひ、右大臣家の悪事を見破って欲しかったけれど、残念です。
この時代、宮中ははっきりと言うよりも裏で手を回すというか、腹の探り合いが多すぎて、なかなかじれったい気持ちになりますね。
でも、まひろや太郎のように感情を素直に表している人々がいると安心、というか和みます。
為時も本当は不器用で真っ直ぐな気性なのでしょうが、兼家に仕えることで無理して腹の探り合いをしようとしているところがもどかしいですね。
本心を言わないという点では、姫君たちのサロンは恐ろしかったですね。
笑い合っていながら、どこか恐ろしい。
黒木華さん演じる倫子が笑わなければ、凄いと褒めなければ、一人勝ちをしたまひろはどうなっていたのでしょうか。
空気を読めないまひろもいただけないですがね。
さすが上級貴族の姫・倫子ですね。
さて、次回第4回「五節の舞姫」では、まひろが花山天皇の即位の際に舞を披露する五節の舞姫に選出されます。
倫子の依頼、驚愕の事実とは、一体何なのでしょうか。
楽しみですね。