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光る君へ 第19回「放たれた矢」のあらすじと感想

光る君へ 第19回 放たれた矢
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吉高由里子さん主演、大石静さん脚本の2024年大河ドラマ、「光る君へ」。

「世界最古の女性文学」と呼ばれる『源氏物語』の作者・紫式部の波乱の生涯を描く物語です。

光源氏のモデルの1人と言われる藤原道長を柄本佑さんが演じます。

千年を超えるベストセラー『源氏物語』を書きあげた紫式部の、秘めた思いと一途な思いを胸に懸命に世を生きた女性の物語。

こちらでは、大河ドラマ「光る君へ」のあらすじ、ネタバレ、感想をお届けします。

さて、第19回「放たれた矢」では、公卿のトップに立った道長と伊周との間に軋轢が高まります。

そんな中、まひろは一条天皇に拝謁が叶い、自分の考えを述べることができるのです。

ある夜、伊周は通う女性のもとに他の公達が通っていると思い、大事件を引き起こしてしまいます。

目次

前回のあらすじ

道隆の死後、10日経っても一条天皇(塩野瑛久さん)は次の関白を決めることができませんでしたが、公卿達の噂話を聞き、関白の座を道兼(玉置玲央さん)に決定したのです。

腐っていた所を道長(柄本佑さん)に救われた道兼は、よき為政者になる決意を固め、就任の日を迎えました。

しかしその時にはすでに道兼は疫病に感染していたのです。

道兼は関白就任僅か7日でこの世を去りました。

関白の座を狙っていた伊周(三浦翔平さん)は大喜び。

妹・定子(高畑充希さん)からの助言を受けて、公卿からの人望を得ようと躍起になっていました。

その頃、詮子(吉田羊さん)は道長夫婦を呼び出し、次の関白は道長だと言い聞かせますが、道長も倫子(黒木華さん)も今のままでいい、と消極的です。

そんな夫婦に詮子の怒りは爆発し、うつけ者、と声を荒げました。

ある夜、詮子は帝のもとに赴き、次の関白は道長にして欲しいと訴えます。

帝は伊周に決めていると拒否。

しかし詮子は諦めず、一条天皇の父は自分の意を汲まない関白の横暴に憂慮していた、帝が関白に操られることなく己の信じた政ができるように願っている、と訴えたのです。

その翌日、帝は道長に内覧の宣旨を出しました。

内覧を取り上げられ、内大臣の地位のままに留まった伊周の怒りは凄まじく、その怒りは定子へと向きます。

鬼のような形相で御子を産めと定子に迫るのでした。

内覧の宣旨を受け、右大臣となり、公卿のトップに立った道長は、まひろ(吉高由里子さん)との約束を思い出し、かつてまひろと逢瀬をした廃屋を訪れました。

そこにはききょう(ファーストサマーウイカさん)から道長の活躍を聞いていたまひろが既にいたのです。

久しぶりの再会でしたが、今語る言葉は何もない、としばし見つめ合った後、2人は言葉を交わさず別れたのでした。

前回、第18回「岐路」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。

それでは第19回「放たれた矢」のあらすじと感想です。

道長の政

長徳元(995)年6月、一条天皇は道長を右大臣に任命しました。

道長は伊周を越えて、公卿のトップとなったのです。

帝は道長に「これからは太政官の長である、朕の力になってもらいたい」といました。

帝は、「其方はこの先、関白になりたいのか、なりたくないのか」と尋ねます。

すると道長は、間髪入れず「なりたくはございません」と答えました。

関白は陣定めに出られない、自分はお上の政の考えについて陣定めで公卿たちが意見を述べ、論じ合うところに加わりたい、後で聞くのではなく、意見を述べる者の顔を見て、声を聞き、共に考えたい、公卿の思い思惑を感じ取り、見抜くことができねばお上の補佐役は務まらない、これまでの関白とは異なる道を歩みたい、と自分の信念を告げたのです。

自宅にて、書を書き写すまひろ。

いと(清川清順さん)は熱心に行うまひろに家の為に良き婿を取れるよう清水寺にでも行けばいい、と主張するのですが、まひろは知らん顔。

そこにさわからの文が届きました。

さわが婿を取ったと知らせが届いたのです。

その知らせにまひろは喜びますが、いとはまた出遅れた、とため息をつきます。

蔵人頭・源俊賢(本田大輔さん)は帝が伯耆の国と岩見の国の申し出を受け、租税を4分の1免除してはどうかと言っていると道長に告げました。

道長は帝の聡明さに感嘆し、すぐに同意を決めました。

帝は民を思う御心があってこそ、帝たりえる、というのです。

斉信(金田哲さん)は、陣定めが大荒れになると憂慮しますが、その陣定めが行われました。

道長は下の者から租税免除について意見を述べよ、と指示を出しました。

すると多くの参議は帝の仰せのままにと、と同意します。

ところどころわかりません、と答える者もいましたが、多くの公卿は同意。

しかし内大臣・伊周は不同意。

2国の申し出を受け、税を免ずれば、他国も黙っていない、そのようなことで朝廷の財を減らしていいのか、甘やかせばつけあがるのが民、施しはいらないというのです。

しかし道長は、未だ疫病に苦しむ民を救うのは上に立つ者の使命だというのです。

陣定めの後、伊周は、道隆と道兼を呪詛したのは道長かと絡んできました。

ありえない、と道長は取り合わないのですが、伊周は道長を呼び止めます。

詮子を動かして帝を誑かしたのは道長だろう、詮子を使って定子に無理強いするのはやめろ、と肩を掴むのですが、道長は伊周を投げ飛ばしました。

立ち去る道長の後姿を、伊周は憎々し気に睨んで見送ったのでした。

除目について

自邸にて、道長が除目について悩んでいると、詮子がやってきて、この人を入れておいて、と道長に頼みます。

しかし道長は知らない人は入れられない、とそれを拒否。

詮子は、伊周一派を封じるためには、自分の知り合いを入れておいた方が都合がいい、と主張するのですが、道長は道隆のようなことはできない、と断ります。

詮子は尚も言い募るのですが、道長はそれを一刀両断。

詮子も諦めました。

道長に投げ飛ばされた伊周とその弟・隆家は翌日から参内することはありませんでした。

夜、気の置けない仲間たちと酒を酌み交わしていた道長。

偉くなるのは大変だ、と仲間に愚痴りました。

すると公任(町田啓太さん)は次の除目では自分のことは忘れてくれ、というのです。

自分は今のままずっと参議でいい、父が関白の頃は自分もと思っていたが、今はどうでもいい、漢詩や和歌、読書や管弦を楽しみながらこの先をやっていきたい、というのです。

心配する仲間たちに、陣の定めの道長は見事で、道長と争う気にはなれない、というのです。

公任は、適切な除目を行うためには、各々が抱えている事情を知った方がいい、と道長に助言します。

公任は、字が上手く、女房達と交流がある行成(渡辺大知さん)を使うと言い、と言います。

女性たちから男たちの事情を聴き出すといい、と助言され、行成も自分にできるならと承知したのです。

それを聞いていた斉信は、自分はもうそろそろ参議になりたい、と訴えます。

しかし道長は困ったように次はない、と答えました。

道長が参議にと望んでいるのは源俊賢。

同じ蔵人頭である斉信ではなく、なぜ俊賢なのか。

俊賢は亡き源高明の息子だが、目指すものの為にはその誇りを捨てることができる、今の自分にはなくてはならない男だというのです。

斉信のことは必ず考える、と約束したのでした。

翌朝、行成は情報を持ってきました。

自分の持ってきた情報は直ぐに燃やすようにと促しますが、道長はそんなにすぐには覚えられない、と嫌がります。

行成は日記を書くことを勧め、覚える力が付くと促したのでした。

内裏の除目は年に2回行われます。

秋の除目は大臣を除く中央官人の任命、春の除目は主に受領など地方官人の任命でした。

この秋の除目で、実資(秋山竜次さん)が権大納言、俊賢が参議になりました。

そして行成が蔵人頭になりました。

道長は俊賢を呼ぶと、早速頼みごとをしたのです。

伊周の扱い

内裏に出てこなくなった伊周と隆家を訪れた俊賢。

右大臣に言われて様子を探りにきたのだろうと警戒されるのですが、俊賢は源再興のために右大臣に近づいているだけ、道長に忠義立てしているわけではない、と言い募ります。

伊周の方が若く聡明でいずれは高みに上がるだろうと持ち上げます。

今宵は先々のためにまずは種を蒔いておこうと来たのだというのです。

帝も2人を案じていた、右大臣に対抗する力がないと陣定めも正常に働かないだろうと憂慮していると訴えます。

俊賢は、どうか参内して欲しいと2人に訴えかけます。

内大臣、中納言のいない陣の定めなどあってはならない、と訴えたのです。

その言葉に2人は心を動かされたようでした。

それは道長が俊賢に頼んだことでした。

これで道長が2人を蔑ろにしているなどと言う噂は出ないだろう、報告したのです。

道長は俊賢を労い、内大臣が出てくることを祈ろう、と言います。

俊賢は、これで出てこなければ、次の手を打つ、と力強く請け負ったのです。

次の陣定め、伊周と隆家は俊賢の呼びかけに応じ、参加しました。

若狭に宋人70名が来着したことについて定めよと命じられた、と道長は陣の定めを始めました。

拝謁

為時は、除目に向けて申し文を書き記していました。

どうせ駄目だと思いつつ10年も申し文を書き続けてきたが、今年を最後にしようと思う、と言います。

泣くいとに、あれもこれも人の世だ、と言い聞かせたのです。

まひろのところにききょうが遊びに来ていました。

新しい右大臣に期待は持てないと思っていたが、案外頑張っている、と道長を褒めます。

疫病に苦しむ民のために租税を免除したり、若狭に訪れた宋人を受け入れるために越前に送ると決めたりと、素早い決断に皆感嘆していたというのです。

まひろは宋人とはどんな人たちなのだろうかと興味を示します。

宋の科挙と言う制度を教え、身分の壁を越えることのできる宋の国のような制度をぜひ帝と道長に作って貰いたい、とききょうに話しました。

男のようなことを考えるまひろにききょうは驚きます。

自分はただ中宮の側にいられるだけで幸せ、とききょうはまひろに言うのです。

ききょうがそんなに魅せられる中宮に会ってみたいとまひろは呟きました。

するとききょうは、簡単ではないけれど、中宮・定子に話してみると請け負ったのです。

ききょうの言う通り、定子はまひろに興味を持ち、まひろは後宮の中宮に会えることになりました。

定子は、御簾越しではなくまひろと会うと決めました。

ききょうが心酔する友だと聞いている、と話します。

まひろは、自分こそききょうにいろいろ教わっていると答えます。

ききょうは、まひろは和歌や漢文だけでなく、政にも意見があるのだと紹介しました。

すると帝が定子に会いにやってきました。

定子は帝にまひろを紹介しました。

定子は、女子ながら政に考えがあるようです、と話します。

すると帝は政に考えがあるなら思うまま申してみよ、と促したのです。

一度は遠慮したまひろですが、「恐れながら」と自分には夢がある、と宋の科挙の話をしたのです。

全ての人が身分の壁を超える機会があるということは素晴らしい、わが国もそのような仕組みが整えばといつも夢見ていた、と話したのです。

帝はまひろに新楽府を読んだことがあるのかと尋ね、まひろは新楽府の一節をそらんじて見せました。

感心した帝は、身分の高い低いでは賢者が愚者か計れぬな、と呟きました。

まひろは、下々が望みを高く持って学べば、世の中は活気づき、国もまた活気づく、と勢い込んで言うのです。

身分の差なく政に参加できるのは素晴らしい、と訴えました。

帝はまひろの言葉を聞き、其方の夢、覚えておこうというのでした。

そこに伊周と隆家がやってきました。

帝と中宮が仲良くやっているか見定めに来た、というのです。

伊周が見慣れないまひろを見咎めると、まひろとききょうは挨拶をして、すぐに立ち去りました。

隆家はあのような者を近づけてはならない、と言いますが、帝は面白い女だったと答えます。

伊周はどうせ召し出すのならば女御になれるくらいの女にしろ、そうでなければ中宮に御子を授けて欲しい、と言い募るのです。

そんな伊周たちに帝は疲れ果て、すぐに下がらせました。

申し文

まひろは為時に、正月の除目には、越前の守を望んではどうだろう、と促します。

越前には宋人が多く来ているため、為時なら宋の言葉がわかるだろうというのです。

他の誰より国の役に立つ、と訴えます。

為時は無理だといいます。

大国の国守は五位より上でなければいけないが、為時は正六位でした。

それでもまひろは、望みは大胆である方がお上の目に留まる、と主張します。

それぐらい望んでもいいのではないか、と言い募るのです。

その夜、伊周は斉信の妹・光子(竹内夢さん)のところに忍んでいました。

伊周は中宮の気持ちが分からない、と愚痴ります。

光子と会う時以外はつまらないことばかり、というのでした。

帝は道長にまひろと出会ったことを話しました。

身分に関係なく才あるものを登用した方がいい、と訴えられたと言います。

道長は呆然としました。

帝は、あの者が男であったなら登用してみたいと思った、と打ち明けます。

それを聞いた道長は、たくさんの申し文の中から為時の申し文を探し出し、淡路守を願い出たことを知りました。

後日、為時に従五位下の位が授けられました。

これは右大臣からの推挙である、と使者は言いました。

為時は位が上がったことを喜び、まひろは国守にしてくれるのだろうかと期待します。

まひろは越前なら誰より役に立てるのに、と浮かれますが、為時はその話はもういい、と遮ります。

するといとから翌日の参内に着る赤い束帯がないと言われるのです。

まひろは慌てて宣孝に借りてくる、と用意を始めたのでした。

翌日、内裏に上がった為時は、道長に昇進の礼を述べ、これよりは身命を賭して帝に仕えると誓うのでした。

事件~放たれた矢

夜、伊周が光子を訪ねていくと、そこには立派な設えの牛車が置いてありました。

伊周は光子に裏切られたと思い、屋敷に戻ると泣き崩れました。

隆家は、そんな伊周を焚きつけ、誰だか確かめるだけでもいい、と伊周を促し斉信の屋敷に足を運んだのです。

門から出てきた僧形の人物に矢を射かけた隆家。

射かけられたその人物は驚き、倒れ込みました。

隆家は脅しただけ、当ててはいない、と笑いますが、伊周は倒れたのが誰か気になり、目を凝らします。

すると慌てたように斉信が屋敷から出てきて、「院!」と呼びかけたのです。

それを聞いた伊周と隆家の表情がさっと変わりました。

矢を射かけられたのは花山院(本郷奏多さん)だったのです。

長徳の変の始まりです。

次回、第20回「望みの先に」

為時(岸谷五朗)が淡路守に任命され、惟規(高杉真宙)、いと(清川清順)も大喜び。しかしまひろ(吉高由里子)は、宋の言葉を解する父は越前守の方が適任だと考え…。一方内裏では、花山院(本郷奏多)の牛車に矢を放った一件で、一条天皇(塩野瑛久)が伊周(三浦翔平)と隆家(竜星涼)に厳しい処分を命じた。さらに、定子(高畑充希)は兄弟の不祥事により、内裏を出ることを命じられる。絶望のふちに立った定子は…

NHK大河ドラマ「光る君へ」公式サイト

隆家が花山院に矢を射かけてしまいました。

斉信には妹が2人いるということを知らなかったのでしょうか。

短絡的に行ってしまったことが大事件へと発展してしまいました。

これから伊周たちはどうなってしまうのでしょうか。

最後に

道長の政は見事ですね!

民のことを考え、動く道長。

ずっと自分の意見を蔑ろにされていた帝も、自分の意見を聞いてくれる道長に安心しているようでした。

のびのびとしていましたものね。

伊周に御子御子言われて悲しそうではありましたが。

詮子が言ったことを確りと聞いたのですね。

本当に良かったです。

それに比べて伊周は本当に無様でした。

道長に言いがかりをつけた挙句投げ飛ばされ、拗ねて参内しなくなりましたが、道長の手の上で転がされてまた参内。

女性に裏切られたと泣いた挙句、勘違いして花山院に矢を射かけてしまいました。

これから、定子も巻き込んで大変なことになってしまいます。

自業自得とはいえ、なんとも惨憺たることになってしまいます。

お調子者の隆家がやったこととはいえ、あまりにも情けないことになりましたね。

全力で情けない伊周を、嫌味な隆家を演じた三浦翔平さんと竜星涼さんの演技は見事でした!(誉め言葉です)

ききょうとまひろの関係が面白いですね。

ききょうは後宮でよっぽど息が詰まるのでしょうか。

しょっちゅうまひろのところに遊びに来ているような気がします。

確かに、後宮とか陰湿ないじめとかありそうですものね。

ききょうはそれにも負けていないようでしたが、やはりストレスは溜まりますよね。

息抜きとしてはまひろの所はちょうどいいのでしょうかね。

和歌や漢詩の話もできるし、野心もないし、安心して付き合える人物なのでしょうね。

それにしてもいきなり後宮に上がるとは驚きました。

帝に意見できたことにも大変な衝撃を受けました。

帝がまひろのことを覚えていて、道長に話すとは。

その時の道長の表情は見応えがありました。

無表情のようで、喜んでいるようで、いつも意表を突くまひろの行動に驚いたんでしょうね。

その後すぐに為時の申し文を探すところも良かったです。

道長のまひろへの深い思いが良く伝わりました。

さて、次回第20回「望みの先に」では、長徳の変が起こります。

道隆の一族・中関白家が一斉に処分されることになります。

花山院は外聞を慮って口を噤むのですが、噂が広がります。

道長はそれを上手く利用して中関白家を排除するわけです。

道長の手腕が楽しみですね。

次回、第20回「望みの先に」、見所満載で目が離せませんね。

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