2021年大河ドラマ「青天を衝け」は、NHK総合にて毎週日曜夜8時から、BSP、BS4Kにて毎週日曜午後6時から、毎週土曜日午後1時5分から再放送が放送中です。
前回のあらすじ
血洗島の渋沢家では、藍のすくも作りで賑わっていました。
出来上がったすくもを液状にすると、美しい青を出す染料となります。
渋沢栄一(吉沢亮さん)は、染め上がった布の美しい青に感動していました。
しかし父・市郎右衛門(小林薫さん)は、いい色が出るのは当たり前、その色が長くでなければ良い藍とはいえない、というのでした。
春になったら、栄一は父の商いに同行して江戸に向かう予定です。
アヘン戦争後、欧州からアジアに向けて多くの船がやってくるようになっていました。
香港には多くの外国籍の船が停泊していました。
米国のマシュー・ペリーは、他国を出し抜くため、香港の更に先の日本に標的を定め、日本に到着すると、開国を要求してきたのです。
血洗島の尾高惇忠(田辺誠一さん)は、アヘン戦争の様子が詳しく書かれた本を見て、外国からの脅威に立ち上がらなければならないと感じていました。
江戸についた栄一は、活気溢れる江戸の町を見て大興奮です。
江戸の町は物と人とで溢れかえっています。
栄一は、この町は商いで出来ている、と感動していました。
父に付いて問屋をめぐり、商いの難しさを感じる栄一でした。
その頃、江戸城では、病に倒れた12代将軍・徳川家慶(吉幾三さん)が床に伏していました。
何かにつけて比べられる慶喜の父・斉昭(竹中直人さん)のことが嫌いだったというのですが、
現在、病床の身の家慶を甲斐甲斐しく看病する慶喜(草彅剛さん)の姿を見ていると、嫌いだった斉昭のことも、悪い人間ではないのでは、と思うようになってきていました。
その3か月後、将軍・家慶は、徳川のことを慶喜に託し、亡くなりました。
幕府に異国船を打ち払うための大砲を献上した斉昭。
幕府は斉昭の隠居を解くと海防参与の役目を与え、強硬な攘夷論を唱える斉昭の力を借りることになったのです。
こうした攘夷の動きは武蔵の国にも及び、冤罪で岡部に捕縛されていた長崎の砲術家・高島秋帆(玉木宏さん)も幕府に呼ばれ、江戸へと向かうことになりました。
道中、血洗島を通り過ぎる時、幼い頃、秋帆と会話を交わしたことがある栄一は、思わず声をかけてしまい、役人から叱責を受けてしまいますが、秋帆は栄一のことを覚えており、自分も日の本のために力を尽くすから、栄一も励め、と栄一を鼓舞したのでした。
この年、血洗島の藍葉は、虫に食われ壊滅状態に陥りました。
このままでは藍玉作りができません。
足りない藍葉を買い足すため、父は急いで上州や信州に向かいます。
人出が多い方が良い、と思った栄一は、同行を願い出るのですが、目利きが出来るものが行かなければ、と子供扱いされておいていかれてしまいました。
それでも父の助けになりたい栄一は、母・ゑい(和久井映見さん)に信州に藍葉の買い付けに行きたいと嘆願しました。
姉は絶対に無理だというのですが、母は自分の胸が栄一を行かせろと言っている、と言うと、大金を持たせ、栄一を信州へと送り出したのです。
信州では、初めはやはり子供扱いされて、相手にされなかった栄一ですが、持ち前の明るさと話術、なによりも的確な助言により農家の人々の信頼を勝ち取ります。
良い品は高く買取り、悪い品はきちんと査定した上で次の年への期待も含めて値段を付け、どんどん藍葉を買い取りました。
血洗島に戻ると、父は渋い顔で栄一を睨みつけます。
勝手なことをしたことに謝罪する栄一を尻目に、父は栄一が買い取ってきた藍葉を検査しました。
少々高額に買いすぎた品もありましたが、栄一と同じように、次の年に繋げられると、栄一の商いを認めた父は、栄一を一人前とみなして翌日からの同行を命じるのでした。
前回、第3回「栄一、仕事はじめ」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。
それでは、第4回「栄一、怒る」のあらすじと感想です。
栄一の好奇心
血洗島の藍葉不作という危機を救った栄一は、商いの面白さを知り、今日もよく働いています。
最近では仕事が忙しく、なかなか惇忠のところに行けなかった栄一ですが、惇忠から新作の本が手に入ったと聞き、久しぶりに尾高家を尋ねました。
新作の本に夢中になり、従兄の喜作(高良健吾さん)や惇忠と語り合う栄一。
本に夢中になり、夕方になっても帰らない栄一は、本を読んで疑問に思ったことを惇忠に質問します。
どうして今この日の本は国を閉ざしているのだろうか、という疑問に対し、惇忠は良い質問だ、と答えると、解説を始めたのです。
今から300年前、戦に疲弊した日の本にバテレンが入国してキリスト教を布教し始めました。
日本の魂まで奪おうとしたバテレンから日の本を守るために鎖国を始めたのだと解説します。
栄一は、「日本男児として誇り高くおらねばのう」と言うのです。
惇忠の影響で、栄一の好奇心は留まる事を知らず、時には夜を徹して語り合ってしまうこともあったのです。
本について惇忠と語り合うことが楽しすぎて、夜を徹して語り合い栄一はそのまま寝てしまいました。
寝ている間、笑っていたと指摘した尾高千代(橋本愛さん)に栄一は、いい夢を見ていたと笑います。
父と共に異国へ行き、異国の人々相手に堂々と商いをして、父に褒められた夢だと栄一は嬉しそうに語りました。
そして、まじまじと千代の顔を覗き込む栄一。
2人が見つめ合っていると、千代の兄・長七郎(満島真之介さん)にお前の親父さんはもう畑で働いているぞ、と言われ、栄一は慌てて飛び出していきました。
今年は一番藍が不作でしたが、良い藍玉ができ高く売れることができました。
父・市郎右衛門と伯父の宗助(平泉成さん)は、もう少し量が取れればもっと儲かった、話し合っていました。
ともかく、今年も協力してくれた農家たちを集めて、慰労するための寄り合いを開こうという2人に、栄一は今年の寄り合いの仕切りは自分にやらせて欲しい、思いついたことがある、というのでした。
徳川家康(北大路欣也さん)のお話
今回は、前回までのおさらいを語ります。
江戸幕府老中の阿部正弘(大谷亮平さん)は、またペリーがやってきた時の対処法をどうすればよいか、悩みに悩んだ末、幕府内外から多く意見を求めました。
集まった意見書は700以上にも及びます。
その意見の多くは、徳川斉昭らと同様に、日本を外国から守るための攘夷。
もしくは一度開国し、日本が力をつけたらまた鎖国をするというものです。
しかし、福岡の黒田長溥や高島秋帆だけは異国を受け入れ交易をすれば日本にも利があると説きます。
さて、幕府はどちらの意見を選ぶのでしょうか。
円四郎、慶喜の小姓となる
江戸城では、亡くなった12代将軍・家慶の嫡男・家定(渡辺大知さん)が13代征夷大将軍に就任していました。
しかし、実務を仕切っていたのは老中首座の阿部正弘、そして、海防参与となった徳川斉昭でした。
斉昭は強硬な攘夷論者で、異国が攻めてきたら打ち払えと高らかに公言していました。
斉昭の強気な発言を聞いていた川路聖護(平田満さん)は、斉昭の側近・藤田東湖(渡辺いっけいさん)に話しかけました。
政務に戻った斉昭は、日本を守ることに精力的になっている、と東湖は言い、それに一橋家のこともある、と川路聖護に耳打ちをするのです。
川路は、斉昭の指名とは言え平岡円四郎が慶喜の小姓になることを案じていました。
その頃、一橋家の小姓となるよう命じられた平岡円四郎(堤真一さん)は、出仕に対し不満を抱えていました。
気乗りしない様子の夫に妻・やす(木村佳乃さん)は、円四郎が働かなければ雨漏りする屋根が直せない、と発破をかけ円四郎を一橋家へと送り出したのです。
一橋家に着くと、円四郎は慶喜に拝謁しました。
慶喜は円四郎に諍臣(そうしん)になって欲しいと語りかけます。
諍臣とは、「諍臣は必ずその漸を諌む」という中国の貞観政要に記された言葉で、主に驕りや過ちがあった時に、敢然として諌める臣下のことを言います。
慶喜は、円四郎にそうなって欲しいと望んでいるといいます。
こうして、円四郎は慶喜の小姓となりました。
小姓として、慶喜の膳を給仕せよと命じられたものの、円四郎はどうして良いかわからず、いつも女房がしているように飯碗に山盛りに盛り付け慶喜の前に置きました。
給仕の仕方を知らないのか、それとも自分に不満があってこのようにしているのかと慶喜は問います。
円四郎は、不服がないわけではない、というと、慶喜の前に平伏し、自分は旗本といえど四男坊で、下町で暮らしていた、と話します。
このような風流なところで仕えるような人物ではない、と訴えます。
それを聞いていた慶喜は、円四郎の給仕は誰がしているのかと尋ね、それが妻だと知ると、上座を降りて櫃の前に座りました。
そして、「よいか」と言うと、飯を盛ってみせ、円四郎に給仕の仕方を教えたのでした。
髪結いの仕方なども知らない円四郎に、慶喜は丁寧に教えます。
そうして、円四郎は慶喜の小姓として慶喜に教えられながら仕える事になったのです。
松平春嶽の思い
一方、福井藩藩主の松平春嶽(要潤さん)は、他の徳川と違い頼りになる水戸徳川家に感心していました。
藩士の橋本左内(小池徹平さん)も、水戸の斉昭を始め、藤田東湖の知識の深さ、人柄に感心していました。
春嶽は、斉昭の息子・慶喜の聡明さも買っており、慶喜が将軍になれば喜んで身を捧げる、と呟いたのでした。
慶喜への期待
ある日、慶喜のもとに実母・吉子(原日出子さん)が訪れました。
慶喜の嬉しそうな様子に、こういう時は年相応なのだと笑みを漏らす円四郎。
そんな円四郎の横に斉昭が立ち止まり、我が息子をよろしく頼む、と声をかけました。
驚いている円四郎に、側近・藤田東湖も慶喜は偉人になる相が出ている、と言い、慶喜が将軍になれば害意に乱れ始めた日の本を立て直すことができる、心して仕えよ、と言い聞かせたのです。
皆からの期待を寄せられる慶喜に、円四郎は改めてさすが自分が惚れ込んだ人だ、と感心するのでした。
宴会の日
藍農家を労うための宴会の日。
栄一はその仕切りを任されていました。
今までとは違い、栄一は訪ねてきた人々を定めた席に案内します。
いつもは上座に座っていた角兵衛を下座に案内し、まだ若い権兵衛を上座に座らせました。
なぜ自分はいつも座っていた上座ではないのか、と不満の声もありましたが、自分のしきりに任せてくれ、と栄一は全員を席に座らせました。
宗助の皆を労わる言葉から宴会は始まりました。
父の言葉を聞いていた栄一は、今年一番良かったのは権兵衛の藍だ、そこで俺は権兵衛に大関の席に座ってもらいたいと思った、と言うと、権兵衛の背後に「大関」と書かれた幕を降ろしました。
そして、今年の藍の出来のいい順番に皆に座ってもらっているといい、喜作に作ってもらった番付表を見せたのです。
宗助は、農家に順番をつけるなどくだらない、と番付表を破り捨てるのですが、市郎右衛門は権兵衛の藍が良かったのは本当のことだ、と栄一を援護します。
栄一は、父は武州藍を他に負けない藍にしようと頑張っている、皆で来年も高め合っていい藍を作り、武州藍を大いに盛り上げたい、これからも農家の皆さんに協力してもらいたい、と語りかけたのです。
いつもは上座を用意されていた角兵衛は、不穏な様子で立ち上がり、大声で権兵衛を呼びました。
睨みつける角兵衛に萎縮する権兵衛。
今年、権兵衛の藍が良かったのは、市郎右衛門の助言を聞いて搾めかすをけちらず撒いて育てたからです。
角兵衛は権兵衛を睨みつけながら、どこで搾めかすを買ったんだ、と聞くと、来年こそは、儂がいっそう良い藍を作って番付の大関になって見せるんべえ!と笑顔で叫び場を和ませ盛り上げたのでした。
一触即発に見えた慰労会は、この一言で大盛況となったのです。
宴会の最中、栄一は商いは本当に面白い、と喜作に語ります。
どうすれば良い藍玉ができるのか、紺屋との商いのことをいつも考えてしまう、と話します。
そんな栄一を見て、喜作は、自分は商いより剣術の方が面白い、と感じていました。
栄一の家からの帰り道、油売りから戻った千代を見つけた喜作は、重そうな千代の荷物を引受け代わりに背負いました。
いつも一緒にいる栄一のことを尋ねる千代に、栄一は今商いのことで忙しい、今は陣屋から御用金を命じられる時期だから余計に、と話します。
この辺で一番の物持ちは宗介の家の東の家。
次は栄一の中の家です。
喜作の家の新屋敷はその次の三番目。
岡部で何かあるたびに、何百両と御用金を命じられています。
喜作は東の家や中の家に負けないよう、一番大きな家になる、それどころか、岡部の殿様が頭を下げる金持ちになってやる、「だから、だから…待ってろよ!」と千代に告げると、早足で歩き始めたのです。
ペリーの再来航
年が明け、再びペリーがやってきました。
江戸の港には大量の砲台が設置されています。
それを見たペリーは、日本は開国を拒むつもりなのかと訝しみました。
ペリー来航について、江戸城で話し合っていると、老中の堀田正睦(佐土井けん太さん)は開国した方がいいのではと意見するのですが、同席していた斉昭は猛反対します。
そこに轟音が聞こえてきました。
外国船の大砲ではないか、襲撃か、と集まった人々は動揺しますが、これは慶事のための号砲でした。
幕府は前もって知らされていたのです。
しかし、空砲であっても響き渡る轟音に、大老・井伊直弼(岸谷五朗さん)は戦になっては日本が危うい、と危機感を募らせます。
阿部に開国しよう、と言い募るのですが、斉昭により排除されそうになってしまいます。
老中首座の阿部正弘は、迷いに迷いながら日米和親条約を締結したのでした。
血洗島で条約締結を知った惇忠は憤り、無理強いされた開国だと猛反発。
国のために、日の本を守るために立ち上がらなければと強い決意を見せたのです。
栄一、怒る
その頃、宗助は市郎右衛門と陣屋に呼び出されたことを話していました。
その日はちょうど市郎右衛門が紺屋を回らなければいけない日です。
しかし、陣屋に呼び出されたからには忙しくても行かなければならない、と市郎右衛門が言うと、宗助はならば名代として栄一が行けばいいと提案しました。
父も栄一は後継なのだから、と同意し、栄一は父の名代として岡部の陣屋へと赴いたのです。
陣屋へ行くと、岡部の代官・利根吉春(酒向芳さん)が各家に御用金を用立てるようにと命じていきます。
宗介の東の家は千両、栄一の中の家は500両を言い渡されました。
名代として栄一は、父に伝えてから返答する、と答えるのですが、利根吉春は激高し、おとなしく払えと言え、と迫ってきます。
刀に手をかけ、栄一を脅す様子を見せるのですが、栄一は名代である自分は、それを父に伝えることが役目だと譲りません。
宗助は栄一を宥め、はいと言え、と促すのですが栄一は主張を変えず、とうとう宗助に力ずくで平伏させられ、宗助が利根に謝罪をして何とかその場を収めたのでした。
家に戻った父は、栄一になぜすぐ払うと言わなかったのだと問いました。
栄一は、百姓は籠1つ30文で買っている、藍の百姓はその金で食って生き、俺たちはその葉を使って多くのものを雇って藍玉にし、それを1つ一両ちょっとで紺屋に売る、母や姉が育てている蚕はひと月寝ずに繭をとって、一掴みせいぜい1文だ、と語ります。
それを安易に500両とは、と栄一は怒りを顕にします。
500両という金は、名代の自分がへえへえ言って承知していい金ではない、と栄一は主張します。
「百姓は、自分たちを守ってくれる武家に尽くすのが道理、それはわかっている、しかし今、岡部の領主は百姓から年貢を取り立てておきながら、その上人を見下し、まるで貸したものを取り返すかのごとく、ひっきりなしに御用金を出せと命じてくる。
その道理は一体どこから生じたもんなんだい。
それにあのお役人は、言葉といい振る舞いといい決して父様や惇忠兄いのような知恵のある…」と栄一は続けます。
「悪口はもうやめろ」と遮り、父は栄一を諭します。
「いかに道理を尽くしても仕方のないこと、それはすなわち『泣く子と地頭』だ」というと、明日、御用金を支払ってくるようにと言うのでした。
理不尽さに憤りながら、栄一は500両の金を持って陣屋へと行きました。
雨の中、地べたに平伏し、代官に金を差し出す栄一。
「恐れながら、それは我々百姓の銭でございます。朝から晩まで働きその小さな銭が…」と栄一は陳情するのですが、既に代官はおらず、栄一の言葉は届かずじまいでした。
無慈悲に持っていかれる金を見ながら、栄一は理不尽さを噛み締めることしかできませんでした。
次回、第5回「栄一、揺れる」
惇忠(田辺誠一)に薦められた本で、清がアヘン戦争でいかに英国に敗れたかを知った栄一(吉沢 亮)は、開国した日本の未来を危惧する。そんな中、栄一の姉・なか(村川絵梨)は、自身の縁談を、“相手の家に憑き物(つきもの)がいる”という迷信的な理由で伯父・宗助(平泉 成)たちから反対され、ふさぎ込んでしまう。一方、幕府の方針をなおも受け入れられない斉昭(竹中直人)は暴走。老中・阿部正弘(大谷亮平)と斉昭の側近・藤田東湖(渡辺いっけい)は斉昭を必死にいさめる。そんなとき、大地震が江戸を襲う。
大河ドラマ「青天を衝け」公式サイトより
とうとう、日米和親生薬が締結され、幕府の意見が二分されてしまいましたね。
斉昭の攘夷思想に感化された惇忠たちはどのように動くのでしょうか。
幕府内部の混乱と水戸学を学んだ者たちの動向が気になります。
迷信的な理由で縁談を反対されたなかをどのように救うのか、血洗島の栄一たちの動きにも注目したいですね。
最後に
今回は、吉沢亮さん演じる渋沢栄一の理不尽に立ち向かう姿に感動しました。
商いを学ぶことにより、農民の苦労を知りそのお金の大切さを知った栄一は、名代である自分が軽々しく承知できないと代官の命令に頷きませんでした。
世の理不尽さを嘆きつつも、従うしかないと知っている宗助は、栄一を守るため、必死に栄一の頭を押さえつける、というシーン。
若い栄一の理不尽にまっすぐ戦う姿と、苦渋をしっている宗助の思いやりに胸を打たれました。
刀に手をかけ脅す利根吉春を演じる酒向芳さんの悪代官ぶりに震えが走りましたね。
その後のお金を持ってきた栄一に対するぞんざいな態度も、非情過ぎて衝撃でした。
草彅剛さん演じる徳川慶喜と堤真一さん演じる平岡円四郎のシーンは、今回の中ではとても和やかなほっこりとしたシーンでした。
自由に生きてきた円四郎は堅苦しい士官に不満を持っていましたが、偉ぶらず穏やかで、何も知らない円四郎に丁寧に指導する慶喜に惚れ込んでいく過程が素晴らしく表現されていました。
周囲から嘱望されている割に、やる気を見せない慶喜ですが、円四郎に対する態度は父・斉昭にするものとは違い柔和で、見ていてとても穏やかなシーンでした。
円四郎と妻・やすのシーンはコミカルで、ホッと一息付けるシーンですね。
橋本愛さん演じる千代を巡る、喜作と栄一の気持ちも面白かったですね。
今のところ、千代はどちらに気持ちが傾いているのかまだわかりませんが、3人の気持ちに変化が訪れるのはいつなのでしょうね。
それも楽しみです。
田辺誠一さん演じる尾高惇忠も動き始めそうな気配ですね。
水戸学を学び、斉昭に傾倒している惇忠は開国に反発し、強い決意を見せていました。
これが栄一たちにどのような影響をもたらすのでしょうか。
次回、第5回「栄一、揺れる」は、開国にまつわる大事件が起こりそうで目が離せませんね。