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鎌倉殿の13人 第26回「悲しむ前に」のあらすじと感想

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61作目となる2022年大河ドラマ、「鎌倉殿の13人」。

脚本は、三谷幸喜さん。

主役の北条義時を務めるのは、小栗旬さんです。

毎週日曜(総合)午後8時、(BSプレミアム、BS4K)午後6時、毎週土曜日午後1時5分から再放送が放送中です。

目次

前回のあらすじ

自分の死を恐れる源頼朝(大泉洋さん)は、義弟・阿野全成(新納慎也さん)に助言を求めました。

全成からいくつかの助言をもらった頼朝は、その言葉に振り回されてしまいます。

また、義弟・源範頼が次期鎌倉殿を狙っていたという一件は、比企能員(佐藤二朗さん)が焚きつけたことだったという噂を聞いた頼朝は、もう誰も信じられない、と疑心暗鬼に陥っていました。

頼朝と政子(小池栄子さん)の嫡男・頼家(金子大地さん)に男子が生まれました。

相手は比企一族のせつ。

しかし頼家は、鎮西八郎為朝の孫娘であるつつじという娘を正室にと望んでいました。

範頼の件に比企が関わっていたと聞いた頼朝は、比企の娘・せつを頼家の正室にしたくないと考えていたため、頼家の訴えは渡りに船でした。

頼朝は、源氏の血筋であるつつじを正室、せつを側女にすると決定しました。

北条時政(坂東彌十郎さん)の四女・あきは稲毛重成に嫁いでいましたが、3年前に病で他界。

夫の重成は、あきの追善供養として相模川に橋をかけました。

その仏事が開かれ、北条一門が揃うことになっていました。

北条の長女・政子の夫である頼朝も参加予定で、縁起を担ぐため、方違えをして吉方に向かった後に、相模川に向かうことにしました。

吉方には和田義盛(横田栄司さん)の館があり、そこで側女の巴御前(秋元才加さん)と対面した頼朝は、木曽義仲を討ったことを巴に謝罪しました。

過去を振り返ってはいけない、という全成の助言を破ってしまった頼朝は、慌てて相模川に向けて出発しました。

神事仏事を欠かしてはならない、という全成の言葉通り仏事に参加した頼朝。

北条では仏事後に総出で丸餅を作る習わしがあり、作った餅を時政に振舞われた頼朝は餅を喉に詰まらせ、息も絶え絶えになりました。

それを時政や義時(小栗旬さん)に助けられたのです。

頼朝は義時と政子に、自分は近々頼家に家督を譲り、大御所になると宣言。

義時には頼家の側近として支えて欲しいと訴え、政子には鎌倉殿の母として見守るようにと望みました。

そして義時に、人の命は定められたもの、甘んじて受け入れてその上で好きに生きる、と宣言しました。

死に怯え、あがいた頼朝ですが、餅を喉に詰まられ死にかけた事で悟ることができたのです。

伴をするという義時を断り、安達盛長(野添義弘さん)と2人鎌倉に戻る途中、頼朝は意識を失い落馬してしまいました。

前回、第25回「天が望んだ男」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。

それでは第26回「悲しむ前に」のあらすじと感想です。

助かる見込み

落馬して意識を失った頼朝は、そのまま昏睡状態に陥りました。

医師の見立てでは、「神仏がこぞってお助けしても、もって後数日」。

混乱を避けるため、このことは伏せられることになり、義時は信頼の置ける梶原景時と畠山重忠にのみ、事実を打ち明けました。

助かる見込みは百に1つもない、という義時に、梶原は「あの方は天に守られておいでだ」と訴えます。

義時は「神仏のご加護はもうないと本人もおっしゃっておりました。速やかに次の政の形を定めます。それまでは内密にしておきたいのです」と2人に協力を要請しました。

頼朝が落馬したことを目撃した者を捕らえ、医者は口封じし、頼朝の容態が漏れないように手配します。

「数々のご苦難をくぐり抜けたお方が斯様な形で…」と梶原は嘆きました。

武家の棟梁の落馬。

頼朝の命と共に、鎌倉殿の権威が消え去ろうとしていました。

主人を振り捨て、鎌倉が暴れ始めます。

御家人たちの思惑

意識のない頼朝に付き添う政子。

涙を流す安達盛長を叱責し、自らを鼓舞します。

そんな2人を見ていた時政は「決めた」と立ち上がりました。

政子はそんな父に、「余計なことはなさらないで!」と窘めました。

義時は密かに比企能員の館を訪れ、頼朝の状態を説明しました。

内密に、と言いおいたものの、義時が引き上げると比企はすぐに妻と娘に話してしまいます。

比企は娘・せつに御台所としてしっかりするよう戒め、頼家の所在を確認しますが、頼家は鹿狩りに出たまま、まだ戻ってきてはいませんでした。

館に戻った時政は、三浦義澄(佐藤B作さん)に頼朝の容態を話しました。

そして、水垢離をして頼朝の回復を願うというのです。

時政、義澄、時連の3人で寒空の中、水垢離は行われましたが、あまりの寒さに途中で断念。

途中で水垢離を止めた事により、余計に神仏の罰が当たるのではないかと時連は心配します。

寒さに震える時政に、りく(宮沢りえさん)は話があると切り出しました。

りくは、頼朝の死は近いと判断し、頼朝が死ねば北条の力は削がれ、比企に全てを持っていかれる、自分の子供たちに惨めは思いをさせて良いのか、この鎌倉は時政が作ったようなもの、時政がいなければ頼朝は挙兵できず、鎌倉はこのようにならなかった、その手柄を人に取られていいのか、と時政を煽ります。

時政は、頼朝の異母弟・全成を次代の鎌倉殿にしようと全成と実衣(宮澤エマさん)に持ちかけたのです。

その頃義時は、大江広元(栗原英雄さん)や三善康信らに頼家を次の鎌倉殿にする方法を確認していました。

朝廷から「日本国総守護」に任じられなければいけないが、朝廷のしきたりにより喪中ではその手続きができない、と教えられます。

全ての手配は頼朝が存命中に行われなければいけません。

義時は大江らに急ぎ準備をするよう依頼しました。

悩む義時のところに、三浦義村がやってきました。

義村は、父に聞いた、と頼朝の容態を知っていました。

義時は、頼家とつつじの間に男子が生まれたら、三浦から乳母夫を出して欲しいと頼みます。

「これから北条と比企の諍いは更に大きくなる。その間に三浦に入って欲しいんだ。これからの鎌倉はお前に支えて欲しい」

義村は、ようやく三浦が出番が回ってきたと喜び、それを引き受けるには条件があると言い出しました。

条件とは、乳母夫の件は頼朝の考えであると公表することです。

そうすれば、どこからも文句が出ない、と主張したのです。

実衣は、次期鎌倉殿という話に乗り気な全成を心配します。

全成は、命を守るためには権力が必要と考えるようになり、実衣にも御台所になる覚悟を尋ねます。

実衣は政子にできたことなら自分だって、と御台所になる覚悟を決めたのです。

政子の献身、戻ってきた頼家

政子は一睡もせず、頼朝の側についています。

政子の身を案じた義時は、比奈が代わりについているから休んで欲しいと政子を促します。

時政は義時に、次代の鎌倉殿には全成を考えていると伝えました。

義時は鎌倉が2つに割れることを危惧します。

この先、北条と比企が諍いを起こし、その時、妻である比奈が板挟みにならないか案じる義時に、比奈は自分は北条の女だと安心させたのでした。

翌日、漸く頼家が戻ってきました。

意識のない頼朝の姿を愕然と見ていました。

義時は、このことは伏せてあり、知る人間はごく少数ではあるが、どこからか噂が広まっている、と頼家に報告します。

頼家は、噂は広まるもの、公表しろと言い募ります。

しかし義時は、朝廷への手続きが完了するまでは伏せていたいと考えていました。

頼家は「儂が跡継ぎになることは決まっているのだ。隠すこともなかろう。御家人共を集めて何が起こったか知らしめろ」と義時に命じました。

しかし、逆に大混乱になってしまいます。

義時は、大江と三善から頼朝を臨終出家させる必要があるといいます。

頼朝を極楽浄土に送るためには必要なことだと言います。

まだ生きているのにと難色を示す政子ですが、頼朝のため、と説得し、頼朝は臨終出家のため、髷を落とされることになりました。

そして切られた頼朝の髻から、捨てたと言っていた観音像が出てきました。

それを見た政子は、涙を溢れさせたのです。

頼朝の死

頼朝に初めて会った時に出した料理を用意した政子。

政子を見かけた実衣は、全成は鎌倉殿になる覚悟を、自分は御台所になる覚悟を決めたと政子に打ち明けました。

政子はまだ早いと不快感を顕にし、実衣に御台所は無理、と言い切りました。

頼朝に寄り添っていた政子がうたた寝から覚めると、頼朝が起き上がり政子が用意した食べ物を手に取り、初めて会った時のように「これは、何ですか?」と話しかけてきました。

喜んだ政子が皆を呼び集めて部屋に戻ると、そこには横倒しになった頼朝の姿がありました。

何度も呼びかけてみても頼朝からの返事はなく、震える手で頼朝の目を閉じた政子は、事切れた頼朝に縋り付き、泣き咽びました。

頼朝は家族に見守られながら荼毘に付されました。

頼朝の従者・安達は頼朝がいつも座っていた座の前に座っていました。

頼朝の骨は持仏堂に安置されることになりました。

その骨は、生前、最も繋がりの深い人物が運ぶことになります。

自分などは、と固辞しようという安達盛長に、頼朝が望んでいるだろうと義時は諭したのでした。

和田義盛は、武家の棟梁である頼朝が落馬したことに失望していました。

比企と北条は次の鎌倉殿の座について意見が割れ、会議は紛糾していました。

どんなに言い争っても決めるのは自分たちではない、御台所だ、と決断を政子に委ねる義時。

政子は、政には口を挟むなと頼朝にきつく言われていた、と難色を示します。

義時は、これからは政子の判断で政を進めることが多々あるだろう、そういう立場になったのだ、と諭します。

義時に悲しむ前に、やるべきことをやろう、と諭された政子は考えを改めました。

次期、鎌倉殿

政子は頼家を呼び出し、次期鎌倉殿としてやっていく自信はあるかと尋ねます。

頼家は、正直自信はない、と不安を口にします。

政子は、頼家はまだ若いけれど、その才を信じている「鎌倉を混乱から守れるのは貴方だけ」と頼家の就任を望みました。

一度は断るように頼家に知恵を授けたのは、梶原景時でした。

そうして、頼家は御家人を集めて鎌倉殿として宣言したのでした。

「我らは大きな柱を失った。このままでは日の本中で再び戦乱の嵐が吹き荒れかねない。我らは偉大なる先の右近衞の大将、征夷大将軍の死を乗り越え、前に進むのだ!」

時政とりくは、義時と政子に「裏切りやがったな」と怒声を浴びせます。

りくも北条のくせに、と政子を責めるのです。

義時は「父上は北条あっての鎌倉とお考えですか?私は逆。鎌倉あっての北条、鎌倉が栄えてこそ北条が栄えるのです」と訴えるのですが、時政は「意味がわからない」と立ち去ってしまいました。

政子は全成に、頼家を助けて欲しい、鎌倉のために、と訴えるのですが、実衣は「騙されてはダメよ」と夫・全成に訴えます。

政子は実衣が御台所になるのが嫌だったのだ、と主張し、そんな人ではなかったのに、力を持つと人は変わってしまうのね、と政子を責め立てました。

政子は実衣の暴言に呆然としました。

2人きりになると、りくは時政に、頼家はいずれぼろを出す、その時が本当の勝負、と煽り立てたのです。

北条頼時(坂口健太郎さん)は、頼朝の死について自分の考えを話しました。

頼朝の袖が汚れていたことから、暴れ馬から振り落とされたのではなく、気を失ってから馬から落ちたのではないか、と主張します。

義時は「よくぞ見抜いた」と頼時を褒めました。

全ての手配が終わったと政子に報告した義時は、自分は鎌倉を去ると宣言しました。

頼朝のため、ここまで尽くしてきたが、頼朝亡き後、自分がここにいる意味がない、と言うのです。

政所は文官に任せ、侍所には梶原と和田がいる、それぞれが私欲に走らず頼家を支えれば大丈夫。

北条には時連と頼時がいて、鎌倉の中心には政子がいる、これからの鎌倉に自分はいらない、と言って立ち去ろうとする義時を政子は「あなた、卑怯よ」と呼び止めました。

義時の言葉により、政子は覚悟を決めたのに、自分だけ逃げようなど卑怯だと言うのです。

これまで頼朝を支えてきたように、これからは自分を支えて欲しいと訴え手を握った政子は、義時の手に頼朝の観音像を握らせたのです。

「鎌倉を見捨てないで、頼朝様を、頼家を」と訴える政子。

義時は苦しそうに顔を歪め、頼朝の観音像を握り締めたのでした。

次回、第27回「鎌倉殿と十三人」

土御門通親(関智一)から源頼朝(大泉洋)の死を知らされ、思案する後鳥羽上皇(尾上松也)。鎌倉では宿老たちが居並ぶ中、新たに鎌倉殿となった源頼家(金子大地)が自身の方針を表明。これに北条時政(坂東彌十郎)と比企能員(佐藤二朗)は共に困惑し、梶原景時(中村獅童)は賛辞を贈る。その様子を政子(小池栄子)に報告した義時(小栗旬)は、弟・北条時連(瀬戸康史)と愛息・頼時(坂口健太郎)を頼家のもとへ送り出し……

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」公式サイトより

頼朝という柱が亡くなり、鎌倉に激震が走ります。

義時は鎌倉を維持するために奔走するのですが、周囲は権力を欲し、自分勝手に権力闘争を始めてしまいます。

頼朝に学び、頼朝に心酔していた義時は、鎌倉を守るためある決断を下します。

果たしてその決断とは。

新章がスタートし、心優しい青年だった義時が覚醒します。

これからまだまだ血なまぐさいことが起こるのですが、最初にターゲットとなるのは一体誰なのでしょうか。

漸く表題の13人が勢ぞろいですね。

これからの鎌倉がどうなるのか、ドキドキしながら見守りたいと思います。

最後に

とうとう源頼朝が亡くなってしまいました。

大泉洋さん演じる源頼朝は、「愛すべき嫌われキャラ」として見事でした。

初めは気弱で上に立つ者として頼りなく思えていたのに、いざ、挙兵した後は素晴らしいカリスマ性を発揮し、皆を惹きつけ邁進してきました。

時にあまりの残酷さ故に嫌われ、また、女癖の悪さで嫌われ、性格の悪さでも嫌われていましたが、大泉洋さんの個性と演技により、そうであっても人を惹きつける魅力が満載の源頼朝でした。

これまで描かれてきた頼朝とは一味違う源頼朝を冷酷に魅力的に演じられた大泉さんの素晴らしい演技に感動しました。

今回、前回と小池栄子さん演じる政子との夫婦らしいシーンがとても美しく、印象的でしたね。

2人で寄り添うシーンも素敵でしたし、意識のない頼朝から離れない政子の献身が胸に刺さりました。

皆が頼朝の死を確信し、諦める中、政子だけは回復を信じ、次に進むことを拒む。

そんな政子の姿に涙が出ました。

伊豆の田舎の娘が都育ちの頼朝と出会い、どんどん綺麗になっていきました。

付け焼刃だった権力者の妻という振る舞いも、どんどん板についてきました。

義時の言葉に覚悟を決めた姿は凛として美しく、小池栄子さんの政子は魅力に溢れていましたね。

これからは尼将軍として、もっともっと活躍します。

辛い決断も下すことになるのですが、親として、鎌倉を支える者としての政子のこれからがとても楽しみです。

それにしても、宮沢りえさん演じるりくは怖い女性ですね。

時政を掌で転がし、北条のため権力を欲する姿。

鎌倉を混乱に陥れようが北条に権力を持たせるために言葉巧みに時政を焚きつけます。

転がされちゃう時政も素敵ですが、北条のためだけでなく、義時や鎌倉のことも少し考えて欲しいと思ってしまいました。

今回、控えめながら素晴らしい観察眼を見せた北条頼時を演じる坂口健太郎さん。

これから稀代の名執権として名を残すことになるのですが、その片鱗が見えた気がしますね。

これまでずっと頼朝に振り回され続けてきた小栗旬さん演じる北条義時。

頼朝亡き後伊豆に去ろうとしたことで、頼朝との絆の深さがよく表現されていましたね。

史実では、義時が伊豆に戻ったという記述は見当たりませんが、頼朝を失った義時の深い悲しみがよく現れていたと思います。

引く覚悟を決めていたのに、政子に渡された観音像により、逃げられなくなってしまった義時。

あれほど頼朝を大事に思っていたならば、後を託された義時が逃げられる筈がないのです。

その辺の葛藤がすごく良く表現された表情をされていたと思います。

さて、次回第27回「鎌倉殿と十三人」で新章スタートになります。

表題通り、13人の合議制の政が始まるわけですよね。

もちろん、順調に始まる訳もなく、問題だらけなのですが、その時義時が、他の人々がどう動くか、これからもまだまだ波乱が待ち受けています。

なかなか落ち着かない鎌倉ですが、次の展開が一体どうなるのか、次回、第27回「鎌倉殿と十三人」が楽しみですね。

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