大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のネタバレあらすじと感想をお届けします。
61作目となる2022年大河ドラマ、「鎌倉殿の13人」。
脚本は、三谷幸喜さん。
主役の北条義時を務めるのは、小栗旬さんです。
毎週日曜(総合)午後8時、(BSプレミアム、BS4K)午後6時、毎週土曜日午後1時5分から再放送が放送中です。
前回のあらすじ
信頼していた和田義盛を失った将軍・源実朝(柿澤勇人さん)は、宿老に頼らず、自ら裁定を下そうと必死になります。
しかし、まだ若い実朝の裁定は未熟なことばかり。
側近となった北条泰時(坂口健太郎さん)と共に奮闘しますが、なかなか上手くはできません。
実朝が政に口を出すようになってから、政がやり難いと感じていた北条義時(小栗旬さん)は、執権を名乗り、その肩書を利用して政を行うようになります。
尼御台・政子(小池栄子さん)は、実朝と義時の間の不和に心を痛めていました。
建保4年(1216年)、源仲章(生田斗真さん)は、宋の匠・陳和卿を伴い、鎌倉に戻ってきました。
実朝に謁見した陳は、前世で実朝と会っていたと涙を流します。
実朝も、この場面を夢で見たと言い、陳のことを信頼します。
陳から船の建造を勧められ、尊敬する聖徳太子に習い、自分も船の建造を試みようとする実朝。
しかし、義時たち宿老は、京の息がかかった計画と、御家人に大きな負担を与えることになると、渋い顔です。
義時は、実朝が京の後鳥羽上皇の影響を受け、いいなりになっていることを、頼朝の遺志に反するとして、政子に抗議しました。
そして、実朝には表舞台から退いてもらい、政は宿老が行うと宣言したのです。
政子は、義時の言う通りにしなければ実朝が頼家のように消されてしまうのではと危惧し、義時の言葉に頷きました。
いずれは自分も宋に渡りたい、という夢を持つ実朝。
しかし、義時や政子の反対にあい、実朝は感情的に船の建造中止を口にしました。
そこに泰時や三善康信(小林隆さん)から助け船が入り、政子の決断により、建造は継続することになりました。
皆が寝静まる深夜、北条時房(瀬戸康史さん)とトウ(山本千尋さん)は、建造現場に現れ、設計書に細工を施したのです。
建保5年(1217年)4月17日、待望の船が完成しました。
大々的な進水式が行われるはずでしたが、船は浜に沈み、海に浮かぶことはありませんでした。
それは、船の重さの計算を誤っていたことが原因でした。
失敗に落ち込む実朝に、政子は力を得ろと助言しました。
そして1つの策を授けたのです。
実朝は義時たち北条家を集めると、自分は隠居し、京の朝廷に連なる高貴な方を養子に貰い受け、大御所として次の鎌倉殿を支えると宣言したのです。
そして、6年ぶりに頼家の嫡男・公暁が園城寺から鎌倉に戻ってきました。
前回、第42回「夢のゆくえ」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。
それでは、第43回「資格と刺客」のあらすじと感想です。
公暁の野望
6年ぶりに鎌倉に戻ってきた公暁(寛一郎さん)。
公暁は、三浦と図り鎌倉殿の座を狙っていました。
嫡男亡き実朝。
後継者を巡って思惑が入り乱れています。
最も鎌倉殿に相応しいのは一体誰なのでしょうか。
御所に赴いた公暁を義時は出迎えました。
義時は立派になった公暁の成長に目を細めます。
三浦は、公暁の素晴らしさを義時に語ります。
公暁は、悪僧だ、とはにかみながら、政子との対面の場に赴きました。
義時は、残った三浦義村に、実朝は京から養子を迎える気でいると告げました。
話が違うと憤る三浦。
公暁は物怖じしないところは頼家に似ており、その頼家よりも賢い上に、僧なので女性問題も起こさない、源氏の血の良いとこ取りのような人物であり、次期鎌倉殿に相応しいと三浦は考えていたのです。
政子と対面した公暁は、自分は立派な鎌倉殿になると宣言します。
驚いた政子は、公暁を実朝との対面に送り出した後、義時に話していないのかと問い詰めました。
まだ養子の件を承知していない義時は、伝える必要がない、と反論します。
政子は、次期鎌倉殿としてやる気を見せている公暁に、実朝から事実を聞くことがなければいいと案じていました。
しかし実朝は、公暁との対面で自分は京から養子を貰ってその子に後を継がせる、公暁には鶴岡八幡宮の別当になって、新しい鎌倉殿の良き相談相手になってもらいたいと伝えたのです。
初耳だった公暁は驚き、話が違う、と怒りを三浦にぶつけたのです。
京に戻ると言う公暁を三浦は引き留めました。
公暁が千日参籠を行っている間に、実朝を説得すると約束したのです。
上皇からの文
その語、後鳥羽上皇から文が届きました。
そこには、自分の子である親王を養子にしてもよいと書いてあったのです。
次期鎌倉殿が決まりそうな気配に、実朝は安堵し、皆を集めるように言いました。
その頃、三浦と実衣(宮澤エマさん)は、義時に不満をぶつけていました。
上皇所縁の子といえど、誰が来るかわからない、上皇の子なら認めるが、鎌倉殿の座をなめてもらっては困る、と怒っていたのです。
嫡男がいない実朝の次は、源氏の嫡流である公暁が相応しいと三浦は主張しますが、義時はそれを否定します。
実朝は、公暁を還俗させるわけにはいかないと考えていたからです。
ならば、源頼朝の異母弟である阿野全成の子である時元がいるではないかと実衣は主張します。
3人は、実朝の考えを覆す手はないかと思案していました。
政子は、これでよかったのかと煩悶していました。
大江広元は、政子の思うとおりにすればいい、と政子の後押しをします。
自分は頼朝に呼ばれ、京から鎌倉に来て、頼朝、頼家、実朝と3人の将軍に仕えてきたが、本当に自分が仕えてきたのは政子だったと打ち明けました。
政子は「重すぎる」と大江の思いを遮ります。
政子は、実朝が京から養子を取れば、以後、御家人同士の無駄な争いは無くなるという考えの元、実朝に提案したのです。
大江は、そんな政子の考えに同意し、後押ししていたのです。
宿老を集めると、実朝は養子の件について語ろうとします。
千日参籠をしていた公暁も、鎌倉の大事を決める場に自分もいたい、と参籠を中断してやってきました。
実朝が話し出すと、義時がそれを遮り、このような大事は一部の者で決めるのではなく、宿老が集まり、評議するのが先代からの鎌倉の習わしだと主張します。
実衣も同調するのですが、実朝はもう決まったことだと主張を変えません。
上皇から届いた手紙を皆に見せると、上皇の親王が養子に決まりそうだと告げたのです。
上皇の子がまさか決まると思っていなかった義時は唖然としますが、実朝に「これならば反対する御家人はいないと思うが」と問われ、それが実現できればこれに勝ることはない、と同意します。
三浦も「御家人たちも皆喜ぶと思います」と渋々頷きました。
この話をしっかりと決めるために、実朝はすぐにでも上洛したいと訴えますが、鎌倉殿の上洛には大掛かりな準備が必要であり、時間がかかると義時は訴えます。
すると政子が自分が行くと言い出したのです。
女の自分であれば、準備にそんなに時間がかかることはない、と言う政子。
熊野詣のついでに行くという形にするというのです。
大江も、それがいいと賛同しました。
政子が行くとなれば、候補に挙がっている頼仁親王の乳母である藤原兼子(シルビア・グラブさん)が出てくると予想する大江は、女子同士の方が話が弾むと賛同したのです。
評議の場では賛同した三浦でしたが、まだ諦めてはいませんでした。
何とかしなければと思案します。
政子の上洛
政子は北条時房を伴い、京の院御所を訪れました。
藤原兼子は、慈円(山寺宏一さん)から政子と対面するための助言を受けていました。
征夷大将軍の母と言えど、元は伊豆の田舎娘。
初めに鼻っ柱を折って、その後話を聞く、という姿勢で臨めと助言を受けました。
そして対面の場にて、政子が手土産として持ってきた干し蛸について、「お口汚しですが」という言葉に嫌味を言いますが、政子から上手く返され、政子を遣り込めることはできません。
すぐに本題に入ると、政子は大江の助言通り、話を進めます。
兼子は、不穏な状態が続く鎌倉に、大事な親王を行かせるには不安があると口にします。
政子は、今は穏やかな状態になったと訴えますが、兼子は、我が子も同然の頼仁親王には京にいてもらいたいと言います。
政子は、今の天皇は頼仁親王の兄であり、現在、后が懐妊中であると話します。
そうすると、頼仁親王が帝になる可能性はかなり低くなり、それはもったいないことだと訴えたのです。
ならば、代わりに鎌倉殿になって頂けたらこれほど嬉しいことはない、頼仁親王が鎌倉殿になった暁には、鎌倉を上げて兼子に最高の礼を尽くすと約束します。
兼子は政子を気に入ったようでした。
上皇と時房
一方で、上皇は政子から対面を辞退され、「会いたくないのか」と呟いていました。
田舎の老尼である自分が上皇様に対面など憚られると辞退した政子。
慈円は、政子に同行してきた時房が鎌倉一の蹴鞠の名手だと上皇に教え、会ってみるのもいいかもしれない、と促しました。
その頃、庭を散策していた時房は、突然転がってきた鞠を拾いました。
やってきた公家が蹴ってくれ、というので返すと、公家は見事は蹴鞠の技を披露します。
時房も技を披露すると、公家はその技を「見事じゃ」と褒めてくれました。
気を良くした時房は、公家に「形ばかり気にする都の方にしては大したものだ」と気軽に答えたのです。
公家も「お主も東夷にしては筋が良い」と返しました。
時房は「何だと」と笑いながら公家の軽く肩を押しました。
すると飛んできた側近たちに時房は拘束されてしまったのです。
その公家は、後鳥羽上皇でした。
青ざめ、動揺し、謝罪する時房を解放してやると、上皇は「我が最愛の子たる親王を鎌倉に与える話、早く決めてやれ」と慈円に命じたのでした。
政子と時房の活躍により、養子は頼仁親王に決まりました。
実朝は後見として左大将に任じられ、かつての頼朝の官位を抜いたことになります。
鎌倉殿の母として、政子にも従三位の位が与えられることになりました。
実朝は、泰時にも官職が欲しいと考え、仲章に相談しました。
すると、菅原道真公と同じ、讃岐守はどうかと提案します。
泰時は恐縮し、義時も時期尚早と辞退するのですが、実朝の意思は固く、仲章も自分が上皇に頼めばできるのではないかと主張します。
その後、廊下を歩く義時を仲章は呼び止めました。
頼仁親王が鎌倉殿になった後は、自分が関白として支え、政を進めていく、と宣言したのです。
義時に、伊豆に戻ってゆっくり余生を過ごせ、と言うと、義時がいなくなったら自分が執権になろうか、と高笑いをしたのです。
父と子
泰時の居室を訪れた義時は、「讃岐守のことを断ってもらいたい」と頼みました。
泰時が理由を聞くと、
「お前は私を良く思っておらぬ、しかし私はお前のことを認めている。いずれお前は執権になる。お前なら、私が目指していてなれなかったものになれる。その時、必ずあの男が立ちはだかる。源仲章の好きにさせてはならん。だから今から気をつけろ、借りを作るな」と言い聞かせたのです。
泰時は、「ご安心ください、私も讃岐守はご辞退しようと思っていたところです」と答えました。
泰時は、義時が目指してなれなかったものとは何かと問いかけたのですが、義時からの答えはありませんでした。
その仲章は、義時の妻・のえ(菊地凛子さん)に接触しました。
坂東の水は合わない、と京に憧れを抱くのえの心に入り込み、また京の話が聞きたいというのえに快諾したのです。
頼家の死の真実
千日参籠の間は、人に会ってはいけない決まりでしたが、公暁は、三浦を呼び寄せました。
公暁は、頼仁親王が実朝の養子になることが決まったと知り、三浦を呼んだのです。
「私が鎌倉殿になる芽は摘まれた、そういうことか」と呟いた公暁。
三浦は「若君が鎌倉殿になれば必ず災いが降りかかる、これでよかったのです」と呟き立ち去ろうとしました。
しかしそれを聞き咎めた公暁は、どういうことかと三浦に詰め寄ります。
母から何も聞かされていないのかと言い、「貴方の父上は殺されたです。北条の手によって」
その言葉で公暁は、幼い頃、比企尼から呪いのような言葉を聞かされたことを思い出しました。
三浦は言います。
「北条は頼家様とその家族を皆殺しにした。本来ならば後を継ぐべき貴方の幼い兄も義時に殺された、僅か6歳で。北条を許してはなりません。そして、北条に祭り上げられた源実朝もまた真の鎌倉殿にあらず」
公暁は怒りに震え、北条への憎しみを募らせました。
建保6年(1218年)4月29日、政子が鎌倉に戻ってきました。
従三位に任じられたこと、実朝が左大将に任じられたことを喜び、ようやく肩の荷が下りたと安堵しています。
実朝はすぐにでも親王に鎌倉殿の座を譲り、頼朝が見なかった景色を見たいと望みます。
しかしその前に実朝には、左大将の拝賀式と直衣始めの儀式を行う必要があります。
同年7月8日、鶴岡八幡宮にて、実朝の直衣始めが執り行われようとしていました。
参道を上る実朝の姿を、公暁は物陰から見ていました。
この半年後、同じ場所で起こる惨劇を知る人は誰もいませんでした。
次回、第44回「審判の日」
後鳥羽上皇(尾上松也)の計らいにより、右大臣に叙されることとなった源実朝(柿澤勇人)。政子(小池栄子)が愛息の栄達を喜ぶ中、鎌倉殿への野心に燃える公暁(寛一郎)は三浦義村(山本耕史)のもとを訪れ、鶴岡八幡宮で執り行われる拝賀式について密談を交わす。三浦館の動きに胸騒ぎを覚える泰時(坂口健太郎)。一方、義時(小栗旬)の周りでは、朝廷と鎌倉の橋渡し役として存在感を高める源仲章(生田斗真)がのえ(菊地凛子)を……
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」公式サイトより
鎌倉最大の悲劇の日がやってきてしまいます。
源氏嫡流の血が途絶えることになってしまうこの事件がとうとう来てしまいました。
三浦の繁栄を狙い、公暁の憎しみを煽る義村の暗躍、恐ろしいですね。
漸く平穏が訪れたと思った矢先の出来事に、政子は崩れ落ち、鎌倉は激震します。
義時の命も狙われているのですが、果たしてどうなってしまうのでしょうか。
次回、第44回「審判の日」、何が起こるのか、誰が殺されるのか、ドキドキが止まりません。
最後に
野心たっぷりに帰ってきた公暁ですが、あっさりと夢は破れてしまいました。
幼い頃の呪いの言葉も思い出し、北条への憎しみを募らせます。
寛一郎さん演じる公暁の激しい怒りと悲しみの演技、その迫力に圧倒されました。
そしてそれを煽る三浦義村の白々しい演技にも惹きつけられました。
義時を裏切ることはできない、などとどの口が言うのでしょうね。
本当にふてぶてしくて、計算高くて、凄い人です。
山本耕史さん演じる三浦義村の曲者ぶりが素晴らしかったです。
静かに語り合う義時・泰時親子の時間が良かったですね。
ここのところ、いがみ合うばかりだったので、息子の器の大きさ、自分の成しえなかったことを託す父親の思いなどがにじみ出て、とても素晴らしいシーンでした。
それにしても、本当に生田斗真さん演じる源仲章は人をイラつかせる表情、表現が素晴らしい。
執権になろうかな、と言って高笑いするあの顔、凄かったですよね。
ものすごく印象に残りました。
その後、のえにも急接近するようですが、なんの企みがあるのでしょうか。
のえも野心たっぷりだから、話が合うのでしょうが、危険な人物だから気を付けて、と言いたくなってしまいますね。
まあ、のえも野心のせいでこの後大変なことになるのですが。
官位を得た政子の喜びは可愛かったですね。
かつて、頼朝が征夷大将軍になった時のことを思い出しました。
あの廊下で2人、喜び合っていました。
今度は息子と同じように喜び合う、可愛いシーンでしたね。
さて次回、第44回「審判の日」では、鎌倉最大の悲劇と言われる事件が起こってしまいます。
これにより、鎌倉は激震するのですが、一体どうなってしまうのでしょうか。
ドキドキが過ぎて、次回が待ちきれないですね。