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どうする家康 第23回「瀬名、覚醒」のあらすじと感想

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嵐の松本潤さん主演の2023年大河ドラマ「どうする家康」。

脚本は、稀代のストーリーテラー・古沢良太さんです。

毎週日曜BSプレミアム午後6時~、NHK総合午後8時~放送されます。

徳川家康の生涯を新たな視点で描く、スピード感溢れる波乱万丈の戦国エンターテインメント。

こちらでは、大河ドラマ「どうする家康」のあらすじ、ネタバレ、感想をお届けします。

さて、第23回「瀬名、覚醒」では、瀬名(有村架純さん)が武田の使者と密会していると五徳(久保史緒里さん)が信長(岡田准一さん)に伝えてしまいます。

これにより、信長から言いがかりをつけられ、苦渋の末、処断する覚悟を決めたのです。

しかし、信長の本当の狙いは水野(寺島進さん)の処分だったのでしょうか。

瀬名が覚醒とありますが、瀬名は一体何をする気なのでしょうか。

目次

前回のあらすじ

天正3年(1575年)、長篠城を救うため、織田・徳川連合軍が動き出しました。

しかし、数的には圧倒的に有利なはずなのに、動こうとしない信長に焦れ、家康(松本潤さん)は、酒井忠次(大森南朋さん)に命じて、単独で奇襲を決行します。

本来ならば、退路を断たれる前に引くはずの武田軍でしたが、信玄の遺志を継いだ勝頼(眞栄田郷敦さん)は、味方を鼓舞し、信長と家康の首を取ると突撃してきたのです。

設楽原に到着してから、馬防柵ばかり作ってきた信長はその時を待っていました。

前方から襲い掛かってくる騎馬隊を十分に引き付けると訓練された鉄砲隊が一斉に引き金を引いたのです。

銃撃により騎馬から落ちる者多数。

従来の鉄砲であれば、次の銃撃まで時間がかかりますが、よく統率された織田の鉄砲隊は、間を置かずに前後を入れ替え発砲。

この、間をおかない銃撃により、武田の騎馬隊は次々と撃たれていきました。

そして、先陣を務めた武田の山県隊は壊滅してしまったのでした。

設楽原の戦い終結後、家康は、織田軍の圧倒的な力を見せつけられ、臣下に下ることを決意しました。

信長は、家康の願いを聞き入れ、臣下に迎える許可を出しましたが、娘の五徳には、徳川の連中を良く見張れ、と命を出したのです。

信長の戦いを目の当たりにし、その後何度も戦を重ねた家康の嫡男・信康(細田佳央太さん)は、夜ごと、戦の悪夢に魘されるようになっていました。

前回、第22回「設楽原の戦い」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。

それでは、第23回「瀬名、覚醒」のあらすじと感想です。

変貌する信康

設楽原の戦いで深い衝撃を受けた信康。

しかし武田との戦はまだまだ続いていました。

勝頼は岡部元信に命じ、元今川の領地・小山城を奪い取ろうとしていました。

家康は信康と共に戦場に出ていますが、最近の信康は血気盛ん、荒ぶる心を抑えられず、総大将である家康の命に従わず、引けと言われていても反発、殿を務めると言うと、自ら槍を振るい敵を寄せ付けなかったと言います。

五徳は、勇ましいその様子に満足そうですが、瀬名は、総大将である家康の命に背き殿として出たことを不安視します。

かつて、築山で庭に蹲り涙を流していた信康を思い返し、不安を募らせるのでした。

新しい側室

遠江の浜松城にて、家康は側室のお葉(北香那さん)に肩をもんでもらっていました。

お葉は家康を心配し、家康を慰める側室を用意してはどうかと提案します。

「まあ、そのうちにな」と答えた家康は、甘い物を求めて台所に行きました。

そこで、無花果を食べていた家康を井伊万千代と勘違いし、尻をひっぱき「またつまみ食いして、どうせまた若い女子をかどわかしに来たんじゃろ、いい加減にしなされよ、女たらし」と叱り飛ばす侍女。

酷い近目で万千代と間違えたと平謝りする侍女・於愛(広瀬アリスさん)を、家康は何も言わず「万千代はそんなことをしているのか、叱らねばならんな」というと立ち去りました。

千代の訪れ

築山には武田の歩き巫女・千代(古川琴音さん)が訪れていました。

千代は占いと称し、武田と徳川の戦はまだまだ続くと嘯きます。

瀬名はそれを千代の願望と言い、和睦を勧めるのですが、千代は、心配無用。勝頼様はますます意気軒高、と言うのです。

そして、困っているのはそちらでは。織田と手を組んでから戦続き。岡崎はずっと盾にされている、和睦を望んでいるのは瀬名ではないのか、いつまで織田の手先となっているのだ、岡崎と信康を救えるのは瀬名だけ、と瀬名を誘惑するのです。

瀬名は、千代さんは話を作るのが上手、と言います。

千代は、お方様はお心を隠すのが上手、と言い返すのでした。

見せしめ

2人の密会は、築山の門番から五徳に伝わりました。

信長から命を受けていた五徳は築山の門番を買収していたのです。

五徳は千代の訪れを信長に報告しました。

報告を受けた信長は、佐久間信盛(立川談春さん)を呼び出し、「見逃すわけにはいかん、裏で武田とこそこそやってる奴がおる」と言うのです。

佐久間は、水野信元を信長の前に呼び出すと、今村城の武田勢にこっそりと兵糧を送っていただろうと糾弾します。

信長は水野に「追って沙汰は申し渡す、岡崎で待て」と言うのです。

遠江・浜松城にやってきた佐久間は、家康に成敗するようにと命じたのです。

岡崎にやってきた家康。

水野は大樹寺で、久松長家(リリー・フランキーさん)の世話になると言い出て行ったと報告されました。

信康は家康に成敗するよう命じた信長を罵倒します。

家康はそれを許さず、信康を諫めようとするのですが、信康は強く反抗し、家康を臆病者と罵ったのです。

大樹寺にいた水野はやってきた徳川家臣団と家康に取り囲まれました。

水野は、これは誤解、こんなことは誰もがやっていること、自分だけではない、と言い張ります。

なぜ俺が、しかも甥っ子の前で…、と呟いたのです。

そして分かった、と言いました。

自分が岡崎に入ったのは、家康に対する見せしめだというのです。

裏でこそこそやっている奴はこういう目にあうぞ、と忠告だというのです。

「お前もやっているのか」という水野に、自分はやってない、と言う家康。

「ならばお前の身内の誰かじゃ、俺が岡崎に入らされたのもそういうことだろ。ああ、俺は何も知らん。だが、信長は知っているぞ。気を付けろよ家康、信長は全てお見通しだ」と言ったのでした。

水野は切腹すると見せかけ、久松を人質に取り、逃亡を図ろうとしましたが、平岩親吉(岡部大さん)に討ち取られ絶命。

家康は、伯父・水野のもとに走り寄ると水野の死を悼みました。

城に戻った久松は、妻・於大(松嶋菜々子さん)に自分は隠居する、もう、家康のもとに出仕はしない、と宣言、於大に許してくれ、と言うのでした。

岡崎城にて、平岩は瀬名に役目を果たしただけ、と慰められます。

五徳は、「我が父は裏切りを決して許しませんから。母上、我らも気を付けなければなりませんな。疑われることがないように」と瀬名に言うのです。

浜松にて、側室・お葉は落ち込む家康を慰めるため、笛の上手いという侍女を連れてやってきました。

しかし、その笛は決して上手いものではなく、かえって眠れない、と家康は零します。

子供の頃は上手かった、と現れたのは家康を叩いた於愛でした。

家康は、もう少し笛を聞かせてくれ、と於愛に言い、下手なりに一生懸命吹く於愛に笑顔を見せました。

その様子を見ていたお葉は気を利かせてその場を去ったのでした。

築山にて、瀬名は千代の言葉を反芻していました。

新しい側室

天正4年(1576年)、春。

瀬名は、奥平に嫁ぐ亀姫(當間亜美さん)と花を活けていました。

時々帰ってくる、という亀を諭し、奥平によく尽くせ、と言う瀬名に、亀は「長い間お世話になりました」と頭を下げたのです。

瀬名も「こちらこそ」と言い、涙ぐむ亀の涙を拭うと、「そなたは笑顔が似合うぞ」と言うのでした。

築山に鳥居元忠(音尾琢真さん)とお葉と於愛がやってきました。

鳥居は、於愛は西郷の出で、戦で夫を亡くし、浜松で働きながら娘を育てていると紹介します。

笛が上手く、働き者で、奥でも気に入られている、於愛ならば奥を任せても大丈夫、とお葉が言うのですが、於愛自身が、そんな者ではない、笛は下手で怠け者、と正直に話したのです。

於愛の大らかで純朴なところが気に入った瀬名は「殿をよろしく頼みます」と頭を下げました。

於愛を側室として認め、浜松に戻した瀬名は、「これで安心じゃ」と呟き、家康から貰った木彫りの兎を手に取り、その時のことを反芻していました。

壊れゆく信康

浜松の使者が帰った後、築山に慌てた使者が駆け込んできました。

信康が狩りの帰りにたまたま出くわした僧を斬り殺したというのです。

平岩が、何の罪もない僧をなぜ斬ったのか、と問い質すと、信康は狂ったように、狩に僧は縁起が悪い、僧は自分をあざ笑った、呪術を掛けた、と叫びました。

平岩は、このような狼藉は城主として威信を失います、と何度も諫めるのですが、「儂に逆らう奴は斬る」と乱暴に刀を振りかざす信康。

皆が遠巻きにする中、瀬名は進み出て、五徳と姫が怯えている、と諫めたのです。

呆然として周りを見渡した信康は倒れました。

床に伏した信康は、後悔を口にしました。

何と言って謝ればいいのか、皆が強くなれと言うから、自分は強くなった、しかし、自分が自分で無くなった、いつまで戦えばよいのか、いつまで人を殺せば、と泣きながら怯える信康に、瀬名は自分の秘めた思いを打ち明けたのです。

「母には、ずっと胸に秘めてきた考えがある。誰にも知られてはならぬ、恐れ多い謀じゃ。されど、もし其方がやるというのなら、母は全てをかけてそれを成す覚悟ができている」

翌朝、千代との連絡の祠に花が活けられました。

後日、瀬名は、築山の門番も侍女も全て入れ替え、千代を呼び出しました。

そして、「上の者を連れて参れ。大事な話ができるそなたの頭を」と命じたのです。

五徳はそれを不審に思います。

石川数正(松重豊さん)も、瀬名の動きを不審に感じ、家康に進言しました。

水野が口にした身内にいる裏切り者について、ずっと考えていたと言います。

瀬名を疑うような発言をした石川を制した家康は、瀬名はただ草花が好きな、嫋やかな妻だと瀬名を庇うのです。

築山には、変装した千代が唐の医師・滅敬を連れて来たと紹介しました。

瀬名が薬作りに凝っていると聞いてやってきたと言う滅敬とは、変装した武田の穴山信君(田辺誠一さん)でした。

その場には信康もおり、瀬名は千代と滅敬を歓迎し、ぜひご指南頂きたいと招き入れたのでした。

次回、第24回「築山へ集え!」

瀬名(有村架純)と信康(細田佳央太)が各地に密書を送り、武田方をはじめ多くの者が築山を訪ねていること知った家康(松本潤)。これが信長(岡田准一)に伝われば、命より大事な妻子を失うことになる。苦悶の末、家康は数正(松重豊)らと共に築山へ踏み込む。だが瀬名は、家康が来るのを待ち構えていた。瀬名は、内々に進めていた途方もない計画を明かし…。

NHK大河ドラマ「どうする家康」公式サイト

とうとう瀬名が動き出しました。

壊れてしまいそうな我が子・信康を見ていられなかったのですね。

しかし、その企ては家康が知るところになり、信長に伝わることを恐れた家康は、築山に乗り込みます。

次回、第24回「築山へ集え!」で、家康は一体どうするのでしょうか。

家康の決断が気になりますね。

最後に

瀬名が千代と接触したことにより、水野信元が断罪されてしまいました。

五徳の報告を受けた岡田准一さん演じる織田信長の見せしめの仕方が凄かったですね。

家康に忠告するため、伯父である水野信元を糾弾し、その成敗を家康に任せました。

いまいち理解していない家康でしたが、この時代の策士である水野信元は、信長の真意を的確に察し、家康に忠告しました。

寺島進さん演じる策士・水野信元は、軽い口調で時勢を読み、今川から織田に鞍替えし、成功しました。

しかし、武田との繋がりを疑われ処断されてしまいました。

後に信長は、これは佐久間信盛の讒言によるもので、冤罪だったとして水野の領地を我が物にしていた佐久間を追放。

水野信元の末弟を呼び寄せ、旧領を与え水野家を再興させたと言います。

恐ろしい時代だったのですね。

史実では、佐久間信盛の讒言、とされていましたが、今回の大河ドラマでは、五徳の密告による家康への見せしめのために水野は殺されてしまったようです。

寺島さんの水野は、荒い口調で時に家康を苛立たせたりしたりもしていましたが、基本的に家康には親切でしたよね。

大切にしていたように感じました。

ですが、家康への見せしめのために成敗されてしまった水野に、胸が痛くなりました。

最期まで生きようと足掻く姿は見事だったと思います。

どこか憎めない、愛らしい水野信元の退場が残念でたまりません。

家康は、水野が身を挺して教えた忠告を胸に刻んだことでしょう。

新しい側室・於愛の方が登場しました。

広瀬アリスさん演じる於愛はとても可愛らしい方でしたね。

酷い近目で家康を万千代と勘違いし、思いっきりお尻をひっぱたいていました。

笛を吹いてもどこか調子っぱずれで、恥ずかしがるところも可愛かったです。

北香那さん演じるお葉に、素晴らしい侍女と紹介された時も、いちいち訂正してお葉に怒られていました。

大好きな源氏物語の話を瀬名とする時の生き生きとした姿、その飾り気のない、純粋な様子に瀬名は家康を託すことに決めました。

於愛はこれから二代将軍・秀忠を生むことになります。

今後の於愛の登場が楽しみですね。

久しぶりに北香那さん演じるお葉の登場も嬉しかったです。

柔らかくなって、より素敵になっていましたね。

それと同時に、「これで安心」と呟いた有村架純さん演じる瀬名の危うさ、儚さを感じ切なくなりました。

大きなことを成し遂げようとしている瀬名は、家康を守るため、後を託すものを探していたのですね。

大らかな於愛が見つかり安心したようですが、家康から貰った兎を見つめる目が悲しくて堪りませんでした。

瀬名を決断させたのは最愛の我が子・信康の崩壊が原因でした。

虫を愛する心優しい信康が、今回は番組頭から荒々しく興奮した様子を見せていました。

松本潤さん演じる家康の命を聞かず、勝手に戦場に出る姿、信長の犬と家康を責める姿、何の罪もない通りすがりの僧を斬り、それを咎める平岩との会話の中で、どんどん激昂していく姿。

血走った目をして叫ぶ信康の姿は鬼気迫るものがあり、信康がどんどん壊れていく様が手に取るようにわかりました。

細田佳央太さん演じる信康の変貌に驚き、まだその凄まじさに戦慄しました。

しかし、瀬名の前では以前の心優しい信康に戻りました。

それにより瀬名と信康は大きな謀を画策するに至り、築山事件へと発展していくのです。

有村架純さん演じる瀬名は、番組当初から家康を支える強く逞しく優しい妻でした。

徳川の家のことを思い、家臣を思い、子供たちを思い、そして家康のことを思い続けた瀬名。

戦のない世を作るため、万民の願いを叶えるため、動き出した結果、悲しい結末を迎えることになってしまいます。

次回、第24回「築山へ集え!」では、瀬名が大きな望みを叶えるため動き、そしてそれが発覚してしまいます。

家康は一体どうするのでしょうか。

家康の決断は。

家康の悲しい決断を見守りたいと思います。

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