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鎌倉殿の13人 第25回「天が望んだ男」のあらすじと感想

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61作目となる2022年大河ドラマ、「鎌倉殿の13人」。

脚本は、三谷幸喜さん。

主役の北条義時を務めるのは、小栗旬さんです。

毎週日曜(総合)午後8時、(BSプレミアム、BS4K)午後6時、毎週土曜日午後1時5分から再放送が放送中です。

目次

前回のあらすじ

曽我兄弟事件の際、留守居役を任されていた弟・源範頼(迫田孝也さん)は、兄・源頼朝(大泉洋さん)が討たれたと聞き、比企能員(佐藤二朗さん)に唆され、よく確かめもせずに自分が鎌倉殿になろうと動いてしまいました。

無事、鎌倉に戻ってきた頼朝は、大江広元(栗原英雄さん)の讒言により、範頼に謀反の気持ちがあると断じ、断罪を命じました。

範頼は、謀反の心などないと起請文を提出しましたが、それすらも疑われ、大人しく罪を受け入れたのです。

比企尼(草笛光子さん)始め、妻・政子(小池栄子さん)や側近の安達盛長(野添義弘さん)の取りなしもあり、範頼は死罪を免れ、伊豆の修善寺に幽閉されることになりました。

曽我事件の関与を疑われた岡崎義実(たかお鷹さん)は、頼朝挙兵時の功もあり、出家後、鎌倉を去り、この事件はひとまず終わりとなったのです。

後白河法皇崩御により大姫(南沙良さん)入内の話を進められずにいた頼朝は、京で勢力を伸ばしている一条家との繋がりを求め、縁談を進めていました。

しかし大姫は、自分は木曽義高の許嫁であると縁談相手である一条高能を拒絶したのです。

頼朝は、大姫が縁談を断ったことに激怒し、どうにかするよう政子に命じます。

政子に頼まれた阿野全成(新納慎也さん)が大姫の説得を試みるのですが、大姫は余計に心を閉ざしてしまいました。

大姫は、木曽に縁のある巴御前(秋元才加さん)に会いに行きました。

巴は和田義盛(横田栄司さん)の庇護を受けていました。

時が経つにつれて、義高の面影が薄れてしまうことを危惧した大姫は、巴に義高のことを話してもらおうと考えたのです。

巴は、義仲の死の時、自分も死を望んだが、和田と出会い生きていてよかったと感じるようになったと大姫を諭しました。

その言葉に前を向く気になった大姫は、頼朝のため、入内する決意を固めたのです。

建久6年(1195年)3月、頼朝と共に上洛した大姫は、入内に協力してくれるという丹後局(鈴木京香さん)に挨拶に行きますが、そこで強烈な洗礼を受け、自信を無くしてしまいました。

そして深夜、宿舎を飛び出し、雨に打たれて体を壊してしまいます。

鎌倉に戻っても大姫の体調は回復することなく、そのまま20歳という若さで亡くなってしまいました。

頼朝はこの不幸を誰かの呪いと考え、幽閉中の範頼が呪っていると考えました。

頼朝の命を受けた梶原景時(中村獅童さん)は、修善寺に善児(梶原善さん)を派遣し、範頼を暗殺。

そしてまた、頼朝にも死期が迫ってきていたのです。

前回、第24回「変わらぬ人」を見逃した方は、ぜひこちらをどうぞ。

それでは、第25回「天が望んだ男」のあらすじと感想です。

死を恐れる頼朝

薄暗い中を進む頼朝は、家族が横たわる誰かを囲んでいる様子を見つけました。

横たわる誰かを確かめようと布団をめくると、それは、白い顔をした自分だったのです。

頼朝は自分の絶叫で目が覚めました。

朝廷に食い込もうとする頼朝の野望は、大姫の死で頓挫しました。

全てを思いのままにしてきた頼朝は、今、不安の中にいます。

建久9年(1198年)11月27日、頼朝に死は迫っていました。

毎晩同じ夢に魘される頼朝は、弟・全成に相談しました。

すると全成はいくつかの助言をしたのです。

それは、

  • 相性の悪い色、平家の赤を避けること
  • 久しぶりの者との対面を控えること
  • 恨みを持つ者の縁者には気をつけること
  • 昔を振り返らないこと
  • 人に先を託さないこと
  • 仏事神事を欠かさぬこと
  • 赤子を抱くと命を吸い取られる

頼朝の不安は止まらず、全成に詰め寄るように助言を求める頼朝。

全成は半ば口からでまかせを告げ、頼朝の追求を逃れました。

相模川で仏事が行われる予定がありました。

御所に行き、頼朝にその予定を伝えた北条義時(小栗旬さん)。

あまり行きたくない頼朝は、参加に難色を示しそうになるのですが、全成から「仏事神事は欠かさぬこと」と言われていたことを思い出し、参加を決めました。

頼朝の不安は止まらず、北条は信じていいのかと義時に詰め寄ります。

義時は「もちろんです」と答えるのですが、時政は曽我兄弟の事件に関わったと頼朝は言い募るのです。

さらに、範頼を焚きつけたのは比企だ、という噂を聞いたと言うのです。

「もう誰も信じられない」と頼朝は動揺していました。

安達から千葉と土肥が訪ねてきたと言われても、全成の言葉が頭をよぎり、2人との面会を躊躇います。

頼家の正室

頼朝の嫡男・頼家に嫡男・一幡が生まれました。

これにより、次代の鎌倉殿を決めたらどうかと比企能員は側近たちに話します。

一幡は、頼家と比企の娘・せつの間に生まれた子供でした。

次期鎌倉殿は頼家、更にその次は一幡ということで、と言う比企を安達は時期尚早と窘めます。

そこに現れた頼朝も、次期鎌倉殿についての話と聞くと、自分に早くあの世へ行けというのかと不快感を顕にします。

比企は自分が言い出したことにも関わらず、安達の言葉を借りて、場を取り繕うのでした。

御所からの呼び出しがない時政は、北条の館でゆっくりしていましたが、りく(宮沢りえさん)に叱責されてしまいます。

政子の命により頼朝の居室に、伊豆から送ってきた鬼灯を飾っていた北条時連(瀬戸康史さん)は、すぐに取り外せ、赤はいかん、という頼朝に叱責をうけてしまいます。

その時、澄んだ鐘の音が聞こえてきました。

しかしその音は、頼朝にだけ聞こえていたのです。

頼家が生まれた子と共に挨拶に来ましたが、「赤子を抱くと命を吸い取られる」と全成から助言を受けていた頼朝は、勧められても一幡を抱くことを拒絶していましたが、比企一族に是非にと勧められ、断りきれず渋々抱っこすることに。

頼朝に叱責され鬼灯を片付けている時連と義時のところに、時政が合流しました。

りくに叱責され、館を追い出されたというのです。

頼朝が、頼家と一幡、そして比企一族と面会していると知ると「比企の奴、上手くやりやがったなあ」と時政はぼやきました。

すると義時は、範頼の一件で比企が絡んでいると噂が流れていると知った頼朝が、比企を警戒していると漏らしました。

その噂は、時政が流したものでした。

それもあって、頼朝はせつを頼家の正室にはしたくない、という意向をもっていました。

そこに頼家が義時に「他に妻にしたい娘が居る」と相談にきました。

その娘は、三浦義村が仲介したつつじという娘で、頼朝の叔父・鎮西八郎為朝の孫娘だというのです。

一幡を生んだせつではなく、つつじを正妻にし、せつを妾にしたいと訴える頼家。

義時は、比企との対面を終えた頼朝を呼び止め、頼家のことを報告します。

すると頼朝は源氏の血を引く娘であることに喜び、頼家のいうように、つつじを正室、せつを側女と決定したのです。

相模川の追善供養

北条時政の四女・あきは稲毛重成に嫁いでいましたが、3年前に病で他界。

あきの追悼のため、稲毛重成は相模川に橋を架け供養しようとしていました。

その供養が行われる日、稲毛の館には北条一門が集まっていました。

頼朝も供養に向かうのですが、出発前、梶原景時に自分に何かあったら頼家を頼む、と後を託したのです。

縁起を担ぐため、方違えをして吉の方角である和田義盛の館に寄ってから相模川に向かうことにした頼朝。

和田の館には、木曽義仲に縁のある巴御前が住んでいました。

頼朝は巴との対面を望むのですが、義仲の仇である頼朝に会いたくない巴は対面を拒絶。

諦めて館を出た頼朝ですが、進もうとした道が工事中で、前に進めず、一旦和田の館に戻ることに。

頼朝が怒って戻ってきたと考えた和田は、巴に頭を下げて頼み込み、頼朝に挨拶させることに成功しました。

そうして渋々頼朝と対面した巴に、頼朝は義仲のことを謝罪したのです。

「義仲殿も儂も平家を討ってこの世を正したいという思いは一緒であった、すまぬ」という言葉を紡いだ頼朝。

すると頼朝ははっとして、「振り返ってはならんのだ」と和田の館を飛び出しました。

相模川の追善供養が行われる寺に到着した頼朝。

供養が無事に終わると、北条一門は総出で丸餅を作り始めました。

これは伊豆にいた頃からの習わしでした。

1人休んでいる頼朝のところに、りくが訪れました。

りくは同じ京育ちの頼朝とは話が合うと思っていた、と話し始めます。

頼朝に、いずれは京に戻るのかと尋ねると、頼朝は都人との付き合いの難しさを憂い、鎌倉を京のように栄えさせると語ります。

りくはそんな頼朝を「臆病なこと」と詰ります。

時政に野心はないのかと探る頼朝。

りくは、時政がそんなだいそれた事を考えてくれれば嬉しいのですが、と笑います。

そうしていると、時政が出来上がった餅と共に酒を運んできました。

頼朝は時政に何か不満はないのかと尋ねます。

すると時政は、そんなものあるわけがない、と言うのです。

時政は頼朝に酒と餅を振舞っていましたが、突然頼朝が餅を喉に詰まらせてしまいます。

時政は急いで人を呼び、駆けつけた義時が思い切り背中を叩いて頼朝を助けました。

「死ぬかと思った」と呟いた頼朝。

政子たちは、頼朝の無事を喜びあったのでした。

政子と義時が頼朝を介抱していました。

頼朝は、政子と義時に言っておきたいことがある、と言います。

「頼家のことじゃ。我が源氏は帝をお守りし、武家の棟梁としてこの先100年も200年も続いていかねばならん。その足掛かりを頼家が作る。小四郎、お前は常に側にいて頼家を支えてやってくれ。政子もこれからは鎌倉殿の母として頼家を見守ってやって欲しい」

まるですぐにでもいなくなるような言い方をする頼朝。

すると頼朝は、自分は近々頼家に鎌倉殿を譲り、大御所になろうと思う、と打ち明けました。

大御所になってどうするのか、と尋ねた義時に「さあ、どうするかの。船でも作って唐の国に渡りどこぞの入道のように交易に力を入れるかの」と笑います。

「小四郎、儂はようやくわかった。人の命は定められたもの。抗ってどうする。甘んじて受け入れようではないか。受け入れた上で好きに生きる。神仏に縋って怯えて生きるのは時の無駄じゃ。神や仏には聞かせられぬ話だがの」と頼朝は穏やかに笑ったのです。

義時は、「鎌倉殿は昔から私だけに大事なことを明かしてくれる」と誇らしく思ったのでした。

その後頼朝は、一足先に御所に戻るといい、供をすると言う義時を断り、久方ぶりの北条一門の集まりに参加しろと気遣ったのです。

頼朝、落馬

安達と2人、御所に向かう頼朝。

頼朝の馬を引き、歩いたことがあったと安達は懐かしみます。

そして、過去を振り返ってしまった、と慌てて謝罪したのです。

頼朝は、「かまわん、好きなだけ振り返れ」と全て解禁しました。

そして頼朝が「初めて北条の館に…」と話し始めた時、異変は起こりました。

頼朝の右手が震えだし、木々のざわめきに怯え、目が眩みそのまま落馬してしまいました。

その時、政子や畠山重忠、頼家、和田義盛、三浦義村、大江広元、梶原景時、比企能員、りくたちの耳に、鐘の音が鳴り響きました。

落馬した頼朝は、安達の必死の呼びかけにも答えず、意識を失ったままでした。

次回、第26回「悲しむ前に」

安達盛長(野添義弘)が涙に暮れる中、義時(小栗旬)は先を見据え、大江広元(栗原英雄)らと頼朝の嫡男・頼家(金子大地)を次の鎌倉殿とする新体制作りを始める。しかし、比企能員(佐藤二朗)の力が増すことを嫌うりく(宮沢りえ)が、夫・北条時政(坂東彌十郎)をたきつけてこの流れに対抗。鎌倉に不穏な空気が流れる中、狩りから戻った頼家は……

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」公式サイトより

とうとう頼朝が倒れてしまいました。

鎌倉のことを考え動き始めた義時ですが、比企と時政が対立し、鎌倉が分裂の危機に陥ります。

次期鎌倉殿は一体誰になるのでしょうか。

義時、政子はどんな判断を下すのでしょうか。

比類なきカリスマ性を持った頼朝亡き後の鎌倉は一体どうなってしまうのでしょうか。

次回、第26回「悲しむ前に」、偉大な柱を失った鎌倉の行く末が気になりますね。

最後に

大泉洋さん演じる頼朝の最期の回でした。

死を恐れる頼朝の困惑、動揺が非常によく伝わりました。

全成の助言を間に受ける頼朝の姿があまりにも哀れで、それほどまでに死が怖いのか、と頼朝の生への執着が伝わってきました。

まあ、全成の助言は半分嘘でしたし、頼朝もほとんどの助言を守れませんでしたが。

コミカルな演技も、真摯な演技も、迫力のある演技も素晴らしく、たった一言のセリフでもそこにいろいろな感情を乗せ、とても味のある、魅力的な頼朝を大泉洋さんは演じてくださいました。

女にだらしなく、勝てる戦しかしたくないという弱腰だった頼朝が、時が経つごとに逞しく冷酷に策を巡らせる人に変わっていきました。

味方も身内も邪魔者は冷酷に排除してきた頼朝ですが、ただ恐ろしいだけでなく、大泉洋さん演じる頼朝は、人間味に溢れ、時に間抜けでお茶目、憎めないキャラクターでした。

人を惹きつける魅力あふれる頼朝でした。

あれだけ右往左往していた頼朝が、最後に悟ったように穏やかに笑う姿は印象的でした。

どんなに人を疑っても、義時だけは(安達もですね)信頼していた頼朝。

今回は2人の絆がよく伝わってきました。

小池栄子さん演じる政子との絆の深さもですね。

2人で言い争いながらでも最後には笑ってしまう、2人の夫婦関係が素敵でした。

さて、次回は頼朝亡き後の鎌倉殿の座を巡っての争いが勃発します。

あまり野心を表に出さなかった北条時政ですが、愛妻・りくに焚きつけられて全成擁立に動き出してしまいます。

それが吉と出るか凶と出るか。

狩りが下手で女癖が悪いという、これまであまり良い印象でなかった頼家はどう出るのでしょうか。

比企と時政の全面対決、その時、義時や政子はどう決断するのか、次回第26回「悲しむ前に」も見所満載で、目が離せませんね。

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