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どうする家康 第9回「守るべきもの!」のあらすじと感想

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嵐の松本潤さん主演の2023年大河ドラマ「どうする家康」。

脚本は、稀代のストーリーテラー・古沢良太さんです。

毎週日曜BSプレミアム午後6時~、NHK総合午後8時~放送されます。

徳川家康の生涯を新たな視点で描く、スピード感溢れる波乱万丈の戦国エンターテインメント。

こちらでは、大河ドラマ「どうする家康」のあらすじ、ネタバレ、感想をお届けします。

さて、第9回「守るべきもの」では、誰も信じられなくなった家康が、重臣・鳥居忠吉の言葉にある決意を固め、一向宗の軍師と対峙します。

家康が固めた決意とは、家康が真に守るべきものとは一体何なのでしょうか。

目次

前回のあらすじ

一向宗との全面対決に臨むことになった松平家康(松本潤さん)。

元々一向宗信徒が多く、家臣たちの家来たちも寺へ走る者が多数出る始末。

残った家臣たちも、相手が寺院で、攻撃したら仏罰が下るのではないか、寺に走った家臣たちと対峙することはできないなど、様々な理由で軍議が進みません。

そんな家臣たちに家康は苛立ちを募らせます。

対する本證寺は仏敵・家康に対し、一丸となって戦う気でまとまっています。

本證寺に攻め込んだ家康勢ですが、宗徒たちの激しい抵抗になかなか鎮圧することができません。

家康の家臣の一人・夏目広次(甲本雅裕さん)は、本證寺で敵として家来と出会ってしまい、戦ったことで家来を失っていました。

一向宗徒は、家康に不入の権を守って欲しいだけだと夏目は訴えるのですが、今止めては家康が三河を束ねることができない、と家康も家臣たちも頷くことはできません。

本證寺には、民だけでなく吉良義昭や松平昌久などの武将も集まっていました。

この一向一揆に加え、三河各地から家康に反旗を翻す者たちが現れ、三河は泥沼の内戦状態になっていました。

そんな時、家康の家臣たちに吉良からの誘いがやってきました。

主を裏切れない、という思いと仏への思いで揺れる家臣が多数。

多くの家臣が一向宗の寺に走ってしまった夏目も迷い、そして家康を裏切りました。

家康は服部党を本證寺に潜入させ、住職・空誓(市川右團次さん)を暗殺するよう命じました。

そして服部党は本證寺に潜り込み、空誓暗殺の機会を窺いつつ、軍師を見極めたのです。

その頃、家康のもとに大久保忠世(小手伸也さん)からの援軍要請が入りました。

家康は自ら出陣することを決め、家臣から「北が手薄」と情報を得て北から攻め込みました。

しかしそれは、家康を狙撃するための罠だったのです。

まんまと罠に嵌った家康は、頭を撃たれてしまいますが、金陀美具足が弾を弾きます。

狙撃により気を失った家康は、今は亡き今川義元の夢を見ました。

義元は「世界の主は誰か」と問いかけます。

家康は義元と答えるのですが、義元は深いため息をつき、世界の主とは民、民に見放された時こそ我らは死ぬ、と教えたのです。

気を失った家康を取り囲んだ一向宗徒。

目を覚ました家康に向かって刃が振り下ろされます。

その刃が家康を貫こうとした時、家康を裏切ったはずの家臣が家康に覆いかぶさり、刃を防ぎました。

裏切った長吉は、家康と仏の間で苦しみ、家康を罠に嵌めてしまったことを後悔していました。

家康の代わりに刺された長吉は死の間際、裏切り者は近しい家臣にいる、と言い事切れました。

その言葉により身近な家臣が信じられなくなった家康。

そこに本證寺から戻った服部半蔵が、一向宗の軍師の名を告げました。

その軍師の名は本多正信(松山ケンイチさん)。

前回、第8回「三河一揆でどうする!」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。

それでは第9回「守るべきもの」のあらすじと感想です。

引きこもった家康

幼い頃、幼馴染の女の子を守れなかった本多正信。

一向宗の寺・本證寺で過去のことを思い出していました。

不入の権を犯し、一向宗の寺から年貢を取り立てたことから始まった三河一向一揆。

民をも巻き込み戦は泥沼化。

さらに敵対勢力の便乗により、三河の国は内戦へと突入しました。

家臣の裏切りも相次ぎ、家康は絶体絶命の危機にありました。

岡崎城では、本證寺の軍師が本多正信だと噂が広がりました。

酒井忠次(大森南朋さん)や石川数正(松重豊さん)にも吉良からの誘いが届いており、即座に破り捨てようとしていた家臣たちも、家康が家臣から遠ざかっているため、考えなければならない、と迷っていました。

本證寺に滞在する吉良と松平昌久は今こそ家康を倒す、と血気にはやっています。

歩き巫女の千代(古川琴音さん)は松平昌久が松平の宗家になれると焚きつけます。

岡崎城の軍議では、攻め手の将を誰にするか、なかなか決まりません。

元々気乗りしない戦、しかも先が見えない、士気が下がるのも当たり前、と榊原康政(杉野遥亮さん)は言います。

これからどうするのか道筋を決めてくれなければ我らはこれ以上動けない、と本田忠勝(山田裕貴さん)も言います。

家臣団の困惑を見ていた鳥居忠吉(イッセー尾形さん)は、1人席を立ちました。

忠言

具合が悪いと部屋に閉じこもっていた家康の元を訪れた鳥居忠吉。

嫌がる家康の部屋に無理矢理入り、「口うるさい隠居の最後の小言だと思って聞いてくだされ」とにこやかに話し出しました。

家康が取るべき道は2つに1つ。

家康の祖父と父は信用する家臣の裏切りによって命を失いました。

今でもよく考える、どうやったら避けることができたのか、どうやったら救うことができたのか、何度考えても避けることはできなかったと思われる、つまるところ主君というものは、家臣を信じることしかできない、主君が家臣を信じなければ、家臣は主君を信じません、と鳥居忠吉は言います。

「信じて裏切られたらどうする?」と問い質す家康。

「その時はしょうがない」と忠吉は言います。

「もう1つの道は?」と言うと、謀反の疑いがある者は1人残らず片っ端から殺すこと、もし、殺すことに決めたのなら、自分からにしてくれ、病で死ぬより楽そうだから、そう言いながら、鳥居忠吉は部屋を出ました。

鳥居忠吉の言葉に決意を固めた家康は部屋から出て、家臣たちのいる部屋へと行きました。

不安げに家臣たちを見回した家康は、突然声を荒げました。

「儂に付いて来いとは言わん、主君を選ぶのはお前たちだ。好きな主を選ぶがよい。

儂は、お前たちを信じる。供をしたい者だけ参れ!」

そういうと家康は部屋を飛び出しました。

家臣たちは続々とその後を追いかけます。

酒井と石川は、吉良からの誘い文を笑いながら破り捨てました。

正信の戦い

この後、家康は次々と敵を撃破。

戦況は徐々に家康側に傾き、一揆側は次第に追い詰められていきました。

死者が多数寺に運び込まれてきます。

手を合わせる空誓に、本多正信は我らは負けない、と言い放ちます。

空誓は、正信になぜこの寺にいる、と問いかけます。

寺を利用しているなら…、という空誓に正信はそうではない、ただここにいたいから、それではいけませんか、と訴えます。

そこに、家康が攻め込んできたとの知らせが入りました。

正信は家康の前に出ると、殿は絶対に勝てない、御仏の子たちは止められない、親が死ねば子が、さらにその子が戦う、戦は止まらない、殿は絶対に負けるのだ、と家康に向けて鉄砲を向けた正信に、大久保の弾が当たりました。

「愚かなり、弥八郎」

8年前、大久保と正信は盗賊の根城を突き止め、潜入していました。

敢えて泳がせ、根城を突き止めたのです。

皆殺しにしよう、正信が言い、大久保が斬り込んでいきます。

正信は陰から矢で援護していきます。

盗賊の後ろから負傷した女がよろよろと出てきました。

遊び女と思った正信は、女を楽にしてやろうと止めを刺そうとしますが、女の黒子からそれがかつて守れなかった女の子・たまだと気づきました。

たまを連れて脱出した正信。

瀕死のたまは、寝ていろ、という正信の言うことを聞かず、数珠を取り出すと一心不乱に仏に祈りを始めました。

この世は苦しいことばかり、仏様のもとに行きたい、と一心不乱に祈ります。

正信はそれを呆然と見ていました。

大久保に撃たれて気を失っていた正信は、8年前の夢から覚めました。

和睦

岡崎城に信長の使いとして伯父・水野信元(寺島進さん)がやってきました。

不毛な戦いに幾月かかっているのかと信長が怒っているというのです。

長引けば長引くほど三河の国が衰えてくる、勝ったところでその頃には三河の国はボロボロ、寺と和議を結べ、今まで通り、全て元通りにするといって手打ちにしろ、というのです。

家康は、それはできない、と主張します。

石川も、寺も元通り、逆臣もなんのお咎めもなしでは示しがつかない、と反対します。

水野は呆れたように言います。

「お前らほんとに馬鹿正直だな、方便だ」

本證寺に和議の申し出が来ました。

渡辺守綱(木村昴さん)は喜びますが、正信は罠だと言い、空誓に絶対に応じてはいけない、と言い募ります。

和議を結んで兵を取り上げ一揆を鎮めた後、丸裸になった寺を潰す、騙されてはいけない、と主張したのです。

空誓は、正信の言い分を肯定しながら、この子たちにもっと戦って来いと言えというのか、自分には言えない、と呟きます。

自分はこの子らの暮らしを守りたかった、というと、宗徒たちに謝り始めました。

大変な過ちをしてしまった、全部自分のせいだと空誓は頭を下げます。

宗徒たちは、空誓のせいではない、と皆で泣き崩れました。

8年前、正信が連れ出したおたまは、正信の看病のかいもなく息を引き取りました。

手にしっかりと数珠を握りめたまま。

正信はたまの手を取ると、何度も何度も「南無阿弥陀仏」と唱えました。

そして現在、泣き崩れる人々を正信はただ黙ってみていました。

岡崎城にやってきた空誓は、自分はこんな紙切れは信じていない、自分は家康の心を信じたい、と家康を見据えます。

「儂の目を見て、寺は必ず元通りにするとおっしゃってくださらんか」と言いました。

家康は、視線を下げ、しばらくした後、ゆっくりと空誓を見据えると「寺は元通りにいたす」と告げました。

空誓は、家康の言葉を聞くと、目線を下げ何度か瞬きすると、ゆっくりと和議状に血判を押しました。

三河一向一揆が終結しました。

戦後処理

「夏目広次、そなたには多くの家臣から助命嘆願が出されている、謀反の罪、不問といたす」家康はそう決めたのです。

夏目は言葉を失い、ぶるぶると震えながら泣き咽びました。

申し上げることはない、と城に来なかった本多正信がいる本證寺に家康は出向きました。

家康「おぬしのことじゃ、分かっておるじゃろう。初めから寺をもとに戻す気など…」

正信「感心しております、お人よしだった殿が、なかなか強かになられた」

家康「なぜ、弁明しに出て来ない、過ちを悔いているとそう申せば儂が皆を説得して…」

正信「背いた家臣たちも許していかなければ三河が持たない、それはわかります。しかし私は殿を殺そうとしたのですよ、その私までお許しになってはさすがにまずいでしょ。それに過ちだの悔いておるだの、左様なことはたとえ嘘でも申すことができません。過ちを犯したのは殿だから。

殿は阿弥陀仏に縋る者たちの心をご存じない、毎日たらふく飯を食い、己の妻と子を助けるために戦をするようなお方には、日々の米一粒のために殺し合い奪い合う者たちの気持ちはお分からりにならんでしょう。

仏にすがるのは現世が苦しいからじゃ。生きているのが辛いからじゃ。

殿が、お前が民を楽にしてやれるのなら、誰も仏にすがらずに済むんじゃ。

その為に民はお前にたらふくを米を食わせているんじゃ、

己はそれをなさずして、民から仏を奪うとは何事じゃ、この大戯けが!

悔いなければならんのは殿でござる」

家康は「とうに悔いておる。儂はずっと悔いておる。だが、この国を立て直さねばならぬ。

その為に過ちを全て引き受け、儂は前へ進む」と宣言しました。

正信は、「切腹でも打ち首でも何なりとお申し付けくださいませ」と言います。

家康は、「本多正信」というと正信の縄を斬り、「この三河から追放とする、2度と戻ってくることあいならぬ」と言い渡しました。

項垂れた正信は「長年の御恩、心より御礼申し上げます」と平伏しました。

「時に殿、此度、寺を元に戻すと約定を交わした上には、取り潰すために曲がりなりにも言い訳がいりまするぞ、なんと言い訳するおつもりで?」

頭を抱えておる、という家康に、ため息を1つつくと、「寺があった場所は、元の元はのっぱらなり、元ののっぱらに戻す、でいかがかな?」と笑ったのでした。

家臣たちは、三河家臣団の結束は強まった、と御旗を掲げます。

そこには「厭離穢土欣求浄土」と書かれていました。

いたたまれなくなった家康は立ち去りました。

家康は部屋で1人座っていました。

瀬名がやってきて隣に座ると、家康は心情を吐露しました。

「綺麗ごとにしてはならん。儂は愚かなことをした。儂が守るべきものは民と、家臣たちであったというのに」

ならば、これから成し遂げましょう、と瀬名は言います。

「厭離穢土欣求浄土、汚れたこの世を浄土に」

「そんな大それたことができるのかな、この儂に」と家康は泣きます。

「できるような気がします、なんとなく」と瀬名は言います。

「なんとなく、の」

「ええ、なんとなく」と言う瀬名。

城では楽しそうな海老すくいの声が響いていました。

歩き巫女

歩き巫女たちが続々と武田領へと入っていきます。

千代は武田信玄と対面していました。

信玄は、「存外早く一揆を収めたな」といいます。

千代はもっと引っ掻き回してやりたかった、と笑います。

信玄は家康について、「松平家康なる将をどう見た」と尋ねます。

千代は、才は織田信長に遠く及ばず、自分が見た中で最も肝の小さい男、しかし、それを誰よりも自分が自覚している面白き人、と評しました。

面白い、と信玄は家康に興味を持ったのでした。

次回第10回「側室をどうする!」

岡崎城近くの築山に、民の声を聞くための庵を開いた瀬名(有村架純)。ある日、於大(松嶋菜々子)は2人に子が少ないことを心配し、側室を迎えるよう主張する。選ばれたのは、不愛想だが気の利く侍女・お葉(北香那)。家康はお葉と一夜を過ごすことになるが、お葉は思わぬ行動にでる!一方、京の都では政変が勃発。織田信長(岡田准一)や武田信玄(阿部寛)の動きも活発化し、家康は時代の荒波に巻き込まれていく…。

NHK大河ドラマ「どうする家康」公式サイトより

三河一向一揆が収まりましたね。

しかし今度は側室問題に家康は悩まされることになります。

京では政変が起こり、信長や武田信玄も動き出しました。

信長と同盟を結ぶ家康も否応なしに時代の荒波に巻き込まれてしまうのです。

次回、第10回「側室をどうする!」、前作「鎌倉殿の13人」に出演した北香那さんが側室お葉として登場します。

なんだか変わった侍女のようですが、今度はどんな演技を見せてくれるのでしょうか。

楽しみですね。

最後に

家康三大試練の1つ、三河一向一揆が終結しました。

家康には辛い戦いでしたね。

己の決断が大変な騒動に発展してしまったのです。

それは後悔するでしょう。

多くの家臣の裏切り、泥沼の内戦。

しかし、鳥居忠吉の忠言によって家康は立て直すことができました。

イッセー尾形さん演じる鳥居忠吉のひょうひょうとした感じで、さらっと家康に忠言するシーンは見応えがありました。

自分の内に閉じこもっていた家康が開眼する様が素晴らしく表現されていました。

鳥居の言葉に決意を固め、家臣たちに自分の決意を表明するシーンは思わず顔がにやけてしまいました。

家康のこの言葉を待ってた、という家臣たちの喜びが伝わってきて、とても意気が上がるシーンでした。

ツンデレ、というのでしょうか、主を選ぶのは家臣の自由、と叫んでおきながら、自分は家臣たちを信じる、と言い切るなんて。

三河家臣団の結束が感じられてとても良いシーンでした。

市川右團次さん演じる空誓の表情の変化にも目を奪われました。

和睦の書に判を押すシーン。

家康の嘘を見抜き、失望したような脱力したような、諦めた眼をした空誓の一挙一動に目を奪われました。

信じたかったんでしょうね、家康を。

甲本雅裕さん演じる夏目広次が許されるシーンはグッときました。

裏切りたくて裏切ったわけではない夏目。

夏目が裏切るにはそれなりの理由があり、前回、夏目が迷い苦しむシーンはとても印象に残っていました。

許されないと思っていた夏目が、家康に許されました。

夏目の戸惑いと喜びと後悔、他にも様々な感情があふれ出ていて、甲本雅裕さん演じる夏目と共に、涙が込み上げてきました。

何と言っても、心に残ったのは松山ケンイチさん演じる本多正信と松本潤さん演じる家康が対峙したシーンでした。

正信を許したい家康ですが、正信はそれを拒否しました。

そして、過去の経験から民の苦しみを知った正信は、家康の無慈悲さを責め、家康が求められている役目を教えました。

松山ケンイチさん演じる本多正信の言葉は胸に刺さりました。

殿に対する言葉遣いではありません。

痛烈な批判でした。

しかし家康はそれを受け止め、前に進むと宣言。

成長しましたね。

物事を安易に判断していた家康が、この一件で素晴らしい学びを得ました。

それを教えたのが本多正信でした。

正信と家康の対峙シーンは、本当に見応えがありました。

死を覚悟した正信を許し、追放と決めた家康。

正信はこれまでの恩への礼を述べ、そこで終わりかと思いきや、また、策士ぶりを発揮してくれました。

いいシーンでしたね。

最後に口元が緩んでしまう、とても素敵なシーンで、感動しました。

少しの間、正信は退場ですけれど、後にまた家康のもとに戻ってきてくれるので、お帰りをお待ちしたいと思います。

さて、次回第10回「側室をどうする!」で、家康は側室を持つことになります。

次回予告を見てもなんだか面白い女性のようですが、さて、どうなるのでしょうか。

次回、第10回「側室をどうする!」も楽しみですね。

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