嵐の松本潤さん主演の2023年大河ドラマ「どうする家康」。
脚本は、稀代のストーリーテラー・古沢良太さんです。
毎週日曜BSプレミアム午後6時~、NHK総合午後8時~放送されます。
徳川家康の生涯を新たな視点で描く、スピード感溢れる波乱万丈の戦国エンターテインメント。
こちらでは、大河ドラマ「どうする家康」のあらすじ、ネタバレ、感想をお届けします。
さて、第21回「長篠を救え!」。
武田の狙いは長篠城。
長篠城を守る奥平信昌は、籠城して武田の猛攻に耐えていましたが、兵糧が足りず、絶体絶命です。
家康に危機を伝えるため、鳥居強右衛門が岡崎へと走ります。
家康は長篠を救えるのでしょうか。
援軍に来た信長は一体どのような条件を突きつけてきたのでしょうか。
前回のあらすじ
武田信玄亡き後、その遺志を継いだ武田勝頼(眞栄田郷敦さん)は、一時は家康に領土を奪い返されたものの、攻勢に転じると、再び家康の脅威となっていました。
勝頼の狙いは岡崎の松平信康(細田佳央太さん)、そしてその母の築山殿(有村架純さん)。
勝頼は歩き巫女の千代(古川琴音さん)を使い、岡崎城の中に揺さぶりをかけていました。
その結果、岡崎城の中には、反信康集団が出来上がっていたのです。
岡崎に狙いを定めた勝頼は足助城に入りました。
臨戦態勢に入った岡崎城では、浜松から石川数正(松重豊さん)らが入り、信康を助けています。
信康は足助城を攻めることを決め、出陣しますが結果は惨敗。
敵にこちらの動きが読まれていたのです。
負傷した兵を懸命に手当てする瀬名と亀(當間亜美さん)。
信康は籠城を決めました。
その頃、高熱で動けない家康の代わりに、浜松では酒井忠次(大森南朋さん)が指揮を取り、岡崎には本多忠勝(山田裕貴さん)、榊原康政(杉野遥亮さん)、井伊虎松(板垣李光人さん)を援軍に送りました。
それでも、信玄の軍略、知略を全て受け継いだ勝頼の強さに家康は不安を覚えるのです。
その夜、岡崎では不穏な集団が集まっていました。
武田の意を受け、信康と瀬名を亡き者にし、岡崎城を勝頼に引き渡そうと企んでいたのです。
そのクーデターは、その日の深夜に決行されました。
しかし、謀反集団の1人が信康側に寝返っていたため、謀反人たちは忠勝たちによって捕らえられ、クーデターは失敗に終わりました。
クーデターの成功を知らせる狼煙が上がらないことで、その失敗を知った勝頼は、岡崎を引き、浜松に向かいました。
井伊虎松を正式に家臣に迎え、家康は勝頼と対峙するため吉田城へと向かいます。
その頃、築山では、瀬名が今回の黒幕である千代を呼び対峙していたのでした。
前回、第20回「岡崎クーデター」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。
それでは第21回「長篠を救え!」のあらすじと感想です。
瀬名と千代
千代を築山に招き、対峙する瀬名。
千代は、「苦しいご胸中、お察しいたします。もはや徳川は風前の灯火。頼みの織田様もこき使うばかりで助けてくれませぬしな。岡崎は岡崎で生き残っていかねばなりますまい。武田はいつでも受け入れますよ。貴方様と信康様を」と言います。
瀬名は、千代の身の上を聞き出します。
千代の幸せを奪ったのは本当は誰なのか、自分と手を結べば、何かできるのではないか、徳川とか武田のためでなく、もっと大きなことが。
千代はしばし考えた後、笑いながら、毒を飲まされるところでした、と言います。
「その綺麗な眼に引き込まれていらぬことまで話してしまう毒でございます、怖いお方でございますね、今日はこの辺で」と千代は去りました。
瀬名は、またおいでください、と送り出したのでした。
行き倒れ
千代が去った後、亀が走り込んできました。
大きな熊か猿が死んでいるのかと思って、石を投げてみたら、起き上がって飯をくださいと言ったと言います。
瀬名と亀は行き倒れていたその人に飯と着物を与えました。
その前日、武田に取り囲まれた長篠城では、兵糧攻めを受け、飢えに苦しんでいました。
城主の奥平信昌(白洲迅さん)は、家臣を鼓舞しながら、徳川の援軍を待っていたのです。
徳川の援軍を待つ家臣たちの中に、徳川の助けなど来ない、武田を裏切って徳川に付いたのは間違えだった、と訴える者がいました。
名を鳥居強右衛門(岡崎体育さん)。
城主の奥平信昌は、もはや武田には戻れない、徳川を頼るしかないのだと訴えます。
すると鳥居強右衛門は、自分が岡崎に走って徳川にこの城の窮状を伝え、早く助けに来て欲しいと伝えると言ったのです。
そうして、鳥居強右衛門は城を抜け出て、谷川を泳ぎ、岡崎に走りました。
しかし、強右衛門が抜け出たことに武田は気づいていたのです。
それでも勝頼は、強右衛門を行かせろ、と命じたのです。
援軍
岡崎では、強右衛門が携えていた書状を見て、どのようにすべきか話し合いが行われていました。
奥平兵は500、武田は徳川の3倍、このまま行っては三方ヶ原の二の舞になってしまいます。
頼るべきは織田しかありません。
水野信元(寺島進さん)と佐久間信盛(立川談春さん)を呼び出した家康は、すぐさま援軍に来ないと、織田と手を切り勝頼と手を組み織田を攻める、と宣言、水野と佐久間を追い出しました。
すると、すぐさま織田は道を埋め尽くすほどの3万の大軍勢を援軍として送ってきたのです。
織田の援軍が来たことを強右衛門に伝えた亀。
強右衛門は、亀に自分はろくでなし強右衛門と言われるほど駄目な奴だが、奥平の若殿は自分を信じ見送ってくれたとても優しい人物である、末永く殿をよろしくお願いします、と亀に言うのです。
織田を迎えた家康たちに、信長は膝を付き丁重に頭を下げ、援軍が遅れたことを謝ります。
信康や瀬名にも丁寧に挨拶する信長は、今、長篠が持ちこたえているのは亀のおかげだと言うのです。
何を言われているのかよくわからない徳川勢。
数正は時が惜しい、すぐさま戦評定を始めようと信長に首座を勧めました。
しかしそこは城主の場であろう、と信長は固辞。
羽柴秀吉(ムロツヨシさん)は、総大将は徳川様でございましょう、と家康を首座へと導いたのです。
そして「気いつけなせ、お怒りでございますぞ」とこっそりと告げたのです。
亀の縁談
信長をもてなす用意をするため、台所にやってきた女性たち。
亀は瀬名に、長篠が持ちこたえているのは自分のおかげとはどういうことか、と尋ねます。
しかし瀬名にもわかりません。
五徳は、亀が奥平に輿入れするということ、と言うのです。
評定の場で、忠勝が策を提案すると、秀吉がそれを「さすが」と称賛します。
信長は黙って聞いていました。
評定は終わり、これから膳を用意する、という酒井忠次に秀吉は断りを入れますが、家康から女たちの顔を立ててくれ、と言われ、秀吉は「呼ばれましょうか」と承諾しました。
信長たちが退室すると、信長の殊勝な様子に家臣団は戸惑いました。
家康は、瀬名に呼ばれ、亀の縁談について、詰問を受けます。
瀬名と亀、信康は奥平との婚姻を断るようにと家康に迫ります。
信長が勝手に進めてしまったこと、と家康はしどろもどろに。
信康は今日きっぱり断りを入れてくれ、と言い募るのです。
強右衛門はそれを聞き、驚愕するのでした。
その夜、信長を迎えるささやかな酒宴が行われました。
信長に言い出せない家康に代わり、信康は亀の縁談を無しとして欲しいと訴えます。
家康も縁談は自分の家のことだから我らに任せて欲しいと訴え、信長も「それもそうだ。勝手に進めて申し訳なかった」と了承しました。
そして、「ちょうど良い機会じゃ、徳川殿にお伝えせえ」と秀吉を促したのです。
盟約破棄
羽柴秀吉(ムロツヨシさん)は、「実はこの度、上様は、徳川様との御仲について考え直しましてな。清須以来の盟約をこれにておしめえとすることに致しました」
「お終いとは」と家康が問うと、「手を切るっちゅうことで。徳川様がそうお望みだと。この天下に生きる全ての者は、1人残らず、1人残らず織田信長様の臣下とならん。ちゅうことでな」
「つまり、我が殿にも織田家の家臣となれと」と酒井は言います。
「左様、儂らとおんなじ。その方が徳川様も皆さまもご安心だろう。これからは上様がしかと皆さまをお守りくださるだに」
「かわりに織田様に全て従わねばならなくなります。徳川家中のことも」と数正は言います。
秀吉はそれを笑いながら当たり前のこと、と言い放ちます。
「もし、臣下とならなければいかなることに」と数正が問うと、秀吉は「敵とみなすことになる、今宵のうちのここを引き上げるしかない、五徳様も連れて」と言うのです。
家康は激怒し、「何たる仕打ち、これはあまりにも身勝手な取り決め」と言い募ります。
信長は、「勝手に決めるつもりはない、決めるのはお前だ」と言います。
勝頼と組んで、自分を攻めたいなら攻めるがいい、いっそのこと自分を亡き者にするのはどうか、今決めろ、と言うのです。
これは脅しだ、と家康が反論しても、先に脅したのはお前だ、と信長は言い返したのです。
決めるのは家康、どうする家康、と信長は詰め寄ります。
家康は信長に、今まで織田が徳川に何をしてくれたのか、と訴えます。
なぜ、今更家臣にならなければならないのか、と言い放ったのです。
信長は「ならばそれでよい」と言うと、五徳に行くぞ、と立ち上がりました。
そこに、鳥居強右衛門が走り込んできて、信長に長篠を救って欲しいと訴えました。
しかし信長は、奥平殿に伝えよ、家康は長篠を見捨てた、と吐き捨てたのです。
なおも食い下がる強右衛門を、織田の兵たちが無礼者、と信長から引き剝がしました。
転がった鳥居強右衛門を庇うように、亀が飛び出してきました。
そして信長に跪いたのです。
怒りを鎮めてください、自分のせいでこうなって申し訳ない、もうわがままは言わない、自分は喜んで長篠に嫁ぐ、仲直りをして欲しいと訴えたのです。
瀬名も信長に膝を付き、家康は家臣になるのを拒んでいるのではない、ただ、猶予が欲しいだけと、訴えます。
信長は跪く亀の前に屈むと、「面を上げなされ、怒ってなどおりません、ほんの余興でござる。むろん長篠は助ける」と言ったのです。
泣きながら「ありがとうございます」と何度も頭を下げ、お礼を言う強右衛門。
亀は強右衛門の手を取ると、良かったですね、奥平殿に長篠に嫁ぐのが楽しみですと伝えてください、と言ったのです。
感動した強右衛門は、今すぐ皆に伝えたい、と長篠に向かって走り始めたのです。
鳥居強右衛門
しかし強右衛門は、武田に捕まってしまいました。
勝頼から長篠に徳川から見捨てられた、城を明け渡した方がいいと伝えよ、そうすれば武田で召し抱えると言われた強右衛門。
明け方、武田に見張られながら強右衛門は長篠城の前まで行きました。
長篠城から「助けは来るのか」と声がかけられる中、強右衛門は泣きながら「来ん!徳川様は助けに来ん、儂は見捨てられた」と叫んだのです。
絶望に打ちひしがれる長篠城の人々。
項垂れ、泣きながら武田に戻った強右衛門は武田からお金を受け取りました。
武田勢に「ろくでなし」と罵られながら、引き立てられた強右衛門はそのお金を落としてしまいました。
武田の兵に手伝ってもらい、お金を拾っているふりをしながら隙を見て、強右衛門は長篠城の前に走って戻ると、「嘘じゃ!殿!徳川様はすぐに参らせるぞ!織田様の大軍勢と一緒じゃ!皆の衆、もう少しの辛抱じゃ、持ちこたえろ!持ちこたえるんじゃ!生きろ!」と叫んだのです。
その声に長篠城は息を吹き返しました。
その直後、強右衛門は大勢の武田勢に取り囲まれ捕縛され、磔にされてしまいました。
武田勢は磔にした強右衛門を長篠城の兵たちに見せつけるようにしています。
磔にされながら、強右衛門は「殿!徳川の姫君はな、麗しい姫君様じゃ。ようございましたな、大事にしなされよ。それはもう、本当に素晴らしい姫君様じゃ。殿!」と笑ったのです。
そして勝頼の合図により武田勢の槍に貫かれ、強右衛門は絶命しました。
その頃、岡崎では軍議が行われていました。
石川数正から策を頂戴したい、と言われた信長は、上座に付くと地図を放り投げ、「これより我が策を示す」と宣言したのでした。
次回、第22回「設楽原の戦い」
徳川・織田連合軍は長篠城の西・設楽原で武田軍と対じ。だが信長(岡田准一)は馬防柵を作るばかりで動こうとしない。しびれを切らした家康(松本潤)は、わずかな手勢で武田の背後から夜襲を掛ける危険な賭けにでる。策は功を奏し、勝頼(眞栄田郷敦)は攻めかかってくるが、信長はその瞬間を待っていた。3000丁の鉄砲が火を噴く!
NHK大河ドラマ「どうする家康」公式サイト
信長の新しい戦いが始まりましたね。
これまでの騎馬が中心だった戦いと鉄砲の戦いはまったく違います。
最強の騎馬隊と言われた武田の軍勢はどのような結末を迎えてしまうのでしょうか。
織田の戦いを目にした家康たち徳川勢の驚きも見ものですね。
次回、第22回「設楽原の戦い」、これまでと全く違う戦法、楽しみですね。
最後に
岡崎体育さん演じる鳥居強右衛門、素晴らしかったですね!
最後の叫びは涙が込み上げてきて、大変でした。
當間亜美さん演じる亀姫とのふれあいシーンもとても素敵でした。
ろくでなしなどと言われていた強右衛門でしたが、若殿・奥平信昌のため岡崎まで走り抜け、長篠の窮状を訴えました。
関係が壊れ岐阜に戻ろうとする信長に縋りつき、長篠のために訴える強右衛門。
そしてそれを庇う亀姫の姿に胸が熱くなりました。
強右衛門が見た夢のように、無事に長篠の帰り着き、亀姫を迎えて欲しかった。
しかしそれは史実からできないことですものね。
強右衛門の最期の姿、最期のシーンに胸が熱くなりました。
家康と信長の対決シーンもハラハラしましたね。
結局、家康は短気を起こし信長とあわや決裂になってしまいましたが、亀姫と瀬名のおかげで何とか関係は保たれました。
当初はおどおどしっぱなしだった家康が信長にかみつく姿は成長と言えるのかもしれませんが、家族や家臣のフォローが必要ないように行動してくれればいいのに、と思ってしまいました。
しかしそれにより、瀬名の強さ、強かさが浮き彫りになってきましたね。
千代と対峙したこともそうですが、信長の前に恐れる様子もなく進み出る様子は凛として素晴らしかったです。
有村架純さん演じる瀬名に、重厚さを感じました。
さて、次回第22回「設楽原の戦い」では、信長の鉄砲隊の登場です。
これまでの野戦とは全く違う、馬防柵を大量に設けて、武田の騎馬隊を迎え撃つ戦術を展開します。
事前に説明も受けずにいた家康は驚いたでしょうね。
さて、どんな結果になるのか、第22回「設楽原の戦い」見逃せませんね。