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どうする家康 第29回「伊賀を越えろ!」のあらすじと感想

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嵐の松本潤さん主演の2023年大河ドラマ「どうする家康」。

脚本は、稀代のストーリーテラー・古沢良太さんです。

毎週日曜BSプレミアム午後6時~、NHK総合午後8時~放送されます。

徳川家康の生涯を新たな視点で描く、スピード感溢れる波乱万丈の戦国エンターテインメント。

こちらでは、大河ドラマ「どうする家康」のあらすじ、ネタバレ、感想をお届けします。

さて、第29回「伊賀を越えろ!」では、家康最大のピンチの1つ、伊賀越えが描かれます。

なかなか濃いキャラクターの人々が登場するようですね。

女大鼠・松本まりかさんの退場も匂わせていましたし、遠ざかっていた松山ケンイチさん演じる本多正信も再登場!

家康がどうピンチを切り抜けるのか、ドキドキが止まりませんね。

目次

前回のあらすじ

天正10年6月2日、本能寺が炎上しました。

見物に来ていた民は、織田信長(岡田准一さん)を襲ったのは家康で、家康の首を取った者には褒美が出ると噂しています。

本能寺の変が起こる3日前、明智光秀(酒向芳さん)は信長が僅かな手勢で本能寺に入ると知り決意を固めます。

同様に、信長の京入りの報告を受けた徳川家康(松本潤さん)に、側近たちは信長を討ったあとのことを心配し、進言しました。

すると家康もわかっていると頷き、信長と入れ替わるように堺へと移動したのです。

堺へ到着した家康は、精力的に有力商人たちと対面し、親交を深めました。

信長を倒した後のことを考え、人・金・物、そして鉄砲を手配できるよう道筋をつけていたのです。

そこで家康は信長の妹・市(北川景子さん)と再会し、信長の真意を知ることに。

6月2日、信長は寝所で賊に襲われました。

返り討ちにしたものの、信長は重傷を負います。

信長は、賊を放ったのは家康だと思い、その姿を求めて燃え盛る本能寺の中を彷徨い始めました。

しかし、堺に留まっていた家康は、市の言葉に迷い、悩み、決断できず、絶好の機会に動くことができませんでした。

京に戻ろうとする家康に、信長死すとの報告が入りました。

更に、信長を討った光秀が家康の首も狙っているというのです。

褒美を狙う者、名を挙げようとする者、明智の手の者、周りは敵だらけ。

家康は山中へ逃げ込みました。

追手に追い詰められ激しい戦闘の最中、家康は信長のことを考えていました。

本能寺で敵と応戦中の信長も「家康、家康」と家康を探し求めていました。

しかし、信長を襲った犯人は光秀。

信長は落胆し、自分の代わりができるのかと光秀を恫喝します。

怒った光秀は更に攻撃を強めます。

山中を逃げながら、自分がここまで来られたのは信長がいたからと気づいた家康。

本能寺の方を振り返った家康は「さらば狼、ありがとう、我が友」と呟きました。

そして信長は、燃え盛る本能寺の中へと消えたのでした。

前回第28回「本能寺の変」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。

それでは、第29回「伊賀を越えろ!」のあらすじと感想です。

逃避行

本能寺が炎上。

それは家康の意図したものではなく、明智光秀による謀反でした。

家康は穴山梅雪(田辺誠一さん)の進言に従い別行動をとり、少数で逃亡を図ることに。

本能寺にて織田信長を討った明智光秀は、瞬く間に京を制圧、見事なる手際の良さで、次の天下人となる足場を固め始めていました。

羽柴や織田の重臣たちは遠方に居り、明智の目下の敵は、徳川家康のみ。

逃亡を続ける家康、山中で追手に襲われましたが、それを救ったのは、服部党でした。

三河、岡崎までおよそ250km。

家康、一世一代の逃避行が始まったのです。

於愛(広瀬アリスさん)のもとにも信長の死が知らされました。

家康が本当にやるとは、と於愛は驚きます。

しかし、大久保忠世(小手伸也さん)、鳥居元忠(音尾琢真さん)らに討ったのは明智と教えられます。

家康はどうしているのかと心配する於愛。

鳥居は、明智は家康の命を狙うだろうと告げたのでした。

三河を目指して走りに走り、家康を慕う民から助けを得つつ、木津川を渡り野伏せりの襲撃を退けた朝宮の辺りでは、既に金も尽き、家康一行は満身創痍の状態でした。

6月3日、食料も底をつき、服部党が取ってきた僅かな野菜しか手に入らない中、家康はそれを皆で分け合って過ごします。

大鼠は、家康に野菜を差し出しますが、家康は大鼠にも食えと差し出します。

大鼠は瞠目し、戸惑いながら、服部党で食料を分け合いました。

半蔵は家康に「殿、伊賀を越えましょう」と進言します。

「伊賀?」と訝しがる家康。

半蔵は、それが一番早い、というのです。

石川数正(松重豊さん)は「大丈夫なのか」と半蔵の顔を窺います。

伊賀は織田の攻撃で酷いありさまだと聞いていると言うのです。

しかし半蔵は、伊賀は服部家の故郷、服部党の親族の故郷であると言います。

「伊賀に入れば安心」と訴えたのです。

榊原康政(杉野遥亮さん)が、途中夜を過ごせるところはあるか、と尋ねると、半蔵は小川城があると言います。

小川城の城主は多羅尾光俊、甲賀衆の親玉です。

何度か戦を手伝ってもらったことがあると酒井忠次(大森南朋さん)は言います。

本多忠勝(山田裕貴さん)は、今度も助けてくれるとは限らない、と懐疑的ですが、「甲賀者と伊賀者は忍び同士、困ったときは助け合う、こともある」と半蔵は言うのです。

家康は、「頼るしかない、参ろう」と決断しました。

出発しようとした時、酒井は追手を欺くために三手に分れましょう、と提案しました。

酒井は信楽の近江路に、石川はこの先の桜峠を行く、と告げたのです。

近江路は遠回り、桜峠は人目に付く、危ない、と半蔵は反対しますが、2人はそれでいい、と言って聞きません。

家康は、2人が囮になろうとしていると感じました。

囮なら自分がなる、と本多忠勝や榊原康政が手を挙げるのですが、酒井と石川はもう若い人々のように山中を走れず、足手まといになってしまうと、囮を買って出たのです。

酒井は「半蔵、頼りにしているぞ。服部党、一世一代の大仕事と心得よ」と言います。

石川も「やり遂げれば末代までの誉れとなろう」と半蔵を鼓舞します。

半蔵と服部党は、2人に深々と頭を下げました。

「死んだら許さんぞ、伊勢・白子の浜で待つ。必ずや落ち合おうぞ」と家康は言い、2人を見送りました。

小川城

家康たちが目指していた近江・小川城には、甲賀衆が待ち構えていました。

城主・多羅尾光俊(きたろうさん)は、家康を歓迎し、炊き立ての赤飯があると家康たちを誘うのです。

家康たちは怪しい、罠だ、と引きあげようとしますが、家康を誘う甲賀衆の中に、見知った顔を見出し留まりました。

それは、かつて上之郷城を攻めた時に共に戦った伴与七郎(新田健太さん)。

半蔵と大鼠は毒見してくる、何か不穏な動きがあれば、すぐに逃げるようにと言うと、先に出て行ったのですが、差し出された食事を、もはや毒見と言うより本気で食べ始めました。

それを見て、空腹に我慢できなくなった家康たちは、姿を現し、甲賀のもてなしを受けたのです。

甲賀の多羅尾や伴は、伊賀越えをするという家康に「お勧めしません」と言います。

半蔵は、伊賀は自分の父の領地故、大丈夫だと言うのですが、伴は、伊賀に行ったことがあるのか、と問い質してきます。

大鼠たちも伊賀には行ったことがないと言うと、家康は不安になりました。

今の伊賀は滅茶苦茶になっていると伴は言うのです。

織田を恨んでいる伊賀者の所に織田の仲間である家康が行ったらどうなるかと多羅尾は言い、自分たち甲賀衆が護衛を務める、と信楽に進むべきというのです。

山伏の格好をして進めば、大勢での移動も怪しまれない、と提案しました。

しかし家康は、甲賀衆を完全に信用することができません。

半蔵に確認すると、半蔵は親切が過ぎる、信楽に行けば待っているのは明智の軍勢。

山伏の格好は目印、長居は無用、と訴えました。

家康たちは、朝を待たず城を出ました。

朝、迎えに来た多羅尾たちは、家康がいないことに驚きました。

三河に辿り着いたら褒美を与えると書いた文を残し、姿を消した家康たち。

伊賀に逃げたのなら無事では済まないだろう、と多羅尾たちは嘆息したのでした。

伊賀越え

6月4日、御斎峠に到着した家康たちは、この先の伊賀を目指して歩を進めました。

当時の伊賀の国は、纏められる領主もおらす、600を超える砦が犇めく、まさに修羅の地の様相を呈していました。

平野を避け、山沿いを進むと決めた半蔵。

「要はこの儂に徳があるかどうかじゃ。儂に徳あらば、天が我らを生かすだろう、いざゆかん」そういうと、家康たちは伊賀に突入しました。

しかし山間を進む家康一行は、常に視線に晒され、服部党は家康の周囲を固め、警戒しています。

しばらく進むと、家康たちは伊賀衆の襲撃を受けてしまいます。

服部半蔵だと声を上げても、伊賀衆の手が緩むことはなく、家康は家臣と散り散りになってしまいました。

激しい戦いの中、家康は足を取られ伊賀の頭領のもとに引きずられて行きます。

家康は、伊賀衆に捕まってしまったのです。

伊賀の里

伊賀・音羽郷に連れてこられた家康たち。

持ち物は全てはぎ取られ、伊賀衆が取り合いをしています。

牢に捕らえられた家康たちの前に、伊賀の頭領・百地丹波(嶋田久作さん)が現れました。

牢に捕らえた家康に百地は、憎き織田を討ってくれた明智に家康の首を渡すのだと言うのです。

半蔵は、自分は服部家の者だ、伊賀の名家であると言い募るのですが、百地は知らんと言うばかり。

大鼠は、家康は伊賀から逃げた者たちを大勢匿ってくれた、伊賀は家康に恩があるだろうというのですが、そんな言葉は聞いたことがない、と百地は言います。

貧しい暮らしを強いられ、穴倉で暮らしていた自分たちを家康はまともな暮らしができるようにしてくれた、自分たちを人並みに扱ってくれたんだ、と大鼠は訴えるのですが、「そういう話は虫唾が走る」と百地は家康を牢から引きずり出し、いつでも首を斬れるように押さえつけたのです。

さぞ、いい銭になるだろう、と刀を振り被る百地。

家康の首をまさに斬らんとする瞬間に、半蔵や大鼠、その他の服部党が自分こそが家康だと叫びだしました。

それを見かねた家康は、自分が家康だ、この首をやるから他の者は見逃せ、と訴えます。

その時、伊賀の軍師であるという山伏がやってきました。

山伏は歌うように「こりゃ、驚いた」と言いました。

聞き覚えのあるその声に家康が振り向くと、そこにいたのは本多正信(松山ケンイチさん)。

正信は、以前家康の所にいたけれど、家康は寺に攻撃を仕掛け、自分はそれを許せず、鉄砲を向けた、しかし、あと一歩及ばず、追放された、というのです。

自分は未だに心底家康を恨んでいる、という正信。

「憐れだのう、こんなところで伊賀者の手にかかって終わるとは。最も情けない死に方をした大名として名を馳せるだろう」と笑います。

「さ、百地殿、やれ」と正信は促しました。

百地が刀を振り被ると、正信が「妙な噂が広がっているが気にすることはねえ」と口にし、百地は手を止めます。

「妙な噂とは」と百地が聞いても、

「気にするな、やれ」と声をかけます。

気になった百地が問いかけると「根も葉もない噂よ。信長が生き延びたっちゅう。馬鹿な話じゃ、嘘に決まっとる、さあ、覚悟せい、いえやっす」と言い、百地に向かって神妙に頷きました。

百地が刀を振り被ると「信長の首が出とらんのは確かなことだがな」と正信は言うのです。

刀を下ろした百地は「もし、万が一信長が生き延びていたらどうなる」と問いかけます。

「あ?そんなことありゃせんわ。信長が生きとったら?そりゃ、明智に付く奴なんぞ、おらんからな。あっちゅう間に明智は信長に滅ぼされる、そこに家康の首が届いたら、まあ、えらいことだわな。こいつは信長の弟分だからな。信長は今度こそ間違いなく伊賀の国を亡ぼすだろう。ま、その時のためにこの儂がおる、安心せい、勝って見せるわ。逆に、もし家康をここで助ければ、信長はもう二度と伊賀に手出しせんじゃろう、それどころか手厚く守るじゃろうな。だが信長は死んだ、死んだに決まっとる、首は出とらんが。さ、やれ」と正信。

動かない百地に、「はようやれ、儂はこいつを憎んどるんじゃ。お主がやらぬなら、儂がやる、貸せ」という正信に、百地は笑いました。

そして家康に「あんたはどう思う」と聞いたのです。

家康は「死んでいると思う、だが、首が出ていないのは確か。だから織田の家臣らは信長が生き延びたと言う噂を盛んに振りまいておるんじゃろう。そのせいで、しばらくは皆、様子を見るしかない、即座に明智に味方する者は現れん。明智は何としても信長の首を取らねばならなかった、だが奴はしくじったんじゃ。奴に天下はとれぬと。儂に明智を討たせよ。儂に恩を売れ、おそらくそれがお主にとって、最も利となることじゃ」と言い募ります。

しばらく考えた百地は「賢い物言いじゃ。軍師殿が惚れこむことはある。その口車に乗った」と家康の縄を斬りました。

「お主に掛ける」と百地は家康を助けたのです。

合流

家康は「正信、なぜ儂を助けた」と問いかけます。

正信は「身をもって伊賀者を助けようとする殿様など初めて見ました。なかなかの主になられたようじゃ」と笑います。

そこに、井伊直政(板垣李光人さん)や本多忠勝、榊原康政らが合流しました。

忠勝は、正信がいたことに驚きます。

誰だかわからない井伊に、榊原は「嫌われ者のいかさま師」と言い、忠勝は「偽本多じゃ」と言うのでした。

こうして家康は、幾度も危機に会いながらも、無事、伊勢・白子浜へと辿り着きました。

別行動で行った酒井と石川とも無事合流。

何事もなくすんなりと辿り着いたという2人に、忠勝は「半蔵、やはり多羅尾はただの親切だったのではないか」と言い、榊原は自分たちが囮になったようなものだ、と叫びます。

正信は「ま、良いではござらんか、こうして皆、無事に生き延びることができたんじゃからな」と言います。

酒井も正信に同調しますが、そこに正信がいたことに気づき、驚きます。

石川も、正信が同行していることに驚きを隠せません。

正信は「舌先三寸で伊賀に潜り込んで、ただ飯を食らっておりました」と報告します。

「相変わらずのいかさま師じゃ」と酒井はため息をつきます。

笑いながら正信は、「では某はこれで」と背を向け、酒井も家康を促します。

すると正信は「むろん、今更殿のもとへ帰参できるとは露ほども思っておりませんのでご心配なく、某は三河より追放された身ですから」と家康の近くまで歩み寄ると、再度背を向けました。

家康は「そうか」と歩き出しますが、正信は「ん、んー?今、殿がおわすのは三河ではなく遠江・浜松?」と大声で言ったのです。

それを聞いた家康は笑い出し「そうじゃ、浜松じゃ。正信、気が向いたら浜松へ来い。もう一度鳥の世話係からで良ければな」と言ったのです。

鼻から息を漏らした正信は「鷹の世話辺りからなら、そのうち」と立ち去ったのです。

石川らはその様子を見て笑い、忠勝は「偽本多め」とため息をつきました。

家康は半蔵に向き合うと「半蔵、此度のことは何より、そなたら服部党のおかげ。皆に褒美を取らす。半蔵、今日からお主も立派な武士じゃ」と肩を叩いたのです。

半蔵は「殿…」と口ごもりながら、「儂はもともと武士でござる」と笑ったのです。

皆に笑顔が戻りました。

「さ、儂もこれで側室くらいは」と大鼠の肩を抱いた半蔵。

大鼠はそのわき腹を思いきり殴りつけました。

また沸き起こる笑い。

漸く、家康たちは一息つくことができたのでした。

堺を出発して3日後、家康は無事、岡崎へと辿り着きました。

於愛や子供たちと対面を果たし、無事を喜び合ったのもつかの間、家康は大久保から穴山梅雪が討たれたと聞かされました。

穴山は、我こそが徳川家康、と吹聴して囮を買って出ていたのです。

酒井は、「穴山殿のおかげで我らは助かったのかもしれませんな」と言います。

石川は「明智を討たねばなりませんな」と言います。

家康は表情を引き締めました。

その頃、山陽道には大急ぎで京を目指す軍勢がありました。

本能寺の変から11日後、明智光秀は戦に敗れ、都を追われていました。

山中に隠れた明智光秀の背後から子供が襲い掛かり、その背中を竹槍で刺し貫きます。

四方八方から敵に取り囲まれた明智は、自分は明智ではない、と言い募り、隙を見て逃げようとし、しかし周囲を囲まれていた為、そのまま槍を受け、滅多刺しとなって絶命しました。

こうして見事、明智を討ち、信長の敵を討ったのです。

羽柴秀吉(ムロツヨシさん)が。

次回、第30回「新たなる覇者」

無事、浜松へと戻った家康(松本潤)。一方、秀吉(ムロツヨシ)は織田家の跡継ぎを決める清須会議で、信長の孫・三法師を立てつつ、織田家の実権を握ろうとしていた。そんな秀吉の動きを苦々しく見ていた市(北川景子)は柴田勝家(吉原光夫)との結婚を決意。秀吉と勝家の対立が深まる中、家康は旧武田領に手を伸ばす関東の雄・北条氏政(駿河太郎)との一戦に臨むことになる。

NHK大河ドラマ「どうする家康」公式サイト

無事に浜松まで戻った家康ですが、信長亡き後の覇権争いが始まっていました。

秀吉はまだ幼い信長の孫を担ぎ上げ、実権を握ろうとし、市はそれを阻止すべく柴田勝家との結婚を決意します。

家康は覇権争いに絡むことなく、旧武田領を狙う北条との戦いに向かいます。

なんとなく出遅れ感がある家康ですが、天下を取るため、どのような手段を講じるつもりなのでしょうか。

次回、第30回「新たなる覇者」、ムロツヨシさん演じる秀吉の独壇場が始まる予感がします。

最後に

伊賀越え、見応えがありましたね。

公式ホームページの、スタッフが実際に伊賀を越えてみました!というコラムも拝見しましたが、敵に襲われながら250kmに渡る距離を4日間で走破したのですから、その凄まじさに驚きました。

史実ではずいぶんたくさんの民たちに助けられていたのですね。

今回は、怪しげな甲賀衆・多羅尾家の助けが描かれていましたね。

大河ドラマでは多羅尾光俊の進言を断って、家康たちのみで伊賀越えに臨んだように描かれていましたが、史実では甲賀衆も護衛として活躍したそうですね。

顔や雰囲気が怪しいから、と信じてもらえなかったきたろうさん演じる多羅尾光俊たち、最後の辺りの忠勝の叫びが物悲しかったですね。

ただの親切だったではないか、と。

人々の親切を鵜吞みにできず、全てを警戒しながら進む道はどれほどきつかったかと心が痛みますね。

三日天下の明智光秀が討たれました。

かつての大河ドラマ「麒麟がくる」とは全く違う明智光秀でした。

酒向芳さん演じる明智光秀は、徹頭徹尾、嫌な人、というか、嫌われ役を全うした光秀だったと思います。

酒向芳さん演じる光秀だったから、家康と信長の強い絆などが際立ったのだろうな、と強く感じました。

安心して恨めるような光秀はとても印象的で、忘れることができない存在となりました。

題材が違えば、描き方が違えばこうも変わるものかと、とても興味深く、面白く拝見できました。

さて、今回一番印象的だったのは、松山ケンイチさん演じる本多正信でしょうか。

家康が押さえつけられ、あわやという場面で颯爽と現れる正信。

謳うような口調から出るのは家康への恨み言ばかり。

家康を叩き、服部党を次々と叩きながら流れるように話す、軽い口調に聞き惚れました。

山田孝之さん演じる服部半蔵を叩くシーンは面白かったですね。

ひょい、とよける半蔵と、タイミングをずらし、きちんと叩く正信。

以前から2人のやり取りが大好きだったので、復活してくれて本当に嬉しかったです。

嶋田久作さん演じる百地丹波も印象的でした。

あんなに恐ろしく不気味で、半蔵や大鼠がいくら言い募っても無表情に取り合わないクールな百地が、正信にはいいようにあしらわれていました。

絶妙なタイミングでしたよね。

振り被る、口を挟む、と人のやる気を削ぐには絶妙なタイミングで口を挟む正信と、いちいち止められる百地の掛け合いが面白かったです。

言っている言葉は否定的なのに、家康を助けた方がいいように話を促した正信。

最後には百地も笑っていましたし、本当に面白い、絶妙な掛け合いでした。

松山ケンイチさんが絡んだ言い合いは、とにかく面白い。

山田裕貴さん演じる本多忠勝の、「何でこんなとこに居るんじゃ」という言い方も「偽本多め」と呟くセリフも、気を許した者同士の気安い感じが見受けられました。

大森南朋さん演じる酒井忠次が正信に気づいて大声を上げる所も、松重豊さん演じる石川数正が驚くところも、なんだか身内の困った人が帰ってきた時のような、そんな感じがしました。

家康が「浜松に来い」と言った時も、皆笑顔でしたし、徳川家臣団っていいな、と思える瞬間でした。

今回は、山田孝之さん演じる服部半蔵も頑張っていました。

家康を守り、逃走経路を提案し、自ら危ない役を引き受ける。

毒見に行ったはずが本気食いになっていたのは笑えました。

家康の首が危ない時に、半蔵をはじめとする服部党が、自分が家康、と叫ぶところは、本当に無理があるのに、真剣に叫んでいるところが素晴らしかったです。

家康の人望の厚さが分かりますよね。

あれだけ「服部」と主張していたのに、自分が「家康」だなんて、無理がありすぎます。

冷静に突っ込む百地も素晴らしかったです。

女大鼠まで叫んでいて、「もうええわ」とつっこむ百地の気持ちがよくわかりました。

今回は小気味いいやり取りが多くて、本当に見所満載でした。

さて、次回第30回「新たなる覇者」では、織田の後継争いが描かれます。

ムロツヨシさん演じる秀吉が実権を握りそうですが、家康は、市はそれを阻止できるのでしょうか。

次回、第30回「新たなる覇者」も見逃せませんね。

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