61作目となる2022年大河ドラマ、「鎌倉殿の13人」。
脚本は、三谷幸喜さん。
主役の北条義時を務めるのは、小栗旬さんです。
毎週日曜(総合)午後8時、(BSプレミアム、BS4K)午後6時、毎週土曜日午後1時5分から再放送が放送中です。
前回のあらすじ
源頼朝(大泉洋さん)は、挙兵の日を8月17日に決めました。
その日は三嶋明神の祭りと重なり、目標である目代・山木兼隆の守りも薄くなると判断しました。
時を同じくして三浦も挙兵し、合流した後は相模から坂東を平定、本拠地を鎌倉と計画を立てたのです。
しかし、挙兵前日となっても予定していた300どころか20に満たない兵力です。
北条義時(小栗旬さん)は、挙兵の日までには何とか集める、と兵集めに向かいました。
そんな義時を、対岸に住む伊東八重(新垣結衣さん)が呼び止めました。
八重は、元夫の頼朝が住む対岸をいつも眺めていたのです。
その北条がいつになく慌ただしいことに気づき、戦でも始める気かと問い質したのです。
八重に思いを寄せる義時は、明言を避け、しかし仮の話として戦が起きたらすぐ逃げられるよう準備を、と言ったのでした。
北条にやってきた土肥実平(阿南健治さん)と対面した義時は、土肥が挙兵に懐疑的になっていると知りました。
それを打開するには頼朝自らが頭を下げるしかないと義時は判断、頼朝に提言しました。
頼朝は田舎豪族にと渋っていたのですが、義時の説得に折れました。
その結果、土肥、岡崎が頼朝の味方となりました。
頼朝の側近・安達盛長(野添義弘さん)は、頼朝の乳母の息子・山内首藤経俊(山口馬木也さん)に助力を頼みに行くのですが、酷い侮辱を受け、追い返されました。
頼朝は乳兄弟の裏切りに落胆します。
その頃八重は、頼朝が挙兵すると父・伊東祐親(浅野和之さん)に報告していました。
八重の報告に祐親は喜び、捕らえられた頼朝は死罪になると言いました。
自分のせいで死罪となるのは目覚めが悪いと訴え、どうにか流罪で済ませられないのかと八重は聞いてみるのですが、挙兵が未然に防げれば、と言われるだけでした。
その後、祐親は大庭景親(國村隼さん)に報告、そこに山内が自分も誘われたとやってきました。
しかし、肝心の挙兵の日と狙う場所が分かりません。
大庭は、頼朝が兵集めに苦慮していると考えました。
挙兵の日、目標とする山木の所在がわからず、頼朝たちは苦悩していました。
兵も集まらず、頼朝は挙兵を取りやめようと言い出すのですが、情報はもはや伊東に漏れていると北条宗時(片岡愛之助さん)は言い、挙兵の日をずらすことはできません。
困った義時は、対岸の八重を訪ね、祭りの日の山木の所在を尋ねました。
それは、八重に伊東を裏切れと言っているようなもの。
八重は憤慨し、父に報告した、と告げたのです。
八重は味方と思っていた義時は衝撃を受け、頼朝が殺されてもいいのか、と詰め寄りました。
父は殺さないと約束した、と八重は反論するのですが、祐親はそんなに甘くないと一蹴します。
これ以上話しても無駄、と立ち去ろうとする義時に、八重は、無謀な戦をするなど北条も愚か、と口にしました。
義時は、坂東の地は平家に与する者たちの思うまま、飢饉が起これば多くの民が死ぬ、だから我らは立つ、と言い捨て去りました。
八重に情報を漏らしたことを報告した義時は、兄・宗時に殴られました。
これでもう猶予はありません。
そんな中、佐々木4兄弟が加勢に現れました。
義時の言葉が胸に刺さりぼんやりする八重に、夫・江間次郎が祭りに行こうと言いました。
祭りで父とばったり、と口にする八重に江間は、祐親はああいう場は好まない、と言います。
八重は、躊躇いながら目代の山木はどうかと尋ねました。
すると江間は、山木は昨日怪我をしたため屋敷にいる、と言ったのです。
それを聞いた八重は、対岸の北条に向けて、白い布を巻いた矢を打ち込みました。
白い布は、かつて頼朝と逢瀬を交わしていた時、今夜会いたい、という合図でした。
頼朝は、八重の合図を受け、山木は館にいると確信、出陣を決めました。
祭りを避けてこっそり行こうとする北条時政(坂東彌十郎さん)に、頼朝は、院の思し召し、堂々と大通りを行け、と檄を飛ばしました。
武者震いをしながら親子で励ましあい、配置につきました。
そして、佐々木恒高(江澤大樹さん)が矢を放ち、源平合戦の始まったのでした。
前回、第4回「矢のゆくえ」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。
それでは、第5回「兄との約束」のあらすじと感想です。
勝利
夜半に始まった堤館の襲撃。
館から立ち上る火の手を北条館から頼朝と政子は固唾を飲んで見守っていました。
戦に不慣れな義時は、及び腰になりながら必死に父と兄に付き従い、父は屋敷の奥深くに隠れていた堤信遠を見つけると、すかさず斬りかかったのです。
弱った堤に対し、時政は「武士の情けだ、一息に斬れ」と命じると、義時は恨みをぶつけるかのように、止めを刺したのでした。
目代・山木兼隆も見事討ち、時政たちは頼朝の待つ北条館へと帰り着きました。
翌朝、続けて伊東も討つべし、と逸る時政ですが、18日は殺生を控えるという信条を持つ頼朝は、出陣を許可しませんでした。
所信表明
そして、次なる1手として、法王を助け出すまでは、坂東の政は頼朝が行うと宣言したのです。
政の始まりは土地の分配、として敵の所領を召し上げ味方に分配すると決めました。
初めに所領を取り上げるべき相手として名が挙がったのは、平家の権威を笠に着て、悪政をしいている中原知親でした。
これは、以仁王の令旨によるもの、と中原の所領を召し上げました。
それはまさに頼朝の所信表明でした。
しかし、これを知った平家方は激怒しました。
相模の奉行を務める大庭景親は、梶原景時(中村獅童さん)を伴い、3000の兵でもって頼朝軍を制圧しようと動き出しました。
鎌倉へ
軍議にて、早急に鎌倉に入りたいとする頼朝。
同じ頃、甲斐武田の信義が挙兵、平家に弓を引きました。
武田信義は、自分こそが源氏の棟梁だと触れ回っていると言います。
頼朝は、出陣してくる大庭の軍勢に対し、背後から三浦党に襲わせ、鎌倉に急ごうと考えました。
宗親は、義時を呼び止めると、次の戦には加わらず、政子たち女性陣を伊豆山権現に連れて行くようにと指示を出しました。
深夜、頼朝は人目につかないよう変装し、対岸の八重のもとに姿を現しました。
山木の所在を知らせてくれた八重に、どうしても礼が言いたかったと言うのです。
八重は、夫・江間が不在と言い、頼朝を家に招き入れるのですが、すぐに江間が戻り、逢瀬は一瞬で終わりました。
伊豆の伊藤祐親は、息子・祐清に、宗時暗殺を告げました。
仲の良い友人でもある宗時を殺すことに難色を示す祐清。
しかし父は、下人の善児(梶原善さん)に厳命したのでした。
8月20日、頼朝は300の兵を引き連れて、北条館を出発しました。
江間次郎は、戦で危険なため、家を出るよう促します。
八重が江間に「勝てますか?勝ってもらわねば困ります、北条は強い」と言うと、江間は、北条が大庭と戦っている隙に、伊東が北条の背後を突くという作戦があると打ち明けたのです。
それを知った八重は、急いで川を渡って、頼朝に情報を伝えようとします。
江間は八重を止めようとするのですが押し切られ、船を操り八重を北条館へと連れて行きました。
しかし、雨の降る中、急いでたどり着いた北条館は、もぬけの殻でした。
伊豆山権現
伊豆山権現に身を寄せた政子、りく、実衣ですが、そこは女人禁制の場。
身分を隠して寺女として雑事をすることになります。
りくは「身重なのに…」と消極的で、実衣も意気消沈するのですが、政子は「佐殿たちは命懸けで戦っています。これは私たちの戦」と気丈に振る舞い、心配する義時に大丈夫だと言い聞かせたのです。
石橋山の戦い
伊豆山権現からの帰り道、義時は伊東の兵が山中に潜んでいることを見つけました。
出陣した頼朝軍は、降りしきる雨に阻まれて、なかなか前に進めずにいました。
石橋山の山中に陣を構えて大庭を待ち受けます。
頼朝を追う大庭も、石橋山の麓に陣を構えました。
頼朝軍と合流するはずだった三浦党は、雨が降り続き、酒匂川の水位が増し、川を渡れず兵を進めることができません。
三浦義澄(佐藤B作さん)はどうやって渡るか思案するのですが、息子の義村(山本耕史さん)に止められます。
和田義盛が、大庭に火をかけていいか、と息巻くと、義村はそれを止めます。
今、大庭は三浦を味方と思っているので、油断させて討てばいいと考えたからです。
しかし、そんなことは三浦のすることではない、と義澄は言い、和田に三浦の力を見せてやれ、と指示を出したのです。
義村はそんな父に諦めたように「父上がよろしければ…」と言うしかありませんでした。
三浦に矢を打ち込まれ、三浦を敵と認識した大庭。
大庭に与する梶原景時は、三浦が合流する前に今すぐ出陣したほうがいい、と進言しました。
頼朝軍は、戦で乱戦になっても敵と味方がわかるよう白い布を各自身に付けていました。
そんな中、頼朝軍に紛れ込む曲者がいました。
曲者は見つかると周囲に刃を向けながら、逃げ出しました。
その曲者は、伊藤祐親に命じられた善児だったのです。
黄昏時、大庭景親は三浦の援軍は川を越えられないと判断し、頼朝軍への強襲を決めました。
小勢が大軍と戦う時、敵を挑発して山に誘い込み、狭い場所で戦えば勝機があると宗時は主張しました。
敵を挑発する役目は、時政が請負いました。
そんな中、遅れて合流した義時は、背後に伊東が潜んでいると伝えたのです。
大庭勢を前に、時政は威勢良く口上を述べます。
しかし大庭は余裕を見せ、逆に時政を挑発してくるのです。
散々挑発された時政は業を煮やし、ついに突撃命令を出してしまいました。
兵力差は歴然。
頼朝は宗時と義時に守られ、山中に逃げ込みました。
途中、伊東勢と乱戦になりながらも何とか逃げる頼朝。
前後を挟まれた頼朝の軍勢は逃げ場を失いました。
大庭は館にて、まずは大勝利、これで源氏の再興はなくなった、と笑います。
梶原景時は、見つからない頼朝の所在を気にしていました。
大敗
政子のもとに、今回の戦は大敗との知らせが入りました。
取り乱し、飛び出そうとする政子を押しとどめ、りくは「やるべきことがあるだろう」と諭したのです。
そうして、政子たちは頼朝の無事を祈って、念仏を唱え始めたのです。
その頃、山の中で生き残った頼朝の軍勢が平家の目を掻い潜り集まっていました。
宗時は、武田信義の助力を得ようと進言するのですが、頼朝は反対しました。
それでも、この機を乗り切るためには援軍は必要と、頼朝は渋々頷きました。
頼朝は髻の中から小さな観音像を取り出しました。
こんなことならご本尊を持って来れば良かった、誰か取って来い!と癇癪を起こしたのです。
すると「私が参りましょう」と宗時が立ち上がりました。
頼朝は、本当に誰か行くとは思わず困惑し、怒ったのか?と不安そうになるのですが、宗時はそのまま立ち去ってしまいました。
宗時、離脱
神仏に祈りを捧げ終えた宗時は、見送りの義時の横を抜け、「お前にだけに言う」と言いだしたのです。
その夜、夢枕に後白河法皇が立ち、頼朝を小突き回します。
「強気で行けよ、お前しかいない」と繰り返す後白河法皇。
頼朝はまたもや自分の悲鳴で目が覚めたのです。
武田に助力を願いに行こうとする義時に、時政は「どうする、このまま逃げちまうか?」と言い出しました。
頼朝は大将の器ではない、大庭に頭を下げてもいい、と言うのです。
大庭は許さない、という義時に、時政は頼朝の首を持っていけばいいと言いました。
そんな時政に苦言を呈し、時政・義時親子は前に進みます。
その頃、北条館が近づいてきました。
途中まで同行していた工藤と別れ、館に向かおうと振り向いた時、工藤が倒れ伏していました。
駆け寄る宗時の背後に、曲者・善児が立ちました。
そして、宗時が刀に手をかける前に、背後から一突きにしたのです。
義時と別れる前、宗時は義時に本心を話していました。
「俺はな、平家とか源氏とかそんなことどうでもいいんだ。俺はこの坂東を俺たちだけのものにしたいんだ。西からきた奴らの顔色を窺って暮らすのはもうまっぴらだ。坂東武者の世を作る、そして、そのてっぺんに北条が立つ。そのためには源氏の力がいるんだ。頼朝の力がどうしてもな。だからそれまでは辛抱しようぜ!」
頼朝の挙兵を誰よりも望み、北条をここまで引っ張ってきた北条宗時は…死にました。
次回、第6回「悪い知らせ」
大庭景親(國村隼)率いる平家方の前に大敗を喫した源頼朝(大泉洋)の一党。この合戦で、北条家を引っ張ってきた宗時(片岡愛之助)ら有力な坂東武者が戦死。敵の追撃から必死に逃れる頼朝は、信頼する従者・安達盛長(野添義弘)らとともに石橋山山中に身を潜める。一方、兄・宗時の熱い想おもいに決意を新たにした義時(小栗旬)は、再起を図るべく父・時政(坂東彌十郎)とともに甲斐を治める武田信義(八嶋智人)のもとへ向かった……
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」公式サイトより
宗時が義時に意志を託して逝ってしまいました。
頼朝軍はまだまだ苦境に立たされています。
この苦境を救ってくれるのはいったい誰なのか。
頼朝と離れた時政と義時は間に合うのでしょうか。
次回、第6回「悪い知らせ」も見どころ満載で、見逃せませんね。
最後に
とうとう宗時が死んでしまいました。
史実ですから、この戦いで亡くなる事はわかっていましたが、暗殺という形で終わるとは…。
片岡愛之助さん演じる北条宗時は、いつも明るく力強く北条を引っ張ってきました。
時に空回りしてしまうこともありましたが、周りを明るくし、義時を見守る優しいお兄さんでした。
戦いの時の宗時は頼もしかったですね。
力強い太刀捌き、戦に慣れていない義時を気遣いながら敵を斬り進む姿はとてもかっこよかったです。
それが、こんな形で終わってしまうとは…。
史実とは言え、早すぎる退場が残念でなりません。
それから、やはりいい味出しているのが坂東彌十郎さんですね。
「挑発は得意」とか言いながら、國村隼さん演じる大庭景親にいいように挑発され、突撃命令を出してしまうなんて。
しかも大敗したにも関わらず、勝ったも同然だな、なんて感想、素晴らしく前向きすぎて。
でも、頼朝に暴言を吐かれた後は、毒を吐いていましたね。
頼朝の首、なんて軽く言ってましたが、本気だったのでしょうか。
いつも能天気な感じから不気味さが感じられました。
奥が深いです、ほんとに。
大泉洋さん演じる頼朝は、余裕がなく怒りっぽくなってきましたね。
当初は随分物静かな頼朝、と感じていたのですが、回を追うごとに荒々しさが目立ってきました。
負けられない戦をしているのですから当然ですが。
八重に誘われついて行くところや、後白河法皇に小突かれているところは面白かったですけどね。
それから、小池栄子さん演じる政子の健気さにも感動しました。
安全を確保するためといえども頼朝と離れ、寺女としての生活。
りくも実衣もかなり嫌がっていましたよね。
それでも健気にしっかり働く政子、感動しました。
のらりくらりとしていた宮沢りえさんが急に義母らしくシャッキリするところも良かったですね。
メリハリがとても良くて、本当に目が離せません。
國村隼さん演じる大庭景親も、憎らしいほど冷静で余裕があり、かっこよかったです。
源氏の敵なんですけどね、かっこいい。
気の毒なのが山本耕史さん演じる三浦義村でした。
不器用で無骨で実直な坂東武者である父・義澄に、奇襲とか裏切りとかは勧めてはいけなかったんですね。
あの頃は裏切りなんてザラにあったと思うのですが、坂東に謀略とかはまだ早かったんでしょうか。
さて、次回は、絶体絶命の頼朝に助けがやってきます。
果たしてそれが誰なのか、どんな感じになるのか、楽しみですね。
宗時を失った北条親子が立ち上がる様も楽しみです。
次回、第6回「悪い知らせ」、見所満載です。