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鎌倉殿の13人 第20回「帰ってきた義経」のあらすじと感想

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61作目となる2022年大河ドラマ、「鎌倉殿の13人」。

脚本は、三谷幸喜さん。

主役の北条義時を務めるのは、小栗旬さんです。

毎週日曜(総合)午後8時、(BSプレミアム、BS4K)午後6時、毎週土曜日午後1時5分から再放送が放送中です。

目次

前回のあらすじ

源頼朝(大泉洋さん)に鎌倉入りを拒否され京に戻ってきた源義経(菅田将暉さん)のもとに源行家(杉本哲太さん)が訪ねてきました。

行家は、義経が木曽義仲の二の舞にならぬよう頼朝を討てと唆します。

鎌倉の頼朝も、義経との関係を憂いていました。

義経を受領にすれば検非違使は辞めることになり、己の非を認めて詫びれば鎌倉に受け入れたいと考えていました。

しかし、義経を離したくない後白河法皇(西田敏行さん)は、未曾有のことながら伊予守と検非違使を兼任させると言いだしたのです。

検非違使を辞めない義経に対し、激高した頼朝でしたが、父・義朝の法要に義経が来れば許そうと考えを改めました。

北条義時(小栗旬さん)から事の次第を聞いた義経は、行家が止めるのも聞かず、法皇に鎌倉行きを訴えるのですが、法皇が急な病で倒れ、それもできなくなりました。

しかしそれは、義経を鎌倉に行かせたくない法皇の嘘。

絶望に打ちひしがれる義経を慰める愛妾・静(石橋静河さん)。

それに嫉妬した正妻・里(三浦透子さん)は無頼者を雇って2人を襲撃しました。

義経と弁慶により賊は追い払ったものの、行家は、これは頼朝が送り込んだ刺客だと義経を焚きつけます。

それを鵜呑みにした義経は、法皇に頼朝追討の宣旨を頼んだのです。

文治元年10月18日に宣旨は出され、22日に頼朝に伝わりました。

頼朝たちが用意した謝罪の機会を尽く無下にした義経に激高した頼朝は、全軍で京に上り、義経を討つと宣言。

梶原景時(中村獅童さん)を総大将として、出陣することが決まりました。

29日、頼朝は自ら全軍を率いて京に上ります。

その噂は全国に駆け巡りました。

頼朝が大軍を率いて現れたとの噂を聞いた行家は動揺し、義経を罵倒すると姿を消しました。

兵が集まらず、戦ができない義経は、危険を察知し、静と別れ、里を連れて京を出ました。

義経が消え、頼朝が攻めて来ると知った法皇は、頼朝追討の宣旨を取り消し、頼朝に義経追討の宣旨を出すことにしました。

頼朝は、義経失踪の知らせを受け、鎌倉に引き上げ、北条時政(坂東彌十郎さん)を京に向かわせました。

時政は坂東武士初めての京都守護職として上洛。

義時と共に法皇に対面しました。

法皇は頼朝の勢いを恐れ、追討の宣旨は義経に脅され仕方なく、と義経を悪者に仕立てます。

義時は頼朝が法皇を信じきれないと訴え、法皇が怯んだ隙に、頼朝の西国諸国統治を認めさせました。

その夜、時政・義時の宿舎に義経が現れました。

頼朝との仲をどうにかしたいと訴えた義経。

奥州に戻ると言う義経を止め、義経ほどの才ある者ならば、どこでも生きていけると励ました2人。

そうして義経は姿を消しました。

まるで平家を倒すためだけに生まれてきたような人だ、と時政は呟いたのでした。

前回、第19回「果たせぬ凱旋」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。

それでは、第20回「帰ってきた義経」のあらすじと感想です。

奥州に戻った義経

文治3年(1187年)2月、義経は奥州平泉に戻っていました。

藤原秀衡(田中泯さん)は、義経の帰還を喜び、また、義経の文が来た時に挙兵できなかった自分を責めました。

「平家を倒したのはお前だ、ようやった!」と、義経の武功を褒め讃えた秀衡の言葉に、義経は言葉を詰まらせ、涙を零しました。

鎌倉では義経が奥州に現れたと報告が上がってきました。

義経が秀衡と手を組んだら鎌倉にとって強大な敵となってしまうと安達盛長らは危惧します。

頼朝も諦めたように「そうなるな」と同意しました。

義時は戦を避けるために、奥州に戻ってはならないと義経に言い含めていたのですが、それを裏切った義経。

義時は苛立ちを募らせました。

義経を迎え入れ、鎌倉最大の脅威となった奥州平泉。

藤原秀衡によって保たれていた均衡が崩れようとしていました。

藤原秀衡の死

最近漸く笑顔が戻ってきた大姫(南沙良さん)でしたが、弟・万寿(鳥越壮馬さん)から蝉の脱殻を見せられ、亡くなった許嫁・義高を思い出し、表情が一変しました。

その様子を見て心配した政子(小池栄子さん)は大姫の様子を頼朝に伝えました。

すると頼朝は大姫を入内させる計画があると打ち明けたのです。

政子の表情は険しくなりました。

その頃、奥州では藤原秀衡が終わりの時を迎えようとしていました。

秀衡は次男・泰衡(山本浩司さん)に後を継がせ、長男・国衡(平山祐介さん)に自分の妻を娶るよう命じます。

そして義経を呼ぶと、義経を大将軍に任命し、義経のもとで力を合わせよと遺言を残しました。

「もう少し儂に時があったら、鎌倉に攻め込んで…」と言い残すと、そのまま息を引き取りました。

義時、平泉へ

文治5年(1189年)4月、義時は頼朝に奥州に行く許可を願い出ていました。

「私を平泉に行かせてください、九郎殿を連れて必ず戻ってきます」と訴えると、頼朝は了承しました。

しかし、義経を生かして連れて帰るな、と言うのです。

「禍の目は残してはならない、だが決して直に手を下してはならぬ。泰衡・国衡の兄弟は仲が悪い。2人の間を割き、泰衡に取り入り焚きつけて九郎を討たせる。我らに背いたと大義名分を作り、勝手に九郎を討ったことを理由に平泉を滅ぼす」と策を授けたのです。

「この日の本から鎌倉の敵を一掃する。やらねば戦は終わらぬ。新しい世を作る為じゃ」と頼朝は言うのでした。

奥州に向かおうとする泰時の前に梶原景時の命を受けた善児(梶原善さん)が現れ、同行すると言います。

奥州に到着した義時は、泰衡に義経を引き渡して欲しいと交渉します。

「あの者は鎌倉殿に対して謀反を目論んだ大罪人。匿えば泰衡殿も同罪になる」と脅してみても、泰衡は父の遺言を守り、首を縦には振りません。

今の義経は鎌倉に刃向かう気などない、と断言するのです。

泰時は畑仕事に精を出す義経と対面しました。

平家を倒した男が今はこおろぎと戦っている、と煙に弱いこおろぎの性質を利用した道具を作っていました。

あれほど奥州に行ってはならないと言ったのに、と義経をなじる義時。

義経は笑いながら自分はもう戦はしない、と宣言します。

ただし、平泉に手を出したら、鎌倉が灰になるまで戦う、帰って兄上に伝えろ、と脅したのです。

同行していた善児は、義経の寝首を掻こうか提案しますが、義時は却下します。

ある日、畑仕事をしている義経を見ていた義時は、「静さんのことは残念でしたね」と静のことに触れました。

何のことかわからない義経は、苛立ちながら続きを話せと急かします。

静の覚悟

義経に置いて行かれた静は吉野から鎌倉に向かおうとしているところ、時政の軍勢に捕まりました。

鎌倉に連れてこられ尋問が開始されますが、義経に言われた通り、自分は静ではないと主張します。

尋問に同席していたりく(宮沢りえさん)は、静の座り方から静の妊娠に気づき、静が何も言わないのは腹の子が義経の子だからだと推察しました。

政子たちは何とかして静を逃がそうと鎌倉から去ることを提案します。

しかし、同席していた比企の道(堀内敬子さん)から妾と侮辱され、自分は静であると大声で宣言してしまったのです。

本物の静御前ならば舞が舞えると頼朝の前で舞を披露することになりました。

舞台準備を終えた静に義時は「あなたは身勝手だ、九郎殿が喜ぶと思うのか」と責めます。

大姫も静を助けたいと願い、静に態と下手に踊り、静の偽物だと思わせろ、と指示したのです。

初めは下手に踊っていた静ですが、「生きたければ黙っていろ」と別れる際に義経に言われた言葉を思い出し、覚悟を決め義経を慕う歌を歌い始めました。

歌に合わせ華麗に舞う静の姿を見た大姫は「どうして…」と呟きます。

政子は「女子の覚悟です。あなたが挙兵された時、私も覚悟を決めました。それと同じことです」と静の覚悟を賞賛しました。

その後、静は鎌倉から出られず、4か月後男児を出産。

生まれた子が男子だったため、頼朝の命で殺害されました。

静は鎌倉を出て行方知れず、美濃の宿で静に似た遊女を見かけたという噂があると告げました。

「聞いておいて良かった」と笑っていた義経でしたが、その夜、藁で出来た案山子を刀で斬りつけ咆哮しました。

義時の誘導

その様子を見ていた義時は、義経の鎌倉への恨みが膨れ上がってきている、国衡と手を組んで挙兵しようとしている、と泰衡に報告するのです。

長く続いた藤原一族を自分の代で滅ぼしてもいいのか、と脅した泰時。

どうすれば、と困惑する泰衡に、義経の首を取り鎌倉に送り届ける、それしか手はない、と義時は促しました。

それを見ていた秀衡の6男・頼衡(川並淳一さん)は、秀衡の遺言を守れといい、何をしに平泉に来た、お前の魂胆は何だ、と義時に斬りかかりました。

庭から善児が現れ、頼衡を殺害。

泰時は「もう後には引けない」と泰衡に囁きます。

邸ですれ違った国衡は、泰衡に義経は挙兵する、と耳打ちします。

泰衡の覚悟が決まりました。

ぼんやりと畑を見つめる義経の前に、秀衡が現れました。

手に土を掬い取り畑に落とす、義経に手を差し出し、その手を振りあげると月に手を伸ばし、義経を見つめます。

義経はその姿をじっと眺めていました。

里の思い

その夜、泰衡は義経の宿所に手勢を連れて乗り込もうとしていました。

この辺が潮時、と引き際を見極めていた義経に、里は「こんなところで死にたくない、こんなところに来たくなかった、畑仕事もしたくなかった、と義経を詰ります。

それでもひとつだけ嬉しかったことは、静に起こった悲劇でした。

そんなにも静が憎いか、と言う義経。

里は、京にいた時現れた賊は自分が手引きしたのだと打ち明けました。

静を殺すつもりだった、と言ったのです。

兄からの刺客だと思い込んでいた義経は激高し、懐から取り出した刃物を里の胸に突き立てました。

「お前か!」と怒りを顕にしていた義経ですが、血を吐き息絶えた里を見て我に返り、涙を流しながら里に謝り続けました。

義経の最後

鎌倉に戻ろうとする義時の前に弁慶が現れ、義経の下まで連れて行きます。

そこには、里と娘の遺体が横たわっていました。

義経は、この騒動に義時が1枚噛んでいると察知していました。

義時が静のことをなぜ話したのか、義経に鎌倉憎しの心があれば、泰衡も兵を出さないわけにはいきません。

自分の手を汚さず、泰衡に自分の首を取らせる、それが頼朝の作戦です。

それがわかった義経は、そこまで兄にとって私が邪魔ならどうでもよくなった。この首で平泉が守れるなら本望だ、と言ったのです。

弁慶は義経を守るため、武装して外に飛び出しました。

弁慶が時を稼いでいる間、義経は自分が考えたという鎌倉攻略の作戦を義時に教えました。

細部までよく考えられた策に義時は感服します。

義経はそれを書付にしており、梶原景時ならばこの策がどれほどのものか理解できる、と義時に託しました。

泰衡の兵が間近に迫り声が近くなると、義経は義時に「行っていいぞ」と解放しました。

そして楽しそうに弁慶の戦いを見ている義経に、義時は深く一礼するとその場を去りました。

鎌倉に戻った義時に、頼朝は背を向けたまま「ご苦労だった」と一言告げ下がらせました。

梶原に義経の文を見せた義時。

梶原はこの作戦通りに鎌倉が攻められていたら鎌倉は間違いなく滅びていた、と義経の策を賞賛しました。

6月13日、鎌倉に義経が戻ってきました。

頼朝は義経の首を前に、義経のこれまでの戦いを労います。

義経にこれまでの戦いのことを話して欲しい、義経の口から聞きたいのだ、と言うと義経の首桶に縋り付き「九郎、すまぬ」と泣き崩れたのでした。

次回、第21回「仏の眼差し」

源義経(菅田将暉)を失った奥州に攻め込み、藤原泰衡(山本浩司)を討ち取る源頼朝(大泉洋)。義時(小栗旬)・畠山重忠(中川大志)らが在りし日の義経をしのぶ中、頼朝は毅然きぜんと上洛に向けて動き出す。一方、京の後白河法皇(西田敏行)は丹後局(鈴木京香)と今後の動静を憂慮し、きたるべき日に備えていた。そんな中、鎌倉では八重(新垣結衣)が子どもたちの世話に奔走。八重の明るい表情に、政子(小池栄子)も目を細めるが……

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」公式サイトより

とうとう頼朝は奥州の藤原氏も討ち取り上洛に向けて進み始めます。

後白河法皇の動きが気にかかるところですが、八重の身にも何かが起こってしまうのでしょうか。

北条の繁栄と安泰を願う義時ですが、まだまだ何かが起こりそうで、ドキドキしますね。

最後に

義経も最後の時を迎えてしまいました。

菅田将暉さん演じる義経は、従来のイメージを覆す鮮烈な義経でした。

無邪気でまっすぐ過ぎた義経は、様々な人の思惑に踊らされ、非業の死を遂げてしまいました。

当初の、戦に執着し手段を選ばず策を弄する義経には恐怖を感じましたが、時折見せる農民への優しさや宗盛親子に与えた情を見てみると、義経の辿る悲劇に胸が締め付けられました。

ただ、正室・里に対しての態度はいただけませんでしたけどね。

決して蔑ろにしていたわけではないのでしょうが、比企の娘だから人質として連れて行く、だの酷い言葉を言う義経を残念に感じていました。

この時代は愛妾だの側室だの居て当然なのかもしれませんが、あそこまで里が思いつめてしまった原因は、やはり義経だったのでしょうね。

自分が賊を手引きしたと告白し、刺された里。

不満を言いながらも義経に最後まで従い、遂に刺殺されてしまった里に悲しみしかありません。

それにしても、頼朝が恐ろしい手段を考えるのはいつものことですが、義時がそれを実行するとは驚きでした。

義経や静を助けようと助言をしても、義経は平泉に行き、静は全力で舞を舞いました。

義時の意を汲まない人々にどれほどの苛立ちを感じ、虚しさを覚えたことでしょう。

頼朝の命を受け、忠実にそれを実行する義時。

上総介広常を見せしめとして殺害を黙認し、木曽義仲、義高親子を助けるべく動いても報われず憎まれ、一条忠頼を誅殺し、藤内光澄を斬首した義時は、どんどん頼朝に似てきていますね。

これまでは涙を流し、苦悩した姿を見せていたのですが、今回の義経の場合は淡々と義経を追い詰めていました。

もちろん、その前に助けるべくたくさんの努力をしていたのですけどね。

頼朝のため、鎌倉のため、覚悟が決まった義時の恐ろしさがよくわかった回でもありました。

それにしても、善児が出てくると本当に怖いことばかり起こりますね。

静の子供を連れ去る善児、簡単に「やっちまいましょうか」と言う善児に恐怖を感じました。

さて次回、第21回「仏の眼差し」。

予告では新垣結衣さん演じる八重の優しい柔らかな表情が印象的でしたね。

「仏の眼差し」とは何を意味するのか、八重の眼差しのことなのでしょうか、それとも。

日本一の大天狗と言われる後白河法皇の動きが非常に恐ろしく気にかかりますね。

次回、第21回「仏の眼差し」では、人の死に触れず落ち着いて穏やかにお話が進むのでしょうか。

この時代、難しいかもしれませんが、ドキドキしながら視聴しようと思います。

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