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鎌倉殿の13人 第32回「災いの種」のあらすじと感想

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61作目となる2022年大河ドラマ、「鎌倉殿の13人」。

脚本は、三谷幸喜さん。

主役の北条義時を務めるのは、小栗旬さんです。

毎週日曜(総合)午後8時、(BSプレミアム、BS4K)午後6時、毎週土曜日午後1時5分から再放送が放送中です。

目次

前回のあらすじ

建仁3年(1203年)7月、2代鎌倉殿、源頼家(金子大地さん)が病に倒れ、回復の見込みもなく、比企と北条による後継者争いが激化し始めていました。

頼家の乳母夫で、舅でもある比企能員(佐藤二朗さん)は、娘・せつ(山谷花純さん)の子、一幡(相澤壮太さん)を後継者にしようと宿老たちに持ちかけるのですが、時期尚早と反対されてしまいます。

現在、次期鎌倉殿となれる者は、頼家の長男・一幡、次男の善哉、頼家の弟の千幡のみです。

源氏の嫡流ではありますが、頼朝の弟・阿野全成の子供・頼全と時元は全成の死により、その可能性を失いました。

一幡には比企能員、善哉には三浦義村(山本耕史さん)、千幡には北条時政(坂東彌十郎さん)がそれぞれ乳母夫として後ろ盾となっていました。

京にて、僧の修行をしていた全成の子・頼全が比企の企てにより殺されました。

頼全は阿野全成と北条時政の娘・実衣(宮澤エマさん)の長男です。

北条一族の怒りは比企に向かいました。

北条は、比企が画策している、一幡の鎌倉殿就任を阻止し、全成が乳母夫を務めた千幡を次期鎌倉殿にするよう動き始めました。

北条義時(小栗旬さん)は、一幡と千幡で分割統治させる提案をしましたが、比企は承知せず、比企との戦を決意しました。

一方の比企も、北条との対決を鑑み、三浦義村を味方に引き入れようと画策していましたが、比企一族で義時の妻である比奈(堀田真由さん)に知られ、その情報は義時に筒抜けになっていました。

比企との戦を覚悟した義時ですが、最後にもう一度だけ比企と話し合いたいと父・時政に相談すると、その話し合いには時政が行くと請け負ってくれました。

そうして行った比企と北条の話し合いですが、双方言い分を変えず決裂に終わりました。

建仁3年9月2日、時政から和議の知らせをもらった比企能員は、家族が止めるのも聞かず丸腰で北条館を訪れました。

しかし到着してみるとそこには武装した時政の姿。

比企は脱出を試みますが、すぐに捕らえられ首を斬られました。

義時はすぐさま比企館の襲撃も行い、この日、比企一族は滅亡したのでした。

北条政子(小池栄子さん)に比企の謀反を収めた報告をし、次期鎌倉殿として千幡、政を時政が行うと報告していた時、昏睡状態だった頼家が目覚めたとの知らせが入ったのでした。

前回、第31回「諦めの悪い男」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。

それでは、第32回「災いの種」のあらすじと感想です。

頼家の回復、北条の困惑

病から目覚めた頼家に、北条一門は苦悩していました。

頼家が死亡するとして、比企一族や一幡を排除してしまったからです。

しかし、一幡だけでも生きていてのが、せめてもの救い、と政子は言います。

政子は義時に一幡だけは助けて欲しいと訴えていました。

一幡の死を信じていた一族は驚き、義時は目を伏せました。

大江広元同席の元、今後どうするか話し合いをもちましたが、何も決まりません。

大江は、既に千幡を後継に願う使者を京に出してしまったと話します。

「止めるなら今、ご決断を」と言われた政子。

義時は「答えはとうに出ている。頼家様が全てを知れば、北条をお許しにはならない。ここは頼家様が息を吹き返される前に戻す。それしか道はない」と宣言しました。

恐るべき早業で比企を滅ぼした北条。

千幡を鎌倉殿とする新体制が生まれました。

しかしそこには既に大きな亀裂が入り始めていたのです。

回復した頼家は、せつと一幡に会いたいと願いますが、時政と時房(瀬戸康史さん)から流行病で臥せっていると説明されます。

比企能員にも会いたいというのですが同じ理由で会えないと言われ、北条に不信感を持ち始めます。

義時の妹・実衣は、全成を死に追いやり、息子を殺した比企一族に強い恨みを抱いていました。

比企滅亡を望む実衣ですが、まだ比企一族の比奈が残っていると、義時に目をやるのです。

政子も義時も比奈はもう北条の者だと言うのですが、実衣は納得しません。

義時は悩みます。

政子と2人になった義時は、一幡死亡を伝えました。

一幡は生きていると信じきっていた政子は激高します。

義時は政子に一幡は警護の兵を振り切って比企の館に戻ってしまったと説明しますが、政子は嘘だと信じません。

「初めから助ける気などなかった。義高の時と同じ、北条は比企の敵、生きていれば何をしでかすかわからない、だから葬った、違いますか」

政子は義時の頬を殴りつけます。

「あなたは私の孫を殺した、頼朝様の孫を殺した」

義時は「一幡様にいてもらっては困るのです」と言い募ります。

「頼家も殺すつもりですか」いう政子の問いかけに義時はゆっくりと首を横に振ります。

しかし政子は「もうあなたを信じることはできません」と政子は憤るのです。

そして、頼家に伝える役目は自分がする、全てをそのまま話すわけではない、というと頼家の元に向かったのです。

疑惑

まだ床で休んでいる頼家に、比企一族滅亡のことを伝えると、頼家は呆然と「比企が滅んだということですか。ということは、せつはこの世にいないということですか。一幡も…。信じられません、なぜだ」と項垂れます。

政子は、頼家が助からないと思った比企一族が館に火を放ち、自分たちで死を選んだ、と説明しました。

それを信じられず、本当は何があったのだと疑う頼家。

「北条のやつらだ。あいつらがせつや一幡を…」と呻きました。

政子は否定しますが、そんなわけはない、と頼家は深く悲しみました。

つつじ(北香那さん)と善哉(長尾翼さん)は三浦に守られて無事、と聞いた頼家は、北条の者である政子のことを拒絶し、「北条を絶対に許さない、お前もだ!」と唸ったのでした。

三浦館で生活しているつつじと千幡に、三浦義村は「ことは良い方に動いています」と告げます。

一幡が亡くなり、千幡に何かあれば、次は善哉が鎌倉殿です。

時を待て、と笑う三浦に、つつじはただ黙っていました。

後鳥羽上皇の判断

京の後鳥羽上皇(尾上松也さん)の元に、鎌倉から頼家の危篤を知らせる文が届きました。

後継として弟の千幡を将軍に任じて欲しいという嘆願です。

それと同時に千幡の元服についても書かれてありました。

その文を見た後鳥羽上皇は、僧の慈円(山寺宏一さん)に相談します。

すると慈円は、「壇ノ浦に沈んだ三種の神器、夢はこういっていたように思われます。失われた宝剣の代わりが武家の棟梁、鎌倉の将軍と。その将軍大事になさいませ」と助言します。

上皇は、元服するという千幡のために、京と鎌倉を繋ぐ実となるように、と「実朝」という名をつかたのです。

りくの思惑

北条のりく(宮沢りえさん)は、将軍となる千幡の嫁について考え始めていました。

今後は京との繋がりを深めたほうがいいと考えたりくは、娘・きく(八木莉可子さん)の婿で、京都守護を務める平賀朝雅(山中崇さん)が動き良き姫を見つけたら、息子の政憲(中川翼さん)が京に迎えに行くようにと筋書きを定めたのです。

頼家の怒り

頼家は、本当のことが知りたいと和田義盛(横田栄司さん)と仁田忠常(高岸宏行さん)を呼びました。

頼家に問い詰められた2人は、和議の話で北条館に行った比企能員を時政が討ったと答えてしまいます。

頼家は2人に時政を討ち、首を持ってくるようにと命じました。

和田は困り果て、三浦義村と畠山重忠(中川大志さん)に相談しました。

三浦義村に、北条を討つ気か?と問われた和田は、そんな気があったら相談しないと返します。

今の頼家に力はない、と助言を受けた和田は、全てを時政に話したのでした。

話を聞いた時政は、仁田が自分の所に来ないと不審がります。

まさか、自分を討とうというのかと懸念します。

仁田の性格をよく知る畠山は、仁田が頼家と時政の板挟みになり、悩んでいるのではと推測しました。

頼家から狙われていると時政から伝えられたりくは、頼家を暗殺しようと提案します。

時政に訴えるのですが、頼家は時政にとって孫になり、殺したくない存在なのです。

京から、千幡就任の許可が届きました。

同時に後鳥羽上皇から「実朝」という名が届き、戸惑う義時に対し、平賀は「良い名です」と頷きました。

平賀はこれから京との連絡役として務めます。

政務に忙しく動く義時のもとに仁田が相談したい、と声をかけてきました。

しかし義時は急用でないなら後にしてもらいたい、と仁田の話を聞くことなく立ち去ってしまいます。

仁田は、かしこまりました、と笑顔を向けました。

泰時の報告、比奈の決意

泰時(坂口健太郎さん)と泰時の妻・初(福地桃子さん)から、一幡が生きていると知らされた義時は驚きます。

初は、泰時の性格的に無理だったと頭を下げます。

頼家が助かった今、一幡が生きているのは不幸中の幸い、と泰時は訴えます。

義時は冷静に一幡の居所を聞き出しました。

一幡は善児(梶原善さん)のもとに匿われていたのです。

出かけようとする義時を比奈が呼び止めました。

比奈は、比企の者である自分が比企を滅ぼす手伝いをしたことに悩み、このまま鎌倉にいるわけにはいかない、と結論づけたのです。

義時と比奈の婚姻は、起請文によって縛られています。

誓いを破れば、義時は地獄へ落ちてしまうと比奈は言います。

義時をそんな目に合わせたくないから、自分からお願いする、と言うと「どうか、離縁してください」と頭を下げたのです。

義時の正室は比企の縁の者、姫の前という名で歴史に刻まれています。

比企が滅亡したこの後、鎌倉をさり、4年後に京で息を引き取ることになります。

善児

義時は善児のもとを訪れました。

善児は一幡と睦まじく遊んでいました。

義時の「あれは生きていてはいけない者だ」という言葉に善児は、「できない」と断ります。

「千鶴丸と何が違う」と聞くと、「儂を好いてくれている」と訴えます。

しかし、「似合わないことを申すな」と言った義時の言葉で小刀を手に立ち上がりました。

トウ(山本千尋さん)と遊ぶ一幡に近づく善児ですが、手を振る一幡に、どうしてもそれ以上近づくことができません。

義時が刀に手をかけ近づこうとすると、トウが一幡を他の場所で遊ぼうと促します。

一幡は、すれ違った時に見た善児が泣いていることに不思議がりました。

一幡たちが立ち去ると、善児は自分で作ったブランコの縄を切り、2人を追いかけました。

仁田の死、頼家の処遇

館に戻ると、泰時に来て欲しいと急き立てられます。

そこには仁田の遺体が横たわっていました。

仁田は頼家と時政の板挟みになり、自害したのです。

義時はこのことを頼家に伝えました。

「頼家様の軽々しい一言が、忠義に厚いまことの坂東武者をこの世から消してしまわれたのです。頼家様のお気持ちが変わらぬ限り、同じことがまた繰り返されるのです。お分かり頂きたい」と義時は頼家を責めました。

北条は、頼家を鎌倉から離すことを決めました。

政子は難色を示すのですが、実朝が鎌倉殿として立つのを近くで見るよりは頼家のためだと説得します。

頼家は、伊豆修善寺に送られることが決まりました。

泰時は、一幡のことを伝えたのかと義時に尋ねました。

すると義時は、一幡は比企館が燃えた時に一緒に亡くなった、おかしな事を言うな、と釘を刺します。

これにより、泰時は義時が一幡を殺したことを知りました。

せっかく生かした一幡をなぜ殺したのか、父に怒りをぶつける泰時。

「父上はおかしい!」と叫んだ泰時の頬を義時は思い切り殴りつけました。

頼家は、御家人一同の総意、として伊豆修善寺に送られると告げられました。

嫌がる頼家を三浦と和田は無理やり連れて行こうとします。

「わからないのか三浦、比企の次は三浦だぞ、和田だぞ!」と叫びながら頼家は激しく抵抗し、最後には倒れ付して泣き咽んだのです。

建仁3年(1209年)10月8日、千幡の元服の儀式が盛大に行われました。

千幡は3代将軍となり、御家人一同からの礼を受けています。

新たな鎌倉殿、3代将軍・源実朝の誕生です。

一方頼家は、鎌倉を離れ、伊豆修善寺に送られました。

1人で遊ぶ善哉のもとに、比企尼(草笛光子さん)が現れました。

善哉の目線になり「北条を許してはなりませんぞ、あなたの父を追いやり、あなたの兄を殺した北条を。あなたこそが次の鎌倉殿になるべきお方。それを阻んだのは北条時政、義時、そして政子。あの者たちをけっして許してはなりませんぞ。北条を許してはなりません」と何度も言い聞かせたのでした。

次回、第33回「修善寺」

鎌倉では政子(小池栄子)の次男・源実朝(嶺岸煌桜)を鎌倉殿とする新体制が始まり、北条時政(坂東彌十郎)が執権別当に就任。時政を裏で支えるりく(宮沢りえ)は実朝の正室を京から迎えることを進言し、娘婿である平賀朝雅(山中崇)を通じて後鳥羽上皇(尾上松也)に願い出る。しかし、御家人たちは派手に権力をふるう北条を敬遠。三浦義村(山本耕史)の忠告に義時(小栗旬)も苦笑する。一方、失意の源頼家(金子大地)は……

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」公式サイトより

実朝を中心とする新体制が始まり、北条の権勢が一気に増しましたね。

しかし、修善寺に追いやられた頼家の動向も気になるところです。

未だ御家人たちの足並みも揃わず、揺れ動く鎌倉に義時は何を考え、何をするのでしょうか。

りくの動きが派手になり、三浦も暗躍を始めます。

2人の動きが気になりますね。

義時のやり方に反発する泰時も気になるところです。

次回、第33回「修善寺」では一体何が起こるというのでしょうか。

毎回、緊迫感あふれる展開で、気が抜けないですね。

最後に

頼家が生き返ったことにより、大変なことが巻き起こりましたね。

あのまま息を吹き返さなければ、全て北条の思惑通りになっていました。

まあ、蘇っても今の頼家にはそれだけの力もなく、結局は北条の思惑通りになってしまいましたがね。

金子大地さん演じる頼家の戸惑い、怒りがよく伝わってきました。

目が覚めたら周りが北条の者ばかりで、比企一族が流行病だと言われたら、そりゃ不審がります。

北条には既に裏切られたことがある頼家ならば、すぐに北条を疑いますよね。

それでも、母である政子も信じられないなんて、本当に悲しいことです。

何よりも家が大切な鎌倉時代だからなのでしょうが、家を巡る争いが多すぎて、気が滅入ってしまいます。

比企滅亡により、義時と比奈の運命も変わってしまいました。

押しかけ女房的に起請文までとって結婚した比奈ですが、一族滅亡の片棒を担いだのは、やはり辛かったのでしょうね。

一族滅亡から4年後に亡くなるなんて、悲しい結末です。

頼家の怒りにより仁田忠常に悲劇が起こってしまいました。

史実によると、仁田忠常は北条義時に討ち取られたとも、御所で討ち取られたともありますが、三谷幸喜さんのこのドラマでは自害になっていました。

高岸宏行さん演じる仁田忠常は、このドラマが始まった当初から、気のいい武者で、人から頼られる優しくて頼もしい武者でありました。

そんな優しい忠義者だった仁田ならば、比企能員を討った責めと時政を討つ命に苦しむのは当たり前だったでしょう。

相談したかったのに、話を聞かなかった義時に怒りがこみ上げてきます。

あの時の諦めたような仁田の表情が印象的でした。

善児と一幡のエピソードは悲しくなりました。

確かに千鶴丸をいとも簡単に殺め、他にもたくさんの人々を殺めた善児ですが、自分を好いてくれる子供は殺せない、と泣く。

善児にも人の気持ちがあったのだと驚くと同時に、それでも非情に一幡殺害を命じる義時のブラックさに怖気立ちました。

小栗旬さん演じる北条義時は、回を追うごとに頼朝と同じように非情に冷酷に命のやり取りをするようになりました。

これからもまだまだたくさんあると思うと、本当に怖いです。

今回の「災いの種」というタイトルにあるように、たくさんの「災いの種」となる人物が登場してきました。

頼家が北条にとっての災いの種ですし、一幡も同じです。

時政とりくの娘婿にあたる平賀朝雅も、ある事件の災いの種となります。

また、最後に草笛光子さん演じる比企尼に北条への憎しみを植えつけられた善哉もまた、災いの種となります。

最後のあれは、怖かったですね!

草笛光子さんの淡々と、しかし恨みのこもったあの言葉、表情、雰囲気。

間近で見てしまったらトラウマになってしまうこと間違いないですね。

善哉の恐怖に満ちた表情がとても印象的でした。

さて、次回第33回「修善寺」では、鎌倉殿が2人になってしまい、鎌倉が揺れることになります。

修善寺の鎌倉殿、頼家は何をし、どうなってしまうのでしょうか。

三浦もなにか企んでいそうですし、ブラックさが増した義時がどう動くのか、楽しみであり恐ろしくもあり。

次回、第33回「修善寺」楽しみですね。

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