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鎌倉殿の13人 第34回「理想の結婚」のあらすじと感想

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61作目となる2022年大河ドラマ、「鎌倉殿の13人」。

脚本は、三谷幸喜さん。

主役の北条義時を務めるのは、小栗旬さんです。

毎週日曜(総合)午後8時、(BSプレミアム、BS4K)午後6時、毎週土曜日午後1時5分から再放送が放送中です。

目次

前回のあらすじ

2代将軍・源頼家(金子大地さん)に代わり、3代将軍となった源実朝(嶺岸煌桜さん)。

しかし政の実権を握ったのは、執権となった北条時政(坂東彌十郎さん)でした。

時政は、西国の御家人に実朝に対する起請文を要求し、比企一族滅亡により空いた武蔵の国の武蔵守になると言いだしたのです。

御家人たちは、比企の一件から、権力を振るい始めた北条に不満を持ち始めました。

時政の政策は、妻・りく(宮沢りえさん)の考えに基づいていました。

りくは、執権の世襲制を望み、自分の息子・政憲に継がせたいと望んでいました。

時政から諫められると、次に孫である実朝の嫁取りについて、考えを巡らせます。

娘婿の平賀朝雅(山中崇さん)を使い、後鳥羽上皇(尾上松也さん)に実朝の嫁を京から迎えたいと働きかけます。

北条の意向に答えつつ、上皇は、実朝が北条に取り込まれないよう、源仲章(生田斗真さん)を鎌倉に送り込むことにしました。

一方、伊豆修善寺に流された頼家は、酒に溺れ、鎌倉に無理難題を吹っかけてきます。

審議の結果を伝えに行った三浦義村(山本耕史さん)に、自分は必ず鎌倉に戻り、北条を討ち取ると宣言します。

義村にも北条討伐の協力を要請しますが、義村は即座に拒否。

頼家の考えは、鎌倉に報告されました。

ひとまずは静観する鎌倉方ですが、頼家に不穏な動きがあれば、覚悟を決める必要があると北条義時(小栗旬さん)は決断します。

頼家の母・政子(小池栄子さん)は、頼家の身を案じ、伊豆まで出向きますが、北条を信用できない頼家は母に会おうとしません。

畠山重忠(中川大志さん)らが説得しても、頼家は頷かず、それよりも、時政が畠山たちの所領である武蔵の国を狙っていると教え、畠山たちを揺さぶります。

その事を報告した畠山たち。

そこに、頼家が京と繋がっているという証拠が齎されました。

義時はそれを頼家の謀叛と捉え、頼家に兵を差し向けます。

しかし、泰時(坂口健太郎さん)は、父の考えを否定し、頼家に逃げるよう訴えます。

その夜、京から来た猿楽を頼家は楽しそうに見ていました。

その一座の中に、不審者を見つけ近づいた泰時。

一座の振りをした善児(梶原善さん)は、面を取ると泰時を気絶させ、頼家に向かいました。

善児は、義時の命により、頼家の暗殺を目論んでいたのです。

いつものように淡々と頼家を追い詰める善児でしたが、頼家の部屋で「一幡」の字を見つけ、隙ができたその一瞬に頼家の反撃にあってしまいます。

止めを刺されそうになった善児を救ったのは、善児の養い子・トウ(山本千尋さん)でした。

刀を振り被った頼家の背後に回ると、その背を刺し貫き、止めをさしました。

頼家に斬られ、瀕死の重傷を負った善児を見下ろし「父の敵」と叫ぶと、トウは善児も殺したのでした。

前回、第33回「修善寺」を見逃した方は、ぜひこちらをどうぞ。

それでは、第34回「理想の結婚」のあらすじと感想です。

観音像

北条泰時は、父・義時から小さな観音像を渡されました。

それは、源頼朝が大切にしていた観音像で、政子から義時に託されたものでした。

頼朝の子である頼家を、孫である一幡を殺した自分は、それを持つに値しない、として観音像を泰時に託したのです。

泰時は、最近の父のやり方に反感を持っていました。

自分のしたことに罪の意識を感じているから、頼朝の像を持っていたくないのだ、父はそれを持ち続け、自分の罪と向き合い、苦しめばいい、と妻の初(福地桃子さん)に愚痴ります。

妻の比奈が鎌倉から去り、義時の幼い子供たちは異母弟の時房(瀬戸康史さん)が面倒を見ていました。

時房は、子供たちが比奈の帰りを待っているのだと告げるのです。

謀反の疑惑とともに、頼家はこの世を去りました。

実朝が鎌倉殿として政治の表舞台に立ちます。

しかし、実権を握っていたのは、執権・北条時政でした。

実朝の教育

元久元年(1204年)7月26日、源実朝(柿澤勇人さん)は、初めて裁定の場に同席しました。

宿老たちが評議をし、いずれは実朝が裁断することになりますが、まずは見て、学んで欲しいという意図でした。

その後も、よき鎌倉殿となるための教育が詰め込まれています。

評議の後は、八田友家(市原隼人さん)による薙刀術。

次は和田義盛(横田栄司さん)による弓の指導。

次は大江広元(栗原英雄さん)による政について。

最後に三浦義村による処世術、と盛り沢山です。

実朝に和歌を学ばせたいと考えていた政子は、三善康信(小林隆さん)を呼び出し、実朝の教育状況を聞きました。

和歌の勉強は、源仲章(生田斗真さん)が京に戻ったため、中断されていました。

政子は、三善に和歌を教えて欲しいと願っていましたが、実朝の乳母である実衣(宮澤エマさん)により、教師役を下ろされていたのです。

頼朝に京から送られた和歌集がいくつも蔵に存在していましたが、大江においそれと持ち出してはいけないと言われていたため、政子はそれを書き写し、実朝のために用意していました。

自分が実朝にそれを渡せば、重荷になってしまうかもしれないと考えた政子は、三善に託し、それを実朝の目の届くところにさりげなく置いて欲しいと頼みました。

時政の政

北条時政の館には、陳情の便宜を図ってもらおうと多くの御家人が付け届けを持って訪れていました。

それを機嫌よく受け取る時政。

裁定は任せておけと胸をたたきます。

多くの付け届けを見て喜ぶりく。

実朝の御台所が帝の縁者で、前権大納言・坊門信清の息女・千世に決まり気を良くしていました。

これで北条は、帝の縁者になれると大喜びです。

その頃、時政は畠山重忠と足立遠元(大野泰広さん)を館に呼び出していました。

比企一族が滅び、武蔵の国にぽっかりと空いた領地に自分が入るというのです。

武蔵の御家人である畠山と足立は呆然としました。

時政は、畠山に武蔵守になってもらうつもりだと告げます。

しかし、畠山には代々続く、武蔵留守所惣検校職があります。

それと兼任でよければ、と答えた畠山に、時政はそれはおかしいと笑います。

惣検校職は武蔵守を支える立場。

自分で自分を支えるのはおかしいと言うのです。

惣検校職は辞退しろ、と言われた畠山。

代わりの惣検校職についての質問すら許されませんでした。

畠山はそれを義時に相談しました。

そんなことを時政の一存で決めていいのか、体よく惣検校職の任を奪おうと考えているのでは、時政は武蔵を奪い取るつもりなのでは、と訴えたのです。

時政が武蔵国を脅かすようなことがあれば、畠山は命がけで抗う覚悟、と義時に伝えたのでした。

評議の場で、時政は付け届けを受けた相手の裁定に手心を加えます。

大江や義時は時政のやり方に眉を顰めますが、時政は聞く耳を持ちません。

義時が付け届けをもらってはいけない、と注意しても、自分を頼ってきた者を助けて何が悪いと開き直るのです。

義時から逃げようとする時政に、武蔵の国をどうするつもりかと問い質す義時。

畠山と一戦交える気なのかと言い募ると、そんなことは言っておらん、と時政は答えます。

結婚

そんな中、実朝の結婚が決まりました。

元久元年(1204年)10月14日、実朝の御台所として下向する千世を迎えるため、北条政範(中川翼さん)、結城朝光、畠山重保らが京へと向かいました。

実朝は自分の結婚について、不安に感じていました。

妻帯者である泰時に仲はいいのか、質問します。

泰時はそんな実朝の顔色が悪いことに気づき、父・義時に報告しました。

自分の気持ちをあまり口に出さない実朝を案じる泰時。

前の鎌倉殿と真逆だ、と呟く父に反感を持ちました。

そんな義時にも結婚の話が舞い込みます。

大江は、妻と別れ、義時が困っているという話を聞き、二階堂行政(野仲イサオさん)に持ち掛けたところ、孫ののえ(菊地凛子さん)はどうかと話が決まったというのです。

官僚2人に囲まれ、断り切れない義時は、仕方なくのえと会うことになりました。

権力を握り好き勝手にしている時政に困った官僚たちは、義時を味方に付けようと画策しているのだと義時は八田に訴えます。

自分がのえと会っている時、陰から覗いてのえの人となりを見極めて欲しいと依頼しました。

謀略

京では、平賀朝雅が鎌倉からの使者を迎える準備をしていました。

そこに現れた源仲章。

平賀は、鎌倉からの使者・北条政範は、いずれ執権別当になる存在だと仲章に話します。

すると仲章は、平賀に自分が執権別当になるつもりはないのかと聞いたのです。

執権別当は北条政範が継ぐ予定です。

「ふざけたことを」と反論すると、仲章は平賀の血筋は本来鎌倉殿になってもいい血筋だと言います。

それが今は北条の言いなり。

後鳥羽上皇は、北条を嫌っており、田舎者が鎌倉殿を思いのままにしているのが許せない、と仲章は打ち明けます。

上皇と近しい平賀が実朝と鎌倉を治めてくれればいうことなし、と嘯く仲章。

平賀は、執権別当には政範がいる、と反論しますが、「いなければ?」と仲章は囁いたのです。

政範がいなくなっても義時がいます。

そう話しても、選ぶのは時政だと仲章は呟きます。

「例えばの、政範殿が突然の病で亡くなり、貴方が引き継いで千世様を連れて鎌倉にどうどうと凱旋すれば、時政殿は必ず貴方をお選びになる。政範殿は鎌倉を離れている、この意味がお分かりになりますか?」

後鳥羽上皇の前に、今回の結婚に骨を折った藤原兼子(シルビア・グラブさん)や慈円(山寺宏一さん)と仲章が集まりました。

結婚が決まったことにより、京と鎌倉の間が盤石になったと、兼子は喜びます。

慈円は、「あの男はどうなった?」と仲章に聞きました。

仲章は「しっかりと助言をしておきました」と答えます。

上皇は「実朝を支えるのはやはり京に近い血筋の者でなくてはな」と言います。

しかも平賀は上皇に気に入られようと必死です。

「平賀朝雅が執権になれば、鎌倉も動かしやすくなるというもの」と上皇。

「渡したものを大事に使ってくれるといいのですが」と仲章は笑います。

「後はあの男がどれだけの度胸があるか」と慈円は言いました。

鎌倉では、義時とのえが対面していました。

優しく義時の肩に落ちた枯葉を取り除くのえ。

それを見ていた八田は、のえを非の打ちどころのない女性だと絶賛します。

裏の顔を心配する義時に、八田はあれに裏表はない、と断言します。

それを聞き、義時も心が動き始めました。

元久元年11月3日、北条政範は京に到着しました。

平賀はにこやかに政範を迎え、遠方からの訪れを労います。

今宵は酒宴を用意していると言うと、政範を促したのでした。

11月13日、政範が急死したとの知らせが鎌倉にもたらされました。

京に着いて2日後に亡くなったと聞かされた時政とりく。

最愛の息子の死に、りくは遺髪を持ち、言葉もなく呆然としたのでした。

北条政範、享年16。

急な病と言われていますが、その真偽は不明です。

義時の結婚

のえが義時邸を訪れました。

のえは義時が差し出した茸を喜び、手を付けられずにいた洗濯物を片付けようとします。

義時の幼い子供たちを見つけると、親しげに声をかけます。

義時がこれまで辛い決断を多く強いられていたことを聞いていると言ったのえは、人には支えが必要と話します。

そんなのえに義時は少しずつ心を傾けていきます。

泰時は、比奈を追い出したくせにすぐに再婚をしようとする義時の再婚に反対します。

妻の初が義父上は寂しいのだと諭しても、そんなのは自業自得だと一蹴するのです。

「父上には人の心がないのですか」となおも言い募ろうとする泰時の頬を叩いて黙らせた初。

泰時は驚き立ち去ります。

初は、泰時もわかってはいるけれど感情がままならないのだと泰時を庇うのでした。

##実朝の迷い

実朝は、日々八田や和田に鍛えられていました。

和田はまだ細い実朝に精の付くものを食べさせようと自分の館に招きます。

そこでしし汁を振舞われた実朝は、和田と巴(秋元才加さん)の純朴で優しいもてなしに心を和ませました。

その頃、時政は三浦義村を呼び出し、酒を酌み交わしていました。

畠山重忠は、三浦の祖父を打ち取った三浦の敵です。

それを確認すると、もし北条が畠山と戦うことになったらどちらに加勢すると時政は義村に質問します。

義村は酒を注ぎながら、決まってるでしょ、と答えるのでした。

実朝は、京の姫を迎えることに戸惑いを覚えていました。

後戻りはできないかと義時に相談します。

政子に実朝の気持ちを伝えると、政子も取りやめることはできないのかと聞いてきました。

大姫の時のように、心を病んでしまってはいけないと案じたためです。

実朝はしっかりしている、大姫のようにはならないと答えた義時は、ついでのように、自分の結婚の報告も済ませたのでした。

自室にいた実朝は、三善がこっそりと置いておいた和歌集を見つけ、食い入るように読み始めたのでした。

泰時が御所内を歩いていると、騒がしい侍女の声がして近づいてみました。

するとそこにはのえの姿。

のえは茸は嫌い、と言い侍女仲間に分けていました。

自分は北条に嫁ぎ、鎌倉殿の縁者になる、と高らかに笑うのえを見た泰時は、愕然としたのでした。

次回、第35回「苦い盃」

源実朝(柿澤勇人)の妻になる後鳥羽上皇(尾上松也)のいとこ・千世(加藤小夏)が鎌倉へ到着。政子(小池栄子)らが出迎えるが、愛息・北条政範(中川翼)の凱旋を心待ちにしていたりく(宮沢りえ)は失意に沈んでいた。そんな中、娘婿・平賀朝雅(山中崇)が畠山重忠(中川大志)の嫡男・重保(杉田雷麟)への疑惑をりくに告げる。一方、朝雅の振る舞いについて重保から相談された義時(小栗旬)は、父・時政(坂東彌十郎)に……

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」公式サイトより

実朝が京から御台所を迎えることになりましたが、それとともに不穏な事態も起こるようですね。

権力を握った時政の暴走は止められるのでしょうか。

政範を失ったりくの悲しみ、怒りはどこに向かってしまうのでしょうか。

次回、第35回「苦い盃」、武蔵の国を巡る激しい対立に戦慄が走ります。

最後に

執権別当になった北条時政の傍若無人ぶりに目を見張る回でした。

坂東彌十郎さん演じる北条時政は、人のいい笑顔で憎めない人物なのですが、付け届けを貰って裁定に手心を加えちゃ、まずいですよね。

頼ってきた人物に力を貸すのは当たり前、とか言ってますが、詮議もしないで一方の意見だけ聞いて決めるなんて、あってはならないことです。

権力の頂点に立ってしまうと、そうなってしまうのでしょうか、悲しいですね。

畠山重忠が武蔵武士団の棟梁ですが、武蔵の国を狙う時政にとって、畠山は邪魔な存在になってきていました。

不穏な空気が漂い始めましたね。

比企の抜けた後を自分が貰う、と堂々と宣言する時政と、呆然とする畠山の表情が印象的でした。

娘婿として、北条の一族となった畠山に対しても容赦のない時政の行いに戦慄が走ります。

武士の鑑と言われるほど謹直な人物である畠山重忠を陥れようとする時政。

一体どうなってしまうのでしょうか。

気の弱そうな実朝がなんとも言えず、いい味出していました。

大人たちの思惑に気づいていても口に出さず、じっと我慢する姿。

仲睦まじい夫婦の姿を見て、顔を緩ませる姿。

自身の結婚の不安からか、いろんな人にリサーチしていましたね。

何事にも不安げな様子を見せていた実朝ですが、和歌集を見つけ、むさぼるように読む姿は印象に残りましたね。

さすが、政子は息子のことを見抜いていました。

実朝はこれから有名な歌人になっていくのですが、その成長が楽しみですね。

小栗旬さん演じる北条義時が再婚するようですね。

今度のお相手は、菊地凛子さん演じるのえ。

働き者で子供好き、人の心の機微にも通じた素晴らしい女性と思いきや、最後ではなかなかの裏の顔を見せてくれました。

その裏の顔を見てしまった泰時の呆然とした顔もまた、印象的でした。

今、泰時は義時に反発していますから、どんなに本当のことを訴えても話半分にしか受け止められない恐れがあります。

さて、泰時はどう動き、義時はどう決断するのでしょうか。

次回、第35回「苦い盃」、畠山重忠の運命の行方が気になります。

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