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どうする家康 第14回「金ヶ崎でどうする!」のあらすじと感想

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嵐の松本潤さん主演の2023年大河ドラマ「どうする家康」。

脚本は、稀代のストーリーテラー・古沢良太さんです。

毎週日曜BSプレミアム午後6時~、NHK総合午後8時~放送されます。

徳川家康の生涯を新たな視点で描く、スピード感溢れる波乱万丈の戦国エンターテインメント。

こちらでは、大河ドラマ「どうする家康」のあらすじ、ネタバレ、感想をお届けします。

さて、第14回「金ヶ崎でどうする!」は、有名な金ヶ崎の撤退戦です。

織田信長の妹・お市が、夫・浅井長政の裏切りを兄・信長にどのように伝えるのか、楽しみですね。

小豆袋の逸話は有名ですが、お市の侍女・阿月がどうやら活躍するようですね。

信長、そして家康の運命は一体どうなってしまうのでしょうか。

目次

前回のあらすじ

今川氏康(溝端淳平さん)の首を取れ、と武田信玄(阿部寛さん)に命じられていた徳川家康(松本潤さん)でしたが、家康は氏康と和解、氏康と妻の糸を北条へと引き渡しました。

それは、武田信玄との約定を破棄したも同然の行為。

当然、信玄は怒り遠江に攻め込んでくる勢いです。

本多忠勝(山田裕貴さん)らは、北条と手を組み武田勢を挟み撃ちにするという意見も出ましたが、家康がした決断は信玄に謝罪するというものでした。

永禄13年、信長の後押しを受け将軍となった足利義昭(古田新太さん)の招集に応じて、家康は上洛することになりました。

上洛した家康は方々への挨拶周りにへとへとになり寝込んでしまいます。

そこに現れたのはかつての三河武士、今は豪商となった茶屋四郎次郎(中村勘九郎さん)。

家康は、茶屋の手腕を見込んで、三河の家族に頼まれていた金平糖を依頼します。

金平糖は非常に貴重で、たいそう高額な品です。

それでも茶屋は何とか用意すると請け負いました。

将軍との謁見日がなかなか決まらない中、家康の家臣たちは各々京の町を満喫していましたが、浅井家家中の武士とトラブルを起こしてしまいます。

浅井長政(大貫勇輔さん)は、信長の妹・市(北川景子さん)の嫁ぎ先で、信長が特に目をかけている武将でした。

信長に知られる前に対処しようとする家康ですが、それより先に信長から呼び出しを受けてしまいました。

信長の側近・木下藤吉郎(ムロツヨシさん)と将軍の側近・明智光秀(酒向芳さん)に激しい詰問を受ける家康。

しかし、当の浅井長政は、家臣が武勇の誉れ高い本多忠勝に指南を受けただけ、と家康を庇ったのです。

乱闘の件は不問となり、信長は家康と長政に「我が弟」と呼びかけ、2人にこの先の協力を求めたのでした。

ついに将軍に謁見する日が来ました。

緊張する家康のもとに現れた将軍・足利義昭の傍若無人な振る舞いに、家康は戸惑います。

更に、家族へのお土産として、大切に懐に持っていた金平糖も取り上げられ、無造作に食べられてしまい、家康は悔しさに震えました。

それでも気を取り直して三河へ戻ろうとするのですが、信長から出陣を命じられてしまうのです。

前回、第13回「家康、都へゆく」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。

それでは第14回「金ヶ崎でどうする!」のあらすじと感想です。

越前・朝倉討伐

昔々、とある海辺の村、敦賀・金ヶ崎。

金ヶ崎で育った幼い阿月(伊藤蒼さん)は、走りづらい浜辺を男子よりも早く走る少女でした。

そして10年後、家康の家臣、渡辺盛綱(木村昴さん)や鳥居元忠(音尾琢真さん)、平岩親吉(岡部大さん)は、敦賀・金ヶ崎の浜辺で、豊富な海の幸を堪能していました。

上洛した家康は、織田信長率いる幕府軍と共に越前・朝倉討伐のため北上。

ついに越前・朝倉義景を追い詰めたのです。

4月27日、敦賀・妙源寺にて、三河勢は休息していました。

家臣たちは戦ったとて領地が貰えるわけではない戦に、不満を持っていました。

石川数正(松重豊さん)は、そういう戦ではない、幕府再興・天下静謐のため、と説くのでした。

浅井長政が加われば、幕府軍は4万、朝倉軍は1万5千。

死ぬような戦ではない、浅井勢が到着するまでの辛抱、と家康たちは長政の到着を待ちわびるのでした。

市の思い

その頃、浅井家では、市が軟禁状態になっていました。

部屋の周りを兵が絶えず見張っているのです。

市は、夫・長政に織田を裏切る、と告げられた時のことを思い返していました。

理由を問い質すと、市のせいではない、と告げた長政。

市は侍女の阿月に、お手玉の中に文を入れた物を作らせ、長政の裏切りを伝えようとします。

阿月は井戸の桶にお手玉を入れ、家康に届けて欲しいと織田の手の者に託しました。

信長たちは、翌朝到着する浅井長政を待って、一乗谷に総掛かりをする予定でした。

そこに、朝倉義景が1万5千の兵を率いて、攻めてきたと報告が入りました。

信長はどう見る、と疑いますが、朝倉義景のもとにいたという明智光秀は、義景は誠に戦下手、と取り合おうとしません。

市のもとに浅井の兵が乗り込んできました。

市が放った草の者が捕らえられ、市の文が見つかってしまったのです。

市は、浅井と織田を結び付けることが役目だと思っていたのに、破局させてしまい、家康をも巻き込んでしまったと悔やむのです。

市の気持ちを汲み取った阿月は、自分が走って家康に伝えると訴えました。

金ヶ崎までは10里、40kmもあります。

それに、長政の軍勢はとっくに出発しています。

それでも阿月は、途中何度か休憩するだろうから、追い抜く、と言い募るのです。

市は阿月の気遣いを嬉しく思い、その気持ちで十分と言うのでした。

家康の胸騒ぎ

徳川勢は、今後について話し合っていました。

浅井の動向について推測する家臣たち。

もし、浅井が朝倉と通じていたら、挟み撃ちになり、全滅すると危惧します。

家康は、浅井長政のことを心に淀みがない、実直な人物と評します。

それ故に裏切るという可能性がある、と石川数正は言います。

ずっと考えていたという数正。

あの将軍ではこの乱世を収めることなど到底できはしない。

ならなぜ、信長は足利義昭を将軍としてあがめるのか。

担ぐ神輿は軽い方がいいから。

将軍のことを煽ててさえいれば言いなりになるからではないか、と石川は言います。

実直な浅井長政はそれを見抜き、許せず、信長を倒しに来るのではないか、と言うのです。

市に織田を裏切ると告げた時、長政は言いました。

信長が行おうとしていることは本当に恐ろしいことで、朝倉が滅ぼされたら越前は織田の物となるだろう。

越前だけではない、今後、信長に逆らったものは全てそうなる、我らとて同じ、と告げたのです。

数正は「信長がやろうとしていることはあの将軍を操って、天下を我が物にすること。織田家による天下の簒奪、そして日の本全てを我が物にすること。浅井長政がそれを見抜いていたとすれば、今こちらに向かっているのは織田信長を討つためにほかならぬと存じます」と断じたのです。

家康の進言

その頃、市の気持ちを汲んだ阿月は、市に内緒で1人城外に出ました。

しかし阿月の企ては浅井の兵に発覚し、捕らえられると川に落とされてしまったのです。

浅井長政は敦賀・疋田城に入り、明日の朝には着陣の予定です。

夜遅く、信長を訪ねた家康は兵を退いてはどうかと進言します。

万が一浅井と朝倉が繋がっていた場合に備え、ここを退き他に陣を敷いてはどうかと進言したのです。

しかし信長の側近たちに笑われてしまいます。

明智光秀には三河の兵は臆病と罵られ、信長には「我が弟は義の男、二度と辱めるな」と言われてしまいます。

しかし家康は義の男であるがゆえに裏切ることもある、と言い募りました。

信長は「何が言いたい、どういう意味じゃ」と家康に詰め寄ります。

自分のやっていることに、やろうとしていることに義がないと言うことか、自分は将軍と朝廷のために戦っている、と叫ぶ信長。

しかしそれを信じられない者もいる、と家康も叫び返しました。

「お主はどうなんじゃ」と言われた家康は、「お前の心の内などわかるものか」と怒鳴り返しました。

信長は怒り、家康に出ていけ、と命じます。

朝倉の次はお前だ、と言われた家康は家臣たちに引きずられながら、「ふざけるな、阿保戯け、儂は身を案じているだけなのに」と喚いたのです。

宿舎に戻った家康は、なんでもっと早くとめてくれなかったのだ、と泣きごとを言います。

すぐに三河に戻って織田と戦う準備を、と言う忠勝。

そこに柴田勝家(吉原光夫さん)がやってきて、家康がいる時だけ信長の機嫌がいいのだ、と言います。

どうか、引き続き供をして欲しい、と懇願された家康は、明日の朝、詫びに行こうと決意を固めたのでした。

阿月の疾走

4月28日、浅井軍、疋田城を出立しました。

川に落とされた阿月でしたが、一命を取り留め、何とか浅井軍に追い付いていました。

浅井軍に見つからないように、身を潜め、金ヶ崎の家康の元まで市の言葉を伝えようと必死に走っていました。

幼い頃から走りが得意だった阿月。

しかし、女のくせに走るな、と罵られ、女性らしくなるように父から厳しい訓練をさせられていました。

そうした訓練を経たうえで、人買いに売られた阿月。

しかし阿月は逃げ出して、行き倒れ盗み食いをしようとしたところを市に助けられたのです。

阿月は山道で転び、膝は擦り剝け、足の裏もボロボロになりながら、市のことを思い、市のために金ヶ崎を目指します。

走りながらその脳裏には、市と過ごした楽しい思い出や、優しい市の笑顔が甦り、阿月は走り続けました。

小谷城にいる市は、所在の分からなくなった阿月のことを心配していました。

髪はほつれ、泥だらけ、足は傷だらけになりながら、阿月は故郷、金ヶ崎に辿り着き、懐かしい浜辺を見て、涙を浮かべました。

早朝、へとへとになり、ふらつきながら阿月は家康の陣に辿り着きました。

もはや歩けない阿月は、平岩に抱えられながら家康の前に行くと、「おひき…そうらえ」と言い、力尽きたのでした。

信長の決断

その言葉を聞いた家康は、信長に報告しました。

そこにやってきた信長。

阿月が倒れているのを見ながら、信長は苦渋の表情を浮かべます。

そこに、浅井軍、朝倉軍が夜明けとともに進み始めたとの報告が入りました。

家康は「早うお逃げなされ、儂の指図ではない、お市様のじゃ、阿月の命を無駄になさるな、逃げんか、あほ戯け」と叫んだのです。

信長は木下藤吉郎に殿を命じ、家康には好きにしろ、と命じ、撤退したのです。

殿を任された木下藤吉郎は、錯乱し、一頻り喚き尽くすと、家康に手伝ってくれ、一緒に殿を務めよう、と言い放ったのです。

一緒にやらねば、家康は信長を見捨てたことになる、朝廷を裏切ったと言いふらす、と脅しをかけたのです。

家康は木下を屑と吐き捨て睥睨すると、戦の采配を振るい始めたのです。

家康は、阿月の亡骸を手厚く葬るように命じると、皆で三河に帰るぞ、と出陣しました。

浅井・朝倉軍2万5千が金ヶ崎に到着。

戦が始まろうとしていました。

次回、第15回「姉川でどうする」

命からがら藤吉郎(ムロツヨシ)と共に金ヶ崎の激戦を生き延びた家康(松本潤)。休む間もなく、信長(岡田准一)に浅井・朝倉討伐の先陣を申し付けられる。そんな中、浅井長政(大貫勇輔)からは「ともに信長を討ち取ろう」と呼びかける密書が届く。姉川を挟んで両軍が向き合い、決戦の時が迫る中、家康は信長を裏切るか否かの選択を迫られる。家臣の中でも意見が分かれ、紛糾するところに、家康陣へ信長から銃弾が撃ち込まれ…。

NHK大河ドラマ「どうする家康」公式サイトより

大河ドラマ「どうする家康」公式サイトより

金ヶ崎の激戦を経て、次は姉川の合戦に進みます。

この辺は信長がかなり苦しい時期に入るのですよね。

もちろん家康も巻き込まれていくのですが、家康は一体どんな決断を下すのでしょうか。

「浅井に付きたい」と叫んでいましたからね。

酷い仕打ちを受けながら、信長に付き従う家康の揺れる心情がどのように描かれるのか、楽しみですね。

最後に

今回の「どうする家康」は、阿月役の伊藤蒼さんの激走に涙が溢れてきました。

活発だった阿月が、厳しい父の躾に苦しみ、人買いに売られてしまい、どん底の生活を強いられていた時に、お市に助けられたエピソードは、胸を締め付けられました。

阿月を救った市の優しさ、恩人である市のために、命がけで40km以上も走り続けた阿月。

2人の絆に感動しました。

辛かった過去を思い出し、市と過ごした楽しい日々を思い返し、阿月が懸命に走る姿はもう涙なしには見られませんでしたね。

「女だから」と、好きなこともさせてもらえない不自由な時代の女性のことを思うと、涙が込み上げてきます。

辛い日々の中、市に会えてよかったね、と阿月に言いたいと思いました。

でも、市にしてみれば辛いことですよね。

北川景子さん演じる市の優しさが身に染みる回だったのですが、そんな優しい市だからこそ、自分を思い、命を懸けて走り抜けた阿月の死を知ったら、市はどんな気持ちになるのでしょう。

大切な侍女・阿月の決死の行動に感謝はしつつも、阿月を失った悲しみと後悔が深くなってしまうのではないかと心配です。

とにかく、今回はお市と阿月の2人の絆に感動しました。

そして、次に感動したのは家康の成長ですね。

あんなに気弱で言いなりだったのに、浅井長政の裏切りの可能性に気づき、信長に食って掛かりました。

岡田准一さん演じる信長に気圧されながらも、その身を案じ、苦言を呈した松本潤さん演じる家康の成長に、とても感動しました。

勢いあまって、阿保戯け、と叫んでおきながら、宿舎に戻った後、どうしてもっと早くとめてくれなかったのじゃ、と嘆くところは、家康らしくてほっこりしました。

一緒に謝りに行こうという、大森南朋さん演じる酒井忠次と松重豊さん演じる石川数正も良かったですよね。

ああいう忠臣に守られているから、安心して泣き言が零せるのでしょうね。

それから、驚いたのはムロツヨシさん演じる木下藤吉郎の錯乱っぷりでしょうか。

殿を命じられて錯乱し、家康に助力を求めるのですが、その求め方がなにより酷い。

あんな風に家康に脅しをかけて、目をギラギラさせて見開いて、その興奮した様子にぎょっとしました。

少し前の大河ドラマで、金ヶ崎の撤退戦が描かれたことがあったと思いますが、その時はこうじゃなかったなー、と少し考えてしまいました。

まあ、そう考えると、明智光秀も全く違うので、見方によってずいぶん変わるんだな、とその違いを楽しみたいと思います。

さて、次回は姉川の合戦が描かれます。

これは、合戦の地となった場所が、戦いに倒れた将兵の夥しい血で真っ赤に染まった、と言われるほど激しい戦いになります。

家康は長政に信長を討とうと誘われ揺れるようですし、激しい戦いの中に、心理戦も入るようで、その戦いの描かれ方が楽しみですね。

次回、第15回「姉川でどうする!」も見逃せませんね。

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