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どうする家康 第32回「小牧長久手の激闘」のあらすじと感想

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嵐の松本潤さん主演の2023年大河ドラマ「どうする家康」。

脚本は、稀代のストーリーテラー・古沢良太さんです。

毎週日曜BSプレミアム午後6時~、NHK総合午後8時~放送されます。

徳川家康の生涯を新たな視点で描く、スピード感溢れる波乱万丈の戦国エンターテインメント。

こちらでは、大河ドラマ「どうする家康」のあらすじ、ネタバレ、感想をお届けします。

さて、第32回「小牧長久手の激闘」では、家康・秀吉の直接対決が描かれます。

天下人を狙う秀吉と、それを阻止すべく立ち上がった家康。

古く朽ちかけた小牧山城を難攻不落の要塞に強化し、10万もの軍勢を迎え撃つ徳川軍の奇策と結束、見所満載ですね。

目次

前回のあらすじ

織田信長の嫡孫・三法師を後継と決め、その後見として次男・信雄(浜野謙太さん)を擁し、織田家の後継者争いに勝利した羽柴秀吉(ムロツヨシさん)の館は、戦勝祝いに駆け付ける人で溢れかえっていました。

徳川家康(松本潤さん)は、石川数正(松重豊さん)を名代として、信長の形見である初花肩衝を贈りました。

秀吉はその品を受け取ると、涙を流すほど喜んだのです。

数正は、その様子を「得たいが知れない」と報告します。

そんな中、信雄が安土城から放逐。

家康に、織田家が乗っ取られる、一緒に戦って取り返して欲しいと泣きつきました。

軽々に決められることではない、とその場では保留にした家康。

浜松に戻った家康は、家臣たちに意見を聞きます。

家臣たちは、家康が既に心を決めているとわかっていました。

家康の決意に賛同し、異存なしと決意を漲らせる家臣団。

天正12年(1584年)2月、家康は信雄に決意を伝え、信雄は秀吉に通じていた家老3人を成敗し、池田恒興(徳重聡さん)の調略に成功。

戦いの火蓋は切って落とされました。

日ノ本全土を巻き込んで秀吉包囲網を形成するはずでしたが、直前になり池田恒興が裏切り、犬山城は落とされました。

徳川勢は、池田勢を足止めするため酒井忠次(大森南朋さん)勢が奇襲を決行。

見事、池田勢の森長可(城田優さん)を追い払いました。

軍勢差を考えると岡崎に戻って籠城が上策、と本多正信(松山ケンイチさん)は言いますが、榊原康政(杉野遥亮さん)は、小牧山城に陣を構えて迎え撃つ作戦を進言。

家康は康政の案を選び、小牧山城で秀吉を迎え撃つことに決めたのでした。

前回、第31回「史上最大の決戦」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。

それでは、第32回「小牧長久手の激闘」のあらすじと感想です。

睨み合い

天正12年(1584年)3月、徳川家康と羽柴秀吉の戦いの火蓋は切って落とされました。

家康が陣を構えた小牧山城は織田信長が築いた城でした。

家康は、榊原康政に命じ、小牧山城を堅牢な要塞へと作り変えました。

秀吉が陣を構えるのは小牧城から僅か一里半の楽田城、8万とも10万ともいわれる軍勢がその地を埋め尽くしていました。

睨み合いを続けること数日、決戦の時が迫っていました。

信雄は秀吉の大軍勢を恐れます。

数正は、あの大軍勢を食わせるだけでも長引けば有利、もう少しで和議を結べるだろうと発言しました。

しかし、若い本多忠勝(山田裕貴さん)、井伊直政(板垣李光人さん)、榊原康政は反論します。

家康も、秀吉はあれだけの大軍を纏め上げている、今更無駄な動きはしない、と言います。

しかし、こうも睨み合いが続いては、と酒井忠次が零すと、本多正信が「では、焚きつけてみますか」と立ち上がりました。

硬直した戦線を動かすために、秀吉の悪口が書かれた文をあちこちに立てるというのです。

康政も「いいかもしれませんな」と賛同。

その作戦は決行されました。

悪口が書かれたたくさんの板が秀吉の陣に集められました。

読んでみろ、という秀吉に秀長(佐藤隆太さん)は止めるのですが、池田勝入(徳重聡さん)は面白がって声高らかに読み上げます。

秀吉は野人の子、信長の御恩を忘れ、その子らを蔑ろにする悪逆非道の人物、などと悪口が書き連ねてあります。

秀吉は、泣き真似をして、このような真似をして自分を怒らせられると思うなど、と笑います。

もっともっと酷いことを言われ続けてきたという秀吉は、文が書かれた板を叩き割っていきます。

人の悪口を書いて喜んでいるような奴は、己の品性を貶めているのだ、この卑しき野人の子に家康は跪くのだ、と言い放ちます。

すると池田は、「それでいい、お主には儂が付いてる」と笑って立ち去るのでした。

秀長はそんな態度の池田に怒りを顕にします。

腹の中ではまだ自分が上だと思っているのだ、と秀吉は嘲るように言うのでした。

秀吉が狙うなら

家康は、もうそろそろ動きそうな秀吉の動きを正信に尋ねます。

「某ならここを攻めますかな」と正信が指し示した先は…。

家康は顔色を変え、外を窺いました。

家康は、堀の改修を急くよう命じました。

徳川勢の動きを気にする秀吉勢。

そこに池田が現れ、家康を城から引っ張り出すための策を献じました。

池田勢が三河・岡崎に向かい岡崎を叩くというのです。

今、岡崎はかなり手薄の状態です。

敵が岡崎に向かえば、家康は岡崎に向かわざるをえなくなり、その背後を秀吉の本軍が付けばいいというのです。

それは中入りという策です。

本来、中入りは上策ではない、肝心の本軍の数を減らしてしまう、と秀吉は言いますが、池田は自分に従っておけ、と言葉を重ねます。

自分がいるから、織田家臣たちが秀吉に従っているのを忘れないでもらいたい、と言う池田。

秀吉は、そういう言い方はしない方がいい、と耳元で囁くと、しくじるわけにはいかない戦故、一晩考えさせてくれ、と言いました。

秀吉はその策を考えており、密かに始めたかったようですが、池田はあちこちに言いふらしていると言います。

自分の手柄にするためだろう、と秀吉と秀長はため息をつくのでした。

徳川の策

堀の改修を急ぐ徳川勢。

家臣総出で堀を作る中、握り飯を食らい、さぼっている本多正信の所に井伊直政は話しかけに行きました。

家康の命を狙ったのに、なぜ追放で済んだのだ、と正信に尋ねた直政。

「軽蔑するか?」と返した正信に「いや、私も同じだから」と直政は言います。

「聞いたこともないな」と返した正信に、「殿はなかったことにしてくださっている」いう直政。

「殿はなぜ、我々のようなものを許し、信じてくださるのか」と呟く直政に、「憎んだり恨んだりするのが苦手なんじゃろ、変わったお方よ」と正信は軽く言います。

「戦無き世を作るのはそういうお方だ。御恩に報いて見せる」と直政は言い、人足を鼓舞するため出ていきました。

康政は正信が指摘した秀吉の狙いについて考えていました。

正信は秀吉の狙いを正確に読んでいて岡崎への中入りを指摘したのです。

家康は、堀の一部を作り直し、中入りへ向かう軍勢を背後から突く作戦を考えました。

秀吉勢に気づかれることなく、改修を急ぐように命じ、家臣総出で堀の作り直しを行うことにしたのでした。

そこに忠勝がやってきました。

「こんな見事な図面が書けるようになっていたとはな」と言います。

小牧山城の作り変えは、康政が中心となって進めていました。

今回の作り変えも、康政が書いた図面に従い行っています。

康政は、忠勝に追いつけるよう精進していたが、戦では敵わないから、頭脳を強化したのだと言うのです。

「お主こそ、戦場で無茶が過ぎて早々に討ち死にするかと思っていたが、しぶといのう」と康政は軽口を叩きます。

忠勝が「戦場で掠り傷1つついたことないからな」と返すと、康政は傷がついたことに気づいていないだけだろ、と言い返します。

しかしそれを信じた人々が忠勝の強さに震えあがっているのだから、大したものよ、と感心する康政。

「殿を天下人にするまでは死ぬわけにはいかん」と言った忠勝に頷き、康政も人足を鼓舞するよう声を上げたのでした。

中入り・激突

秀吉の陣では、中入りの策が命じられていました。

3万の兵をもって岡崎を落とす、と中入り勢が出陣を開始。

中入り勢は、総大将・羽柴秀次、池田勝入、森長可、堀秀政の3万の兵です。

「さあ、岡崎を灰にしてもらおうか。でるか、どうする?家康」と秀吉は呟くのでした。

秀吉が動いたという知らせが入りました。

間違いなく中入りだと数正は言います。

案の定だと家康も呟きます。

家康は、この動きを待っていたのです。

三河・岡崎城には、敵の軍勢がこちらに向かっているとの知らせが入りました。

於愛(広瀬アリスさん)が中心となり三河勢はまとまります。

この岡崎は我らの手で守り通す、徳川の勝利を信じよう、と於愛は檄を飛ばすのでした。

戦況を待つ家康の所に、家臣たちが集まり、改修工事の完成を告げました。

忠次や石川は、手筈通り中入り勢を討つことを宣言。

これを成し遂げれば秀吉勢は崩れると檄を飛ばしました。

家康は、「皆の者、臆病であったこの儂がなぜここまでやってこれたのか。

今川義元に学び、織田信長に鍛えられ、武田信玄から兵法を学び取ったからじゃ。

そして何より、よき家臣たちに恵まれたからに他ならない、礼を申す。この戦が我らの最後の大戦になるやもしれん、いや、せねばならん。今こそ、我らの手で天下を掴む時ぞ。出陣じゃ」と皆に檄を飛ばし、兵たちは出陣していきました。

秀吉の陣では、家康勢が動かないことを不審に思っていました。

自分たちの大軍を思えば、震えあがって出てこないに違いない、と秀吉の家臣たちは笑います。

その頃、家康勢は、改修した堀を進むと、敵方に知られることなく外に出て一気に駆け上がり始めたのです。

陣で休息中の池田勝入、森長可に、徳川の奇襲の知らせが入りました。

徳川勢がいつ城から出て来たのか気づけず、最後尾の羽柴秀次勢、堀秀政勢が攻撃を受けているというのです。

池田勢に動揺が走りました。

徳川四天王の活躍

小牧長久手の戦において、一番槍を務め、多大なる功を挙げたのは、徳川四天王の1人、榊原康政でした。

赤備えに身を包んだ井伊直政。

直政は、母の言葉を思い出していました。

「良いか、徳川様を天下一のお殿様になされ」と井伊家の再興を託された直政は、母の言葉を胸に、出陣しました。

池田勢は、長久手から新たな軍勢、金の扇が見える、という報告から、家康が出てきたと断じました。

大将自らお出まし、相手に不足はない、と池田と森は意気揚々と陣を後にしました。

しかし待ち構えていたのは赤備え。

池田勢は、最強の軍・武田が現れたと動揺します。

武田の旧臣を従え、後に井伊の赤鬼と称される徳川四天王の井伊直政は、鍛え上げたその強さを見せつけました。

秀吉の陣には中入り勢が家康の奇襲を受けたとの報告がなされていました。

家康たちがせっせと掘っていたのは、守るための堀ではなく密かに討って出るための抜け道。

それを悟った秀吉は出陣したのですが、それを迎え撃ったのは徳川四天王・天下無双と言われる本多忠勝。

少数ながら、その強さをいかんなく発揮し、豪胆な振る舞いにより秀吉勢を退けました。

中入り勢が総崩れ、池田勝入、森長可討ち死にの報を聞いた秀吉は、退却を決めたのでした。

快勝に勝鬨を挙げる徳川勢。

石川数正は、その声の輪から密かに抜け出すと、憂いた表情を見せながら遠くを見つめていました。

敗戦となり、呆然とした秀吉は「かえってよかったわ、言うこと聞かん奴がおらんくなった、ありがたいこった」と呟きます。

儂の策ではない、儂の策ではない、と低い声で何度も呟く秀吉。

池田が無理強いしてきた策だ、儂の言うことを聞かんからこうなったと言いふらせ、と子飼いの家臣に命じます。

家康をどうします、と聞かれた秀吉は天を仰ぎました。

「信長様のせいだわ、徳川を散々こき使って、とんでもない軍勢を育ててまった。まあ、なんも案ずることはない、家康には勝たんでも、この戦には勝てる、考えてみろ、敵の総大将は…家康ではねえ」と秀吉は不気味に笑ったのです。

信雄はこの勝利を喜び、「誠にようやってくれた、これで秀吉に勝てる、我らの天下じゃ」と家康の手を取ります。

「この勝利を導いたのは、敵の策を見破ったこの切れ者・本多正信でござろうな」と叫ぶ正信。

残る徳川四天王は、このいかさま師・正信ではなく、頼れる大黒柱、酒井忠次でした。

1人憂い顔をしていた数正のところに家康が行きます。

この戦は快勝、喜んでいる、という数正ですが、秀吉には勝てない、と家康に進言します。

「1つ戦を制しただけのこと、秀吉は我らの弱みに付け、そこに付け込んでくると存じまする」と不安をのぞかせるのです。

次回、第33回「裏切り者」

家康(松本潤)は小牧長久手で秀吉(ムロツヨシ)に大勝。しかし秀吉は織田信雄(浜野謙太)を抱き込んで和議を迫り、さらに人質を求めてくる。そのうえ、秀吉が関白に叙せられたという知らせが浜松に届き、家康は名代として数正(松重豊)を大阪城へ送る。そこで数正は、改めて秀吉の恐ろしさを痛感。徳川を苦しめる真田正幸(佐藤浩市)の裏にも秀吉の影を感じた数正は、決死の進言をするが、家康の秀吉に対する憎しみは深く――。

NHK大河ドラマ「どうする家康」公式サイト

小牧長久手の戦いに大勝したものの、秀吉はその先へと進んでいました。

信雄の裏切り、そして、三河からの重臣・石川数正出奔の知らせ。

徳川陣営に衝撃が走ります。

あれだけ深く信頼し合っていた数正の出奔、家康と家臣団たちの衝撃は凄まじいものでしょうね。

そこに至るまでの数正の心情や事情など、非常に気になりますね。

次回、第33回「裏切り者」見逃せませんね。

最後に

小牧長久手の戦いが描かれました。

いやあ、圧巻でしたね。

寺島しのぶさんが徳川四天王を1人1人ピックアップして語るシーンは、思わず顔がにやけてしまいました。

徳川家臣団が成長し、活躍する姿は見ていて気持ちがいいですね。

小牧長久手の戦いでは、杉野遥亮さん演じる榊原康政が大活躍でした。

知略を持って策を講じ、家康の求めに応じて即座に図面を書き直す、更に、自ら泥まみれになって堀を作る姿、大活躍でした。

堀を作っている時、家臣団たちのちょっとした会話も凄く面白かったです。

板垣李光人さん演じる井伊直政と松山ケンイチさん演じる本多正信の会話も良かったですよね。

どこまでも真面目に恩に報いる、と宣言する直政と、恨むのが苦手なんじゃろ、と軽く流す正信。

正信も軽く思っているわけではないでしょうに、その口調や言動からどうしてもふざけているような軽い感じが見えますが、それがまた凄くいいですよね。

緩急が心地いいといいますか、あの口調がとても和みます。

正信と忠勝の絡みも実は大好きなのです。

堀の工事が終わった後、疲れた、とやってきた正信に、なんもしとらんがな、と言い放つ忠勝。

その口調がまた、いいんですよね。

大げさに疲れた疲れた、と言う正信とつっこむ忠勝。

2人のやり取りに和みました。

天下に近づいている秀吉勢のまとまりのなさが今回は目に付きましたが、秀吉を軽んじていた池田勢が討死し、秀吉が育てた福島正則や加藤清正たちが登場してきました。

これからは、ますます手強くなっていくのが恐ろしいですね。

それに、秀吉の強さは戦だけではありません。

情勢を見極めるのが上手く、朝廷にも働きかけ、天下を掴んでいきます。

ムロツヨシさん演じる秀吉は、賑やかなのか静謐なのか、ころころと変わり、目が離せません。

本当に捉えどころのない不気味な秀吉を見事に演じておられて感動です。

そしてこのところ狼狽える姿を全く見せなくなった松本潤さん演じる家康。

頼もしくなりましたね。

正信から中入りの可能性を指摘されると、すぐに策を講じ、康政に命じていました。

どうする、と狼狽えることが全くなく、部下を信じ待つ姿がとても頼もしく映りました。

しかし、これからまだまだ試練は続きます。

若手だった忠勝、康政、直政らは十分頼もしく育ち、大黒柱・酒井忠次はまだまだ健在、岡崎勢も結束が固く、崩れることはないと思っていた徳川勢ですが、酒井忠次と共に家康を支えてきた松重豊さん演じる石川数正が出奔することになってしまいます。

数正は、家康の名代で何度も秀吉に会い、その恐ろしさを痛感してきました。

決死の覚悟で進言したものの、受け入れられなかった数正の心情はどうだったのでしょうか。

なぜ数正は出奔することになったのか、せざるを得なかったのか、この辺りは非常に気になるところですね。

個人のエピソードをとても大切に丁寧に描いてくれるこの「どうする家康」では、数正の出奔をどのように描いてくれるのでしょうか。

次回、第33回「裏切り者」、数正がそのように言われることに、胸が痛くなりますが、そうせざるを得なかった数正の心情をどのように見せてくれるのか、次回第33回「裏切り者」、絶対見逃せません。

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