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どうする家康 第34回「豊臣の花嫁」のあらすじと感想

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嵐の松本潤さん主演の2023年大河ドラマ「どうする家康」。

脚本は、稀代のストーリーテラー・古沢良太さんです。

毎週日曜BSプレミアム午後6時~、NHK総合午後8時~放送されます。

徳川家康の生涯を新たな視点で描く、スピード感溢れる波乱万丈の戦国エンターテインメント。

こちらでは、大河ドラマ「どうする家康」のあらすじ、ネタバレ、感想をお届けします。

さて、第34回「豊臣の花嫁」では、秀吉の妹・旭が家康の正妻として嫁いでくることになります。

石川数正の出奔に大打撃を受けた徳川勢ですが、未曾有の大地震のため、戦どころではなくなります。

家康懐柔策として秀吉は妹の旭を家康の妻に、そして母も人質として差し出そうとします。

家康は秀吉に屈するのでしょうか。

目次

前回のあらすじ

小牧長久手の戦いを制し、勢いづく徳川軍ですが、羽柴秀吉(ムロツヨシさん)は、標的を総大将の織田信雄(浜野謙太さん)に変え、信雄の領地を執拗に攻撃、家臣の調略を行います。

それに耐えかねた信雄は秀吉に寝返り、それにより徳川家康(松本潤さん)は、戦いの大義名分を失ってしまいます。

秀吉は、家康の上洛と人質を要求し、迷った家康は、城を出たお万(松井玲奈さん)との子・於義伊を秀吉の養子とすることにしました。

天正13年(1585年)7月、羽柴秀吉が関白に就任、名実ともに織田信長を越えることになりました。

家康の名代として大阪に赴いた数正に、秀吉は「其方は我が家臣」と呼びかけます。

数正は秀吉の誘いを拒否、家康は秀吉に臣下の礼は取っていないと反論します。

しかし秀吉は、真田を助け徳川を攻撃すると脅しをかけるのです。

その言葉通り、真田は徳川を裏切り上田合戦が勃発しました。

手強い真田との戦に徳川軍は疲弊していきます。

裏で秀吉が仕組んでいると、数正は家康の上洛を促します。

しかしそれは、徳川家臣団に受け入れられませんでした。

家臣団は籠城すれば3年は持ちこたえられると言い、その間に秀吉の政など瓦解すると言いきります。

家康の決断も岡崎決戦を行うというものでしたが、数正は1人反対。

家康の怒りを買ってしまいました。

酒井忠次(大森南朋さん)の取り成しを受け、数正は家康と2人で話し合うことに。

そこで家康は数正がいれば秀吉に対抗できると必死に説得。

数正は、心を入れ替えた、家康を天下人に、と同意したのです。

数正は「殿、決してお忘れあるな…。私はどこまでも殿と一緒でござる」というと立ち去りました。

その夜、数正は家人を連れ、大阪に出奔したのでした。

前回、第33回「裏切り者」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。

それでは、第34回「豊臣の花嫁」のあらすじと感想です。

陣立ての変更

天正13年、羽柴秀吉は公家の最高職、関白に就任。

そして石川数正は秀吉のもとに出奔。

その出来事は徳川家中に大きな衝撃を与えました。

数正には数正なりの何か深い考えがあってのことだろう、と忠次は呟きますが、井伊直政(板垣李光人さん)は激高します。

家康は「もうよい、去った者のことは忘れよ、今後のことを考えるんじゃ」と言います。

本多正信(松山ケンイチさん)は、確かに痛手だと言います。

「まさしく、難儀なのは今後、何せ、あのお人が敵に付いたということは我が方の仔細、裏の裏まで何もかも秀吉に渡ったとみるべきでござる。今度こそ秀吉は迷うことなく攻めて参りましょう。これでも尚、戦えますかのう」

正信は「とりあえず、我が方の陣立ても全て改めるべきかと。この際、武田の軍法を習っては」と進言します。

直政は、ただちに、と動き出しました。

忠次は、自分に何も告げず数正が去ったことが残念だと呟きました。

家康は、於愛(広瀬アリスさん)が持ってきた数正が彫った仏像を見て、そんなものは燃やしてしまえ、と言い放ちます。

数正への怒りを抑えきれないようでした。

上洛か戦か、家康は決断を迫られていました。

大地震

家康は、数正が帰ってきた夢を見ていました。

なぜ自分を裏切ったのか、なぜ儂を置いて、と言いかけた時、数正に背後から刃を突きつけられたのです。

外から秀吉がやってきて、数正にやれ、と命じると、数正の刃が家康の首を切り裂いたのです。

そこで目を覚ました家康。

於愛は悪夢に魘される家康を心配していました。

風にあたってくる、と家康が立ち上がった瞬間、地面が揺れたのです。

天正13年11月29日夜半、日の本を巨大地震が襲いました。

いわゆる天正地震です。

徳川領内も多大な被害が発生していました。

家康は領地の確認のため、忙しなく動き回っていました。

しかし、より甚大な被害が出たのは、秀吉が治める畿内周辺でした。

徳川との戦に備えていた大垣城も焼け落ちてしまいました。

寧々(和久井映見さん)は、もはや戦どころではない、民を救うのが先、早く立て直さなければ、我らの足元が崩れてしまうと進言します。

秀吉は、つくづく運がいい男、家康と、と憎々し気に呟いたのでした。

信雄は、この地震は天の助けだった、関白は今にも兵を差し向けようとしていた、と言います。

この機に上洛せよ、と家康に促します。

もう負けを認めるべき、天下は関白の物じゃ、と信雄が言うと、家康は誰のせいでこうなったのだと信雄を詰ります。

忠次は、我らは関白を信用できない、上洛すれば殺されてしまう、と進言します。

すると信雄は、関白が誰か人質を差し出せば上洛するのだな、と言い募りました。

寧々は、戦をせずに済むのならいいが、誰を人質に出すのだ、と疑問を口にします。

そこに現れたのは、秀吉の妹・旭(山田真歩さん)でした。

秀吉は、既婚者の妹・旭を離婚させ、家康の正室として送り込もうとしていたのです。

関白の妹ならば、家康も文句は言えないとして。

秀吉は旭に、旭が上手くやらなければ母を送りつけることになる、これぐらいは役に立て、と命じたのでした。

天正14年5月、豊臣秀吉の妹・旭姫が徳川家康の正室として浜松に入りました。

旭姫は、良くも悪くも秀吉の妹を体現しているような姫でした。

明るく振舞い、家康が乗り気ではないと感じると、形ばかり、自分が瀬名の代わりで申し訳ない、と家康に謝るのです。

翌日、旭は大阪から持ち込んだ珍しい品を披露し、於大(松嶋菜々子さん)や於愛を楽しませます。

朗らかで人懐こくいつも笑顔で周りを明るくし、すぐに於大や於愛とも打ち解けました。

正信は、大阪の数正のことを探っていました。

秀吉のもとでいかなる悪だくみを図っているかと思っていたが、興味があるなら教える、と正信は家康の顔色を窺います。

忠次が先を促すと、正信は、何にもしてない、と答えます。

これと言った働きは何1つしていない、と報告したのです。

それなりの屋敷をあてがわれ、それなりの暮らしをしているようだが、屋敷から出ることも滅多になく、いわゆる飼い殺しの状態であると言います。

榊原康政(杉野遥亮さん)は、秀吉は家康から数正を引き剥がしたかっただけで、初めから重用する気などなかったのだと言います。

若い家臣たちは、数正のことは好きではなかったが、敬っていた、と語り合うのでした。

家康は、数正を失ったことが響いていました。

旭の思い

家康は何のかんの理由をつけて、上洛しないつもりだと秀長(佐藤隆太さん)は言います。

こうなったらもう1人、人質を送りつけてやる、と秀吉は母の大政所を人質とすることを決めました。

大政所が到着したその日に上洛せよ、さもなくば、大軍勢を率いて攻める、と家康に通達せよ、と秀吉は秀長に命じたのでした。

於大を愉快な話題で楽しませていた旭に、於愛は大政所がやってくる、と話しました。

顔をこわばらせた旭ですが、すぐに笑顔を取り戻し、やかましいのが増えて、皆はたいへんじゃろうがなあ、と徳川家中を思いやる言葉を言いながら、喜ぶ様子を見せたのです。

しかしその様子を見ていた於愛と於大は家康に進言に向かいました。

後にしてくれ、と断る家康に、於愛は「ご上洛なさるのですか」と問いかけます。

家康は「まさか」と答え、於愛は「では、戦を?」と尋ねるのです。

あちらは妹君に加え老いたる母まで差し出すのに、と家康を非難する於愛。

於愛は、旭はあのように振舞っているが、内心は、と旭の境遇を思いやり、心を痛めていました。

ここは姥捨て山ではない、と吐き捨てる家康に、於大は、人を思いやれるところが家康のとりえだったのに、と家康を非難します。

家康は、これは秀吉と自分の駆け引きだ、というのですが、於大は「女子は戦の道具ではない」と家康を叱責します。

於大は、せめて蔑ろにされる者を思いやる心だけは失うな、と家康に訴えました。

評定に向かう途中、家康は泣き咽ぶ旭を見かけました。

石川数正の真意

評定の中で、既に秀吉の使者が岡崎に向かっている、この場が最後の話し合いの場になると鳥居元忠(音尾琢真さん)は言います。

畿内も立ち直りつつあり、拒めば今度こそ戦だと推測していました。

本多忠勝(山田裕貴さん)は、それでもいいではないか、何年でも戦い続けて領国を守り抜く、と発言しました。

井伊直政も、初めからそのつもりであったではないか、と賛同します。

しかし忠次は、それは本心か、本当に勝てると思うか、と問い質します。

忠次は家康に、本当はわかっているはず、我らが負けたとだと、それを認められないのは、心を捕らわれているからだろう、今は亡き瀬名と信康に、と言うのです。

捕らわれていて何が悪い、もう誰にも何も奪われない、自分が戦無き世を作る、2人にそう誓ったのだ、と自分は決めたのだ、と家康は言います。

忠勝と康政も家康に同意、秀吉に跪いたら瀬名に顔向けができない、我らは数正とは違う、我らには思いがある、その心を捨ててまで生き延びようと思わない、家康を天下人にし、戦無き世を作る、それが夢だ、と言うのです。

そこに於愛がやってきました。

自分には難しいことはわからない、しかし、瀬名が目指した世を家康が作る必要があるのだろうか、と疑問を呈したのです。

他にしてくれる人がいるなら、その人に任せてもいいのではないか、と於愛は訴えました。

忠次は、数正にはそれが見えていたのかもしれない、と言います。

自分が出奔すれば、戦をしたくてもできない、それが殿を、皆を、引いては徳川を守ることだと。

正信も「だから誰も巻き込まず己1人で間者となった、罪を全て1人で背負った、殿のご迷惑にならぬように」と言います。

於愛は数正がなぜ仏様を置いていったのか、ずっと考えていたと言います。

そして数正が残していった箱を差し出したのです。

その中には押し花が入っていました。

家臣たちはなぜ数正が押し花を作っていたのか、そこに入れていたのかと疑問を口にします。

自分にはわからない、けれど、もしかしたら、今は無きあの場所を、数正はここに閉じ込めたのではないか、いつも築山に手を合わせていたのではないか、と於愛は言います。

数正の思いを知り、家康は力なく座り込みました。

忠勝の目にも涙が浮かびます。

直政はいい香りだ、と言い、鳥居は「懐かしい、築山の香りだ」と涙を流します。

家康の目から涙が零れました。

「なんとも不器用なお方だ」と正信が呟くと、「それが石川数正よ」と忠次は言いました。

そして、「殿、お心を縛り付けていた鎖、そろそろ解いてもよろしいのでは。これ以上己を苦しめなさるな」と進言したのです。

家康は、忠勝と康政に呼びかけると、「儂は天下を取ること、諦めてもよいか」と聞いたのです。

「直政、皆、秀吉に…、秀吉に跪いても…良いか」と尋ねました。

家臣たちは皆涙を零しながら、数正のせいじゃ、そうじゃ、数正が裏切ったから、やむを得ん、奴のせいで儂らは戦えなくなった、責めるなら数正である、数正のせいじゃ、殿は悪くない、全て数正じゃ、裏切り者め、数正の薄情者、数正のたわけ、数正のあほたわけ、と皆は泣きながらをここにはいない数正に向けて叫んだのでした。

大阪で、数正は妻の鍋(木村多江さん)と穏やかに過ごしていました。

鍋は、自分はこのようにのんびりできて嬉しいけれど、数正は、このような処遇になるとわかっていながら…。「誠に、殿がお好きでございますな」と笑います。

数正は、鍋に指を突き出すと「しっ、あほたわけ」と言い、笑い合います。

満足そうな笑みを浮かべた数正でした。

家康は旭のもとに行きました。

涙を隠しながら、明るく振舞う旭に、もう無理におどけなくてもいい、辛い気持ちを押し隠し、両家の間を取り持とうと、懸命に明るく振舞っていたのに、年老いた母までここまで来させることになり、申し訳ない、と謝罪しました。

「儂は上洛する、そなたのおかげで我が家中は少しだけ明るくなった、礼を言うぞ、そなたは儂の大事な妻じゃ」と言ったのでした。

その言葉を聞いた旭は、泣き崩れました。

家康はその肩に触れ、優しく宥めたのでした。

天正14年10月、家康は瀬名の残した兎を丁寧に箱に詰め、しまいました。

「関白秀吉が天下を預けるに相応しい人物か否か、この目で確かめてくる、そして、関白を操り、この世を浄土にする、それがこれからの儂の夢だ、手伝ってくれ」と家康は於愛に言うのでした。

秀吉は家康上洛の文を読むと、満足そうに笑みを浮かべたのでした。

次回、第35回「欲望の怪物」

秀吉(ムロツヨシ)は母・仲(高畑淳子)を、家康(松本潤)の上洛と引き換えに人質として岡崎へ送る。秀吉は家康を歓待する中、妻の寧々(和久井映見)や弟の秀長(佐藤隆太)を紹介し、諸大名の前で一芝居打ってくれと頼み込む。大阪を立つ前夜、秀吉から北条・真田の手綱を握る役目を任された家康は、1人の男と出会い興味を持つ。それは豊臣一の切れ者と名高い石田三成(中村七之助)だった。

NHK大河ドラマ「どうする家康」公式サイト

とうとう家康が上洛の意思を固めました。

秀吉は家康が大阪に入る前夜、家康のもとを訪れ、一芝居打って欲しいとお願いします。

数正の思いを受け止め、上洛を決めた家康。

はたして秀吉は家康の思いを託すに値する人物なのでしょうか。

次回、第35回「欲望の怪物」、家康の見極め、必見ですね。

最後に

松重豊さん演じる石川数正の真意が明かされましたね。

数正はたった1人、裏切り者と誹りを受けながら徳川を守るための選択をしたのですね。

不器用ではありますが、なんとカッコいい人なのでしょう。

松重豊さん演じる石川数正は、初回からとても存在感に溢れていました。

無骨で、真面目、冷静で、いつも動揺する家康を導いていました。

といっても、初期のころは、どうする、どうする、と家康を追い詰めていたようにも思うのですが、それでも家康の決断を促し、その決定に粛々と従っていました。

回を重ねるごとに家康は狼狽えることなく、自分で決断するようになっていくのですが、数正はきちんと自分の意見をぶつけ、常に家康を導いていたように感じます。

真面目過ぎる数正ですから、お祭り騒ぎが大好きな家臣団からは一歩引いているような感じがしていましたが、若い家臣たちも数正のことをきちんと敬っていたのですよね。

若手3人がしみじみと寂しそうに「敬っておりました」と言うシーンは、胸が締め付けられました。

最後に、家臣団皆で数正を罵りながら泣くシーンは涙が込み上げてきました。

最高のシーンでした。

涙が込み上げてくる、というと、山田真歩さん演じる旭姫の健気さにも込み上げてきました。

長年連れ添った旦那と離婚させられ、たった1人敵陣に行かされた旭。

老いた母を守るため、旭は徳川で道化を演じていました。

無理に明るく振舞い、於大や於愛を楽しませていました。

正室として扱われなくても文句も言わず、自分の気持ちを押し殺していました。

そんな旭の姿は切なかったですね。

旭が無理をしていることを的確に見抜いた於愛と於大も素晴らしいと思いました。

広瀬アリスさん演じる於愛は、どんどん素晴らしい妻になっていきますね。

天真爛漫で、家康を癒す人材でしたが、最近の於愛は、家康にも意見をし、間違いを正しています。

難しいことはわからない、と言いながら、数正が残した仏像や押し花のことを考え、数正の思いを正確に読み取り、瀬名の思いは家康だけがやらなければいけないことではない、と諭してくれました。

正室・旭を立て、元正室・瀬名の思いを引き継いだ於愛のこれからが楽しみですね。

さて、次回第35回「欲望の怪物」では、家康が上洛し秀吉と対面することになります。

秀吉は家康が思いを託せる人物なのでしょうか。

切れ者・真田との溝は深まったまま、家康はどうやってその溝を埋めるのでしょうか。

これから家康と対峙する石田三成も登場します。

次回、第35回「欲望の怪物」、欲望の怪物である秀吉は家康のお眼鏡に適うのでしょうか。

見逃せませんね。

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